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長谷川 雄太; 井戸村 泰宏; 小野寺 直幸
EPJ Web of Conferences, 302, p.03005_1 - 03005_9, 2024/10
乱流計算を対象とした格子ボルツマン法に、局所アンサンブル変換カルマンフィルタ(LETKF)に基づくアンサンブルデータ同化を実装した。LETKFおよびLBMは全てGPUで実装されており、最新のGPUスパコンで効率的に計算可能である。データ同化の精度検証として3次元単一角柱周りの流れの実験を行った。実験より、本手法は空間および時間的に粗い観測データを用いた場合でも精度の良いデータ同化を行うことができると示された。すなわち、時間間隔をカルマン渦周期の2分の1、空間解像度を角柱直径の16分の1(計算格子点数の1.56%)として速度場を観測した時、観測ノイズよりも小さいデータ同化誤差を達成した。
青木 健; 長谷川 武史; 倉林 薫; 野本 恭信; 清水 厚志; 佐藤 博之; 坂場 成昭
Proceedings of 11th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2024), 6 Pages, 2024/10
原子力機構はHTTR(高温工学試験研究炉)及び水素製造施設を接続するHTTR-熱利用試験を計画している。本研究は、HTTR-熱利用試験施設の安全設計及び安全解析の成果を報告する。安全設計では、期待する安全機能に基づき構築物・系統及び機器の安全重要度分類を定めた。予備安全解析では、RELAP5コードを用いた熱流動解析を行った。予備安全解析は、蒸気発生器の伝熱管破損を除くHTTR-熱利用試験で新たに想定される事象が既設のHTTRの許認可ベース事象に包絡されること、並びに、新たな許認可ベース事象の候補は安全解析の判断基準を満足することを明らかにした。
沖田 英史; 田村 文彦; 山本 昌亘; 宮越 亮輔*; 野村 昌弘; 島田 太平; 吉井 正人*; 大森 千広*; 清矢 紀世美*; 原 圭吾*; et al.
Proceedings of 21st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.765 - 769, 2024/10
J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)の高周波加速システムは、金属磁性体コアを装填した加速空胴と真空管増幅器を含む高周波電源で構成される。1MW級の大強度陽子ビームを加速するRCSでは、ビームが高周波加速システムに与える負荷(ビームローディング)により高周波電源に大きな負荷がかかる。安定した大強度ビーム運転や、更なるビーム強度増強に向けた検討には、ビームローディングを考慮した高周波電源の挙動評価が重要である。本研究では、回路シミュレータLTSPICEを用いて実際に使用している金属磁性体コアや真空管の特性を考慮可能な独自の回路シミュレーションモデルを構築した。構築した回路シミュレーションモデルはRCSの大強度運転時の高周波電源の挙動を評価するのに十分な性能を有していることを確認した。本発表では、構築した回路シミュレーションモデルの詳細と大強度運転時の高周波電源の挙動を計算し実測と比較した結果等について報告する。
田村 文彦; 杉山 泰之*; 沖田 英史; 山本 昌亘; 吉井 正人*; 大森 千広*; 清矢 紀世美*; 野村 昌弘; 島田 太平; 長谷川 豪志*; et al.
Proceedings of 21st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.774 - 776, 2024/10
大強度陽子加速器J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は金属磁性体(MA)空胴の特長を生かしビーム出力1MWでの陽子ビーム加速を行っている。ビームはキッカー電磁石により1周で取り出されるが、ビームの取り出し直後、空胴に短時間電圧の跳ね上がりが発生する。これは電圧制御フィードバックに遅延があり、1ターン取り出し時のステップ状のビーム電流の減少に対する応答には一定の時間がかかることが理由であり、広帯域(Q=2)MA空胴ではこの応答の遅れは電圧の跳ね上がりとして観測される。跳ね上がりは取り出し時の電圧が高い場合には空胴機器の損傷の原因となりうるものである。電圧制御フィードバックのゲインパターンを用いて取り出しと同時に出力を抑止すればこの跳ね上がりを抑制できるが、RCSのようなマルチハーモニック運転の場合、パターン設定が煩雑である。このため、低電力高周波(LLRF)制御システムの機能としてビーム取り出しに同期し出力を抑止する仕組みを用意した。機能の詳細、試験結果、活用方法について報告する。
野村 昌弘; 島田 太平; 田村 文彦; 沖田 英史; 宮越 亮輔*; 清矢 紀世美*; 吉井 正人*; 大森 千広*; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; et al.
Proceedings of 21st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.85 - 88, 2024/10
J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)では、Linacからの入射ビームに関する情報をビームモニタで得た強度分布の情報をマウンテンプロットと呼ばれる画像にすることにより、入射ビームの運動量や入射タイミングのオフセットが視覚的に分かる様にしている。最近話題となっている深層生成モデルの一つにCVAE(Conditional Variational Auto Encoder)がある。CVAEでは、なんらかの条件を与える事により、元の画像から与えられた条件に沿った画像が生成されることが示されている。今回このCVAEの特性を活かして、測定したマウンテンプロットの画像に新たなRCSへの入射の条件を与える事により、入射ビームの運動量分布や時間幅の情報も視覚的に分かる様にすることができた。このことは、今後の加速器の調整に有効であると考えられる。
足立 恭介; 田村 文彦; 野村 昌弘; 島田 太平; 宮越 亮輔*; 沖田 英史; 吉井 正人*; 大森 千広*; 清矢 紀世美*; 原 圭吾*; et al.
Proceedings of 21st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.543 - 546, 2024/10
欧州原子核研究機構(CERN)により開発が進められているシミュレーションコードBLonDは、ビーム進行方向(縦方向)の運動を正確に計算する能力と優れた拡張性を有している。先行研究により、J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)における縦方向のビーム挙動をよく再現するモデルを構築することができることが確かめられ、現在は安定したビーム運転のために活用されている。近年、J-PARCではビームのさらなる大強度化に向けた検討を進めている。大強度ビームにおいては、空間電荷効果といったビーム粒子間の相互作用を考慮したビーム挙動の評価が重要となるが、BLonDでは特に空間電荷効果を含めたシミュレーションに計算時間が長くかかることが課題となっていた。最新のBLonDではGPUバックエンドによるシミュレーションの高速化が可能となった。本発表では、RCSの縦方向シミュレーションを主な題材として、BLonD GPUバックエンドの評価を行った結果について報告する。
市川 裕大; 藤田 真奈美; 長谷川 勝一; 今井 憲一*; 七村 拓野; 成木 恵; 佐藤 進; 佐甲 博之; 田村 裕和; 谷田 聖; et al.
Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2024(9), p.091D01_1 - 091D01_13, 2024/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Multidisciplinary)We conducted a measurement of the inclusive missing-mass spectrum in the C reaction at an incident beam momentum of 1.8 GeV/. This measurement was carried out utilizing the Superconducting Kaon Spectrometer (SKS) and the K1.8 beamline spectrometer at the Hadron Experimental Hall in J-PARC. Remarkably, our experimental setup yielded an exceptionaly good energy resolution of 8.2 MeV (FWHM), enabling us to observe significant enhancements in the vicinity of the Be threshold region. In order to estimate the spectrum information, we employed several fitting parameters assumptions. The best agreement with the spectrum shape was obtained with combining quasi-free (QF) component and two-Gaussian functions, with the experimental resolution being held constant. The peak positions were obtained to be (stat.) (syst.) MeV and (stat.) (syst.) MeV. Another model assumption, utilizing quasi-free (QF) and one Breit-Wigner function with (stat.) (syst.) MeV and (stat.) (syst.) MeV, also yielded a similar value.
町田 昌彦; 山田 進; Kim, M.; 田中 伶詞*; 飛田 康弘*; 岩田 亜矢子*; 青木 勇斗; 青木 和久; 柳澤 憲一*; 山口 隆司; et al.
RIST News, (70), p.3 - 22, 2024/09
福島第一原子力発電所(1F)建屋内には、原子炉内から漏洩した放射性物質の汚染により高い放射線量を示す地点が多数存在し、廃炉作業を円滑に進める上での大きな障害となっている。日本原子力研究開発機構(JAEA)は、この課題解決に貢献するため、経済産業省の廃炉・汚染水対策事業費補助金「原子炉建屋内の環境改善のための技術開発(被ばく低減のための環境・線源分布のデジタル化技術の高機能化開発)」を受託し、令和(R)5年度4月より、廃炉屋内の放射線環境改善に係るデジタル技術の研究開発事業を進めている。本事業では、前期事業(R34年度実施)にて開発した3 D-ADRES-Indoor(プロトタイプ)を発展させ、現場で活用可能な高速デジタルツイン技術より成るFrontEnd、1F新事務本館等の居室で詳細解析を行うPro、そして、収集したデータ及び解析したデータを集中管理するデータベースの役割を果たすBackEndの3つの連携システムの開発を目標としている。本報告では、この3つの連携システムの中でも現場で活用するシステムとして、点群測定後、迅速に3Dメッシュモデルを作成し、線量率の計測結果から線源を逆推定し、その推定線源の位置や強度を更に高精度化する計算技術(再観測指示と再逆推定)を有するFrontEndを中心に、その開発状況について報告し、その検証結果として5号機での試験結果を示す。また、簡単に当該事業の今後の研究開発の計画も報告する。
荒井 陽一; 長谷川 健太; 渡部 創; 渡部 雅之; 箕輪 一希*; 松浦 治明*; 羽倉 尚人*; 勝木 健太*; 新井 剛*; 小西 康裕*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 333(7), p.3585 - 3593, 2024/07
被引用回数:1 パーセンタイル:35.82(Chemistry, Analytical)Radioactive aqueous and organic liquid wastes contaminated by U are generated by solvent extraction of nuclear fuel materials in experiments of reprocessing technologies. Although incineration and denitrification/conversion processes are promising for treating such liquid waste, the installation of large equipment is essential. To give appropriate treatment procedures for radioactive liquid waste generated in nuclear facilities, STRAD (Systematic Treatments of RAdioactive liquid wastes for Decommissioning) project was started by Japan Atomic Energy Agency (JAEA) with several organizations. We are focusing on baker's yeasts for their excellent metal ions adsorption characteristics, easy handling and low prices. In order to optimize adsorption performance and operation procedures as the liquid waste treatment technology, adsorption performance of U has to be precisely investigated. In this study, adsorption performance of U and anion from nitric acid solution was investigated by batch-wise adsorption experiments.
渡辺 力*; 石川 修平*; 川島 正行*; 下山 宏*; 小野寺 直幸; 長谷川 雄太; 稲垣 厚至*
Journal of Wind Engineering and Industrial Aerodynamics, 250, p.105783_1 - 105783_17, 2024/07
被引用回数:1 パーセンタイル:63.21(Engineering, Civil)ラグランジュ粒子分散モデルとラージ・エディ・シミュレーション(LES)コードを組み合わせた漂流雪のシミュレーションを実施した。このモデルは、質量輸送率の流速依存性や粒径分布の変動といった観測された特徴を正確に再現した。また、従来の推定に反して、跳躍層の高さは流速とともに単調に増加することを示した。さらに、推定された跳躍層の高さ付近で跳躍から浮遊への移行が確認され、密な雪の流れが表面近傍流の小規模な低速ストリークと関連していることがわかった。
根本 隆弘; 藤原 佑輔; 荒川 了紀; 長山 侑矢; 長住 達; 長谷川 俊成; 横山 佳祐; 渡部 雅; 大西 貴士; 川本 大樹; et al.
JAEA-Technology 2024-003, 17 Pages, 2024/06
RS-14サイクルに発生した1次ヘリウム循環機フィルタの差圧上昇の原因を調査するため、フィルタ付着物を調査した。調査の結果、フィルタエレメント表面にシリコンオイルに起因する付着物を確認した。この結果から、フィルタ差圧上昇の原因は、1次ヘリウム純化設備ガス循環機のチャコールフィルタの性能劣化により、1次系内にシリコンオイルが混入したためであることが明らかとなった。また、この再発防止対策として、従来の1次ヘリウム純化設備ガス循環機の運転時間による管理に加え、チャコールフィルタの交換頻度を3年毎とする定期交換計画を新たに策定した。
長谷川 雄太; 井戸村 泰宏; 小野寺 直幸
計算工学講演会論文集(CD-ROM), 29, 4 Pages, 2024/06
局所アンサンブル変換カルマンフィルタおよび細分化格子ボルツマン法(LBM-LETKF)による乱流のアンサンブルデータ同化を実装した。検証として、3次元角柱周りの乱流に対するデータ同化の精度を調べた。観測間隔をカルマン渦列の周期の半分、観測点数を計算格子点の0.195%とした条件において、データ同化誤差は観測ノイズと同等以下に収まった。これにより、LBM-LETKFが空間的・時間的に疎な観測に対するデータ同化を可能にすることが示された。
長谷川 俊成; 長住 達; 根本 隆弘; 中嶋 國弘; 横山 佳祐; 藤原 佑輔; 荒川 了紀; 飯垣 和彦; 猪井 宏幸; 川本 大樹
Proceedings of 2024 International Congress on Advanced in Nuclear Power Plants (ICAPP 2024) (Internet), 10 Pages, 2024/06
2021年のHTTR(高温工学試験研究炉)の運転中に発生した1次ヘリウム循環機フィルタ差圧上昇の原因を調べるために、フィルタエレメントとその付着物に対してSEM観察とEDX解析を実施した。フィルタエレメント表面に対するSEM観察の結果、ろ過孔よりも小さい塊状の付着物及び繊維状の付着物並びにろ過孔よりも大きい棒状付着物を確認した。付着物に対するEDX解析の結果、塊状の付着物及び繊維状付着物に1次ヘリウム純化設備ガス循環機内のシリコンオイルを含むことを示唆し、棒状付着物は1次冷却設備の二重管に使用される断熱材であることを示した。1次ヘリウム純化設備ガス循環機内のシリコンオイルは同機器に用いられている活性炭フィルタから漏れ出たものと考えられる。その後、気化し炉心を通過後、1次ヘリウム循環機のフィルタエレメントにトラップされたものと考えられる。シリコンオイルを含む付着物はフィルタエレメント全体に存在していたことから、ろ過孔が小さくなり流路抵抗が増加することで当該フィルタの差圧が上昇した可能性がある。断熱材は主にフィルタエレメントの下部に現れておりフィルタの目詰まりとは無関係であった。したがって、シリコンオイルが当該フィルタの差圧上昇に寄与した可能性があり、過去のフィルタ差圧上昇の原因であった黒鉛粉末は今回の事象とは無関係であった。
渡部 創; 高畠 容子; 長谷川 健太; 後藤 一郎*; 宮崎 康典; 渡部 雅之; 佐野 雄一; 竹内 正行
Mechanical Engineering Journal (Internet), 11(2), p.23-00461_1 - 23-00461_10, 2024/04
Japan Atomic Energy Agency is developing extraction chromatography technology to recover MA(III) from spent nuclear fuel. Developments in the extraction chromatography system especially focusing on safety and stable operation are required for practical application of the technology. This paper discusses the main tasks that have to be challenged preferentially based on achievements obtained by previous studies and potential MA(III) recovery process flow.
長谷川 健太; 後藤 一郎*; 宮崎 康典; 安倍 弘; 渡部 創; 渡部 雅之; 佐野 雄一; 竹内 正行
Mechanical Engineering Journal (Internet), 11(2), p.23-00407_1 - 23-00407_8, 2024/04
JAEA has been working on development of extraction chromatography technology for recovery of trivalent minor actinides (MA(III)) from high-level radioactive waste generated in reprocessing of spent fuel. The technology utilizes porous silica particles with about 50 micrometre diameter for support of adsorbents. Pressure drop of the packed column depends on characteristics of the particle. Large pressure drop of the column is not favorable for safety assessment of the technology although a certain level of the pressure drop is indispensable for excellent separation performance. In this study, we applied a granulation technique using a spray dryer that is widely used in industry, and conducted experiments to find the optimal specifications for silica support particles and conditions for the granulation operation. A basic characterization of the adsorbent prepared from the produced particles was carried out by an adsorption test of simulated high level liquid waste.
山田 進; 吉田 亨*; 長谷川 幸弘*; 町田 昌彦
Proceedings of Waste Management Symposia 2024 (WM2024) (Internet), 15 Pages, 2024/03
原子炉建屋の廃炉を安全に行うためには、放射線源分布の位置を特定することが非常に重要になる。これまでにも、同じ形状のセルで表現されているモデルに対して、LASSOを用いることで観測した空間線量から線源分布を推定できることが報告されている。さらに、セルが同じ形状でない場合でも、隣接セル間の濃度差を考慮した評価関数をfused LASSOを用いて最小化することで分布の推定ができる。しかし、モデルの構造データの精度の関係で、あるセル群が周囲のセル群と接していないとみなされている場合、そのようなセル群において推定される線源濃度が非常に高くなることかある。この問題を避けるため、新しい評価関数を提案し、テスト問題でその有効性を確認した。さらに、この提案した評価関数を用いることで、原子力機構のJMTRのプールカナル循環系機器室の線源分布をこれまでよりも正確に推定することに成功した。
沖田 英史; 田村 文彦; 山本 昌亘; 野村 昌弘; 島田 太平; Saha, P. K.; 吉井 正人*; 大森 千広*; 杉山 泰之*; 長谷川 豪志*; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 2687(7), p.072005_1 - 072005_7, 2024/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)縦方向位相空間トモグラフィは、ビーム進行方向(縦方向)の位相空間分布を得るための有効な測定ツールである。J-PARCシンクロトロン(3GeVシンクロトロン及びメインリング)の大強度運転時の位相空間分布の測定には、空間電荷効果や集束力の非線形性等のビーム物理を考慮したトモグラフィが必要であった。本研究では、ビーム物理を考慮可能なハイブリッドアルゴリズムを採用したCERN's TomographyのJ-PARCシンクロトロンへの導入とベンチマークを実施した。ベンチマークの結果、J-PARCシンクロトロンの大強度運転条件における位相空間分布を高精度に測定可能であることを確認した。
永井 崇之; 長谷川 毅彦*
JAEA-Research 2023-008, 41 Pages, 2023/12
ガラス固化技術開発施設(TVF)では、高レベル放射性廃液の保管に伴うリスクを低減するため、高レベル放射性廃液をガラス固化する作業を進めている。また、TVFにおけるガラス固化を着実に進めるため、ガラス固化技術課は、ガラス溶融炉の構造を改良した新たな3号溶融炉を製作し、この溶融炉の性能を確認する作業を実施している。今回、TVF3号溶融炉の製作における作動確認のドレンアウト試験で流下した模擬ガラス固化体からサンプルを採取し、固化体表層と破断面の性状を評価した。ラマン分光測定、放射光XAFS測定、LA法ICP-AES分析により実規模スケールで製造した固化体の表層と破断面を測定した結果、表層と破断面の性状に若干の差があることを確認した。この固化体サンプルは、白金族元素を含まない模擬廃棄物ガラス組成であるため、実ガラス固化体のガラス構造と異なると予想されるが、実規模スケールの通電加熱・流下方式で製造したサンプルを評価できる貴重な機会となった。また、今回のTVF3号溶融炉の作動確認に供したカレット及び同じ化学組成で別の製造ロットのカレットを対象に、これらカレットの性状を測定分析した結果、化学組成が同等であってもカレット製造履歴が異なるとガラス構造に差が生じることを確認した。さらに、これらガラス構造が異なるカレットを溶融した凝固サンプルを分析した結果、カレットで確認したガラス構造の差が溶融した凝固サンプルに残留することを確認した。
楠本 利行*; 猿田 晃一; 直江 崇; 勅使河原 誠; 二川 正敏; 長谷川 和男*; 坪井 昭彦
実験力学, 23(4), p.310 - 315, 2023/12
原子力施設の廃止措置や放射性廃棄物の減容化に、切断技術としてレーザー溶断を適用する場合、レーザーによる加熱で溶融した物質が、溶滴となって飛散するスパッタが発生するために、放射能汚染を生じる恐れがある。本研究では、レーザー溶断時のスパッタ飛散量の低減を目的に、レーザーパワー,ビーム径,照射時間からなるレーザー制御条件と高速度カメラで可視化したSS316L試験片のスパッタ飛散過程を3つの特徴的な挙動を示す時間領域:(I)金属蒸気の発生、(II)溶融金属の液膜的挙動と粒状化、(III)溶融金属の液柱化と断続的噴出に分類し評価した結果に対して機械学習を適用し、レーザー制御条件とスパッタ飛散挙動を関連付ける予測モデルを作成した。予測モデルの精度は89%であり、このモデルで計算したスパッタ飛散量の予測結果をレーザーパワーとビーム径の2次元ヒートマップとして図示することで、100点程度の少ない学習データでも予測結果の効率的な評価が可能となり、スパッタ飛散量を低減するレーザー制御条件の選定ができることを示した。
長谷川 雄太; 小野寺 直幸; 朝比 祐一; 伊奈 拓也; 今村 俊幸*; 井戸村 泰宏
Fluid Dynamics Research, 55(6), p.065501_1 - 065501_25, 2023/11
被引用回数:1 パーセンタイル:21.11(Mechanics)格子ボルツマン法(LBM)に基づくラージエディーシミュレーション(LES)に対するデータ同化の適用性を調査した。2次元等方乱流の観測システムシミュレーション実験を行い、空間的に疎かつノイズを含む観測を用いてナッジング法及び局所アンサンブル変換カルマンフィルタによるデータ同化の精度を検証した。LETKFの利点として、ナッジングで必要となる空間補間及び巨視的量(流体密度及び流速)からLBMの速度分布関数への変換を必要としないことが挙げられる。計算条件として格子及び10%の流速観測ノイズを設定した実験では、64アンサンブルのLETKFはの観測点(計算格子点数に対して0.1%程度)でも観測ノイズよりも小さい誤差を示した。これは、ナッジングで同様の精度を示すのに1桁程度多くの観測点数を要する精度である。さらに、LETKFでは観測点数の不足はエネルギースペクトルの振幅には影響せず、スペクトルの位相誤差のみに影響することが確認された。以上の結果により、LETKFは、空間的に疎かつノイズを含む観測を用いた2次元のLBM計算のデータ同化に対してロバストかつ高精度であることが示された。