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小野田 忍; 蓮池 篤*; 鍋島 佳明*; 佐々木 肇*; 矢嶋 孝太郎*; 佐藤 真一郎; 大島 武
IEEE Transactions on Nuclear Science, 60(6), p.4446 - 4450, 2013/12
被引用回数:52 パーセンタイル:96.08(Engineering, Electrical & Electronic)窒化ガリウムの高電子移動度トランジスタ(GaN HEMT)は、宇宙用の高周波デバイス(固体素子増幅器: SSPA)としての応用が期待されているが、その照射効果については明らかになっていない。今回、単一重イオン(18MeV Ni)入射による過渡電流を観測し、その電荷収集量について調べた。その結果、オフ状態(ゲートバイアス-10V)においてはバイポーラ効果に起因する過剰電荷収集が観測され、ピンチオフ状態(同-2.5V)及びオン状態(同-10V)においては、バイポーラ効果に加えてバックチャンネル効果に起因する過剰電荷収集が数ナノ秒という長時間にわたって観測されることが判明した。このような過剰電荷収集と放射線損傷との関係を調べた結果、放射線損傷による電気特性の劣化が過剰電荷収集を抑える働きがあることが明らかとなった。
小野田 忍; 蓮池 篤*; 鍋島 佳明*; 佐々木 肇*; 矢嶋 孝太郎*; 佐藤 真一郎; 大島 武
no journal, ,
AlGaN/GaN HEMT(高電子移動度トランジスタ)は放射線耐性が高いと言われており、宇宙空間等の放射線環境下でも動作する耐環境性高出力高周波デバイスとしての応用が検討されている。本研究では、単一の重イオンをHEMTに照射した時の過渡電流の発生メカニズムを調べた。HEMTをオフ状態、ピンチオフ状態、オン状態としてゲート電極上に単一のイオンを照射した。すべての条件で、ゲート電極からは正の過渡電流が検出された。これは、ゲート下の空乏層内で生成された電荷がゲート電極に収集されたためと考えられる。電荷中性を保つため、ドレインには逆極性の負の過渡電流が検出された。ピンチオフおよびオン状態においては、オフ状態に比べ数千倍もの大きな過渡電流が検出された。この理由は、寄生バイポーラ効果とバックチャンネル効果と呼ばれる電荷増幅効果が同時に発生したものと考えられる。
佐藤 真一郎; 小野田 忍; 蓮池 篤*; 鍋島 佳明*; 佐々木 肇*; 矢嶋 孝太郎*; 大島 武
no journal, ,
窒化ガリウムの高電子移動度トランジスタ(GaN HEMT)は、宇宙用の高周波デバイス(固体素子増幅器: SSPA)としての応用が期待されているが、その照射効果については明らかになっていない。今回、単一重イオン(18MeV Ni)入射による過渡電流を観測し、その電荷収集量について調べた。その結果、オフ状態(ゲートバイアス-10V)においてはバイポーラ効果に起因する過剰電荷収集が観測され、ピンチオフ状態(同-2.5V)及びオン状態(同-10V)においては、バイポーラ効果に加えてバックチャンネル効果に起因する過剰電荷収集が数ナノ秒という長時間にわたって観測されることが判明した。
小野田 忍; 大島 武; 蓮池 篤*; 鍋島 佳明*; 佐々木 肇*; 矢嶋 孝太郎*
no journal, ,
窒化ガリウム(Gallium Nitride: GaN)高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor: HEMT)は高い放射線耐性を有すると考えられており、宇宙や原子力施設などの放射線環境下での使用が期待されている。本研究では、単一の高エネルギー重イオンがHEMTへ入射したときに発生する異常な電荷収集機構の電圧依存性を調べた。単一イオン照射の結果、HEMTがピンチオフ状態(ゲート電圧が-2.5V)において最も電荷収集量が多いことが明らかとなった。ゲートをピンチオフ状態に保持し、ドレイン電圧を上昇させた結果、電圧が高くなるに従い電荷収集量が大きくなることも分かった。得られた電圧依存性から、寄生バイポーラ効果とバックチャネル効果と呼ばれる電荷増幅機構が働くことによって、これらの現象が起ったと考えられる。