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奈良 郁子*; 渡邊 隆広; 國分 陽子; 堀内 一穂*
JAEA-Conf 2018-002, p.124 - 127, 2019/02
チベット高原はその広大な面積(約2,500,000km)から、世界の高度4km以上の地域の82%を占め、その地形学的特徴から、地球規模の気候変動および物質循環に対して重要な役割を果たしている。プマユムツォ湖は、チベット南部に位置する、湖面標高5020m、表面積281km、最大水深約65mの高山湖であり、この規模の湖としては世界最高の高度に位置する湖である。プマユムツォ湖の東側には湖岸段丘が形成されており、このことから過去に湖水深が変動していたことが予測されている。本研究では、チベット高原における水循環変動の解明を目的とし、プマユムツォ湖周辺にて採取された岩石試料中の宇宙線生成核種であるベリリウム-10の測定を行った。ベリリウム-10の測定は日本原子力研究開発機構東濃地科学センターが所有するペレトロン年代測定装置を用いて実施した。チベット・プマユムツォ湖湖岸岩石中のベリリウム-10濃度は5.5-7.510(atoms/g)の範囲を示した。また、ベリリウム-10濃度は、湖から離れるに従って減少する傾向を示し、既報のチベット南部地域における浸食速度よりも遅い浸食速度が算出された。
堀内 一穂*; 千葉 拓児*; 星野 安治*; 大山 幹成*; 田中 孝幸; 天野 光*
JAEA-Conf 2010-001, p.71 - 74, 2010/03
世界有数の火山性COガス放出域として知られている青森県八甲田カルデラにおいて、ブナの年輪中C濃度へ及ぼす火山性COガスの影響を調べた。ブナ試料C濃度は、同時代の大気C濃度と調和的に、1991年から2001年に向って減少する傾向があった。カルデラ内試料のC濃度はカルデラ外の対照試料より低い値を示し、年輪のCを利用した化石COガスの局地的動態解明への可能性を示す結果となった。しかしながら、対照試料との差は最大で14‰であった。これは、火山性COガスが最大4.4ppm混入した結果である。この低い混入は、COを吸収する樹幹が、火山性COの放出孔より数メートル上空に存在することによると考えられる。