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倉田 正輝; 逢坂 正彦; Jacquemain, D.*; Barrachin, M.*; Haste, T.*
Advances in Nuclear Fuel Chemistry, p.555 - 625, 2020/00
福島第一原子力発電所(FDNPS)事故後、燃料化学の重要性が再認識された。運転員による最大限の事故防止・拡大防止の試みもあり、3つのユニットの事故進展の間に大きな違いがあることが福島第一原子力発電所の調査及び解析により明らかになった。燃料デブリの特性はこの事故進展の違いに大きく影響されると考えられ、TMI-2事故の解析と模擬実験に基づく典型的事故シナリオから予想されるものとは異なる。非典型的条件含め、シビアアクシデント(SA)に対する知見を適切に改良するため、燃料・炉心溶融崩落と核分裂生成物(FP)挙動の現象論の改良が必須であり、燃料化学の進展は最も根源的なアプローチとなる。本レビューはFDNPS事故後の最近のアップデートと残された課題に焦点を当てた。
倉田 正輝; Barrachin, M.*; Haste, T.*; Steinbrueck, M.*
Journal of Nuclear Materials, 500, p.119 - 140, 2018/03
被引用回数:29 パーセンタイル:66.35(Materials Science, Multidisciplinary)福島第一原子力発電所(1F)事故により、燃料破損現象の再評価の重要性が指摘された。本論文では、BWR燃料集合体レベルでのマクロな視点から、メゾスケールの要素反応に関する視点までの現象論にフォーカスして、燃料破損に関する知見のアップデートについて、レビューする。BC制御棒の酸化は、BWRの事故においては、原理的により多くの水素と熱の発生原因となる。BC制御棒を用いた各種の総合型試験では、1250Cあたりで(燃料の急速な破損温度よりはるかに低い温度で)、制御棒の早期破損と溶融、さらに下方への移動と酸化が開始されることを示している。これらの制御棒破損は、原理的に、炉心溶融の初期過程に大きく影響する。水蒸気枯渇条件(1F事故で発生した可能性が指摘されている)は、燃料破損進展の傾向に大きく影響し、従来想定されていた典型的な事故進展と異なる化学的な傾向に燃料を溶融させる可能性が高い。要素反応の現象論の詳細とそれらの現象の炉心溶融後期過程への影響についても議論する。