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論文

Encrustation prevention of zirconium molybdate hydrate

荒井 貴大*; 伊藤 大雄*; 平沢 泉*; 宮崎 康典; 竹内 正行

Chemical Engineering & Technology, 41(6), p.1199 - 1204, 2018/06

 被引用回数:4 パーセンタイル:14.58(Engineering, Chemical)

硝酸溶液で溶解した使用済燃料は核分裂生成物を含んでおり、中でもMoやZrは硝酸との反応によってモリブデン酸ジルコニウム(ZMH)を形成する。ZMHは再処理工程で様々なトラブルの原因となり、安定なプラント運営には、ZMH等の不溶解性残渣を取り除くための清澄システムの構築が必要となる。本研究では、ZMHの析出条件と壁面付着条件(例えば、温度、硝酸濃度、MoとZrの初期濃度比)を調査し、付着におけるメカニズムを考察した。主な結果は以下の3点である。(1)温度が高いほど析出量が増加するが、SUSへの付着量は減少する。(2)低い酸濃度ではZMHの析出量が増加するが、SUSへの付着量は減少する。(3)Mo/Zrが低い場合は析出量が多く、壁面付着量も多いが、Mo/Zrが高い場合は析出量が少なく、壁面付着量も減る傾向にあった。今後は、考察した結晶成長メカニズムと壁面堆積の関係を具体化するモデルの検討と検証試験を実施する。

論文

Purification of uranium products in crystallization system for nuclear fuel reprocessing

竹内 正行; 矢野 公彦; 柴田 淳広; 三本松 勇次*; 中村 和仁*; 近沢 孝弘*; 平沢 泉*

Journal of Nuclear Science and Technology, 53(4), p.521 - 528, 2016/04

 被引用回数:3 パーセンタイル:25.53(Nuclear Science & Technology)

Uranium crystallization system has been developed to establish an advanced aqueous reprocessing for fast breeder reactor (FBR) fuel cycle in JAEA. In the advanced process, most of uranium in dissolved solution of spent FBR-MOX fuels with high heavy metal concentration is separated as uranyl nitrate hexahydrate (UNH) crystals by a cooling operation. The technical targets on the crystallization system are decided from FBR cycle performance, and the U yield from dissolved solution of the spent fuel is 70% and the decontamination factor (DF) of impurities in the crystal products is more than 100. The DF is lowered by involving liquid and solid impurities on and in the UNH crystals during the crystallization. In order to achieve the DF target, we discussed the purification technology of UNH crystals using a Kureha crystal purifier. As results, the uranium more than 90% in the feed crystals could be recovered as the purified crystals in all test conditions, and the DFs of solid and liquid impurities on the purified crystals showed more than 100 under longer residence time of crystals. In conclusion, the both targets for the yield and DF could be achieved simultaneously by introducing the crystal purification technology.

論文

Removal of liquid and solid impurities from uranyl nitrate hexahydrate crystalline particles in crystal purification process

中原 将海; 野村 和則; 鷲谷 忠博; 近沢 孝弘*; 平沢 泉*

Journal of Nuclear Science and Technology, 48(3), p.322 - 329, 2011/03

 被引用回数:8 パーセンタイル:51.22(Nuclear Science & Technology)

硝酸ウラニル六水和物の精製挙動は、液体及び固体不純物を除染するために発汗及び融解分離プロセスにおいてMOX燃料溶解液を用いたバッチ試験にて評価された。Euなどの液体不純物は発汗法により効率的に除去されたが、Pu, Cs及びBaなどの固体不純物の除去に関しては、バッチ試験ではあまり効果がなかった。一方、融解分離プロセスではBaは0.45及び5.0$$mu$$mのフィルタにおいて除染係数の増加が確認された。Pu及びCsの除染係数は5.0$$mu$$mのフィルタではほとんど変化なかったものの、0.45$$mu$$mのフィルタでは2倍に向上した。融解分離プロセスにおいては、Cs$$_{2}$$Pu(NO$$_{3}$$)$$_{6}$$の粒径は、とても小さく5.0$$mu$$mのフィルタを通過したと思われる。

論文

Influence of nitric acid and plutonium concentrations in dissolver solution of mixed oxide fuel on decontamination factors for uranyl nitrate hexahydrate crystal

中原 将海; 野村 和則; 鷲谷 忠博; 近沢 孝弘*; 平沢 泉*

Radiochimica Acta, 98(6), p.315 - 320, 2010/06

 被引用回数:7 パーセンタイル:39.00(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

U晶析プロセスにおけるPu及び核分裂生成物の除染挙動を調べるため、混合酸化物燃料溶解液を用いた試験を実施した。Euは硝酸ウラニル六水和物結晶の洗浄操作において除染できることが確認された。しかしながら、BaとCsの除染係数は低かった。これはU晶析プロセスにおいてBa(NO$$_{3}$$)$$_{2}$$とCs$$_{2}$$Pu(NO$$_{3}$$)$$_{6}$$としてそれぞれ析出することが原因と考えられる。Csの除染係数は、HNO$$_{3}$$及びPu濃度が増加するに従い減少することがわかった。この原因は、Cs$$_{2}$$Pu(NO$$_{3}$$)$$_{6}$$の生成によるものと推察された。

論文

Preparation and characterization of dicesium tetravalent plutonium hexanitrate

中原 将海; 野村 和則; 鷲谷 忠博; 近沢 孝弘*; 平沢 泉*

Journal of Alloys and Compounds, 489(2), p.659 - 662, 2010/01

 被引用回数:2 パーセンタイル:18.59(Chemistry, Physical)

UNH結晶から安定にPu-Cs複塩を分離するためにPu-Cs複塩の生成挙動試験を実施した。この複塩は、MOX燃料溶解液とCsNO$$_{3}$$溶液を混合することにより調製し、濃度分析及びXRDによりCs$$_{2}$$Pu(NO$$_{3}$$)$$_{6}$$であることを確認した。また、HNO$$_{3}$$濃度が高くなるに従い生成する傾向にあった。熱分析を実施すると、245$$^{circ}$$Cまで安定であり、これ以降の温度より約10.29%の重量減少が観察された。これは、Cs$$_{2}$$Pu(NO$$_{3}$$)$$_{6}$$からCs$$_{2}$$PuO$$_{2}$$(NO$$_{3}$$)$$_{4}$$へ分解するためと考えられる。これらの結果より、UNH結晶とともに析出したPu-Cs複塩を60$$^{circ}$$Cから100$$^{circ}$$CにてUNH結晶のみを融解し、安定なPu-Cs複塩をフィルタにより分離できる可能が示唆された。本研究において、UNH結晶の高除染化を目的とした新しい結晶精製方法を提案した。

論文

Research and development of crystal purification for product of uranium crystallization process

矢野 公彦; 中原 将海; 中村 雅弘; 柴田 淳広; 野村 和則; 中村 和仁*; 田山 敏光; 鷲谷 忠博; 近沢 孝弘*; 菊池 俊明*; et al.

Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycle; Sustainable Options & Industrial Perspectives (Global 2009) (CD-ROM), p.143 - 150, 2009/09

The behaviors of impurities and applicability of sweating and melting-filtration operations to the purification for UNH crystal were investigated experimentally on a beaker and an engineering scale. With regard to behaviors of impurities, the conditions of cesium and barium precipitation were surveyed and it was clarified that there were most impurities on the outside of UNH single crystal and that they make no eutectoid with UNH. On the other hand, it is confirmed that sweating and melting-filtration operations were effective in principle by the experiment with uranium and simulated FP system. After that, its effects verified by beaker scale experiments with the system including plutonium and irradiated fuel. Additionally, engineering scale tests were carried out with a Kureha Crystal Purifier (KCP) type testing device to evaluate that its performance was suitable for UNH purification. This work was supported by the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology of Japan (MEXT).

報告書

「軽水炉用」プルトニウム富化燃料のHBWR照射試験(II)IFA-514燃料集合体の製作

小泉 益通; 本田 裕*; 湯本 鐐三; 落合 洋治*; 堀井 信一*; 山本 純太*; 平沢 正義; 八木 隆雄

PNC TN841 79-38, 250 Pages, 1979/06

PNC-TN841-79-38.pdf:16.67MB

BWR型商業炉でのプルトニウム燃料実証試験の先行試験として当照射試験が計画された。試験では製造上の健全性を確認すると共に,燃料の照射挙動を知る上から各種の燃料棒計装を採用した。また炉の運転上および燃料破損検出の面から集合体にも各種の計装が取付けられる。燃料の特色としては中実ペレットの他に中空ペレットも採用したこと,および表面研削ペレットと未研削ペレットの採用などがある。中空ペレットの製造と燃料棒の計装は初めての試みであり,中空ペレットの製造試験より計装燃料棒加工終了まで約1年を要した。集合体組立およびそれへの計装取付はハルデン・サイトで行われる。集合体部材については2体分を製作し,設計・製作上のミス確認のためプル燃において1体を組立て健全性を確認した。これら燃料は52年11月頃出荷予定であったが,核物質の輸送に係わる法律改正,および核物質の第三国移転手続き等のために大巾にスケジュールが遅れた。本報告は,燃料および各種部材等の製造・加工における諸データを整理収録したものである。

口頭

晶析工程における結晶精製技術に関する研究開発,11; 照射済高速炉燃料溶解液を用いたUNH結晶の精製試験

中原 将海; 野村 和則; 鷲谷 忠博; 近沢 孝弘*; 平沢 泉*

no journal, , 

晶析工程より回収されるUNH結晶の精製技術を開発するために、照射済高速炉燃料溶解液を用いた結晶精製基礎試験を実施した。液体不純物では、発汗操作,固体不純物については融解分離操作によりUNH結晶の精製を試み、結晶精製技術開発に必要な基礎データを取得した。

口頭

KEK低速陽電子実験施設におけるビームライン整備と新しい測定装置

和田 健*; 望月 出海*; 兵頭 俊夫*; 小菅 隆*; 斉藤 裕樹*; 設楽 哲夫*; 大澤 哲*; 池田 光男*; 白川 明広*; 古川 和朗*; et al.

no journal, , 

高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所の低速陽電子実験施設では、ライナックベースの低速陽電子ビームを共同利用に供している。近年成果が上がっている、反射高速陽電子回折(RHEPD)実験とポジトロニウム負イオン分光実験を次の段階に進めるために、多数のコイル用電源を移動して新しいビームラインの分岐を整備するとともに、装置の移動を行った。また、低速陽電子回折(LEPD)実験装置開発のための予備実験を行い、装置設計を進めている。平成24年度秋のビームタイムより共同利用が再開したポジトロニウム飛行時間測定装置における実験成果の紹介も行う予定である。

口頭

KEK低速陽電子実験施設における陽電子回折実験計画

兵頭 俊夫*; 深谷 有喜; 高橋 敏男*; 藤浪 真紀*; 和田 健*; 望月 出海*; 設楽 哲夫*; 河裾 厚男; 前川 雅樹; 白澤 徹郎*

no journal, , 

高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所低速陽電子実験施設の専用ライナックで生成したエネルギー可変低速陽電子ビームは、1-10ns可変幅(短パルスモード)あるいは1$$mu$$s(ロングパルスモード)幅のパルス状のビームで、かつ0.1-35keVの可変エネルギーで輸送するという特徴がある。強度は前者で$$5times10^{7}$$/s程度、後者で$$5times10^{6}$$/s程度である。ロングパルスモードの高強度を生かした反射高速陽電子回折(RHEPD)が既に開始されている。平成24年度より5年間の予定で科研費基盤(S)「高輝度・高強度陽電子ビーム回折法の開発と表面研究への応用」(研究代表者:兵頭俊夫)が採択された。これによって、RHEPDをさらに推進するとともに、新たに低速陽電子回折(LEPD)のステーションも製作して研究を開始する。陽電子に対しては物質の結晶ポテンシャルが正であるために、RHEPDにおいてたとえばSiの表面に10keVの陽電子を表面すれすれの角で入射すると、視射角$$theta<2^{circ}$$で全反射が起きる。その結果、この領域では回折強度が電子に比べて2桁近く大きく、この領域のすぐ外でもかなり大きい。このため、$$^{22}$$Na線源を用いたRHEPDでも他の手段では得られない表面構造の情報を与えてきていた。ビーム強度が上がったことによって、試料の方位調整がリアルタイムでできるようになり測定時間も格段に短くなった。さらに、再減速による輝度増強が可能になるので、ますます有用な情報が得られると期待される。

口頭

KEK低速陽電子実験施設のビームライン整備と最近の成果

和田 健*; 望月 出海*; 兵頭 俊夫*; 小菅 隆*; 斉藤 裕樹*; 設楽 哲夫*; 大澤 哲*; 池田 光男*; 白川 明広*; 古川 和朗*; et al.

no journal, , 

高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所の低速陽電子実験施設では、ライナックベースの低速陽電子ビームを共同利用に供している。2012年度春に、日本原子力研究開発機構の河裾グループの協力を得て、反射高速陽電子回折用に透過型の輝度増強ユニットを導入した。磁場で輸送した15keVの低速陽電子ビームを非磁場領域に解放した後、10kVに印加した厚さ100nmのタングステン薄膜に磁気レンズを用いて収束し、数段からなる引き出し電極と磁気レンズを用いてアース電位の試料に導く。輝度増強ユニット導入前と比べて、ビームのエネルギー広がりが1桁以上狭くなるとともに、反射強度が約4倍向上した。また、これまで使用できなかったポジトロニウム飛行時間(Ps-TOF)測定装置を、東京理科大学長嶋グループの協力を得て再整備し、同装置を用いる共同利用の募集を開始した。2012年度秋より3課題のPs-TOF測定装置を用いた共同利用が開始された。2009年度まで行われていた透過型陽電子顕微鏡実験で用いた輝度増強チャンバーを生かし、東京大学物性研究所高橋グループ及び千葉大学藤浪グループの協力を得て、低速陽電子回折実験装置の開発を開始した。最近予備実験として、このビームライン分岐におけるビーム試験と、輝度増強ユニットの動作試験を行った。以上の施設の整備状況について報告するとともに、最近の共同利用の成果の紹介を行う。

口頭

KEK低速陽電子実験施設の現状; 新ビームライン分岐と実験ステーションの再配置

和田 健*; 望月 出海*; 兵頭 俊夫*; 小菅 隆*; 斉藤 裕樹*; 濁川 和幸*; 設楽 哲夫*; 大澤 哲*; 池田 光男*; 白川 明広*; et al.

no journal, , 

高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所の低速陽電子実験施設では、ライナックベースの大強度低速陽電子ビームを共同利用に供している。2012年春に、日本原子力研究開発機構の協力を得て、反射高速陽電子回折(RHEPD)用に透過型の輝度増強ユニットを導入した。これにより、$$^{22}$$Naベースの陽電子ビームと比較して、ビームの輝度が約3600倍上がり、ビーム強度は約60倍向上した。この輝度増強ビームを用いてSi(111)-7$$times$$7表面におけるRHEPD実験を行ない、全反射臨界角以下の領域で、最表面原子層からのみの明瞭な回折像を観測することに成功した。近年成果が上がっている上記RHEPD実験とポジトロニウム負イオン分光実験を次の段階に進めるために、地下1階部分の多数のコイル用電源を実験と干渉しないスペースへ移動して、より広い実験スペースを確保した。ロングパルスモードを使用するRHEPD実験は地下1階で、ショートパルスモードを使用するポジトロニウム負イオン実験とポジトロニウム飛行時間測定実験を地上1階で行うよう、ステーションの再配置を行った。

口頭

Preventing zirconium molybdate accumulation based on crystallization

竹内 正行; 小泉 務; Cho, R.*; 平沢 泉*

no journal, , 

核燃料再処理分野における溶解工程等において、モリブデン酸ジルコニウムの析出が報告されている。この化学種は析出物として機器や配管等の閉塞に影響する他、伝熱機器の内面に付着し、伝熱効率を低下するなどの悪影響をもたらす。そのため本研究では、構造容器内におけるモリブデン酸ジルコニウムの付着要因について検討を行うとともに、溶液温度や種結晶添加による影響について評価した。その結果、それぞれの因子をコントロールすることにより、モリブデン酸ジルコニウムの壁面付着を低減できる可能性があることがわかった。

口頭

反応晶析法によるZr-Te析出物組成に関する検討

下端 健吾*; 荒井 貴大*; 伊藤 大雄*; 平沢 泉*; 宮崎 康典; 竹内 正行

no journal, , 

わが国では原子力の利用にあたって、燃料サイクル政策を進めており、使用済核燃料の再処理プロセスが導入されている。このプロセスの導入により、ウラン資源の有効利用や放射性廃棄物の削減が可能となる。現状では硝酸溶液を使用したPUREX法が採用されているが、燃料溶解等の過程で生じる不溶解性残渣が配管内に沈積・付着し、配管閉塞を引き起こす点がプラントの安全運転における課題となっている。不溶解性残渣の主成分であるモリブデン酸ジルコニウム2水和物(ZMH)が付着した際の対応として、高圧水による物理的洗浄や酸・アルカリによる化学的洗浄が考えられるが、これらは汚染水の増加や配管の腐食を引き起こす。このことから、晶析的な見地に基づいたZMH析出・付着抑止が求められる。本研究では、ZMHに同伴した析出が知られているテルル(Te)に対し、Zr-Teの二成分系の析出物を調査した。その結果、Zr-Te系は高温になるほど溶解度が下がる傾向にあり、ZMHと共通した析出挙動が示された。また、析出物のZrとTeの比は1:1であった。構造解析に用いられるXRDスペクトルは析出物の焼成前後で大きく変化し、焼成後はZrTe3O8と一致するスペクトルが得られた。今後は焼成による影響を調べ、Zr-Mo-Teの三成分における析出物について詳しく調べていく予定である。

口頭

三酸化モリブデン半水和物結晶の懸濁液添加によるZMH付着抑制効果の検討

阿部 りさこ*; 平沢 泉*; 宮崎 康典; 竹内 正行

no journal, , 

再処理技術開発において、不溶解性残渣の除去が課題となっている。それは、不溶解性残渣の主成分であるモリブデン酸ジルコニウム2水和物(ZMH)が、燃料溶解工程以降の再処理機器に付着または沈積し、安定なプラント運転を阻害するためである。これまでの共同研究で、ZMHの析出が溶解液の液性(硝酸濃度, 液温, MoとZrの濃度比等)や付着材料に依存すること、そして、ZMHの付着を抑制するには3酸化モリブデン(MoO$$_{3}$$)結晶の添加が有効であることを明らかにしている。本研究では、実系プロセスへの導入手法および適用性の検討を目的に、MoO$$_{3}$$結晶生成直後の懸濁液を添加し、ZMHの付着抑制効果を評価した。MoO$$_{3}$$の結晶懸濁液の添加量に応じてZMHの付着抑制効果を示すデータが得られ、ZMHの核化反応がMoO$$_{3}$$の結晶表面で起きていることを再確認した。今後は模擬廃液を用いて、MoO$$_{3}$$(結晶および混濁液)の添加に伴うZMHの付着抑制効果を評価する。

口頭

Teイオン添加によるZMH析出・付着抑制効果の検討

下端 健吾*; 平沢 泉*; 宮崎 康典; 竹内 正行

no journal, , 

溶解槽で使用済燃料を溶かした硝酸溶液は核分裂生成物等を含んでおり、溶解性元素と難溶解性元素が混在することになる。難溶解性であるMoやZrは、高温酸性溶液中でモリブデン酸ジルコニウム・2水和物(ZMH)を形成し、配管やパイプに強く付着するため、再処理機器周辺の熱伝導率の低下や閉塞等を引き起こす。付着したZMHの物理的・化学的な洗浄では2次廃棄物の発生が懸念されることから、添加物による抑制策を考える必要がある。我々は、早稲田大学との共同研究で、ZMHと同伴した析出が示唆されているTe添加の影響を評価した。Zr, Mo, Teの混合溶液で得られた実験データをもとに考察した内容を以下に示す。(1)実液の相対濃度比に合わせたTe添加量では、溶液中の[Mo]と[Zr]に与える影響は小さい。得られた析出物のXRDスペクトルはベースラインが上昇しており、これはZr-Te錯体を形成したためと考えられる。(平成29年度の成果から、TeはMoよりもZrと反応しやすいことが分かっている。)(2)実液の相対濃度比よりも過剰量のTe添加によって、ZMHがSUS板に付着しなくなった。これは、Zr-Te錯体が優先的に形成されて、ZMHの析出に必要なZrが消費されたためと考えられる。よって、過剰量のTeを添加することで、ZMHの析出および壁面付着を抑制できる可能性を見出した。今後は、溶液中のZr-Te錯体の挙動評価や模擬廃液を用いたZMH析出の抑制評価を行う。

口頭

Recent developments and results of the KEK slow positron facility

和田 健*; 望月 出海*; 兵頭 俊夫*; 小菅 隆*; 斉藤 裕樹*; 濁川 和幸*; 設楽 哲夫*; 大澤 哲*; 池田 光男*; 白川 明広*; et al.

no journal, , 

高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所の低速陽電子実験施設で得られた最近の成果について報告する。本施設では、専用ライナック(55MeV)を有しており、高強度のパルス低速陽電子ビーム(5$$times$$10$$^{7}$$ e$$^{+}$$/s: ロングパルスモード)を共同利用に供している。低速陽電子ビームは、高圧(35kVまで)に印加された発生部で生成され、磁場を用いて接地されたビームラインを輸送され、各実験ホールに振り分けられる。現在、3つの実験(ポジトロニウム負イオン分光,ポジトロニウム飛行時間測定,反射高速陽電子回折(RHEPD))が進行中である。今回、RHEPDの最新の成果について取り上げる。陽電子における結晶ポテンシャルは、電子の場合とは逆のプラスであり、陽電子は、低視射角入射で全反射を起こす。最近、Si(111)-7$$times$$7表面におけるRHEPD実験を行い、全反射臨界角以下の領域で、最表面原子層からのみの明瞭な回折像を観測することに成功した。

口頭

Materials science at the KEK slow positron facility

和田 健*; 望月 出海*; 兵頭 俊夫*; 小菅 隆*; 斉藤 裕樹*; 濁川 和幸*; 設楽 哲夫*; 大澤 哲*; 池田 光男*; 白川 明広*; et al.

no journal, , 

高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所の低速陽電子実験施設では、専用電子線形加速器(linac)を用い、高強度のパルス低速陽電子ビームを提供している。低速陽電子の生成ユニットは35kVまで印加可能である。陽電子ビームは接地されたビームライン中を磁場輸送され、各実験ホールに振り分けられる。現在、3つの実験ステーションが稼働中である。ポジトロニウム負イオン(Ps$$^{-}$$)では、エネルギー可変(0.3-1.9keV)のポジトロニウム(Ps)ビームの発生に成功している。Psビームは、絶縁体の表面回折実験に利用される予定である。ポジトロニウム飛行時間(Ps-TOF)測定では、表面状態の情報を得ることができる。反射高速陽電子回折(RHEPD)は、最表面構造を決定することができる。RHEPDは、反射高速電子回折(RHEED)の陽電子版である。電子の場合とは対照的に、陽電子の結晶ポテンシャルは正であるため、ある臨界角以下の視射角で入射した場合、陽電子は物質表面で全反射される。最近、Si(111)-$$7times7$$表面からの全反射陽電子回折パターンが最表面原子のみの情報を含むことが分かった。

口頭

MoO$$_{3}$$結晶添加によるZMH壁面付着抑制

下端 健吾*; 伊藤 大雄*; 平沢 泉*; 宮崎 康典; 竹内 正行

no journal, , 

わが国では原子力の利用にあたって燃料サイクル政策を進めており、使用済核燃料の再処理によって、ウラン資源の有効活用を目指している。しかし、燃料溶解工程等で生じる不溶解性残渣の機器への付着・沈積が、伝熱効率の低下および配管閉塞の原因になることから、安全上の課題が残されている。中でも、核分裂生成物であるジルコニウム(Zr)とモリブデン(Mo)の反応で生成するモリブデン酸ジルコニウム2水和物(ZMH)は不溶解性残渣の主成分であり、プラントの長期安定運転には、再処理機器や配管等へのZMHの析出・付着を防がなくてはならない。現在、ZMHを除去するには二次廃棄物が生じるため、それらを低減させる方策が求められている。本研究で、ZMHの壁面析出を防ぐには、MoO$$_{3}$$結晶の添加が効果的であることを明らかにした。最も抑制効果が見られたのは半水和物であり、特に針状結晶の場合で顕著であった。これは、表面で溶けだしたMoが溶液中のZrと反応してZMHを形成し、溶液中のZrを消費することで、壁面への付着が抑制されていると考えられる。今後は、再処理プロセスを模擬した溶液でMoO$$_{3}$$結晶の効果的な添加方法を検討する。

口頭

ZMHの付着に温度変化が及ぼす影響

諏江 霞純*; 平沢 泉*; 宮崎 康典; 竹内 正行

no journal, , 

再処理プロセスにおける課題の1つとして、不溶解性残渣の付着による定期的なプラントの内部洗浄やそれによって発生する廃液の処理が挙げられる。本研究では、不溶解性残渣の代表であるZMHに注目し、その付着メカニズムを解明するため、温度条件による析出物の挙動調査を行った。50$$^{circ}$$Cから100$$^{circ}$$Cまでの液温で得られた析出物はそれぞれ構造が異なり、攪拌時間に応じた構造が変化した。これは、析出物の構造制御によって、ZMHの付着抑制が可能であることを示唆している。

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