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久保田 俊也*; 濱添 勇太*; 橋口 周平*; 石橋 大輔*; 赤坂 一之*; 西田 教行*; 片峰 茂*; 坂口 末廣*; 黒木 良太; 中島 敏博*; et al.
Journal of Biological Chemistry, 287(17), p.14023 - 14039, 2012/04
被引用回数:5 パーセンタイル:11.64(Biochemistry & Molecular Biology)遺伝子組み換え型の -sheet-rich recombinant full-length prion protein (-form PrP)を準備し、この-form PrPとヒト一本鎖抗体を提示したファージライブラリを用いて、-formではなく-form PrPに特異的なヒトIgG1抗体(PRB7 IgG)を確立した。プリオンに感染したScN2a細胞をPRB7 IgGと共培養させると、細胞質中でPRB7結合粒子が生成蓄積され、その結果、非常に大きなPRB7結合凝集体を生成するアポトーシスを起こした細胞となる。全長PrPのN末端のオクタリピート領域を認識するSAF32抗体は、共焦点顕微鏡法で決定されるようにこれらの細胞内の明瞭な粒子を染色した。PRB7 IgG又はSAF32の存在下で培養されたプリオン感染ScN2a細胞内でPK抵抗性PrPの蓄積を観察すると、SAF32によって強く阻害されたが、PRB7 IgGによっては全く阻害されなかった。このようにして、ScN2a細胞内の-sheet-rich PrPの産生・蓄積の直接的証拠を新たに掴んだ。これらの結果は、(1)PRB7結合PrPが、-form PrP凝集体の蓄積に寄与していず、むしろ結果としてアポトーシス細胞死を引き起こす最終産物である、(2)PRB7が認識する -formが欠乏したSAF32結合PrPは伝播性を伴ういわゆるPrPかもしれない、ということを示唆している。PRB7は、-form PrPに特異的な最初のヒト抗体であり、生化学的,病理学的なプリオンを特徴付けるための強力なツールになると考えられる。
望月 正人*; 樋口 良太*; 勝山 仁哉; 豊田 政男*
Proceedings of 2007 ASME Pressure Vessels and Piping Division Conference/8th International Conference on Creep and Fatigue at Elevated Temperatures (PVP 2007/CREEP-8) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/07
構造鋼やその溶接部の強度特性は、微視的不均質性に影響を受ける。このような領域では変位ミスマッチに伴う応力集中が生じると考えられることから、粒界やその隣同士の相関を考慮した破壊のメカニズム及び材料設計を行うためには、応力分布を調査することが重要である。FEM-MD結合数値解析法は、微視的不均質性に起因する変位ミスマッチを取り扱うことのできる手法である。本研究では、FEM-MD結合法について提案し、FEM-MD法により調査した鉄鋼及びその溶接熱影響部における微視不均質性の影響について検討を行う。
小江 誠司*; 嘉部 量太*; 上原 啓嗣*; 久禮 文章*; 西村 貴史*; Menon, S. C.*; 原田 了輔*; 福住 俊一*; 樋口 芳樹*; 大原 高志; et al.
Science, 316(5824), p.585 - 587, 2007/04
被引用回数:228 パーセンタイル:99.49(Multidisciplinary Sciences)ヒドロゲナーゼは分子性水素(H)の酸化還元反応を触媒する酵素であり、水素エネルギーへの応用という点からその酵素活性機構が注目されている。本研究では水素分子(H)をNiRu二核アクア錯体と常温常圧下で反応させることで、新規の水素架橋型Ni(-H)Ru二核錯体を得ることに成功した。このNi(-H)Ru二核構造は中性子回折により明確に決定された。この錯体は(6配位Ni)(-H)M(M=遷移金属)という構造を持つ初めての化合物で、[NiFe]ヒドロゲナーゼの活性状態の構造とされているものと非常に近く、ヒドロゲナーゼのモデル化合物として活性機構解明の重要な手がかりとなる。