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中里 晟也*; 岩佐 和晃*; 橋本 大輔*; 塩澤 真未*; 桑原 慶太郎*; 中尾 裕則*; 佐賀山 基*; 石角 元志*; 大原 高志; 中尾 朗子*; et al.
JPS Conference Proceedings (Internet), 30, p.011128_1 - 011128_6, 2020/03
Successive phase transitions of Ir
Sn
(
: La and Ce) were studied using neutron and X-ray diffraction techniques. A semimetal Ce
Ir
Sn
undergoes three phase transitions: an antiferromagnetic ordering characterized by a propagation vector
= (1/2, 1/2, 2/5) below 0.6 K, a structural transformation with
= (1/4, 1/4, 1/4) at 2.0 K, and another structural transformation with
= (1/2, 1/2, 0) above room temperature. La
Ir
Sn
was confirmed to be a superconductor below 2.5 K under the
= (1/2, 1/2, 0) structure that also appears above room temperature.
山口 大輔; 湯浅 毅*; 曽根 卓男*; 冨永 哲雄*; 能田 洋平*; 小泉 智*; 橋本 竹治*
Macromolecules, 50(19), p.7739 - 7759, 2017/10
被引用回数:11 パーセンタイル:40.42(Polymer Science)スチレン-ブタジエンランダム共重合体におけるフィラー粒子の空間分布を解明した。中性子小角散乱実験の結果、本共重合体中におけるフィラーは5つの構造レベルからなる階層構造を形成していることが判明した。
横田 祥*; 中後 大輔*; 橋本 洋志*; 川端 邦明
Proceedings of 25th IEEE International Symposium on Robot and Human Interactive Communication, p.910 - 911, 2016/08
本論文の目的は、パーソナルモビリティのサドルタイプインタフェースの入力あそびに関する特性の実験的検証と制御スキームへの実装である。プロトタイプにより実験した結果について述べた。
石井 英一; 橋本 祐太; 稲垣 大介*
Proceedings of 10th Asian Regional Conference of International Association for Engineering Geology and the Environment (IAEG ARS 2015) (USB Flash Drive), 4 Pages, 2015/09
本報告は粘土優位なガウジを伴うプレグラウト済の断層帯から生じた坑道掘削中の湧水について述べる。幾つかの観察事実に基づくと、ガウジが坑道掘削中にロックボルトや吹付コンクリートとガウジ部の境界部からトンネル内に洗い流されたことが示唆される。その結果、ガウジ内に生じたパイピングもしくは侵食によってプレグラウト範囲外から坑道内への地下水の流れが促進された。ある壁面の一次吹付を行った後、吹付コンクリートを突き破ってガウジ部に新たに形成された水みちから顕著な湧水が発生した。粘土優位なガウジを伴う断層帯をプレグラウトする際は、ガウジ自身はその低空隙率ゆえにセメントされないので、坑道掘削中のガウジの洗い出しに十分注意する必要がある。
堀川 大樹*; 山口 理美*; 坂下 哲哉; 田中 大介*; 浜田 信行*; 行弘 文子*; 桑原 宏和*; 國枝 武和*; 渡邊 匡彦*; 中原 雄一*; et al.
Astrobiology, 12(4), p.283 - 289, 2012/04
被引用回数:23 パーセンタイル:70.21(Astronomy & Astrophysics)クマムシの乾燥休眠状態である卵の孵化率について、宇宙空間の特徴的な極限環境要因である放射線(Heイオン線),極低温,高真空に対する耐性を調べた。その結果、50%が孵化できない線量が約500Gy, -196度に曝されても70%以上が孵化し、610
Paの高真空においた後でも孵化することができることがわかった。以上の結果から、宇宙空間であってもクマムシの耐性能力により、乾眠状態であるならば、存在できる可能性が示唆された。
山口 大輔; 宮元 展義*; 藤田 貴子*; 中戸 晃之*; 小泉 智; 太田 昇*; 八木 直人*; 橋本 竹治
Physical Review E, 85(1), p.011403_1 - 011403_15, 2012/01
被引用回数:21 パーセンタイル:76.41(Physics, Fluids & Plasmas)電荷を帯びた板状のニオブ酸化物のコロイド水溶液の相転移を中性子小角散乱及びX線小角散乱により詳細に調査した。その結果、(1)コロイド水溶液はコロイド粒子の体積分率を0.01に固定した場合、広いアスペクト比において等方相と液晶相に相分離すること。(2)アスペクト比を大きくすることにより、粒子間隔の秩序性が著しく高くなること。(3)液晶相において著しい濃度ゆらぎが観測されたこと。これは従来の分子からなる液晶では予期できないことだが、今回の対象である板状のコロイド粒子では起こり得ることである。というようなさまざまな新規性を明らかにした。
岩瀬 裕希; 小泉 智; 飯倉 寛; 松林 政仁; 山口 大輔; 前川 康成; 橋本 竹治
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 605(1-2), p.95 - 98, 2009/06
被引用回数:31 パーセンタイル:88.73(Instruments & Instrumentation)燃料電池の発電特性は燃料電池セル中の水の分布・挙動と直結する。燃料電池の水分布は電解質膜のイオンチャンネル内に存在するミクロスケールの水,ガス拡散相やセパレータの流路に滞留したマクロスケールの水といったように広い空間スケールにわたって存在し、総合的に発電特性を支配すると考えられている。今回、ミクロスケールからマクロスケールの水分布を広範囲な空間スケールについて横断的に観察するための計測手段として、中性子小角散乱と中性子ラジオグラフィを結合させた計測システムを開発した。本計測法により、実作動状態下の燃料電池単セル内のミクロからマクロスケールの水分布状態を観察することを世界に先駆けて成功した。
Franois, C.*; 山口 大輔; 橋本 竹治
Macromolecules, 41(13), p.4828 - 4837, 2008/07
被引用回数:25 パーセンタイル:61.07(Polymer Science)二種類のブロック共重合体を混合した系のさまざまなモルフォロジー間において起こる温度可逆な秩序-秩序転移を小角X線散乱により調べた。この系において観察された複雑なモルフォロジー挙動は以下に記すような、二種類のブロック共重合体の混合物の鍵となる2つの特徴をもとに理解される。それらの特徴とは(1)共界面活性効果,(2)斥力相互作用力の低下に伴って鎖長の短い方のブロック共重合体の化学結合点が界面から離れる可能性、である。この一連の研究を通してのまとめとして、(a)混合物の中のポリスチレンブロックの体積分率,(b)混合に用いた長い鎖長と短い鎖長を有するブロック共重合体の重合度比,(c)温度の変数空間における3次元の相図を構築した。このような相図は共界面活性効果が自己組織されたナノ構造体のモルフォロジーの仕立てに関して、前途を拓くものであることを示している。
山口 大輔; 眞山 博幸*; 小泉 智; 辻井 薫*; 橋本 竹治
European Physical Journal B, 63(2), p.153 - 163, 2008/05
アルキルケテンダイマーをテンプレートに用い、作成したシリカ多孔体のナノメートルから10マイクロメートルのおよそ4桁に渡る広範なスケールの構造を中性子超小角散乱法により解析し、新規かつ興味深い結果を得たので国際会議において発表する。アルキルケテンダイマーはワックスの1種であり、超撥水性を有するフラクタル表面を形成する物質として非常に注目されている。この性質を利用し、3次元的なフラクタル構造を有するアルキルケテンダイマーの微粒子を集積した構造を最終生成物であるシリカ多孔体の孔の形状に転写させたものを試料として作製した。試料から得られた散乱プロファイルは明確なべき乗散乱を示し、フラクタル構造体であることが示唆された。また、アルキルケテンダイマーの微粒子を集積させる際の微粒子の充填率を変えることにより、構造のフラクタル指数を制御することが可能なことが見いだされた。また本研究で見いだされたフラクタル構造は、従来盛んに研究されていたシリカエアロジェルとは異なるべき乗散乱を示しており、同じフラクタル構造を有するシリカ多孔体でもその詳細は異なっていることが示唆された。
山口 大輔; 眞山 博幸*; 小泉 智; 辻井 薫*; 橋本 竹治
European Physical Journal B, 63(2), p.153 - 163, 2008/05
被引用回数:12 パーセンタイル:49.02(Physics, Condensed Matter)自己組織化されたシリカ多孔体のユニークな構造を小角中性子散乱,超小角中性子散乱,小角X線散乱を組合せた方法により構造解析を行った。測定に用いた試料はアルキルケテンダイマー(AKD)のテンプレートの存在下でゾル-ゲル法を用い、焼成により作製した。その結果10nmから10mの長さスケールに渡ってマスフラクタル構造を有するシリカ多孔体を得た。さらにこの試料は階層構造を有しており10nm以下のサイズのシリカの基本粒子を含むことを解明した。このような複雑な構造を同定するために広範囲の長さスケールに渡る観測は不可欠であり、本研究結果により小角散乱を組合せた方法による観測はこの目的に適うことが示された。
小泉 智; Zhao, Y.; 富田 陽子*; 近藤 哲男*; 岩瀬 裕希; 山口 大輔; 橋本 竹治
European Physical Journal E, 26(1-2), p.137 - 142, 2008/05
被引用回数:52 パーセンタイル:85.57(Chemistry, Physical)セルロースは一般には水に不溶であるが微生物(酢酸菌)が生成するバクテリアセルロースゲルは総体積の99%もの水を含むことができる。これは驚異の含水率における超分子系と位置付けることができる。そのからくりを解き明かすべく中性子超小角散乱法によってセルロース組織中のアモルファス領域と水の分布を解析すると、水は数ナノメータサイズのミクロフィブリル(微結晶)の周辺から階層的に閉じ込められていることが明らかとなった。この階層構造は微生物の生態(特に細胞運動)と深く関連があり微生物の培養条件との関連を論じる。また構造階層性と含水率の関係を散乱法で求められたフラクタル次元をもとに解析した。
古賀 忠典*; 橋本 竹治; 竹中 幹人*; 相澤 一也; 網野 直也*; 中村 昌生*; 山口 大輔; 小泉 智
Macromolecules, 41(2), p.453 - 464, 2008/01
被引用回数:108 パーセンタイル:94.92(Polymer Science)中性子・X線を用いた超小角・小角複合散乱法により、カーボンブラック(CB)がポリイソプレン(PI)及びポリスチレン-ブタジエンランダム共重合体(SBR)のマトリックス中に高度に充填された系(CB/PI, CB/SBR系と記述)について調べた。その結果、以下の3点を明らかにした。(1)PI, SBR中でのCBの最小の構造単位となっているものは、高分子鎖で束縛された、複数の分割不可能なCBユニットの集合体である。(2)分割不可能なCBユニットの大きさ,形状はマトリックスを形成している高分子の種類に依存する。(3)分割不可能なCBユニットの大きさはCB/PI系の方がCB/SBR系に比べて大きいものの、その質量フラクタルの次元に関しては、両系において差が見られない。
橋本 大輔*; 小松 恵一*; 江口 健二*; 森薗 孝次
FAPIG, (175), p.23 - 28, 2007/07
高速増殖原型炉もんじゅ(以下、もんじゅという)では、その性能試験等において得られる貴重な実機プラントのプロセス計測データを収集・蓄積し、有効に利用することを目的として、プラントデータ収録システム(Monju Integrated Data Acquisition System、以下、MIDASという)を設置している。もんじゅは現在、1995年に発生したナトリウム漏えい事故のため運転を停止中であるが、本年5月にはナトリウム漏えい対策に関する改造工事の本体工事が完了し、その機能試験が本格化するなど運転再開の機運が高まっている。そのような中、MIDASについてもこのほど性能試験の再開を前に更新することとなった。本稿は、今回更新したMIDASについて、紹介するものである。
山口 大輔; 宮元 展義; 小泉 智; 中戸 晃之*; 橋本 竹治
Journal of Applied Crystallography, 40(s1), p.s101 - s105, 2007/04
被引用回数:21 パーセンタイル:85.89(Chemistry, Multidisciplinary)中性子,X線を使った超小角散乱,小角散乱法を相補的に活用し1nmから10mの5桁に渡る空間スケールを横断的に観察することで、層状ニオブ酸化物結晶K
Nb
O
を水中で剥離して得られるナノシート(厚み1.6nm)が形成する液晶構造、及びその構造階層性を解明した。本研究ではナノシートサイズを数100nmから数
mに制御し、シートサイズが液晶の階層構造に及ぼす影響について以下の点を明らかにした。シートサイズより小さな100nm
数nmの小角散乱の空間スケールでは、ナノシートが形成するラメラ状積層構造が観察された。ここではシート間距離、また積層構造の秩序性はシートサイズに大きく依存することが明らかとなった。一方、数100nm
10
mの超小角散乱の空間スケールではナノシートと溶媒である水との間の濃度揺らぎに起因するフラクタル構造の存在を確認した。またこのフラクタル構造はシートサイズに依存しないことが明らかとなった。これらの液晶構造の階層性は、従来の光学顕微鏡などの巨視的観察では得ることのできない知見であり本国際会議で口頭発表する。
山口 大輔; 小泉 智; 元川 竜平; 熊田 高之; 相澤 一也; 橋本 竹治
Physica B; Condensed Matter, 385-386(2), p.1190 - 1193, 2006/11
被引用回数:15 パーセンタイル:56.87(Physics, Condensed Matter)新規なタンデム検出システムを日本原子力研究開発機構付属の二結晶型中性子超小角散乱(USANS)装置に導入した。通常のUSANSのセットアップでは、ステップスキャンという、一時に1つのqでのみ散乱波を検出する測定方式を採用しているため、全q範囲(210
nm
q
7
10
nm
、ただしqは散乱ベクトルの大きさ)の散乱強度プロファイルの測定には膨大な時間を要していた。この問題点を克服するために、2つのアナライザー結晶を直列に配置し、それぞれの結晶に異なるqの散乱波を検出させるようにした。その結果、2つの異なるqを同時に測定することが可能となり、測定時間を半分に短縮することに成功した。
小泉 智; 岩瀬 裕希; 鈴木 淳市; 奥 隆之; 元川 竜平; 笹尾 一*; 田中 宏和; 山口 大輔; 清水 裕彦; 橋本 竹治
Physica B; Condensed Matter, 385-386(2), p.1000 - 1006, 2006/11
被引用回数:39 パーセンタイル:81.17(Physics, Condensed Matter)既存のピンホール型中性子小角散乱装置(SANS-J)に集光レンズと偏極素子を導入することで集光型偏極中性子小角散乱装置(SANS-J-II)へと高度化することに成功した。その結果、これまで観測が不可能であった数マイクロメートル(波数で0.0001 reciprocal angstromに相当)まで観測領域を拡大することに成功したのでこの成果を発表する。
清田 幸子*; 上原 知也*; 石井 大輔*; 秋澤 宏行*; 橋本 和幸; 荒野 泰*
no journal, ,
Reは、
線を放出することからがん治療に有用と考えられている核種であり、一方、
Tcは、
線を放出することから画像診断に使用されている核種である。本研究では、骨を標的とした
Re,
Tc標識化合物の開発を目的に、L, L-1, 2-Ethylene dicysteine(EC)1分子にペンタアスパラギン酸(Asp)
が1分子及び2分子結合したEC-(D-Asp)
及びEC-[(D-Asp)
]
,EC1分子に1分子の(D-Asp)
が結合したEC-(D-Asp)
を設計・合成し、
Tc及び
Re標識体の安定性,体内動態を比較した。その結果、すべての
Tc標識体は血漿中で安定で、血漿タンパク質との結合も示さなかった。マウスに投与したところ、
Tc- EC-[(D-Asp)
]
が最も速やかな血液からの消失を示した。
Tc-EC-[(D-Asp)
]
と
Tc-EC-(D-Asp)
の骨への集積は同程度であったが、
Tc-EC-(D-Asp)
は骨への集積低減と経時的な消失を示した。
Re標識体も同様の結果を与えた。以上の結果は、新たな骨機能の画像診断並びに癌性骨転移の疼痛緩和薬剤の開発に対する本薬剤設計の有用性を示したものである。
宮元 展義; 山口 大輔; 中戸 晃之*; 小泉 智; 橋本 竹治
no journal, ,
本研究では超小角及び小角中性子散乱(USANS及びSANS)及び超小角X線散乱(USAXS)によりナノシート液晶の観察を行い、ナノシートの平均サイズL及び濃度の関数として液晶構造が変化する様子を明らかにした。K
Nb
O
単結晶をプロピルアンモニウムと反応後、水で繰り返し洗浄することでナノシートゾルを得た。このゾルを10-180分間超音波処理し、適当に希釈することで、L及び
の異なる一連の試料を得た。散乱曲線のq
0.1nm
の領域では、液晶のラメラ構造に起因するピークが確認された。面間隔はLには依存せず約40nmであったが、
の減少とともに増加した。一方0.01nm
q
0.1nm
の領域では、ナノシート一枚の形状を反映するため、散乱はLによって大きく異なった。q
0.01nm
の領域ではLに対する依存性は見られなくなり、q
のベキで立ち上がる散乱が観察された。これは、Lに依存しないフラクタル的な液晶ドメイン構造の存在を示している。
山口 大輔; 宮元 展義; 小泉 智; 中戸 晃之*; 橋本 竹治
no journal, ,
層状ニオブ酸化物結晶KNb
O
を水中に剥離して分散させた状態(このとき剥離した1枚1枚の結晶をナノシートと呼ぶ)を中性子及びX線小角散乱により幅広い波数(q)空間にわたって観察した。K
Nb
O
ナノシートはシート1枚の厚み(約1.9nm)に対して、辺の長さ(以下平均粒径と記述する)が数100から数1000倍にも達し、その異方的な形状を反映して液晶性を示すことが知られている。このように極端に大きなアスペクト比(シートの平均粒径と厚みの比)は他の粘土鉱物のナノシート等には見られない特徴であり、本研究では、ナノシートのアスペクト比、及び濃度をパラメータとして水分散溶液の凝集構造を系統的に調べた。その結果、これまで液晶相と考えられていた濃度領域でも、溶媒である水はナノシートを均一には膨潤しておらず、水リッチな領域とナノシートリッチな領域が共存し、それらが不均一な構造を形成していることがわかった。この不均一な構造はフラクタル構造となっており、-2.5のべき指数を示した。ナノシートのアスペクト比は液晶を形成しているナノシートの近距離における秩序度には強い影響を及ぼすが、ナノシート液晶相と水リッチ相によって形成されるフラクタル構造にまではその影響が及んでいないことが明らかとなった。
山口 大輔; 宮元 展義; 小泉 智; 中戸 晃之*; 橋本 竹治
no journal, ,
中性子,X線を用いた超小角散乱,小角散乱法を相補的に活用し1nmから10mにわたる空間スケールを横断的に観察することで、層状ニオブ酸化物結晶K
Nb
O
を水中で剥離して得られるナノシート(厚み1.6nm)が形成する液晶構造、及びその構造階層性を解明した。小角散乱が示す散乱極大により、ナノシートがラメラ状積層構造を形成していることが確認された。また散乱極大の波数位置からナノシート粒子間に存在している水の量を求めた。その結果、ナノシートは溶媒である水により理想的に(均一に)膨潤されているのではなく、約3割の水はナノシートの膨潤に寄与していないことが明らかとなった。この膨潤に関与していない水はより大きな空間スケールで系を観察したときに見られた濃度揺らぎの起源となっているものと考えられる。事実、超小角散乱領域において観察されたフラクタル構造より評価された濃度揺らぎの起源となっている水の量は約3割であり、小角散乱の観測結果と見事に一致した。この結果により、ナノシートが水中で形成している階層構造に関してほぼ完全な理解が得られたものと思われる。