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論文

Structure of nitride layer formed on titanium alloy surface by N$$_{2}$$-gas exposure at high temperatures

武田 裕介; 飯田 清*; 佐東 信司*; 松尾 忠利*; 長嶋 泰之*; 大久保 成彰; 近藤 啓悦; 平出 哲也

JPS Conference Proceedings (Internet), 25, p.011023_1 - 011023_3, 2019/03

今回、(1)810$$^{circ}$$C、600分、(2)850$$^{circ}$$C、720分のふたつの条件でチタン合金表面に窒化層を導入した。低速陽電子ビームを用いて、陽電子消滅$$gamma$$線ドップラー広がり測定により試料表面を測定した結果、表面近傍において陽電子は欠陥に捕まって消滅していることがわかった。TEM観察によると表面近傍には10nm程度の結晶粒が存在しており、ほとんどの陽電子は結晶中を拡散後、粒界の欠陥において消滅していることが明らかとなった。さらに、陽電子消滅ドップラー広がり測定の結果は、陽電子の消滅している部位における化学組成が深さに対して変化していることを示していたが、EDS観察においても、バナジウムなどの不純物に深さ依存性があることが示され、これらの測定結果は粒界における不純物濃度の変化を反映していると考えられる。

論文

Quantum beats on triplet-positronium reactions in water

平出 哲也

JPS Conference Proceedings (Internet), 25, p.011021_1 - 011021_2, 2019/03

水中の放射線分解では非常に強い反応性をもつOHラジカルなどが形成される。OHラジカルは水分子のイオン化直後にカチオンと水分子の反応で形成される。一方、水に陽電子を入射するとそのトラックの最後で水分子をイオン化し過剰電子を作り、その過剰電子と入射陽電子がポジトロニウム(Ps)を形成できる。ここで、OHラジカル中の不対電子とPs中の電子はイオン化前には同じ軌道にいた電子対であり、イオン化の時刻には一重項である。これらの電子は一方はOHラジカル上の超微細結合定数を、もう一方はPs上の超微細結合定数をもち、電子のスピン状態は変化していく。このスピンの相関から、PsとOHラジカルの反応において、スピン交換反応の収率が時間に依存することとなり、長寿命の三重項Psの反応では量子ビートが観測される。この量子ビートの周期からOHラジカルの超微細結合定数を見積もることができ、超微細結合定数はOHラジカルの周囲の環境、つまり、水分子が作り上げる構造に依存することとなる。これらの方法により、水の構造、構造の中のOHの反応などを議論できるようになりつつある。

論文

Reaction between spin-correlated triplet positronium and OH radical in water

平出 哲也

JPS Conference Proceedings (Internet), 25, p.011022_1 - 011022_3, 2019/03

水中では放射線分解で反応性の大きいOHラジカルが形成する。OHラジカルの挙動は材料の腐食や生体中の反応において重要である。最近、陽電子を入射した際に陽電子トラックの末端で形成されるOHラジカルと、OHラジカル形成とともに形成した過剰電子が熱化陽電子と反応することで形成されたポジトロニウム(Ps)の間で起こる反応に、スピン相関により量子ビートが起こることを報告した。この量子ビートはOHラジカルの超微細結合定数に依存した周期をもっていると考えられる。量子ビートの周期と強さが温度に依存すると考えられ、これらの変化はOHラジカルの周囲の状態を反映していると考えられる。このスピン相関のあるOHラジカルと三重項ポジトロニウムの反応により検出される量子ビートの温度依存性から、液体構造についてどのような研究が可能になるか解説する。

論文

室温イオン液体中のポジトロニウム

平出 哲也

陽電子科学, (11), p.33 - 40, 2018/09

絶縁材料中に入射した陽電子は、そのトラックの末端で熱化し、過剰電子の一つと1ps程度の時間にポジトロニウム(Ps)を形成する。したがって、Ps形成は液体中の過剰電子の溶媒和過程のような速いプロセスを調べるためのプローブとなり得る。放射線化学では室温イオン液体(IL)を照射することで興味深い現象がみられ、またその現象はILの応用において重要なものであった。そこでILの陽電子消滅寿命(PAL)測定を行ったところ、IL中で最短寿命成分の異常に長い寿命値が見出された。これらの異常な寿命値の原因を明らかにするためにPALと陽電子消滅寿命-運動量相関(AMOC)測定を行い、最終的にPsバブルの振動を発見した。最近の研究について結果を紹介しながら解説する。

論文

陽電子消滅測定手法と高分子などの材料研究への応用

平出 哲也

科学と工業, 92(2), p.44 - 54, 2018/02

陽電子は電子の反粒子であり電子と対消滅し質量に相当するエネルギーを$$gamma$$線として放出する。この$$gamma$$線を計測する手法を陽電子消滅法と呼ぶ。その時刻情報、エネルギー情報、放出角度の情報はいろいろな材料研究に用いられてきた。ここでは、陽電子消滅法の中でも、消滅寿命、消滅$$gamma$$線ドップラー拡がり、消滅寿命-運動量相関を主に取り上げ、金属材料や高分子材料に関する研究例を挙げながら解説する。

論文

Ortho-positronium annihilation in room temperature ionic liquids

平出 哲也

Acta Physica Polonica A, 132(5), p.1470 - 1472, 2017/11

 パーセンタイル:100(Physics, Multidisciplinary)

室温イオン液体の陽電子消滅寿命測定では通常の液体中と異なる現象が見出された。最終的にこの現象は、室温イオン液体中でポジトロニウムによるバブル形成が遅れて起こるためであることが、陽電子消滅寿命-運動量相関(AMOC)測定で明らかとなった。さらにバブルが安定するまでにオルソーポジトロニウムの消滅率の振動が起きることを見出し、これはおそらくバブルの振動を反映していると考えられる。ステパノフらはバブルの大きさの変化をいろいろな液体について計算しているが、液体ヘリウム以外では振動は起こらないとしている。これは室温イオン液体におけるナノスケールの構造が、通常の液体と非常に異なることを示唆している。さらに室温イオン液体中におけるオルソーポジトロニウムの消滅率はその巨視的な表面張力から予測されるものに対して小さすぎるものとなっていることも分かってきた。陽電子消滅法を用いることで、他の手法では不可能な室温イオン液体のナノスケールにおける構造に関する研究が可能となる。

論文

最新放射線化学(応用編),24; 放射線化学と陽電子消滅

平出 哲也

Radioisotopes, 66(11), p.587 - 593, 2017/11

陽電子は電子の反粒子であり、固体や液体中に入射された陽電子は電子と100ピコ秒から数ナノ秒程度の寿命で消滅する。その際にその質量エネルギーがほとんどの場合2本の$$gamma$$線として放出されるが、これら$$gamma$$線を計測し得られるエネルギーや消滅率から、消滅直前の状態についての情報を得ることができる。また、ある確率で陽電子は過剰電子とポジトロニウム(Ps)という結合状態をピコ秒程度までに形成し、ピコ秒までの反応のプローブとなりえる。また、その後、三重項Psが消滅するナノ秒までの時間に起こる反応により、スパー内活性種に関する議論も可能となる。ここでは、放射線化学に関連する情報がどのように得られるのか、また、放射線化学に関連した過去の研究について解説し、放射線化学への陽電子消滅の利用の可能性について解説する。

論文

Positron annihilation in the near surface of room temperature ionic liquids

平出 哲也; O'Rourke, B. E.*; 小林 慶規*

Journal of Physics; Conference Series, 791(1), p.012029_1 - 012029_4, 2017/02

イオン液体である、N,N,N-trimethyl-N-propylammonium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide (TMPA-TFSI)について、産総研に整備された垂直型の低速陽電子ビームを用いて、液面近傍における陽電子消滅率の測定を試みた。イオン液体の蒸気圧は非常に小さく、真空容器内にそのままイオン液体を配置することで、液面表面近傍の陽電子消滅率の測定を行うことが可能である。本測定は、イオン液体表面近傍における最初の陽電子消滅率の測定となる。その結果、三重項ポジトロニウムの消滅率が表面に近いほど大きくなることが分かった。

論文

Structure of nitride layer formed on titanium alloy surface by N$$_{2}$$-gas exposure at high temperatures

武田 裕介; 飯田 清*; 佐東 信司*; 松尾 忠利*; 長嶋 泰之*; 大久保 成彰; 近藤 啓悦; 平出 哲也

Journal of Physics; Conference Series, 791(1), p.012022_1 - 012022_4, 2017/02

ゴルフクラブや、航空機用構造材料等に広く用いられているチタン合金は、表面を窒化処理することで硬さを飛躍的に増すことが知られているが、熱処理温度または時間によっては表面に形成された窒化層が負荷により簡単に剥離してしまい、実用性に欠く場合がある。そこでわれわれは2つの窒化条件、(1)810$$^{circ}$$C 600minと(2) 850$$^{circ}$$C 720minで処理した試料を準備し、その表面に形成された窒化層を、陽電子消滅$$gamma$$線ドップラー広がり(DB)測定で評価した。窒素の拡散のみ考慮して評価すると0.05-0.1$$mu$$mまで窒化されると予想されるが、DBによる評価では窒化によって導入される欠陥層は0.5$$mu$$mを超える領域まで達していることがわかった。

論文

ポジトロニウム化学とその応用

平出 哲也

放射線と産業, (139), p.23 - 28, 2015/12

ポジトロニウムは電子と陽電子の結合状態である。このポジトロニウムに関連した化学研究とその応用について解説した。ポジトロニウム形成機構は半世紀以上の時間を要し、Hiradeによる低温における現象の解明で、全体が明らかとなり、研究者間の対立も消え、同じ考えの上で議論できるようになった。現在ではスパー反応モデルが再び受け入れられ、ポジトロニウム形成を利用した放射線化学研究、特に、ピコ秒領域の過剰電子の挙動や電子の移動度に関する研究を紹介した。また同時に、自由体積モデルが間違いであることが示され、その結果、高分子の微視的自由体積研究などで、三重項ポジトロニウムの消滅寿命のみで議論できることを解説した。また、最新の研究として、液体中においてポジトロニウムが作るサブナノメートルのバブルがイオン液体中で振動していることが見出され、ナノサイズの物性研究で期待されるものであることを示した。

論文

弾性応力下におけるマルテンサイト鋼中の水素起因格子欠陥の形成促進と水素脆化

土信田 知樹*; 鈴木 啓史*; 高井 健一*; 平出 哲也; 大島 永康*

NanotechJapan Bulletin (インターネット), 8(3), 5 Pages, 2015/07

水素を含んだ鉄鋼材料は含まないものに比べ、応力付与によって延性低下が著しく進展し、より破断しやすくなる(水素脆化問題)。水素脆化の機構は、材料中の格子欠陥形成と深く関係するとされているが、一般に格子欠陥の実験的評価が難しいため不明な点も多い。本研究課題では、水素脆化と格子欠陥との関係を明らかにするために、昇温脱離分析(TDA)と陽電子プローブマイクロアナライザー(PPMA)とを用いて、一定弾性応力下に保持された鉄鋼材料(焼戻しマルテンサイト鋼)の水素チャージによって形成する格子欠陥の検出を試みた。この結果、弾性応力下であっても水素をチャージすることで鋼中での原子空孔生成が著しく促進されること、さらに生成した空孔型欠陥が鋼の延性低下をもたらすことを明らかにした。

論文

Positronium bubble oscillation in room temperature ionic liquids; Temperature dependence

平出 哲也

Journal of Physics; Conference Series, 618(1), p.012004_1 - 012004_5, 2015/06

 被引用回数:2 パーセンタイル:21.55

ポジトロニウム(陽電子と電子の結合状態)は物質中で負の仕事関数を持つため、液体中ではサブナノサイズのバブルを形成する。バブルが形成される際に、その大きさが安定するまでに、バブルの大きさの変化や振動が起こると考えられる。陽電子消滅法は、対消滅$$gamma$$線を検出することで行われる手法であるが、その時間分解能は100-200ピコ秒程度であり、通常短時間で起こる液体中のバブル形成過程は、計測された例がない。室温イオン液体中における陽電子消滅過程では不思議な現象が多く見られてきたが、最近、これらが、バブル形成に時間を要するためであることが明らかとなってきた。そこで、バブル形成時の振動などが計測できる可能性があり、実際に、バブルサイズに依存する、三重項ポジトロニウムの消滅率の振動として捕らえることに成功した。一方、この振動の周期や減衰は、サブナノスケールにおける動的粘弾性を示しており、室温イオン液体をはじめとする液体の新しい動的特性評価法となりえることを示しており、振動が温度依存することを示すことで、動的特性が反映されていることも確認した。

論文

2光子同時計測による環境中セシウム134の簡易測定法

平出 哲也; 片山 淳; 正木 信行

Radioisotopes, 64(5), p.311 - 318, 2015/05

環境中に存在する放射性セシウムの量は半導体検出器などを用いて得られるエネルギースペクトル上の全吸収ピークを評価することで行われている。しかし、これらの方法は放射性物質と検出器の距離に対して2乗に反比例する検出効率を有しており、周囲に汚染があれば、正しい評価が難しくなるため、試料と検出器は重たい鉛などでできた遮蔽容器に入れる必要がある。我々は放射性セシウムの中で、複数の$$gamma$$線を放出する$$^{134}$$Csに着目した。現在、環境中に存在している放射性核種において、複数の$$gamma$$線を放出するもので比較的多く存在しているものは$$^{134}$$Csのみである。$$^{134}$$Csからの$$gamma$$線に関しては、605keVと796keVの$$gamma$$線の放出比が高く、これらの$$gamma$$線を同時計測することで、距離の4乗に反比例する検出効率を実現し、周囲の汚染などに影響を受けにくい計測法を可能とし、環境中において非破壊でその場測定によって、放射能量の評価を行うことが可能になる。

論文

陽電子消滅寿命・運動量相関測定

平出 哲也

陽電子科学, (4), p.3 - 8, 2015/02

陽電子消滅寿命・運動量相関測定は、陽電子入射時刻、陽電子消滅時刻、および陽電子消滅$$gamma$$線エネルギーの相関測定である。この陽電子消滅寿命・運動量相関測定の測定方法、解析方法などについて簡単に述べ、また、この手法を用いた興味深い研究をいくつか解説する。

論文

Positronium bubble oscillation in room temperature ionic liquids

平出 哲也

JJAP Conference Proceedings, Vol.2 (Internet), p.011003_1 - 011003_6, 2014/11

ポジトロニウムは絶縁物中で負の仕事関数をもち、その結果、周囲の分子との間に斥力が生じ、液体中ではバブルを形成する。しかし、バブルが安定な状態になるには、エネルギーを失う必要があるため、バブルの大きさが振動することが予想される。オルソポジトロニウムの消滅確率は、このバブルの大きさが小さいと大きくなり、バブルのサイズの振動は寿命スペクトル上に振幅として現れると予測される。通常の液体ではバブルの形成は早いため、時間分解能が200ピコ秒の装置では観測は不可能であるが、イオン液体中では、バブルの形成が遅いと考えられ、この寿命スペクトル上の振幅を観測できる可能性があり、実際に試みたところ、予想通り、500ピコ秒よりも遅い時刻領域に現れる振幅を観測することに成功した。

論文

Bulky averaged microscopic information for ECAP-processed Cu using Accelerator-based gamma-ray-Induced Positron Annihilation Spectroscopy and neutron diffraction

石橋 寿啓*; 友田 陽*; 菅谷 聡*; 豊川 弘之*; 平出 哲也; 堀田 善治*; 鈴木 裕士

Materials Transactions, 54(9), p.1562 - 1569, 2013/09

Equal Channel Angular Pressing(ECAP)法による99.99%銅の空孔密度,組織,粒界応力などのバルク平均された微視的構造パラメータを加速器利用の$$gamma$$線誘起陽電子消滅分光(AIPAS)と中性子回折により調べた。AIPASで得られた消滅$$gamma$$線ピークのドップラー広がりを示すSパラメータは最初のECAP処理で大きく増大し、その後の処理でわずかな減少が確認された。また、熱処理によって回復が見られたが、8サイクルのECAP処理試料の方が1サイクルのものよりも低温での回復が見られた。ECAP処理による組織や粒界の応力を中性子回折分析で求めた。熱処理を行いながら観測した中性子回折の半値幅と強度の変化から、8サイクルのECAP処理試料において再結晶化がより早く起こっていることがわかった。これらのバルク平均されたデータは結晶方位解析(SEM-EBSD)や機械的特性評価の結果と定性的に良い一致を示した。

論文

Positronium bubble formation in room temperature ionic liquids

平出 哲也; 岡 壽崇*

Journal of Physics; Conference Series, 443, p.012060_1 - 012060_4, 2013/06

 被引用回数:2 パーセンタイル:23.54

イオン液体は蒸気圧が非常に小さいなど、そのユニークな特性と環境に優しい材料であることから、いろいろな分野での利用が期待されており、原子力分野においても使用済燃料の再処理への利用が期待されている。この場合、放射線場での使用となり、放射線による影響評価が重要である。イオン化により形成された過剰電子の溶媒和はその後の過程に大きく影響し、微視的なスケールにおける分子運動が大きく関与すると考えられる。ポジトロニウム(電子と陽電子の結合状態)は液体中では負の仕事関数によりサブナノメートルのバブルを形成することが知られている。バブルは非常に短い時間(ピコ秒程度)で形成されると理解されてきたが、イオン液体中におけるバブルの形成過程を陽電子消滅寿命-運動量相関測定(AMOC)を利用することで、初めて観測することに成功した。本研究で、バブルの形成が100ピコ秒程度遅れて起こることが明らかとなり、異常に長かった一重項ポジトロニウムの自己消滅寿命を解決することができ、また、AMOCよりも簡便な陽電子消滅寿命測定から得られる情報でも分子運動性の評価が可能であることを示した。

論文

Positron annihilation lifetime of irradiated polyimide

平出 哲也; 岡 壽崇; 森下 憲雄*; 出崎 亮; 島田 明彦

Materials Science Forum, 733, p.151 - 154, 2013/00

 被引用回数:5 パーセンタイル:6.01

カプトンで代表されるポリイミドは、極めて耐放射線性が高く、宇宙や放射線施設などの高放射線場で使用されている材料である。陽電子消滅寿命測定は材料分野で広く使われている手法であり、高分子材料の特性において重要な自由体積評価などに、電子と陽電子の三重項結合状態であるオルソーポジトロニウムの寿命が利用されてきた。しかし、カプトン中ではポジトロニウムが形成されないため、この手法が利用されてこなかった。今回われわれは、自由陽電子からの消滅寿命も、高分子の自由体積のような、空隙サイズに依存して変化することを温度依存性から示し、さらに照射効果が明確に観測できることを示すことで、これらの材料にも陽電子消滅寿命測定を利用可能であることを初めて示した。

論文

Enhanced lattice defect formation associated with hydrogen and hydrogen embrittlement under elastic stress of a tempered martensitic steel

土信田 知樹*; 鈴木 啓史*; 高井 健一*; 大島 永康*; 平出 哲也

ISIJ International, 52(2), p.198 - 207, 2012/02

 被引用回数:32 パーセンタイル:8.46(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

欠陥のプローブとして、水素昇温脱離と陽電子プローブマイクロアナライザーを用い、弾性応力下における焼戻マルテンサイト鋼中における水素の挙動、及び水素による格子欠陥成長を、転位と空孔に関して明らかにした。水素脆化に及ぼす、水素による格子欠陥成長の影響についても調べた。水素存在下では、弾性応力範囲内においても、格子欠陥量は応力を負荷している時間とともにゆっくりと増大し、試料は脆性破壊する。弾性応力下でも、転位と水素の相互作用によって空孔が導入され、延性低下し、その影響は水素が抜けた後でも残存すると考えられる。以上のことから水素脆化において空孔の形成と蓄積が重要な要因であると結論できる。

論文

Ortho-positronium reactions in water studied by positron annihilation age-momentum correlation

平出 哲也; 岡 壽崇; Lee, J.

Materials Science Forum, 666, p.103 - 108, 2011/01

水中で形成される放射線誘起OHラジカルは、非常に強い活性酸素であるが、短寿命であり、直接観測されてこなかった。陽電子を水中に入射するとオルソーポジトロニウムが形成され、OHラジカルと反応することが明らかとなり、オルソーポジトロニウムをプローブとしてOHラジカルの観測が可能となった。オルソーポジトロニウムの反応を最も的確に観測できる手法は、陽電子消滅寿命-運動量相関測定であり、この手法を用いて、OHラジカルの反応性の温度依存性について調べた。その結果、反応により、消滅$$gamma$$線の運動量分布が小さいパラーポジトロニウムから消滅していく成分が増大することから、高温では拡散速度が大きくなることで、反応が速く進んでいくことを示した。

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