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小林 貴之; 澤畠 正之; 寺門 正之; 平内 慎一; 池田 亮介; 小田 靖久; 和田 健次; 日向 淳; 横倉 賢治; 星野 克道; et al.
Proceedings of 40th International Conference on Infrared, Millimeter, and Terahertz Waves (IRMMW-THz 2015) (USB Flash Drive), 3 Pages, 2015/08
JT-60SAにおける電子サイクロトロン加熱電流駆動(ECH/CD)用にジャイロトロン開発を行っている。高出力、長パルス試験を行い、110GHzと138GHzの2つの周波数において、1MW/100秒の出力を得ることに世界で初めて成功した。この結果により、JT-60SAに求められるジャイロトロンの性能を、完全に満たした。また、空胴共振器、コレクター及び不要高周波の吸収体の熱負荷を実験的に評価した結果、熱負荷の観点では、更なる高出力での運転が、両方の周波数で可能であることを示した。さらに、上記2周波数に加えた付加的な周波数として、82GHzでの発振が、これまでのところ、0.4MW/2秒まで得られている。110/138GHzにおける1.5MW以上の出力や、82GHzにおける1MW出力を目指した大電力試験が進展中であり、最新の成果について報告する。
小林 貴之; 森山 伸一; 横倉 賢治; 澤畠 正之; 寺門 正之; 平内 慎一; 和田 健次; 佐藤 福克; 日向 淳; 星野 克道; et al.
Nuclear Fusion, 55(6), p.063008_1 - 063008_8, 2015/06
被引用回数:26 パーセンタイル:75.86(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60SAにおける電子サイクロトロン加熱電流駆動(ECH/CD)のため、高出力、長パルス発振を110GHzと138GHzの両方で実現するジャイロトロンを開発した。2周波数で運転可能なジャイロトロンとして、世界で初めて、1MW、100秒間の発振を両周波数で実証した。三極型電子銃を用いてアノード電圧又は電子のピッチファクターの最適化することが、2周波数で高出力と高効率を得るために重要であった。また、本ジャイロトロン内部での損失は、今後の1.5MW以上での発振を想定した場合でも十分に小さいと予測される結果が得られた。さらに、上記2周波数はJT-60SAにおいては第二高調波として入射されるが、基本波として使用可能な82GHzでの発振についても、0.4MWで2秒まで実証した。これらのジャイロトロン開発の成果により、JT-60SAにおけるECH/CD装置の適用可能領域の大幅な拡張に寄与することが期待される。
小林 貴之; 森山 伸一; 諫山 明彦; 澤畠 正之; 寺門 正之; 平内 慎一; 和田 健次; 佐藤 福克; 日向 淳; 横倉 賢治; et al.
EPJ Web of Conferences, 87, p.04008_1 - 04008_5, 2015/03
被引用回数:5 パーセンタイル:82.84(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60SAの幅広いプラズマ放電条件において電子サイクロトロン加熱(ECH)・電流駆動を可能とするため、110GHz及び138GHzを選択的に出力可能な2周波数ジャイロトロンの開発を原子力機構で進めている。JT-60SAに向けた開発目標である1MWで100秒発振を実現するための発振調整及びコンディショニング運転が順調に進んでいる。これまでのところ、1MW/10秒、0.51MW/198秒の発振が両周波数で得られた。加えて、上記2周波数ジャイロトロンにおいて、付加的な周波数として82GHzの発振(0.3MW/20ミリ秒)を実証し、JT-60SAにおける基本波を用いたECHの可能性を示した。
横倉 賢治; 森山 伸一; 小林 貴之; 平内 慎一; 澤畠 正之; 寺門 正之; 日向 淳; 和田 健次; 佐藤 福克; 星野 克道; et al.
JAEA-Technology 2014-002, 64 Pages, 2014/03
導波管内を伝搬する大電力ミリ波が誘電体を透過した時の誘電損失を誘電体の温度上昇として測定し、伝送ミリ波の電力密度空間分布と伝送電力を計測できる装置を開発した。本装置は、伝送電力が1MWにも及ぶ核融合研究用の電子サイクロトロン加熱(ECH)装置での使用を念頭に置いているが、広い分野への応用も考えられる。本装置の基本的概念は、真空コルゲート導波管に損失の小さい数ミリメートルの空間ギャップを設けておき、その空間ギャップへ断熱支持した誘電体ディスクを一時的に挿入し、短パルスのミリ波を透過させた後素早く引抜き(約0.2秒)、その温度分布を赤外線カメラで測定することで、ディスクを透過したミリ波の分布を推定するものである。一方、ディスクの収束平衡温度から全透過損失を見積もり、伝送電力の評価も可能である。計測試験では、整合器ミラーの角度のずれによる不要モードの発生を電力密度分布の変化として捉えることに成功した。この成果は、整合器を真空に保ったままミラーの調整を行う他、運転中のECH装置の伝送系での意図しない不要モードの発生を検出可能とするなど、本装置が有効であることを示すものである。
森山 伸一; 小林 貴之; 諫山 明彦; 星野 克道; 鈴木 貞明; 平内 慎一; 横倉 賢治; 澤畠 正之; 寺門 正之; 日向 淳; et al.
Fusion Engineering and Design, 88(6-8), p.935 - 939, 2013/10
被引用回数:4 パーセンタイル:31.43(Nuclear Science & Technology)JT-60SAの電子サイクロトロン周波数帯(ECRF)加熱電流駆動装置に用いるアンテナとして、冷却水リークの可能性を極めて小さくできるようにミラーを直線駆動する形式を提案している。駆動機構,ベロー等の主要構成要素の実施可能性については、既にモックアップを製作して確認した。今回、ミラー駆動シャフトの支持機構として固体潤滑剤を使用した金属滑り軸受けを利用する設計を行い、モックアップに組み込んだ。一般的なボールベアリングと比較して、シャフトの回転と直線運動を1つの軸受で実現できる利点がある。真空排気した状態での駆動試験を行って固体潤滑剤が真空性能に与える影響を質量分析によって調べた。一方、JT-60SAの典型的実験シナリオにおけるECRF加熱・電流駆動特性を計算で評価し、アンテナの準光学的な設計について確認した。
小林 貴之; 諫山 明彦; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 寺門 正之; 平内 慎一; 和田 健次; 佐藤 福克; 日向 淳; 横倉 賢治; et al.
Fusion Science and Technology, 63(1T), p.160 - 163, 2013/05
被引用回数:7 パーセンタイル:47.83(Nuclear Science & Technology)JT-60SAに向けて、110GHzの電子サイクロトロン波加熱装置(ECRF装置)に、135140GHz帯の第2周波数を加えた2周波数化開発を進めている。特に、2周波数ECRF装置の重要機器である2周波数ジャイロトロンの開発を行った。JT-60SA用の第2周波数は上記周波数帯の中で、ジャイロトロン設計の観点から138GHzとした。110GHzと138GHzの2周波数で、1MW以上の長時間出力が可能なジャイロトロンを実現するため、ジャイロトロンの主要部位であるダイヤモンド窓,空胴共振器,準光学モード変換器の設計を行った。離散的な特性を持つ各機器のパラメータ群の中から最適な条件を見つけ、その条件で設計を行った結果、両方の周波数について、1MW以上の長時間出力が可能な設計結果が得られた。上記設計に基づき、新規ジャイロトロンを製作し、初期的な試験を行った結果、ほぼ期待通りの出力が得られ、設計に大きな問題がないことを確認した。
小林 貴之; 諫山 明彦; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 寺門 正之; 平内 慎一; 和田 健次; 佐藤 福克; 日向 淳; 横倉 賢治; et al.
Proceedings of 37th International Conference on Infrared, Millimeter, and Terahertz Waves (IRMMW-THz 2012) (USB Flash Drive), 2 Pages, 2012/09
JT-60SAに向けて新たに2周波数(110GHz及び138GHz)ジャイロトロンの開発を開始した。空胴共振器の設計において、高出力,長時間運転に重要な、1MW以上の出力、30%以上の効率、1.4kW/cm以下のピーク熱負荷が、両周波数について得られた。さらに、発振した導波管モードのミリ波を空間伝送モードへと変換するモード変換器の設計において、両周波数で高い変換効率(110GHzでは96.8%、138GHzでは98.3%)が得られた。この変換効率は、以前に長パルス運転実績のある110GHzジャイロトロンにおける変換効率(96.5%)より高く、高出力,長時間運転に適した設計結果が得られた。上記設計に基づき、新規ジャイロトロンを製作し、調整運転を2012年6月中旬より開始した。これまでのところ、低めのビーム電流(10A)及びビーム電圧(75kV)で、予定通り約200kWの出力を得て、設計に大きな問題がないことを確認した。
諫山 明彦; 小林 貴之; 横倉 賢治; 下野 貢; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 寺門 正之; 平内 慎一; 和田 健次; 日向 淳; et al.
Plasma and Fusion Research (Internet), 7(Sp.1), p.2405029_1 - 2405029_5, 2012/05
電子サイクロトロン(EC)波は、プラズマの狭い領域を加熱・電流駆動することができることから、電子加熱や電流分布制御のほか不安定性制御にも用いられる。また、プラズマ着火や壁洗浄などにも有用である。JT-60SAにおいては9基のEC波入射装置が装備され上記のすべての目的で使用される。JT-60SAのEC波入射装置はJT-60Uの設備(周波数: 110GHz)を最大限利用して構築されるが、JT-60SAにおいて要求される性能を満足するために開発運転が継続的に行われている。本講演では、最近のEC波入射装置の進展、特にジャイロトロン開発及び加熱・電流駆動特性解析の結果を述べる。JT-60SAにおいて要求される「ジャイロトロン1基あたり出力1MW、出力時間100秒」を目指してジャイロトロンのモード変換器を改良した。開発運転を進めた結果、出力1MWのもとでの出力時間が2009年には17秒、2010年には31秒に伸長した。ジャイロトロン内の各部の温度は許容温度以下で飽和していることからパルス幅の伸長が可能であると考えられる。また、JT-60SAの最大磁場(2.3T)においてプラズマ中心部を加熱・電流駆動することを目的として2周波数ジャイロトロンの開発を2011年に開始した。計算コードによる加熱・電流駆動解析、及び発振モード・出力窓厚の設計計算から、第2周波数を138GHzとした。高磁場を生成する超伝導磁石を含めてジャイロトロンの製作が現在進行中であり、2012年3月に据え付けられる予定である。
小林 貴之; 諫山 明彦; 長谷川 浩一; 鈴木 貞明; 平内 慎一; 佐藤 文明; 和田 健次; 横倉 賢治; 下野 貢; 澤畠 正之; et al.
Fusion Engineering and Design, 86(6-8), p.763 - 767, 2011/10
被引用回数:6 パーセンタイル:43.25(Nuclear Science & Technology)JT-60SAの電子サイクロトロン波加熱装置アンテナ開発の進展を報告する。本アンテナにはポロイダル方向,トロイダル方向へのビーム入射角度の大きな自由度を持つ駆動機構が、100秒間のパルス幅を実現するための高い信頼性を持ったミラー冷却機構とともに求められる。現在、直線駆動型アンテナ方式によるランチャー(アンテナ,サポート及び駆動機構)の機械,構造設計を進めている。ポロイダル入射角度を変化させるための長尺ベローズと、トロイダル入射角度を変化させるためのベローズが本アンテナの重要な要素である。駆動部の試験体を製作してその性能を検証した結果、ポロイダル及びトロイダル入射角度として、それぞれ-10度から+45度, -15度から+15度の範囲を駆動できるアンテナが成立することを確認した。この角度はJT-60SAで求められる角度範囲と合致しており、本アンテナの実現に見通しが得られた。また、本アンテナの熱、構造解析の結果についても報告する。
小林 貴之; 諫山 明彦; 横倉 賢治; 下野 貢; 長谷川 浩一; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 寺門 正之; 平内 慎一; 佐藤 文明; et al.
Nuclear Fusion, 51(10), p.103037_1 - 103037_10, 2011/10
被引用回数:19 パーセンタイル:61.36(Physics, Fluids & Plasmas)電子サイクロトロン波加熱装置(ECRF装置)において、運転開始直後の短時間(100ミリ秒程度)にアノード電圧を制御することにより電子のピッチファクターを最適化することで効率を向上させる新手法を開発した。これにより高出力化の課題であったコレクタ熱負荷を低減することが可能となり、世界で初めて1.5MW, 4秒間のジャイロトロン出力を達成した。このときのコレクタ熱負荷は従来より約20%低いことが確認され、今後さらに長パルス化が可能と考えられる。長パルス運転を制限したジャイロトロン内の不要高周波による熱負荷を低減するため、モード変換器を改良したジャイロトロンを製作して、既に調整運転を開始し1MW出力で31秒までパルス幅が伸張した。また、課題であった不要高周波は約1/3に低減できたことが実験的に確認され、近い将来の定常運転に見通しが得られた。これらの成果はJT-60SAに向けたECRF装置の高出力・長パルス化に大きく貢献するものである。
小林 貴之; 諫山 明彦; Fasel, D.*; 横倉 賢治; 下野 貢; 長谷川 浩一; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 寺門 正之; 平内 慎一; et al.
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.9, p.363 - 368, 2010/08
JT-60 ECRF装置のパルス幅(5秒)を伸ばすための改良がJT-60SA(100秒)へ向けて必要である。欧州により電源が新規に設計,製作及び設置される。また、新たに設計したモード変換器を備えた改良型ジャイロトロンの調整運転を開始した。本モード変換器によって、ジャイロトロン内での回折損失による内部機器への熱入力が低減され、1MWの長パルス発振が期待できる。JT-60Uで実証されたヒータ電流やアノード電圧をプレプログラム/フィードバック制御する手法が、発振中のカソード冷却によるビーム電流の減少対策として重要と考えられる。伝送系については、真空排気した伝送路により1系統あたり1MWの伝送が可能である。一方、結合系については真空容器内機器のメンテナンスが困難であることから、真空容器内での冷却水リークや駆動機構のトラブルのリスクを低減するために直線駆動アンテナ手法が提案され、詳細な設計及び低電力試験を開始した。
森山 伸一; 小林 貴之; 諫山 明彦; 横倉 賢治; 星野 克道; 下野 貢; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 寺門 正之; 平内 慎一; et al.
no journal, ,
JT-60SAに向け、電子サイクロトロン波(ECRF)システムの設計と開発を行っている。2011年3月11日の大地震の影響は小さく、約2か月間の注意深い点検・試験ののち、5月25日にシステムの再稼働を行うことができた。ジャイロトロン内の回折損失は、モード変換器の改良後、低く保たれており、従来パルス幅を制限していたDCブレーク冷却水温度は改良前の約半分で飽和している。これによりパルス幅は1MW出力において31秒、0.3MW出力においては99秒に達した。一方、JT-60SAでは想定されるトロイダル磁場が2.25Tの実験条件において130-140GHzの周波数であれば、より中心での加熱・電流駆動が可能となる。基本となる110GHzに加え、このやや高い周波数の発振を可能にする2周波数ジャイロトロンの開発に着手した。設計は最終段階に入っており、TE22,8 mode(110GHz)とTE27,10 mode(137.6GHz)の2種類の発振において40%の高い発振効率が得られる見通しを得た。今年度に製作を完了させ、来年度から出力試験を開始する計画である。
森山 伸一; 小林 貴之; 諫山 明彦; 星野 克道; 横倉 賢治; 下野 貢; 長谷川 浩一; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 寺門 正之; et al.
no journal, ,
JT-60SAに向けてECRF装置の高パワー長パルス化開発を行っている。1MW, 100秒出力を目指したジャイロトロン開発においてはモード変換器の改良により、これまでパルス幅を制限していたDCブレーク部への回折RFのパワーを大幅に減少させることに成功した。現在の達成値は1MW, 31秒(30MJ)である。これにより過去にパルス幅を制限していたDCブレーク部冷却水過熱の問題は解消され、ジャイロトロン内のガス出しを進めることで、さらなるパルス延伸が可能である見通しが確実なものとなった。伝送ラインにおいてはこれまでマイターベンドなど主要機器のみを強制冷却していたが、導波管自体を冷却してその有効性を確認した。30秒程度のパルス幅ではショット中の冷却効果は限定的であるがショット間のベース温度を低く保つうえで非常に効果的である。今後、負荷回路伝送ラインを現在の内径31.75mmの導波管からJT-60SAで用いる60.3mm導波管に置き換える改良等を行ったうえで効率よくジャイロトロンのエージングを進め、JT-60SAに必要な100秒出力の確認を目指す計画である。
鈴木 貞明; 平内 慎一; 和田 健次; 日向 淳; 小林 貴之; 横倉 賢治; 諫山 明彦; 森山 伸一
no journal, ,
JT-60U ECH装置では、最大出力約1MW,出力時間5秒の装置を4系統装備して実験を行ってきた。現在JT-60U本体を解体し、JT-60SA(JT-60 Super Advanced)に改修するための機器の設計及び製作が行われている。JT-60SAのECH装置は、系統あたり1MWの高周波出力,100秒間の出力時間が要求されている。このような長パルス運転を実現するためには、伝送系機器での高周波放電を抑制して効率よく伝送させることにより機器の発熱を抑えることが重要である。長パルス運転に対応するため、装置を改良して開発運転を進め、昨年度1MW出力では過去最長となる30秒の運転に成功した。これにより、ECH装置を改造するために必要となるデータを得ることができた。これらのデータから1MW, 100秒の伝送を実現するためには伝送機器の内径を大きくすることが必要であることがわかったため、従来の2倍の直径を持つ大口径伝送機器(内径60.3mm)を導入した。また、局所的に強く加熱される伝送路の温度低減のため、加熱低減対策及び冷却構造の改良も行った。その結果、温度上昇の緩和と除熱を図ることができた。
森山 伸一; 諫山 明彦; 小林 貴之; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 寺門 正之; 平内 慎一; 長谷川 浩一; 下野 貢; 横倉 賢治; et al.
no journal, ,
JT-60SA電子サイクロトロン加熱電流駆動装置の設計と開発を進めている。当初4系統整備する装置のうち2系統分の電源を幅広いアプローチの枠組みの中でEUが製作し、他の部分はJT-60の装置を改造する。最終的には110GHzジャイロトロン9基を用いて総合出力9MW(入射電力7MW), 100秒のシステムとする計画である。ジャイロトロンの開発運転においては、放射器改良により100秒発振への明るい見通しが得られており、コンディショニング途上ながら1MW, 12秒にて不要RFの顕著な減少を確認した。高パワー出力試験においては、アノード電圧制御を用いてパルス開始直後から高効率発振を得ることで、1.5MW, 4秒間の、秒オーダーでは世界最高となる出力を得ることに成功している。信頼性の高い冷却機構を有する直線駆動式アンテナの基本性能をモックアップ試験で確認した。また、トロイダルビームスキャンを可能にするミラー駆動機構を考案、機械設計を開始した。EUが製作する電源は電圧可変式としてコレクタ-ボディ間、カソード-アノード間にそれぞれ独立に設ける設計を進めており、自由度の高い電圧制御が可能になる見通しである。
森山 伸一; 小林 貴之; 諫山 明彦; 横倉 賢治; 下野 貢; 長谷川 浩一; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 寺門 正之; 平内 慎一; et al.
no journal, ,
JT-60UのECRFアンテナについて実験後に点検観察を行った結果、大きな損傷はないものの、軽微な放電痕が数箇所確認され、またミラー表面に軽度の変色が認められた。一方JT-60Uの実験期間における9年間に渡る運転データの統計的整理を行い、85%を上回る高いショットの成功率が得られていたことをあらためて確認した。JT-60Uの実験終了後もJT-60SAに向けてジャイロトロン及び伝送回路の高パワー長パルス開発を継続している。装置改造後の定格である1MW, 100秒出力を目指した開発においてはモード変換器を改良したジャイロトロンにおいて、これまでパルス幅を制限していたDCブレーク部への回折RFのパワーを半減させることに成功し、目標達成に明るい見通しが得られた。ジャイロトロン管内のガスだしコンディショニング中であり、現在の達成値は1MW, 17秒及び0.6MW, 30秒(18MJ)である。
小林 貴之; 諫山 明彦; 鈴木 貞明; 平内 慎一; 和田 健次; 日向 淳; 佐藤 福克; 横倉 賢治; 星野 克道; 森山 伸一
no journal, ,
JT-60SA電子サイクロトロン波(ECRF)装置の建設に向けて、ランチャー及び伝送路の設計と試験を行っている。既設JT-60用ECRF装置で用いた内径31.75mmの導波管機器について、高出力・長時間伝送時の温度上昇の空間分布を詳細に調べた結果、JT-60SAで要求される1MW, 100秒の伝送を行うには、冷却構造の改善m又は伝送損失の低減が必要であることがわかった。そこで、内径60.3mmの導波管を新規に導入した。初期的な大電力伝送試験を実施した結果、予想外の放電や真空度劣化はなく期待通りの動作が確認できた。一方、ランチャーについては、周辺機器との干渉を避ける改善を行った。また、ミラー駆動用の軸受け部の信頼性を高めるため、固体潤滑剤を用いた改良構造の試験体を製作した。
小林 貴之; 諫山 明彦; 星野 克道; 横倉 賢治; 下野 貢; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 寺門 正之; 平内 慎一; 和田 健次; et al.
no journal, ,
JT-60SAに向けた高出力・長パルス電子サイクロトロン加熱・電流駆動装置の設計と開発を進めている。マイターベンドでのモード変換損失を低減するため、内径が従来の31.75mmの約2倍(60.3mm)の導波管を導入し、高出力伝送試験を開始した。これまでのところ大きな問題なく調整が進み、出力0.5MWで5秒間まで到達した。電子サイクロトロン波加熱・電流駆動装置の運転領域を広げるため、従来の周波数である110GHzに137.6GHzを加えた、2周波数システムの開発を開始した。新たに2周波数ジャイロトロンを設計し、110GHzと137.6GHzの両方の周波数について、1MWを超える出力が30%より十分に高い効率で得られることを示した。
諫山 明彦; 小林 貴之; 森山 伸一; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 横倉 賢治; 下野 貢; 長谷川 浩一; 寺門 正之; 平内 慎一; et al.
no journal, ,
電子サイクロトロン波による加熱・電流駆動は局在化した吸収分布が得られるという長所があり、新古典テアリングモード(NTM)などのMHD不安定性を制御するために有効である。このほか電子サイクロトロン波はプラズマ着火や壁洗浄のツールとしても用いることができる。これらはJT-60Uにおいて実験的に示されていて、JT-60SAにおいても電子サイクロトロン波は引き続き重要な役割を担うと考えられる。JT-60SAのInitial Research Phaseにおいては、4基のジャイロトロンが装備され、そのうち2基は出力1MW,パルス幅100秒の運転を行う予定である。入射パワーの波形としては通常の矩形波のほか、5kHz程度でのオン/オフ変調も予定されている。電源,伝送路,ジャイロトロンなどの多く機器はJT-60Uのものを再利用するため、JT-60SAでの運転に向けて改良や開発が現在行われている。本講演では、JT-60SAにおける電子サイクロトロン波装置の開発に加え、長パルス試験(出力1MW,パルス幅10秒)などの最近の結果について報告する。
和田 健次; 小林 貴之; 諫山 明彦; 長谷川 浩一; 佐藤 文明; 横倉 賢治; 鈴木 貞明; 柴山 実; 平内 慎一; 下野 貢; et al.
no journal, ,
日本原子力研究開発機構では、約20年間核融合研究を推進してきたJT-60U装置を改修し超伝導コイルを用いたサテライトトカマク装置(JT-60SA)を建設する計画である。この計画に伴い、プラズマにミリ波を入射して局所加熱/電流駆動を行い、閉じ込め性能を向上させるための電子サイクロトロン加熱(ECH)装置の設計を進めている。本発表では、JT-60SA計画に求められるECH装置の長パルス運転(系統あたり1MW,100秒間)を実現するために必要な、水冷アンテナの設計、並びに周辺機器との物理的干渉を回避する高効率伝送ラインのレイアウト設計に関して、3D-CADを用いて行った検討について報告する。