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宮川 晃尚*; 林 直輝*; 岩本 響*; 新井 剛*; 長友 重紀*; 宮崎 康典; 長谷川 健太; 佐野 雄一; 中谷 清治*
Analytical Sciences, 40(2), p.347 - 352, 2024/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Analytical)複数のランタノイドイオンを含む錯体溶液中における単一抽出剤含浸高分子被覆シリカ粒子中のEu(III)分配機構を蛍光顕微分光法を用いて調べた。律速段階はEu(III)と2つの抽出剤分子との反応であった。得られた機構と速度定数は、Eu(III)溶液中でEu(III)が粒子に分配される単元素系の機構と一致した。
宮川 晃尚*; 林 直輝*; 岩本 響*; 新井 剛*; 長友 重紀*; 宮崎 康典; 長谷川 健太; 佐野 雄一; 中谷 清治*
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 96(9), p.1019 - 1025, 2023/09
被引用回数:2 パーセンタイル:30.87(Chemistry, Multidisciplinary)本研究では、ニトリロトリアセトアミド(NTA)抽出液を含浸させたポリマーコートシリカ単粒子において、Eu(III)とSm(III)のこれらのイオンを含む溶液中での物質移動機構を明らかにした。質量移動の律速過程は、NOイオンが関与しないイオンとNTA分子の反応過程であり、これは単一イオン分配系で得られたものと一致した。
Lu, K.; 高見澤 悠; Li, Y.; 眞崎 浩一*; 高越 大輝*; 永井 政貴*; 南日 卓*; 村上 健太*; 関東 康祐*; 八代醍 健志*; et al.
Mechanical Engineering Journal (Internet), 10(4), p.22-00484_1 - 22-00484_13, 2023/08
A probabilistic fracture mechanics (PFM) analysis code, PASCAL, has been developed by Japan Atomic Energy Agency for failure probability and failure frequency evaluation of reactor pressure vessels (RPVs) considering neutron irradiation embrittlement and thermal transients. To strengthen the applicability of PASCAL, considerable efforts on verifications of the PASCAL code have been made in the past years. As a part of the verification activities, a working group consisted of different organizations from industry, universities and institutes, was established in Japan. In the early phase, the working group focused on verifying the PFM analysis functions for RPVs in pressurized water reactors (PWRs) subjected to pressurized thermal shock (PTS) events. Recently, the PASCAL code has been improved in order to run PFM analyses for both RPVs in PWRs and boiling water reactors (BWRs) subjected to a broad range of transients. Simultaneously, the working group initiated a verification plan for the improved PASCAL through independent PFM analyses by different organizations. Concretely, verification analyses for a PWR-type RPV subjected to PTS transients and a BWR-type RPV subjected to a low-temperature over pressure transient were performed using PASCAL. This paper summarizes those verification activities, including the verification plan, analysis conditions and results. Based on the verification studies, the reliability of PASCAL for probabilistic integrity assessments of Japanese RPVs was confirmed with confidence.
宮川 晃尚*; 林 直輝*; 崩 愛昌*; 高橋 拓海*; 岩本 響*; 新井 剛*; 長友 重紀*; 宮崎 康典; 長谷川 健太; 佐野 雄一; et al.
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 96(7), p.671 - 676, 2023/07
被引用回数:5 パーセンタイル:61.67(Chemistry, Multidisciplinary)HONTAおよびTOD2EHNTAとして知られるニトリロトリアセトアミド(NTA)抽出剤を含む単一ポリマー被覆シリカ粒子におけるEu(III)の分配機構を検討した。本研究は、「単一の抽出剤を含浸したポリマー被覆シリカ粒子」の機能性を評価・向上させるための貴重なアプローチを提供するものである。
北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 森下 卓俊; 根本 康雄*; 小栗 英知
Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 26(3), p.032802_1 - 032802_12, 2023/03
被引用回数:1 パーセンタイル:34.19(Physics, Nuclear)バンチシェイプモニター(BSM)はビーム輸送中にある地点での縦方向位相分布を測定して、縦方向ビームチューニングを行う際に有用な装置である。低エネルギー負水素(H)イオンビームの縦方向位相分布を測定するために、大強度ビーム負荷による熱負荷を軽減できるよう2次電子を放出する標的に高配向性グラファイト(HOPG)が採用した。このHOPGターゲットにより、50mA程度の高いピーク電流を持つ3MeV H
イオンビームの中心部で縦方向位相分布の測定が可能となった。テストスタンドでHOPG-BSMを用いて縦方向のバンチ幅を測定したところ、ビームシミュレーションと一致した。HOPG-BSMを用いて、ビーム横方向と縦方向の相関測定を実証した。HOPG-BSMを用いて、縦方向Qスキャン法により縦方向Twissとエミッタンスを測定した。
北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 根本 康雄*; 森下 卓俊; 小栗 英知
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011012_1 - 011012_6, 2021/03
J-PARCリニアックフロントエンドの大強度3MeV Hのバンチ幅を測定するためには、新たなバンチシェイプモニター(BSM)が必要である。カーボンナノチューブワイヤーとグラフェンスティックは大強度ビームを測定するために十分な強度を持つ素材であるため、BSMの標的ワイヤーの良い候補である。しかしながらBSMではワイヤーに数kV以上の負極性高電圧を印加するために放電抑制が課題であった。ワイヤーからの放電による影響を調査するための高電圧試験の後、グラフェンスティックを用いてピーク電流55mAでビーム中心部における信号検出に初めて成功した。本講演ではバンチ幅測定のプレリミナリーな結果を報告する。
北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 根本 康雄*; 森下 卓俊; 小栗 英知
Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.251 - 253, 2020/09
大強度・低エミッタンスな陽子ビーム加速を実現するため、空間電荷効果の影響が大きい低エネルギー領域での縦方向分布モニター(バンチシェイプモニター: BSM)の運用試験を進めている。BSM内部でビームを受ける二次電子生成標的に熱負荷耐性の良い高配向性グラファイト(HOPG)を導入したことで、既存のタングステン製標的で問題となっていた標的破損による計測中断が無くなり、安定した計測が可能となった。しかしHOPGを導入したBSMで初めて測定した縦方向バンチ位相分布はシミュレーションによる予想より広がっており、改善の余地がある。J-PARCリニアック棟テストスタンドのビームを利用して、BSMの応答特性を調査した。この試験ではBSMを構成する電子増倍管,偏向電磁石及びRFデフレクタの各パラメータの応答特性を調査・調整した。調整後に測定した縦方向バンチ位相分布はシミュレーションの予想分布と一致した。
北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 守屋 克洋; 根本 康雄*; 小栗 英知
Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.51 - 54, 2019/07
J-PARCリニアックにおいてピーク電流60mAを超える大強度Hビームを供給する場合、高周波四重極リニアック(RFQ)後のビーム輸送系における縦方向測定と調整はビームロスとエミッタンス増大の削減のために重要である。大強度3MeVのH
ビームのバンチ幅測定にはエネルギー損失が小さくかつ高温耐性のあるカーボンナノチューブ(CNT)ワイヤーを用いた新しいバンチシェイプモニター(BSM)が必要である。しかし二次電子を引き出すためCNTワイヤーに高圧印加すると、放電が電圧印加の妨げとなる。それゆえ安定したバンチ幅測定のためには放電を抑制する必要がある。エミッタとしてのCNTの特性を考慮してワイヤー長を短くしたところ、-10kV高圧がワイヤーに印加できた。本講演ではこのBSMの最新の開発状況と将来の展望を報告する。
北村 遼; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 守屋 克洋; 小栗 英知; 二ツ川 健太*; 宮尾 智章*; 大谷 将士*; 小坂 知史*; et al.
Proceedings of 10th International Particle Accelerator Conference (IPAC '19) (Internet), p.2543 - 2546, 2019/06
バンチシェイプモニター(BSM)は縦方向位相空間分布を測定するための重要な装置の一つである。例えば、J-PARCリニアックではタングステンワイヤーを用いたBSMが加速空洞間のバンチ形状を測定するためACSセクションに3台導入されている。しかしながら、このBSMではRFQとDTLセクション間のビーム輸送系における3MeVのHビームのバンチ形状を測定することは、ビーム中心部でワイヤーが断線してしまうために困難である。そこで3MeVのH
ビームのバンチ形状を測定できるよう、カーボンナノチューブワイヤー(CNT)を用いた新たなBSMを開発している。CNTワイヤーに-10kVの高圧を印加するには細心の注意を要する。ワイヤーからの放電を抑制しつつBSMを運転するためにいくつかの対策を実施した。この講演ではCNT-BSMの最新の開発状況と将来の展望を報告する。
林 直樹; 畠山 衆一郎; 三浦 昭彦; 吉本 政弘; 二ツ川 健太*; 宮尾 智章*
Proceedings of 7th International Beam Instrumentation Conference (IBIC 2018) (Internet), p.219 - 223, 2019/01
J-PARCは、多目的なユーザー実験施設であり、加速器の安定性は、重要な課題の一つである。安定的な運転を実現するには、インターロックが起こった事象を集め、解析し、その本質的な要因を調べる必要がある。J-PARCリニアックでは、ビームロスモニタ,電流モニタの波形が記録から事象の分類を行った。リニアックでは、ロスモニタ一台のみの発報事象が非常に多くなっており、その解析を行った。その結果、多くはビーム停止が不要であることが判明し、ロスモニタの新しい運転条件を決めて発報頻度が低減するか、確認を始めたところである。また、J-PARC RCSでは、インターロック時の詳しいビーム位置を記録するための新しい機器を導入し、事象の解析を進めている。本論文では、現在の状況と今後について報告する。
林 直樹; 菊澤 信宏; 三浦 昭彦; 二ツ川 健太*; 宮尾 智章*
Proceedings of 14th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.540 - 544, 2017/12
J-PARCリニアックは、安定な利用運転を行っているが、最近は、リニアック・ロスモニタ単独1台のみによるインターロック事象が増加している。その回数は、RFQトリップ回数に迫るほどであり、運転効率の改善に向けて、対策が必要となってきた。そこで、各事象毎のデータを詳しく解析し、事象を3つに分類、それぞれに特徴的な、ロスモニタの分布・パターンを見出した。リニアックのロスモニタは、一般的なものではあるが、時間分解能重視のため、J-PARCの他のリングシンクロトロンとは異なった設定、プリアンプの入力インピーダンスは50、生信号での閾値・幅をインターロック条件としている点についても改善のための検討・試行を実施した。
林 直樹; 加藤 裕子; 三浦 昭彦; 二ツ川 健太*; 宮尾 智章*
Proceedings of 5th International Beam Instrumentation Conference (IBIC 2016) (Internet), p.368 - 371, 2017/03
通常運転中のビームロス要因について調べることは、重要である。真の要因対策ができれば、将来的に、インターロックの発報回数を減らすことができ、加速器運転の安定化にも資することができるからである。J-PARCリニアックでは、限定的であるが、インターロック時のロスモニタ、ビーム電流の波形を、複数台のオシロスコープで記録している。加速空洞のインターロックにより、ビームロスが発生するのは当然であるが、より詳細に、どのモニターがより高いロス信号を受けるか、空洞インターロックとビームロスのパターンの関係性を知ることが大切である。特に興味があるのは、空洞など機器インターロックの発報はなくて、ロスモニタのみがインターロック発報する事象である。これらの幾つかについて、分析を行い、考えられる対策について紹介する。
大矢 恭久*; Li, X.*; 佐藤 美咲*; 湯山 健太*; 小柳津 誠; 林 巧; 山西 敏彦; 奥野 健二*
Journal of Nuclear Science and Technology, 53(3), p.402 - 405, 2016/03
被引用回数:11 パーセンタイル:65.18(Nuclear Science & Technology)3keV重水素イオンと10keV炭素イオンを照射したタングステンの重水素透過挙動を調べた。重水素イオンと炭素イオンを照射したタングステンにおいては、未照射タングステンと比して、重水素透過が明確に減少した。しかし、重水素のみを照射したタングステンでは1173Kまで加熱することにより未照射タングステンと同等にまで重水素透過が回復した一方で炭素イオンのみを照射したタングステンでは回復しなかった。このことから、タングステン中の炭素の存在はタングステン中の重水素の透過経路回復を妨げることが示唆された。さらに、TEM分析から1173Kではボイドの成長がみられるものの消滅していないことから、タングステン中の照射ダメージが回復してないことがわかり、この照射ダメージが水素透過挙動に大きな影響は及ぼさないことが示された。
二ツ川 健太*; 川根 祐輔; 田村 潤; 根本 康雄; 林 直樹; 福岡 翔太*; 真山 実*; 三浦 昭彦; 宮尾 智章*
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1246 - 1250, 2015/09
J-PARCリニアックでは、加速周波数が324MHzのRFQ, DTL, SDTL空洞と972MHzのACS空洞で負水素イオンビームを400MeVまで加速している。SDTLとACSの間にあるビーム輸送路(MEBT2)では、2式のバンチャー空洞で位相方向のマッチングを行う必要があるが、リニアックにはビーム位相方向の形状を測定するモニタがなかった。そこで、ロシア原子核研究所と共同でバンチ・シェープ・モニタ(BSM)を開発し、SDTLの下流に設置して試験を行った。しかし、このBSMは真空特性が悪かったため、ACS空洞をインストールするときにビームラインから取り外し、試験・ベーキングを実施したが、高い真空度を確保するために、ポンプの追加などの増強が不可欠であった。そこで、J-PARC独自でのBSMの開発を開始し、BSM本体の真空対策だけでなく、ビームライン上でベーキングが行えるように設置場所を変更した。また、二次電子の輸送に関してもシミュレーションを実施し、形状の最適化も実施した。本件では、新規に製作したJ-PARC製のBSMの真空特性とオフラインの試験結果を報告する。
林 健太郎*; 笠原 清司; 栗原 孝平*; 中垣 隆雄*; Yan, X.; 稲垣 嘉之; 小川 益郎
ISIJ International, 55(2), p.348 - 358, 2015/02
被引用回数:9 パーセンタイル:40.55(Metallurgy & Metallurgical Engineering)炭素循環製鉄(iACRES)のフローモデルによるプロセス評価により、iACRESへの高温ガス炉(HTGR)の適用性を評価した。高温電解で高炉ガス中のCOをCOに還元して高炉にリサイクルするSOECシステムと、ISプロセスで製造したH
による逆シフト反応でCO
をCOに還元して高炉にリサイクルするRWGSシステムを検討し、通常の高炉製鉄と比較した。逆シフト反応で消費されない分のH
が高炉で鉄源の還元に使われたことが、RWGSシステムの方が原料炭節約とCO
排出削減への効果が大きくなった原因であった。どの機器の改良がHTGR熱の効率的利用のために有用化を示すために、HTGR, SOEC, RWGSの熱収支解析を行った。SOECについては、ジュール熱の削減のためにCO
電解温度の最適化が求められ、RWGSについては高いISプロセス水素製造効率が要求された。HTGR単位熱量当たりCO
排出削減量の比較から、SOECシステムの方がより効率よくHTGR熱を利用できることが示された。
鈴木 克樹*; 林 健太郎*; 栗原 孝平*; 中垣 隆雄*; 笠原 清司
ISIJ International, 55(2), p.340 - 347, 2015/02
被引用回数:23 パーセンタイル:69.04(Metallurgy & Metallurgical Engineering)製鉄におけるCO排出量削減のために炭素循環製鉄(iACRES)が提案された。iACRESの効果を定量的に評価するために、化学プロセスシミュレータAspen PlusによりiACRESのプロセスフローモデルを作成し、熱物質収支からCO
排出量とエクセルギー収支の解析を行った。高温ガス炉(HTGR)のエクセルギーを用いた固体酸化物電解(SOEC)と逆シフト反応をCO再生法として想定し、SOECではCO
回収貯蔵の有無も考慮した。iACRESによってCO、H
が高炉に循環されたことによりCO
排出量は3-11%削減されたが、CO再生のためにHTGRからのエクセルギーを投入したためエクセルギー有効率は1-7%低下した。
林 健太郎*; 鈴木 克樹*; 栗原 孝平*; 中垣 隆雄*; 笠原 清司
炭素循環製鉄研究会成果報告書; 炭素循環製鉄の展開, p.27 - 41, 2015/02
炭素循環製鉄(iACRES)によって、製鉄における石炭消費量とCO排出量の削減が期待される。iACRESの効果を定量的に評価するために、化学プロセスシミュレータAspen PlusによりiACRESプロセスにおける高炉のフロー図を作成し、熱物質収支からCO
排出量とエクセルギー収支の解析を行った。高温ガス炉(HTGR)のエクセルギーを用いた固体酸化物電解(SOEC)と逆シフト反応をCO再生法として想定し、SOECではCO
回収貯蔵の有無も考慮した。iACRESによって石炭消費量が削減されたことによりCO
排出量は3-11%削減されたが、CO再生のためにHTGRからのエクセルギーを投入したためエクセルギー有効率は1-7%低下した。
林 健太郎*; 笠原 清司; 栗原 孝平*; 中垣 隆雄*; Yan, X.; 稲垣 嘉之; 小川 益郎
炭素循環製鉄研究会成果報告書; 炭素循環製鉄の展開, p.42 - 62, 2015/02
高温ガス炉(HTGR)を適用した炭素循環製鉄(iACRES)のフローモデルによるプロセス評価を行った。高温電解で高炉ガス中のCOをCOに還元して高炉にリサイクルするSOECシステムと、ISプロセスで製造したH
による逆シフト反応でCO
をCOに還元して高炉にリサイクルするRWGSシステムを検討し、通常の高炉製鉄と比較した。原料炭消費量はSOECシステムで4.3%、RWGSシステムで10.3%削減され、CO
排出量はSOECシステムで3.4%、RWGSシステムで8.2%削減された。逆シフト反応で消費されずに残存したH
が高炉で鉄源の還元に使われることが、RWGSシステムにおいて原料炭消費の節約割合とCO
排出削減率が大きくなった原因であった。SOECシステムではCO
電解、RWGSシステムではISプロセス水素製造が最も多くの熱量を消費し、HTGR熱の効率的利用のために、CO
電解温度の最適化や高いISプロセス水素製造効率が求められた。典型的な高炉1基あたり、SOECシステムでは0.5基、RWGSシステムでは2基のHTGRが必要となった。逆シフト反応で未反応のH
を再利用することで、RWGSシステムのHTGR熱の効率的利用と、CO
排出量削減が期待される。
榎枝 幹男; 谷川 尚; 廣瀬 貴規; 中島 基樹; 佐藤 聡; 落合 謙太郎; 今野 力; 河村 繕範; 林 巧; 山西 敏彦; et al.
Fusion Engineering and Design, 89(7-8), p.1131 - 1136, 2014/10
被引用回数:21 パーセンタイル:82.36(Nuclear Science & Technology)我が国の原型炉ブランケット開発の最重要ステップとして、水冷却固体増殖テストブランケット・モジュール(TBM)の開発が進められている。TBM試験と原型炉ブランケット開発のために、モジュール製作技術開発、増殖増倍材ペブル製作技術、トリチウム生成率評価試験と構造設計が行われている。実機構造材F82Hを用いた製作技術開発は、F82Hの工学物性値の評価結果に基づいて実施され、実規模のモジュールの第一壁,側壁,増殖材充填容器、の製作に成功するとともに、第一壁と側壁の接合、厚さ90mmの後壁の実規模モックアップの製作に成功した。モジュール筐体モックアップの製作を検討している。また、トリチウム生産のために必要な技術として、高温での耐久性に優れた先進増殖・増倍材ペブル製作技術の開発を進めた。また、核融合中性子研究施設(FNS)を用いたトリチウム生成回収試験による、トリチウム生産技術開発についても進展した。本報告ではこれらのTBM開発の最新の成果を報告する。
林 健太郎*; 片柳 薫子*; 麓 多門*; 長谷川 利拡*; 小野 圭介*; 堅田 元喜
農業環境技術研究所平成25年度研究成果情報,30(インターネット), 2 Pages, 2014/03
将来の環境変動に対するコメ生産や水田生態系の応答の予測には、気候変動,窒素動態、およびイネ生産を結びつける数値モデルが必要である。しかし、現状では環境変動に対する水田の窒素動態の応答を精度よく再現するモデルが開発されていない。そこで、土壌-イネ過程と大気-水田交換過程のそれぞれに重点をおく2つのモデルを検証し、窒素動態の再現性の弱い箇所を把握することを目的として本研究を行った。その結果、大気と地表のガス交換の再現性が予測精度向上の鍵となることが明らかになった。