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論文

九州前弧域におけるS波偏向異方性の推定

小川 大輝; 平塚 晋也; 浅森 浩一; 島田 耕史; 丹羽 正和

物理探査, 77, p.15 - 23, 2024/00

高レベル放射性廃棄物の地層処分において、火山性熱水や非火山性のスラブ起源水の移動経路を地表からの調査を通じて把握することは、処分システムの閉じ込め機能喪失の回避に資する。九州地方の前弧域に位置する宮崎平野及びその周辺には長大な活断層等がほとんど分布せず地下水の顕著な湧出も知られていない。一方で、地震波速度構造や比抵抗構造から、フィリピン海スラブの脱水に起因する流体が上昇することで形成された流体賦存域の存在が地殻内において示唆される。また一部の地下水には、地下深部から上昇するスラブ起源水との関連性が報告されている。こうした九州前弧域の地殻内流体の流入経路となり得る地殻内のクラックの存在や性状について検討するため、当該地域の観測点で取得された震源の深さが20km以浅の地震の波形に対し、S波スプリッティング解析を適用した。九州前孤域のうち内陸部においては、速いS波の振動方向が震源メカニズム解に基づく最大水平圧縮応力軸の方向と整合的であることから、S波偏向異方性が地殻応力場にしたがって配向したクラックの存在に主に起因していることが示唆される。一方で日向灘沿岸域では、地殻応力の方向とは異なる北北東-南南西$$sim$$北東-南西方向または北北西-南南東$$sim$$北西-南東方向に卓越する。また、各震源と観測点間の平均的な異方性強度も算出した。その結果、霧島火山東方の観測点TAKAZAで取得された地震データからは5.6$$sim$$7.0%の大きな異方性強度を示す地震波線が少数認められ、それらが火山性熱水の流入経路を反映している可能性が挙げられる。しかし日向灘沿岸域については、各観測点により取得された異方性強度は全て5%を下回ることから、震源から観測点まで連続した流体移動経路を示唆する波線は得られていないと判断される。

報告書

S波スプリッティング解析を用いたスラブ起源流体の移行経路推定の試み

平塚 晋也; 浅森 浩一; 雑賀 敦

JAEA-Research 2022-002, 38 Pages, 2022/06

JAEA-Research-2022-002.pdf:4.49MB

日本列島の下に沈み込むスラブから脱水して上昇してくる深部流体は、高温かつ炭酸化学種に富むなどの特徴を有することから、その特徴や分布、地表への移行経路を把握することは高レベル放射性廃棄物の地層処分における調査・評価においても重要である。これらスラブ起源流体の移行経路としては、クラックが高密度に分布する領域が考えられ、こうした領域は周囲に比べてより強い地震波速度の異方性を示すと予想される。異方性媒質に入射したS波は、振動する方向によって異なる速度で伝播するS波偏向異方性を示すため、互いに直交する方向に振動し、異なる速度で伝播する2つの波に分裂するS波スプリッティング現象が生じる。本報告書では、まず、S波スプリッティング解析の原理について詳しく説明する。次に、和歌山県田辺市本宮町周辺を事例対象として、S波スプリッティング解析を行った結果を示す。最後に、先行研究による温泉水及び遊離ガス中に含まれるヘリウム同位体比($$^{3}$$He/$$^{4}$$He)の分布や、本宮地域を横断する測線に沿って行われた二次元比抵抗構造解析の結果との比較に基づき、スラブ起源流体の移行経路の推定を試みた。検討の結果、温泉水及び遊離ガス中に含まれるヘリウム同位体比($$^{3}$$He/$$^{4}$$He)が高く、スラブ起源流体が上昇してきている可能性が高いとみなされる場合は、2つの波に分裂したS波の到達時間差(dt)も大きな値を示す傾向にあることが明らかとなった。また、二次元比抵抗構造解析の結果との比較によれば、高比抵抗領域においては、dtは小さい値を示す。それに対し、低比抵抗領域においては、dtは大きな値を示しており、本宮地域に対してスラブ起源流体は西側の深部から上昇してくるとする先行研究による解釈と調和的であることが分かった。

口頭

S波スプリッティング解析を用いたスラブ起源流体の移行経路推定の試み

平塚 晋也; 浅森 浩一; 雑賀 敦

no journal, , 

西南日本に位置する紀伊半島では、非火山地域であるにも関わらず高温の温泉が湧出する。温泉水や遊離ガスのHe同位体比の分布を調査した研究により、紀伊半島の幅広い地域にわたって高いHe同位体比が観測されており、沈み込むフィリピン海スラブから脱水した流体が上昇している可能性が指摘されている。地殻内におけるスラブ起源流体の上昇経路としては、既存断層やクラックが高密度に発達した領域が考えられ、そうした領域は周囲に比べより強い異方性を示すと期待される。本研究では、S波スプリッティング解析を用いてスラブ起源流体の上昇経路となり得る既存の断層やクラックが高密度に発達した領域の具体的な性状の推定を試みた。その結果、紀伊半島の南部では速いS波の振動方向は北西-南東方向に卓越するという傾向が認められた。これに対し、和歌山県中部から奈良県南西部にかけての地域では東北東-西南西方向を向くものが存在し、開口クラック等の卓越方向を示していると考えられる。

口頭

測地・地形・地質の統合的アプローチによるひずみ集中帯における地殻の変形の可視化; 南九州せん断帯における事例

丹羽 正和; 島田 耕史; 渡部 豪; 後藤 翠; 平塚 晋也

no journal, , 

地下に伏在する断層などの活構造を検出し、それによる破壊や変形の影響を把握する手法の構築を目的として、鹿児島県の南九州せん断帯を対象としたGNSS稠密観測,地形判読、および地質調査を組み合わせた検討を実施した。2016年3月より4年余りにわたって実施したGNSS稠密観測においては、同せん断帯で地表より約8kmの深さで固着が、それ以深で約9mm/yrの左横ずれセンスの定常すべりが生じていることが示された。地形判読からは、GNSS稠密観測から認識されるひずみ集中帯の中軸部付近において、東西方向のリニアメントの分布密度が高い領域が認められた。リニアメント密度が高い領域を中心とした約20km四方の範囲の地質調査では、小断層データから推定される応力場が、左ずれのひずみ集中帯と調和的となる範囲を調べた。その結果、左ずれのひずみ集中帯に伴う地殻の変形は、GNSS観測から推定されるひずみ集中帯の範囲内で漸移的に進行しているのではなく、(おそらく複数箇所で)局所的に進行している可能性が明らかとなった。

口頭

福島県いわき地方を対象としたS波スプリッティング解析

渡部 豪; 平塚 晋也*; 島田 耕史

no journal, , 

流体は岩石の破壊強度を低下させるため、地震発生過程に大きな影響を及ぼすとともに、流体の移動により、地層処分システムにおける閉じ込め機能が妨げられてしまうことが懸念される。このような流体の存在や移動経路を明らかにするにあたり、地球物理学的観測に基づく地下のイメージングは、重要であり、有効な手段と考えられる。そこで、我々はS波スプリッティング解析を用いて、2011年東北地方太平洋沖地震(Mw 9.0)発生後からおよそ1か月後に地震活動が活発となり、数か所で温泉の異常な湧き出しが報告された福島県いわき地方を対象として、異方性の方向やそれらの強度の推定を行った。その結果、異方性の方向が、島弧に対して平行な方向に並ぶことや、温泉の湧き出しが報告された近傍の観測点で異方性の強度が相対的に高いことが明らかとなり、その領域では定常的に流体が豊富に存在するという可能性を示した。

口頭

宮崎平野及びその周辺におけるS波偏向異方性の推定

小川 大輝; 平塚 晋也*; 浅森 浩一; 島田 耕史

no journal, , 

高レベル放射性廃棄物の地層処分事業における地質環境の長期安定性評価の際の課題の一つとして、スラブの脱水に起因する流体等のような深部流体が処分サイトに及ぼす重大な影響が挙げられる。九州地方の前弧域はフィリピン海プレートの沈み込み帯に位置しているため、スラブからの脱水に起因して地下深部から上昇する水が宮崎平野及びその周辺地域へ関与していることが報告されている。このような水の流入経路と地下の地震波異方性との関連付けを行うことを目標に、著者らは宮崎県内の観測点で記録された地震データを対象としたS波スプリッティング解析を行った。異方性の方向は概ね九州地方に卓越する水平圧縮応力軸方向と調和的である一方、水平圧縮応力軸方向とおよそ直交する方向が卓越する観測点も複数認められた。異方性の強度に関しては、宮崎平野南部や地震波トモグラフィーにより推定されたS波低速度体の直上の地域において、周辺に比べて強い異方性を示す領域が少数認められた。

口頭

福島県いわき地方を対象としたS波スプリッティング解析(続報)

渡部 豪; 平塚 晋也*; 島田 耕史

no journal, , 

地震発生において流体の存在は看過できない要素の一つで、その移動経路や賦存域の解明は、防災・減災、安全な地層処分などに重要な知見をもたらす。本研究は、地殻内流体をとらえるための手法開発の一環として、福島県浜通りから茨城県北部の地域においてS波スプリッティング解析を実施し、速いS波の振動方向の地域差、速いS波と遅いS波の到達時間差の時空間変化を明らかにした。そして、活断層や活構造に沿って深部から浅部へと伝搬する地殻内の流体を示唆する結果を得ることができた。

口頭

S波スプリッティング解析による深部流体の移動経路推定の試み

平塚 晋也; 雑賀 敦; 浅森 浩一

no journal, , 

紀伊半島においては、活発な非火山性の熱水活動が生じている。He同位体比が高い値を示すこと、地震波速度が低速度であること、及び低比抵抗であることから、熱水の起源として深部流体が関与していることが示唆されている。本研究では、S波スプリッティング解析と呼ばれる地震学的な手法を用いて、深部流体の移動経路の推定を試みた。解析結果は、強いS波偏向異方性が見られる領域が深部流体の移動経路に対応している可能性を示してはいるが、さらなるデータの蓄積が必要である。

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