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橋本 俊輔*; 山口 聡*; 原田 雅史*; 中島 健次; 菊地 龍弥*; 大石 一城*
Journal of Colloid and Interface Science, 638, p.475 - 486, 2023/05
被引用回数:1 パーセンタイル:0(Chemistry, Physical)最近、粒子分率から計算される理論的に予測された値と比較して、ベース液体と分散された固体ナノ粒子で構成されるナノ流体の熱伝導率の異常な改善が報告されている。一般に、気体と液体の熱伝導率の値は、並進運動中の分子の平均自由行程によって支配される。ここでは、ナノ粒子の周りの液体分子の振動挙動がこれらの熱伝導率の増加に寄与している可能性を示す確かな証拠を提示する。
古田 琢哉; 古場 裕介*; 橋本 慎太郎; Chang, W.*; 米内 俊祐*; 松本 真之介*; 石川 諒尚*; 佐藤 達彦
Physics in Medicine & Biology, 67(14), p.145002_1 - 145002_15, 2022/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Engineering, Biomedical)炭素線治療は従来の放射線治療よりも腫瘍部への線量集中性に関する優位性を持つが、二次的ながんの発生原因となり得る正常組織への照射を完全に無くすことは困難である。そのため、発がんリスクを照射炭素ビームの核反応によって生成される二次粒子による線量まで含めて評価するには、計算シミュレーション解析が有効となる。本研究では、PHITSコードを中核とした炭素線治療の線量再構築システムを開発した。このシステムでは、治療計画を記録したDICOMデータから自動でPHITSの入力ファイルを作成し、PHITSシミュレーションの実行によって腫瘍および周辺正常組織での線量分布を計算する。PHITSの様々な機能を利用することで、粒子毎の線量寄与や二次粒子の発生場所の特定など、詳細な解析が実施可能である。開発したシステムの妥当性は、水中での線量分布の実験結果や人体等価ファントムへの治療計画との比較により確認した。今後、本システムは量子科学技術研究開発機構において、過去の治療データを用いたシミュレーション解析による遡及的研究に利用される予定である。
橋本 俊輔*; 中島 健次; 菊地 龍弥*; 蒲沢 和也*; 柴田 薫; 山田 武*
Journal of Molecular Liquids, 342, p.117580_1 - 117580_8, 2021/11
被引用回数:3 パーセンタイル:36.34(Chemistry, Physical)エチレングリコール水溶液中に二酸化ケイ素(SiO)ナノ粒子を分散したナノ流体の準弾性中性子散乱測定(QENS)およびパルス磁場勾配核磁気共鳴分析(PFGNMR)を行った。研究目的は、このナノ流体の熱伝導率が理論値を超えて増加するメカニズムを解明することだった。得られた実験結果は、SiO
ナノ粒子の周りの液体分子の運動が非常に制限されているため、SiO
ナノ粒子の添加により、エチレングリコール水溶液中の液体分子の自己拡散係数が低下していることを示す。そして温度一定の条件で、SiO
ナノ流体中で、液体分子の自己拡散係数が減少するにつれて、熱伝導率が増加した。
Chang, W.*; 古場 裕介*; 古田 琢哉; 米内 俊祐*; 橋本 慎太郎; 松本 真之介*; 佐藤 達彦
Journal of Radiation Research (Internet), 62(5), p.846 - 855, 2021/09
被引用回数:2 パーセンタイル:34.51(Biology)炭素線治療の治療計画をモンテカルロシミュレーションによって再評価するためのツール開発の一環として二つの重要な手法を考案した。一つは治療計画装置に含まれる校正済みのCT-水阻止能表を反映しつつ、患者CT画像から物質識別を行う手法である。もう一つの手法は、粒子およびエネルギー毎に生体物質と水との阻止能比を考慮し、水等価線量を導出することを目的としたものである。これらの手法の有効性を確認するため、生体物質および水で構成される均質および不均質ファントムに対し、SOBPサイズ8cmの炭素線を400MeV/uで照射するシミュレーションをPHITSで計算し、得られた線量深さ分布を従来の治療計画装置による結果と比較した。その結果、従来の治療計画装置で採用されている生体物質を全て水に置換する手法では、異なる物質において二次粒子の発生率が一次粒子の阻止能に単純に比例するため、二次粒子による線量寄与を評価する上で不適切であることが分かった。一方、各物質の二次粒子の発生率を適切に考慮した新しい手法は炭素線治療の再評価において、重要な役割を果たすことが期待できることが分かった。
古田 琢哉; 古場 裕介*; Chang, W.*; 橋本 慎太郎; 米内 俊祐*; 松本 真之介*; 佐藤 達彦
no journal, ,
重粒子線(重粒子線(炭素線)治療は従来の放射線治療よりも腫瘍部への線量集中性がよく、生物学的効果比が高いなどの優位性を持っている。一方、複合粒子である炭素をビームとして使用するため、核反応によって生成する二次粒子による発がんリスクの評価が要求される。この評価では、二次粒子の輸送を正確に模擬する必要があり、モンテカルロ輸送計算コードを利用したシミュレーションが有効である。そこで、PHITSを中核とした炭素線治療の線量評価システムを構築した。本システムでは、治療計画を記録したDICOMデータを読み込んで自動でPHITSの入力ファイルを作成し、PHITSシミュレーションの実行によって腫瘍および周辺正常組織での線量分布を計算する。PHITSの様々な機能を利用することで、粒子毎の線量寄与や二次粒子の発生場所の特定など、詳細な解析が実施可能である。今後、本システムは放射線医学総合研究所の実際の患者データに対するシミュレーション解析に利用される予定である。
Chang, W.*; 古場 裕介*; 古田 琢哉; 米内 俊祐*; 橋本 慎太郎; 松本 真之介*; 佐藤 達彦
no journal, ,
放射線治療の計画装置では、計算時間の短縮を図るため、全ての物質を水に置換して、密度のみを変化させた計算がしばしば行われる。一方、治療を模擬したモンテカルロシミュレーションでは、患者のCT画像データから元素組成と密度の分布を導出する必要がある。特に、炭素線治療の二次がんリスクの評価においては、入射炭素イオンと体内物質との核反応によって生じる二次粒子が重要となるため、物質の違いが本質的な問題となる。そこで、治療計画を適切に再現し、二次粒子の輸送を正確に記述するモンテカルロシミュレーションを実行する目的で、治療計画装置で採用された水置換と一貫するCT値から元素組成と物質密度を導出する手法を考案した。ここでは、生体組織の元素組成はICRP Publication 110を参照し、炭素線の生体組織内での阻止能を治療計画装置の水阻止能表に一致するようにCT値に対応する生体組織の密度を決定する。9種類の異なる生体組織に対して、治療計画装置による計算結果とPHITSを用いたモンテカルロシミュレーションの計算結果を比較したところ、全ての物質において1mm以内で炭素線の飛程が一致し、本手法の妥当性が確認できた。
石川 諒尚*; 古場 裕介*; 古田 琢哉; Chang, W.*; 橋本 慎太郎; 米内 俊祐*; 松本 真之介*; 佐藤 達彦
no journal, ,
炭素線治療におけるがんの治療効果や局所制御率に、腫瘍領域での線量平均線エネルギー付与値(LETd)が密接に関係するとの報告がある。しかし、量子科学技術研究開発機構QST病院の炭素線治療データには、計画時の物理線量および生物線量しか登録されておらず、LETdを直接調べることができない。簡易的な手法として、LETdと生物学的効果比との関係性を利用してLETdを導出する方法が提案されているが、炭素線の終端付近で関数の一価性が崩れる問題等が知られている。一方、我々は治療計画データに従い、炭素線治療の照射体系を再構築し、治療を再現したモンテカルロシミュレーションを実行する手法を確立した。シミュレーション時にLETdも直接計算することができる。そこで、モンテカルロ計算によるLETdと簡易手法で治療計画システムから導出されるLETdを比較することで、簡易手法の有効性について検証した。予想通り炭素線の終端付近で、簡易手法によるLETdが過少評価になるものの、影響が局所的であることから、簡易手法はLETdを臓器スケールで計算する目的では十分有効であることを確認した。