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Himpe, P.*; Neyens, G.*; Balabanski, D. L.*; Blier, G.*; Daugas, J. M.*; de Oliveira Santos, F.*; De Rydt, M.*; Flanagan, K. T.*; Matea, I.*; Morel, P.*; et al.
Physics Letters B, 658(5), p.203 - 208, 2008/01
被引用回数:44 パーセンタイル:89.15(Astronomy & Astrophysics)フランスGANILにて中性子過剰核Alを生成し、その因子の絶対値()を初めて測定した。その因子の大きさとこれまでのベータ崩壊のデータを照らし合わせて、Alの基底状態のスピンパリティはが妥当であることが示された。この因子を殻模型計算と比較した結果、中性子数20の殻ギャップから中性子が励起しないと仮定した計算では説明できず、この核はいわゆる「逆転の島」に入ることがわかった。さらにモンテカルロ殻模型によって励起を取り入れた計算をしたところ、この因子は、中性子数20のギャップのみならず軌道と軌道間のギャップである中性子数28の殻ギャップの大きさにも敏感であることがわかった。
Neyens, G.*; Kowalska, M.*; Yordanov, D.*; Blaum, K.*; Himpe, P.*; Lievens, P.*; Mallion, S.*; Neugart, R.*; Vermeulen, N.*; 宇都野 穣; et al.
Physical Review Letters, 94(2), p.022501_1 - 022501_4, 2005/01
被引用回数:157 パーセンタイル:95.96(Physics, Multidisciplinary)N=20の魔法数(すなわち魔法構造)が不安定核で消滅することは知られているが、魔法構造が消滅する核がどの範囲にわたって存在するかについてはまだ実験的に確定していない。この論文では、魔法数がN=19核でも消滅するかどうかを見いだすことを目的とし、ルーベン大学のNeyens教授のグループによってMgの基底状態のスピン及び磁気モーメントの測定を行い、その実験値の理論的解釈を原研らのグループでなされたモンテカルロ殻模型計算によって与えた。ISOLDE-CERNで不安定核Mgビームを生成,分離し、まず原子の超微細構造を測定することによってこの核の核スピンが1/2であることを決定した。さらにベータNMR法によって核のg因子を測定し、スピンの結果と合わせ、この核の磁気モーメントを-0.88355(10)と決定した。魔法数が消滅していないと仮定するとMgの核スピンは3/2となるべきであることから、測定されたスピンは魔法数の消滅を強く示唆している。実際、モンテカルロ殻模型計算で詳しく解析すると、この核で魔法数が消滅しているという結果が得られ、この実験による磁気モーメントは計算のものとよく一致している。その比較から、Mgでは魔法数が消滅していることが明らかになり、魔法数消滅のメカニズムに関して大きな影響を与えた。