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湯口 貴史*; 笹尾 英嗣; 火原 諒子*; 村上 裕晃; 尾崎 裕介
Heliyon (Internet), 10(17), p.e37417_1 - e37417_17, 2024/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Multidisciplinary Sciences)結晶質岩における高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全評価において、物質移動特性を把握し、物質移動モデルを構築することは重要な課題である。本研究では鉱物中の微小空隙がマトリクス拡散に寄与する物質移動経路であることを確認するために、微小空隙を内包する鉱物を対象とした岩石記載と透過拡散試験による実効拡散係数とを比較検討した。その結果、鉱物中の微小空隙がマトリクス拡散の遅延に寄与する"storage pore"として機能すること、微小空隙中にトレーサーが吸着されることで物質移動の遅延をもたらすこと、割れ目の多い領域では、割れ目を通じた移流現象は活発であるが、物質移動の遅延も機能することが示唆された。
湯口 貴史*; 笹尾 英嗣; 火原 諒子*; 村上 裕晃; 尾崎 裕介
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結晶質岩における高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全評価において、地下水シナリオを想定した場合、結晶質岩の物質移動特性を把握し、物質移動モデルを構築することは重要な課題である。結晶質岩中の物質移動現象としてマトリクス拡散がある。これは地下水や地下水中の溶存物質が、割れ目を移動しつつ濃度勾配により割れ目周辺の岩石へ拡散し、鉱物へ吸着することで、物質移動が遅延する現象である。マトリクス拡散の評価に資するデータとして、実効拡散係数や空隙率が報告されているが、岩石を構成する鉱物に対する知見は得られていない。中部日本の土岐花崗岩においては、黒雲母や斜長石の熱水変質に伴い、鉱物中に微小空隙が生じることが報告されている。そこで、本研究では鉱物中の微小空隙がマトリクス拡散に寄与する物質移動経路という作業仮説のもと、微小空隙を内包する鉱物を対象とした岩石記載と透過拡散試験による実効拡散係数の比較検討から、上記の仮説の妥当性を検討した。本研究では以下のパラメータを比較検討の対象とした。(1)透過拡散係数による実効拡散係数・空隙率、(2)透過拡散試験を実施した岩石試料のモード、(3)割れ目密度のデータ、そして(4)4鉱物の変質程度(変質パラメータ)と微小孔の分布割合である。検討の結果、変質によって形成された鉱物(黒雲母と斜長石)中の微小空隙がマトリクス拡散の遅延に寄与する"storage pore"として機能すること、微小空隙中にトレーサーが吸着されることで物質移動の遅延をもたらすこと、割れ目の多い領域では、割れ目を通じた移流現象は活発であるが、物質移動の遅延も機能することが示唆された。これらの点から、岩石学的調査に際して鉱物中の変質程度の評価がマトリクス拡散(物質の遅延現象)の指標となる見通しが得られた。