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本田 充紀; 金田 結依; 村口 正和*; 早川 虹雪*; 小田 将人*; 飯野 千秋*; 石井 宏幸*; 後藤 琢也*
AIP Advances (Internet), 14(5), p.055034_1 - 055034_6, 2024/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nanoscience & Nanotechnology)本研究は、希少かつ有毒な物質から得られる従来の熱電材料に代わるものとして、福島風化黒雲母(WB)を利用することを検討したものである。WBは粉砕、分級、溶融塩処理による熱処理を経て650Cから850Cの範囲で半導体に類似した導電性を示す結晶を生成した。WBと得られた結晶の電気伝導度とゼーベック係数を評価した結果、高温熱電応用への可能性が示された。その結果、WBは無次元特性値(ZT)0.015を達成し、650Cを超える熱電材料としての可能性を示した。
山本 智彦; 加藤 篤志; 早川 雅人; 下山 一仁; 荒 邦章; 畠山 望*; 山内 和*; 江田 優平*; 由井 正弘*
Nuclear Engineering and Technology, 56(3), p.893 - 899, 2024/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)In a secondary cooling system of a sodium-cooled fast reactor (SFR), rapid detection of hydrogen due to sodium-water reaction (SWR) caused by water leakage from a heat exchanger tube of a steam generator (SG) is important in terms of safety and property protection of the SFR. For hydrogen detection, the hydrogen detectors using atomic transmission phenomenon of hydrogen within Ni-membrane were used in Japanese proto-type SFR "Monju." However, during the plant operation, detection signals of water leakage were observed even in the situation without SWR concerning temperature up and down in the cooling system. For this reason, the study of a new hydrogen detector has been carried out to improve stability, accuracy and reliability. In this research, the authors focus on the difference in composition of hydrogen and the difference between the background hydrogen under normal plant operation and the one generated by SWR and theoretically estimate the hydrogen behavior in liquid sodium by using ultra-accelerated quantum chemical molecular dynamics (UA-QCMD). Based on the estimation, dissolved H or NaH, rather than molecular hydrogen (H), is the predominant form of the background hydrogen in liquid sodium in terms of energetical stability. On the other hand, it was found that hydrogen molecules produced by the sodium-water reaction can exist stably as a form of a fine bubble concerning some confinement mechanism such as a NaH layer on their surface. In parallel, we observed experimentally that the fine bubbles of H stably existed in the liquid sodium than expected before. This paper describes the comparison between the theoretical estimation and experimental results based on hydrogen form in sodium in the development of the new hydrogen detector in Japan.
大島 真澄*; 後藤 淳*; 早川 岳人*; 浅井 雅人; 金 政浩*; 篠原 宏文*
Isotope News, (790), p.19 - 23, 2023/12
放射性廃棄物や燃料デブリなど多くの放射性核種が様々な濃度で含まれる試料を分析する場合、一般的なスペクトル解析では限界があり、個々の核種を化学分離したのち定量する必要がある。特に液体シンチレーションカウンタ(LSC)を用いた分析では化学分離は必須である。本著では、筆者らが開発したスペクトル全体をフィットして定量するスペクトル定量法(SDM法)について解説し、LSCで測定した線及びX線スペクトルとゲルマニウム半導体検出器で測定した線スペクトルをSDM法を用いて統合解析することで、40核種が2桁の強度比で混入した試料中の放射能を定量できることを示し、化学分離を簡素化した新しい放射性核種定量法として有効であることを示した。
山本 智彦; 加藤 篤志; 早川 雅人; 下山 一仁; 荒 邦章; 畠山 望*; 山内 和*; 江田 優平*; 由井 正弘*
Proceedings of 2023 International Congress on Advanced in Nuclear Power Plants (ICAPP 2023) (Internet), 6 Pages, 2023/04
In the secondary cooling system of sodium-cooled fast reactor (SFR), a rapid detection of hydrogen explosion due to sodium-water reaction by water leakage from heat exchanger tube is steam generator (SG) is important in terms of safety and property protection. For the hydrogen detection, Ni-membrane hydrogen detectors using atomic transmission phenomenon were used in Japanese proto-type sodium-cooled fast reactor "Monju". However, during the plant operation, many alarms of water leakage were occurred without sodium-water reaction in relation to temperature up and down. The authors focus on the difference in composition of hydrogen and the difference between the background hydrogen under normal operation and the hydrogen generated by the sodium-water reaction and theoretically estimate the hydrogen behavior in liquid sodium by using ultra-accelerated quantum chemical molecular dynamics (UA-QCMD). As the results of theoretical estimation, dissolved H or NaH, rather than H, is the predominant form of the background hydrogen in liquid sodium, and hydrogen produced in large amounts by sodium-water reaction can exist stably as fine bubbles with a NaH layer on their surface. Currently, the authors study the new hydrogen detector system focusing on the difference between the background hydrogen (dissolved H) and the hydrogen by sodium-water reaction (fine bubbles H). This paper describes the comparison between the theoretical estimation and experimental results based on hydrogen form in sodium.
早川 雅人; 下山 一仁; 宮越 博幸; 鈴木 重哲*
JAEA-Technology 2021-027, 33 Pages, 2022/01
日本原子力研究開発機構大洗研究所では、これまでに高速実験炉「常陽」や高速増殖原型炉もんじゅなどのナトリウム冷却型高速炉の研究開発に関わる多種多様なナトリウム環境下での試験研究が実施されてきた。これまでに所期の目的を達成したナトリウム試験施設及び機器類の解体撤去が順次進められ、豊富な経験や技術が蓄積されてきた。一方、試験研究に用いられてきた大量の金属ナトリウムは新しい試験施設での再利用が図られ、その後、再利用された金属ナトリウムを内包してきた大型ナトリウムタンク類の解体が進められている。これらの解体を安全かつ効率的に進めるためには、解体前にタンク内部(特に底部)に残留するナトリウムを極力低減することが重要である。このため、複数の100m級大型ナトリウムタンクについて、底部に残留するナトリウム量の低減を図ってきた。本報告ではこれまでに実施してきた残留ナトリウム低減に関わる技術や経験について述べる。
橋本 周; 木名瀬 栄; 宗像 雅広; 村山 卓; 高橋 聖; 高田 千恵; 岡本 明子; 早川 剛; 助川 正人; 久米 伸英*; et al.
JAEA-Review 2020-071, 53 Pages, 2021/03
原子力機構は、災害対策基本法及び武力攻撃事態対処法に基づく指定公共機関として、原子力災害や放射線緊急事態が発生した場合には、災害対応に当たる国や地方公共団体の要請に応じて人的・技術的支援を行う。防災基本計画及び原子力災害対策マニュアルでは、原子力機構は原子力緊急時において公衆の被ばく線量の推計・把握を支援することが要求されている。しかし、その支援について、基本方策,調査対象,調査方法,実施体制等について具体的かつ詳細には検討されていない。本報告では、公衆の緊急時被ばく線量の推計・把握に関する技術的支援について、原子力緊急時支援・研修センター内に設置された「緊急時の線量評価検討WG」において調査・考察した結果を報告することにより、国や地方公共団体、及び原子力機構内における今後の具体的かつ詳細な検討及び活動に貢献することを目的とする。
河野 恭彦; 下 道國*; 早川 博信*; 谷口 和史*; 田中 雅人*; 田中 仁美*; 尾上 洋介*; 長屋 弘*; 鳥居 寛之*; 宇野 賀津子*
保健物理(インターネット), 55(4), p.226 - 238, 2020/12
福島第一原子力発電所事故後、放射性セシウムや放射性ヨウ素等の人工放射性核種が環境中に放出され、福島第一原子力発電所周辺だけではなく、日本各地の方々に大きな不安を与える結果となった。日本保健物理学会の会員がボランティアとして、住民の方々からの放射線の健康影響に関する不安を軽減させるために、福島第一原発事故直後、暮らしの放射線Q&Aウェブサイトを立ち上げ、住民の方々からの放射線に関する質問に回答をする活動を行ってきた。その後、2011年8月からは学会の常設委員会の1つとして「暮らしの放射線Q&A活動委員会」が設置され、学会の責任のもとに本活動を2013年2月まで実施してきた。その結果、われわれがウェブサイト活動を通じて、一般の方々の質問に対応してきたことが、放射線の健康影響に関する不安軽減に一定の貢献を果たしてきたといえるのでないかと思っている。本論文では、暮らしの放射線Q&Aウェブサイトの約2年間の活動を振り返り、われわれの活動スタンス、得られた課題、そして本ウェブサイトに関連する情報に基づき、Twitterの解析結果等をまとめた。また、そこからこれらの活動により得られた知見や経験をもとに得られた、放射線防護の専門家だけでなく、他分野の専門家の間でも緊急時の初期対応の場面において活用できる課題や経験を示した。
初川 雄一*; 早川 岳人*; 塚田 和明; 橋本 和幸*; 佐藤 哲也; 浅井 雅人; 豊嶋 厚史; 谷森 達*; 園田 真也*; 株木 重人*; et al.
PLOS ONE (Internet), 13(12), p.e0208909_1 - e0208909_12, 2018/12
被引用回数:3 パーセンタイル:27.63(Multidisciplinary Sciences)電子飛跡検出型コンプトンカメラ(ETCC)を用いて放射性同位元素Tcの画像撮像を実施した。Tcは、204, 582, 835keVの3本の線を放出し、濃縮同位体Moを用いてMo(p,n)Tc反応で合成される。濃縮Mo同位体三酸化物の再利用について実験を実施し、再生率7090%を達成した。画像は3本の線それぞれを用いて解析し取得した。その結果、線エネルギーが高いほど空間分解能が向上することが判り、Tcのような高エネルギー線放出核を利用することで、ETCCが人体の深部の組織や器官の医療画像撮像に有効であることを示唆する結果を得た。
浅見 誠*; 高畠 容子; 明道 栄人; 飛田 剛志; 小林 究; 早川 美彩; 薄井 由香; 綿引 博美; 柴田 淳広; 野村 和則; et al.
JAEA-Data/Code 2017-001, 78 Pages, 2017/03
東京電力ホールディングス(東京電力)福島第一原子力発電所において採取された汚染水(滞留水, 処理水)、汚染水処理二次廃棄物、瓦礫、土壌が分析され、放射性核種濃度等の分析データが報告されている。そこで、東京電力, 日本原子力研究開発機構, 国際廃炉研究開発機構により2016年3月末までに公開されたデータを収集し、データ集としてとりまとめた。また分析試料についての情報、分析により得られた放射性核種濃度等の値を表としてまとめるとともに、主な放射性核種濃度の時間変化を表す図を作成して収録した。電子情報として英訳と収録した分析データを提供する。
今村 弘章; 早川 雅人; 半田 卓也*; 並木 勝男*
JAEA-Technology 2015-020, 85 Pages, 2015/08
高速炉システムの安全性強化の研究に向けて、大洗研究開発センター内に冷却系機器開発試験施設(AtheNa)を整備中である。同センター内のナトリウム技術開発第1試験室には、「常陽」や「もんじゅ」の建設にあたって種々のナトリウム研究開発試験に使用され、その所期目的を達成した大量のナトリウムが大小のナトリウム貯蔵タンクにて維持管理されていることから、ナトリウムの維持管理をより安全・安定なものとするためにも、両施設間でナトリウムを移送することとした。大量のナトリウム移送方法としては、安全性や作業効率及び経済性等を考慮し、ナトリウム技術開発第1試験室のナトリウム貯蔵タンクと冷却系機器開発試験施設のダンプタンクを全長200m以上の配管で接続して移送する手法を選定し、移送に必要な設備の設計・製作を行った。施設間に設置した配管を介して、大量のナトリウム(約270)の移送を安全かつ短期間(正味6日間、移送流量;平均約12m/h)に計画通りに完了させた。
瀬谷 道夫; 原田 秀郎; 北谷 文人; 小泉 光生; 土屋 晴文; 飯村 秀紀; 呉田 昌俊; 高峰 潤; 羽島 良一; 早川 岳人; et al.
核物質管理学会(INMM)日本支部第34回年次大会論文集(インターネット), 10 Pages, 2013/10
東京電力福島第一原子力発電所事故のような過酷事故で溶融した核燃料が生成されている原子炉は、健全な原子炉のようにアイテム(燃料集合体)として燃料が取り扱われるアイテム施設に分類することはできない。取り出す溶融燃料は、色々な形状のデブリとなるため、測定等により核物質量を同定する必要があるバルク施設に分類した方が妥当である。本稿では、溶融燃料取り出し時の形態について説明するとともに、溶融燃料を精度よく測定するNDA技術として2つの方法を紹介する。その一つが中性子共鳴濃度分析法(NRD: Neutron Resonance Densitometry)であり、これは粒子状デブリを対象とする方法である。もう一つが大強度単色線核共鳴蛍光法(LCS-NRF: Laser Compton Scattering -rays - Nuclear Resonance Fluorescence)であり、これは切出し形状、小石状デブリを対象とする方法である。また、これらの技術の基礎技術開発の状況についても紹介する。
瀬谷 道夫; 原田 秀郎; 北谷 文人; 小泉 光生; 土屋 晴文; 飯村 秀紀; 呉田 昌俊; 高峰 潤; 羽島 良一; 早川 岳人; et al.
Proceedings of INMM 54th Annual Meeting (CD-ROM), 9 Pages, 2013/07
原子炉過酷事故により起こる溶融燃料の発生は、原子炉をアイテム施設ではなく非アイテム施設に分類させることになる。溶融燃料の原子炉からの取出しを考えると、核物質を含む溶融燃料がバルク状態で扱われるバルク施設とみなされることも考えられる。バルク施設においては、核物質の計量管理が保障措置の基本である。この論文では、溶融燃料デブリに関する分類と計量管理の観点からのNDA技術の選定について紹介する。これらのNDA技術として、粒子状溶融燃料デブリに対する中性子共鳴濃度分析法及び小石状あるいは切出し溶融燃料デブリに対するLCS線によるNRFを使うNDA技術について報告するとともに、現在実施中のこれらの技術に関する基礎技術開発状況及び近い将来の計画について紹介する。
瀬谷 道夫; 原田 秀郎; 北谷 文人; 小泉 光生; 土屋 晴文; 飯村 秀紀; 呉田 昌俊; 高峰 潤; 羽島 良一; 早川 岳人; et al.
核物質管理学会(INMM)日本支部第33回年次大会論文集(インターネット), 10 Pages, 2012/10
東京電力福島第一原子力発電所事故のような原子炉過酷事故で発生した溶融核燃料中の核物質を非破壊で精度よく測定する技術として、中性子共鳴濃度分析法(NRD: Neutron Resonance Densitometry)と大強度単色線核共鳴蛍光法(LCS -NRF: Laser Compton Scattering Gamma-rays - Nuclear Resonance Fluorescence)の適用性研究とその開発について説明する。溶融核燃料の取出し時の形態として、粒子状デブリと切出し形状(小石状,円柱状,板状等)デブリに分けられるが、中性子共鳴濃度分析法は粒子状デブリを対象とする方法として、また、大強度単色線核共鳴蛍光法は切出し形状(小石状,円柱状,板状等)デブリを対象とする方法として、他の非破壊分析方法と比較した場合の優位性を議論するとともに、将来の開発構想についても紹介する。
小倉 浩一; 西内 満美子; Pirozhkov, A. S.; 谷本 壮*; 匂坂 明人*; Esirkepov, T. Z.; 神門 正城; 静間 俊行; 早川 岳人; 桐山 博光; et al.
Optics Letters, 37(14), p.2868 - 2870, 2012/07
被引用回数:83 パーセンタイル:95.53(Optics)OPCPA方式チタンサファイアレーザーで発生した高コントラスト(10)高強度(10)短パルス(40fs)のレーザー光を用いて、従来の最大エネルギー25MeVを超える40MeVの陽子線を得た。このときのレーザーエネルギーは10ジュール以下であった。15MeV以上の陽子線の発生効率は、0.1%であった。
近藤 雅明; 君島 悟*; 江森 恒一; 関田 健司; 古澤 孝之; 早川 雅人; 小澤 太教; 青野 哲也; 黒羽 操; 大内 弘
JAEA-Technology 2008-062, 46 Pages, 2008/10
高温工学試験研究炉(HTTR)では、原子炉格納容器(CV)の気密性を確認するために漏えい率検査を実施している。本検査は、原子炉格納容器漏えい率試験規程(JEAC4203)のA種試験(全体漏えい率試験)で行ってきたが、準備から復旧に至るまで相当の費用と時間を要する。そこで、HTTRの保守の効率化の観点から、A種試験とB種及びC種試験(局部漏えい率試験)を組合せたスケジュールに移行できるよう漏えい率検査実施方針を見直した。JEAC4203-2004では、試験スケジュール移行要件として、全体漏えい率に経年的増加が認められないこと、全体及び総合漏えい率(局部漏えい率の総和)が各々判定基準を満足すること、全体及び総合漏えい率に相関が認められることが規定されるとともに、総合漏えい率の判定基準が見直された。著者らは、これまでの試験実績に基づき、移行要件への対応方針及び検査実施方針を定め、これらが規制当局に了承された。本報では、HTTRのCV漏えい率試験について概説し、従来方法の問題点及びJEAC4203-2004における試験スケジュール移行上の要件を整理するとともに、各要件への対応方針及びCV漏えい率検査実施方針をまとめている。
関田 健司; 古澤 孝之; 江森 恒一; 石井 太郎*; 黒羽 操; 早川 雅人; 大内 弘
JAEA-Technology 2008-057, 45 Pages, 2008/08
高温工学試験研究炉(HTTR)の原子炉冷却系統施設である加圧水冷却設備等の機器及び配管には、主要材料に炭素鋼を使用している。これらの設備の冷却水には、脱酸素及び腐食を防止・抑制するために、ヒドラジンを用いて水質を維持管理しており、水質確認のため定期的に分析を行っている。これまで実施した水質分析の結果から、得られた成果は以下のとおり。(1)1次冷却材の除熱により冷却水温度が高くなる加圧水冷却設備では、ヒドラジンの一部が熱分解し、アンモニアが形成されることによって、電気伝導率は上昇し、ヒドラジン濃度は低下するが、計画どおりであり問題はない。(2)冷却水温度が比較的低い補助冷却水系及び炉容器冷却設備においては、ヒドラジンの熱分解が起こっていない。(3)これまで不明瞭であった手順を明確にし、HTTRにおける水質分析手順を確立することができた。(4)溶存酸素及び塩化物イオンは濃度が低いことから、現時点においては、機器・配管の腐食量は極めて少ないものと推察される。これらのことから、HTTRの冷却水設備の水質は、十分満足できる状態であることを確認した。
安藤 昌視*; 仲田 清智*; 伊藤 幹朗*; 田中 徳彦*; 越石 正人*; 小畠 亮司*; 三輪 幸夫; 加治 芳行; 早川 正夫*
Proceedings of 13th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems (CD-ROM), 16 Pages, 2007/00
実機PLR配管を模擬した溶接継ぎ手から作製したSUS316NG鋼の試験片を用いて、BWR環境を模擬した水中で長期間の応力腐食割れ進展試験を行った。試験片は溶接部過程での熱収縮により硬化した熱影響部から作製し、そのような部位での傷の進展挙動を評価するための応力腐食割れ進展速度線図を得ることを目的とした。鍛造管材と引き抜き管材の溶接継ぎ部が、幾つかの溶接方法で作成した。得られた応力腐食割れ進展速度は、溶体化熱処理材から得られた進展速度よりも速くなった。硬化したSUS316NGのき裂進展速度は、材料や溶接方法によらず、硬さと関連性を持っていた。硬さが210から250Hvの範囲では、き裂進展速度は硬さの増加とともに大きくなった。低炭素ステンレス鋼の硬化した熱影響部で応力腐食割れ進展速度が加速される機構は、き裂先端のひずみ分布及びAFM画像に基づいて推定された。き裂先端での塑性ひずみ勾配と粒界に沿った局所的ひずみの相互作用が重要であると予想された。
近藤 雅明; 関田 健司; 江森 恒一; 坂場 成昭; 君島 悟; 黒羽 操; 野地 喜吉; 青野 哲也; 早川 雅人
JAEA-Testing 2006-002, 55 Pages, 2006/07
原子力機構では、高温工学試験研究炉(HTTR)の原子炉格納容器(CV)バウンダリの気密性の確認を目的として、JEAC4203-2004「原子炉格納容器の漏えい率試験規程」に準拠し、CV全体漏えい率試験(A種試験)を実施している。A種試験は、一般に、原子炉冷却材圧力バウンダリをCV内雰囲気に開放して実施する。しかしヘリウムガスを原子炉冷却材とするHTTRでは、圧力バウンダリを開放できないため、これを閉鎖したままA種試験を実施するという方法を確立し、採用している。また、HTTRでは、CV漏えい率試験データ収録処理装置を開発したが、近年、より高精度,高信頼度の計測処理能力をもたせ、試験状態の監視機能の強化を図るなどの改良を加えて、本試験をより確実に実施できるようにした。この他、平成16年にJEAC4203が改定されたことを受けて、試験時に適用するCVバウンダリ構成の見直しを行い、さらには、CV内温度測定用検出器の校正方法を改善するなど、試験方法の改善に努めている。本報では、HTTRのCV全体漏えい率試験について、漏えい率の評価方法,試験の実施体系及び実施手順等を中心に記述するとともに、これまでの試験経験を踏まえて、今後、さらに効率的に試験を実施していくうえで有効と考えられる課題についてまとめている。
濱本 真平; 飯垣 和彦; 清水 厚志; 澤畑 洋明; 近藤 誠; 小山 直; 河野 修一; 小林 正一; 川本 大樹; 鈴木 尚; et al.
JAEA-Technology 2006-030, 58 Pages, 2006/03
日本原子力研究開発機構が所有する高温工学試験研究炉(HTTR)の反応度制御設備は、制御棒系と後備停止系の、動作原理の異なる二つの独立した系統で構成されている。通常運転時、原子炉の反応度を制御するとともに、運転時の異常な過渡変化時及び事故時に安全かつ確実に原子炉を停止させるものである。後備停止系は、万一制御棒系のみで原子炉を停止できない場合に、中性子吸収材である炭化ホウ素ペレットを炉心内に重力落下させ、いかなる運転状態からも原子炉を停止する機能を有するものであり、炭化ホウ素ペレットと、ペレットを収めるホッパ,電動プラグ,後備停止系駆動機構,ガイドチューブ等で構成されている。HTTRでは、平成16年7月26日から平成17年3月4日までの計画で、施設定期検査を実施してきたところ、2月21日の後備停止系の作動試験時に、本装置の16基のうち1基が正常に動作しないことがわかった。調査の結果、後備停止系が正常に動作しなかった原因は、後備停止系を駆動するモータの上部のオイルシールが変形したことによってグリースから分離した油がブレーキに到達し、ブレーキの磨耗した粉と混合することによって粘着物となり、粘着物がブレーキの解除を阻害したことによって、モータの駆動を妨げたことがわかった。
奥本 峻介*; 飯野 千秋*; 小田 将人*; 村口 正和*; 早川 虹雪*; 石井 宏幸*; 本田 充紀
no journal, ,
福島の環境回復に係る研究開発の一環として、溶融塩法を用いた風化黒雲母からCs除去に関する研究を推進してきた。99.9999%のCs除去と普通輝石、和田石などの結晶鉱物の生成を確認しているが、反応過程および生成物に関する原子レベルでの反応機構が必要であり、本研究では第一原理計算をもちいて和田石の安定構造を調べ、求められた安定構造を用いて反応機構について調べて内容について報告する。