Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
星野 毅
Fusion Engineering and Design, 98-99, p.1788 - 1791, 2015/10
被引用回数:22 パーセンタイル:86.81(Nuclear Science & Technology)核融合エネルギー開発の早期実現をはかることを目的として行う研究開発である幅広いアプローチ(BA)活動の一環として、エマルジョン法を用いた先進トリチウム増殖材料(Li添加型LiTiO)微小球の大量製造技術開発を行っている。先進トリチウム増殖材料として、化学的安定性の高いLi添加型LiTiOを発案した後、トリチウム放出特性に優れていると考えられる、直径が約1mmで、結晶粒径が5m以下の微小球製造条件を探索した。試作球では結晶粒径が大きくなり、その原因は、微小球焼結時に発生する炭酸ガスが材料の一部と反応し、溶融炭酸リチウムになるためと考えた。そこで、より効率的な炭酸ガス除去を行うため、大気中にて873Kで仮焼した微小球を、真空中にて1073K及び1%水素添加ヘリウムガスにて1323Kで焼結することで、直径が1.07mmで、結晶粒径が5m以下の目標値を満たす微小球製造に成功し、製造条件最適化を達成した。
星野 毅
Desalination, 359, p.59 - 63, 2015/03
被引用回数:106 パーセンタイル:96.97(Engineering, Chemical)電気自動車や家庭用蓄電池用の大型リチウムイオン電池が増産傾向にあり、また、核融合発電炉でも大量のリチウムを使用するため、2020年代にはリチウム資源の需要が供給を上回り、海水からリチウム資源を回収しなければ資源不足に陥ると想定されている。そこで、海水中にほぼ無尽蔵に含まれるリチウムに着目し、リチウムイオン伝導体をリチウム分離膜として使用した、海水からのリチウム資源回収に関する技術開発を行った。海水とリチウムを含まない回収溶液間は、イオン伝導体をリチウム分離膜として用いて隔離するだけでなく、その間にリチウム濃度差を生じさせることにより、海水中のリチウムが自然に回収溶液へ選択的に移動する分離原理を発案し、さらにリチウムの移動と同時に発生する電子を電極により捕獲することで、電気を発生しながらリチウムを回収できる全く新しい技術を世界で初めて確立した。
星野 毅; 落合 謙太郎; 枝尾 祐希; 河村 繕範
Fusion Science and Technology, 67(2), p.386 - 389, 2015/03
被引用回数:13 パーセンタイル:72.62(Nuclear Science & Technology)日本と欧州で核融合エネルギー開発の早期実現をはかることを目的として行う研究開発である幅広いアプローチ(BA)活動の一環として、エマルジョン法を用いた先進トリチウム増殖材料(Li添加型LiTiO)微小球の製造試験を実施している。この微小球のトリチウム放出特性を評価するため、原子力機構の核融合中性子源(FNS)にてDT中性子照射試験を実施した。初期のエマルジョン法にて試作したLi添加型LiTiO微小球は、結晶粒径が10mより大きいため、トリチウム放出速度が極めて遅い課題を有していた。そこで、真空中にて微小球を製造する新たな試みにより、トリチウム放出特性に優れていると考えられる5m未満の結晶粒径を有する微小球製造に成功した。新たな微小球の、723Kにおけるトリチウム放出特性を評価した結果、従来のLiTiO微小球と同等のトリチウム放出速度を有するだけでなく、全放出トリチウムの96%がHTガスの化学形であることを確認し、トリチウムの計量管理上重要な情報を得た。
星野 毅
Fusion Engineering and Design, 89(7-8), p.1431 - 1435, 2014/10
被引用回数:20 パーセンタイル:82.53(Nuclear Science & Technology)日本と欧州で核融合エネルギー開発の早期実現を図ることを目的として行う研究開発である幅広いアプローチ(BA)活動の一環として、エマルジョン法を用いた先進トリチウム増殖材料(Li添加型LiTiO)微小球の製造試験を実施している。これまでの製造プロセスは、まず固相反応プロセスでリチウム(Li)やチタン(Ti)を含む原料よりリチウムセラミックス粉末を合成し、その粉末を液状化(スラリー化)してエマルジョン法により造粒するという「粉末合成」と「造粒」の2つのプロセスで構成されている。そこで、量産化に向けた最適化検討の一環として、まず無添加LiTiOの粉末合成と造粒を同時に行い、プロセスの簡略化を図る検討を行った。その結果、直径約1.0mmのLiTiO微小球をLiとTiの原料から直接造粒することに成功した。この直接造粒技術の成功は、先進トリチウム増殖材料の更なる量産化技術の確立に向けた大きな進展を示すものである。
榎枝 幹男; 谷川 尚; 廣瀬 貴規; 中島 基樹; 佐藤 聡; 落合 謙太郎; 今野 力; 河村 繕範; 林 巧; 山西 敏彦; et al.
Fusion Engineering and Design, 89(7-8), p.1131 - 1136, 2014/10
被引用回数:21 パーセンタイル:83.69(Nuclear Science & Technology)我が国の原型炉ブランケット開発の最重要ステップとして、水冷却固体増殖テストブランケット・モジュール(TBM)の開発が進められている。TBM試験と原型炉ブランケット開発のために、モジュール製作技術開発、増殖増倍材ペブル製作技術、トリチウム生成率評価試験と構造設計が行われている。実機構造材F82Hを用いた製作技術開発は、F82Hの工学物性値の評価結果に基づいて実施され、実規模のモジュールの第一壁,側壁,増殖材充填容器、の製作に成功するとともに、第一壁と側壁の接合、厚さ90mmの後壁の実規模モックアップの製作に成功した。モジュール筐体モックアップの製作を検討している。また、トリチウム生産のために必要な技術として、高温での耐久性に優れた先進増殖・増倍材ペブル製作技術の開発を進めた。また、核融合中性子研究施設(FNS)を用いたトリチウム生成回収試験による、トリチウム生産技術開発についても進展した。本報告ではこれらのTBM開発の最新の成果を報告する。
落合 謙太郎; 河村 繕範; 星野 毅; 枝尾 祐希; 高倉 耕祐; 太田 雅之; 佐藤 聡; 今野 力
Fusion Engineering and Design, 89(7-8), p.1464 - 1468, 2014/10
被引用回数:5 パーセンタイル:36.65(Nuclear Science & Technology)原子力機構核融合中性子源FNSを用いて、核融合炉ブランケットに関するトリチウム回収実験を実施している。今回、水冷却セラミック増殖ブランケット模擬体系中に、候補増殖材であるチタン酸リチウムを70g設置し、照射を行った。水素ガスあるいは水蒸気を1%含むヘリウムガスを流し、チタン酸リチウムペブル中から放出されたトリチウムを照射中に水バブラーで捕集した。またチタン酸リチウムペブルは照射中、573K, 873Kと1073Kの温度に保持した。トリチウム測定はガス成分と水成分の分離測定が可能なよう機器の調整を行った。実験の結果、トリチウム回収総量は計算による値と測定誤差範囲内でよく一致し、回収されたトリチウムのガス成分と水成分の比は回収ガスの種類とペブルの温度に依存することが明らかになった。
星野 毅
Fusion Engineering and Design, 88(11), p.2956 - 2959, 2013/11
被引用回数:62 パーセンタイル:97.78(Nuclear Science & Technology)核融合炉の燃料トリチウム製造に必要なリチウムは、リチウムの中でも約7.6%しか存在しない、希少なリチウム6(Li)を多量に使用する。原料のリチウムは、特に希少なレアメタル31元素の一つであり、日本では輸入に100%頼っていることから、リチウムの国内安定確保は、核融合炉実現のため戦略的に取組むべき課題である。さらに、電気自動車,家庭用蓄電池等の大型リチウムイオン電池開発が進み、原料となるリチウムの需要は急増している。そこで、海水からリチウムを効率的に回収する革新的資源回収技術の実用化を目指し、リチウムイオンを選択的に透過可能なイオン液体を用いた電気透析法により、リチウムを回収する研究開発を行った。これまでの試験ではイオン液体をゴアテックス等の有機膜に含浸させて使用したが、試験中にイオン液体が膜から抜け出る課題があった。そこで、このイオン液体の透過防止効果が期待されるセレミオン等の保護膜を用い、2Vの定電位にて24時間のリチウム資源回収試験を行ったところ、イオン液体の透過はなく、リチウム回収率は約11%と高い回収率となり、本技術の実用化へ向けた大きな課題の一つを解決した。
星野 毅
Journal of Nuclear Materials, 442(1-3), p.S425 - S428, 2013/11
被引用回数:4 パーセンタイル:32.11(Materials Science, Multidisciplinary)日本と欧州で核融合エネルギー開発の早期実現をはかることを目的として行う研究開発である幅広いアプローチ(BA)活動の一環として、核融合炉の燃料となるトリチウム製造に必要な、先進トリチウム増殖材料の再処理技術開発に関する試験を行った。LiTiOを2g試料とし、酸溶媒として17%過酸化水素水(HO)を用い、室温及び80C加熱状態で30分攪拌しながら溶解を試みた。80C加熱時は二酸化チタン(TiO)沈殿物が観察されたが、室温における溶解時では黄色の透明な溶解液が得られた。この透明溶解液を誘導結合プラズマ(ICP)分析装置にて溶解液中のLi及びTiの溶解率を測定したところ、それぞれ90%以上の高い溶解率にて溶解していることがわかった。これらの結果より、LiTiOは過酸化水素水(HO)を用いて室温で溶解を行うことにより、Li成分を効率よく溶解できるだけでなく、発泡や二酸化チタン(TiO)の沈殿物を生じない、高効率な溶解プロセスに見通しを得た。
星野 毅
Fusion Engineering and Design, 88(9-10), p.2264 - 2267, 2013/10
被引用回数:17 パーセンタイル:77.87(Nuclear Science & Technology)日本と欧州で核融合エネルギー開発の早期実現をはかることを目的として行う研究開発である幅広いアプローチ(BA)活動の一環として、先進トリチウム増殖材料の微小球製造を行った。核融合炉はトリチウム(T)を燃料とするが、Tは自然界には存在しない。このため核融合炉のブランケットに充填したリチウムセラミックス(トリチウム増殖材料)の微小球に中性子を照射し、Tを人工的に生産する。近年、トリチウム増殖材料のリチウム(Li)の含有量をあらかじめ高めることによって、Liの核的燃焼及び高温でのLi蒸発に対する結晶構造安定性の向上を図った先進トリチウム増殖材料であるLi添加型LiTiOの粉末合成に成功した。そこで、本粉末を用い、湿式造粒法による微小球の製造試験を行った。微小球の結晶粒径は、良好なトリチウム放出特性が得られる5m以下を目標値とするが、通常の製造条件では、約10mと目標よりも大きな値となった。さまざまな検討の結果、微小球を真空雰囲気にて高温で焼結させることにより、目標値を満足する結晶粒径を有するLi添加型LiTiO微小球の製造に成功した。
星野 毅; 及川 史哲; 名取 ゆり*; 加藤 剣一*; 目 智子*; 中村 和*; 蓼沼 克嘉*
Fusion Engineering and Design, 88(9-10), p.2268 - 2271, 2013/10
被引用回数:1 パーセンタイル:10.59(Nuclear Science & Technology)核融合エネルギー開発の早期実現をはかることを目的として行う研究開発である幅広いアプローチ(BA)活動の一環として、新たな先進トリチウム増殖材料の合成試験を行った。核融合原型炉では高いトリチウム増殖比を有する発電ブランケットが必要なため、トリチウム増殖材料(Liセラミックス)と中性子増倍材料(Be等)をブランケット内に混合して充填する設計も検討されている。しかしながら、高温・長時間使用時におけるLiとBeの反応が懸念されるため、混合充填時も化学的に安定なLiBeO合成法の探索を行った。LiOH・HOとBe(OH) を始発粉末とし、1073K・2hの焼成条件にて合成を行ったところ、セラミックス中に微量の不純物を検出した。そこで、さまざまな検討の結果、始発粉末をLiOH・HOとBeOに変えたところ、ほぼ単一相のLiBeO合成に成功し、LiとBeの混合充填時においても化学的安定性が高いと考えられる、新たなトリチウム増殖材料としての可能性を有するLiBeO合成に成功した。
星野 毅
Desalination, 317, p.11 - 16, 2013/05
被引用回数:112 パーセンタイル:96.63(Engineering, Chemical)近年、地球温暖化緩和に向けた低炭素化社会実現のため、電気自動車,家庭用蓄電池等の大型リチウムイオン電池開発が進み、原料となるリチウム資源の需要は急増している。また、核融合炉の燃料トリチウム製造に必要なリチウムは、リチウムの中でも約7.6%しか存在しない、希少なリチウム6(Li)を多量に使用する。リチウムは、全元素112種のうち、特に希少なレアメタル31元素の一つであり、レメタルの確保は世界各国の国策課題となっている。そこで、海水からリチウムを効率的に回収する革新的資源回収技術の実用化を目指し、リチウムイオンを選択的に透過可能なイオン液体を用いた電気透析法により、リチウム資源を回収する技術に関する試験を行った。実際の海水を用い、2Vの定電位にて2時間のLi資源回収試験を行ったところ、海水中に高濃度に含まれるNa等のイオンはイオン液体を透過せず、Liイオンのみを透過させ、Li回収液におけるLi回収率は5.94%と低電位測定にもかかわらず高い回収率となり、本技術によりLiイオンのみが選択的に回収できる見通しを得た。
染谷 洋二; 飛田 健次; 宇藤 裕康; 星野 一生; 朝倉 伸幸; 中村 誠; 谷川 尚; 榎枝 幹男; 谷川 博康; 中道 勝; et al.
Proceedings of 24th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2012) (CD-ROM), 8 Pages, 2013/03
核融合原型炉水冷却ブランケットの製作性向上を目指して、混合ペブル増殖材料概念に着目して設計研究を行い、トリチウムの自給自足性を充たしていることを示した。他方、核融合炉ブランケットは電磁力対策及びメンテナンスのためにモジュール化が必要になる。この際に各モジュール間のギャップには、トリチウム増殖領域を確保できないことからTBR値の減少が懸念されるが、各モジュールを3次元モデルで詳細に評価した結果、3cm程度までのギャップ幅ならば、ギャップ内での中性子散乱の寄与によってTBR値は減少しないことがわかった。このことは、ブランケットの保守を容易にするとともに計測装置のアクセス性の改善を示している。次に核融合の健全性の観点から、ブランケットモジュール内の配管破断に対応するために筐体厚さが重要になってくる。現行の原型炉ブランケット概念の筐体厚さは22mmであり、冷却配管が破断した際の蒸気圧8MPaに対する耐圧性を期待できない。本論文では、TBRと筐体厚さのトレードオフ関係を定量化し、ブランケットの健全性に関して議論する。
枝尾 祐希; 河村 繕範; 落合 謙太郎; 星野 毅; 高倉 耕祐; 太田 雅之; 岩井 保則; 山西 敏彦; 今野 力
JAEA-Research 2012-040, 15 Pages, 2013/02
核融合中性子源施設FNSにおいて、トリチウム増殖材のLiTiOに中性子を照射して生成したトリチウムを回収する実験を行った。核融合炉ブランケットを模擬するため、LiTiO充填容器の周囲をBeブロック及びLiTiOブロックで覆った。トリチウム生成量計算による予測値と実験値はほぼ一致した。照射容器は300Cに加熱し、パージガスとしてヘリウム,水素添加ヘリウム,水蒸気添加ヘリウム,水素及び水蒸気添加ヘリウムを選択した。生成トリチウムはHT及びHTOとして放出され、パージガス条件を変えることによりその割合が変わった。水蒸気添加ヘリウムパージでは、98%がHTOで放出された。水蒸気及び水素添加ヘリウムでは80%がHTOで放出され、このHTO放出は水蒸気との同位体交換反応により起こると考えられる。乾燥ヘリウムでは、トリチウムはほとんど放出されなかった。水素添加乾燥ヘリウムでは、6070%がHTとして放出され、このHT放出は水素との同位体交換反応により起こると考えられる。水素添加により起こる水分生成反応によって生じた水蒸気とトリチウムが交換反応を起こすため、水素添加ヘリウムでもHTOが放出された。LiTiO表面が水素による還元状態にある場合はHTOの放出は起こりにくかった。LiTiOからのトリチウム放出化学形はパージガス成分に依存し、LiTiO表面状態の影響を強く受けることが明らかになった。
榎枝 幹男; 谷川 尚; 廣瀬 貴規; 鈴木 哲; 落合 謙太郎; 今野 力; 河村 繕範; 山西 敏彦; 星野 毅; 中道 勝; et al.
Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.1363 - 1369, 2012/08
被引用回数:36 パーセンタイル:92.34(Nuclear Science & Technology)核融合ブランケットの開発においては、ITERの核融合環境を用いて、モジュール規模で増殖ブランケットの試験を行う、ITERテストブランケット・モジュール(TBM)試験は、原型炉へ向けた重要なマイルストンである。我が国は、水冷却固体増殖TBMを主案として試験を実施するためにその製作技術開発を進めている。我が国は、これまでに開発した接合技術を用いて、実規模のモジュールの第一壁,側壁,増殖材充填容器、の製作に成功するとともに、第一壁と側壁の組合せ試験にも成功した。さらに、厚さ90mmの後壁の製作技術についても、模擬材料を用いたモックアップの製作を終了した。モジュール製作技術をほぼ見通した。また、トリチウム生産のために必要な技術として、先進増殖・増倍材ペブル製作技術の開発や、核融合中性子を用いたトリチウム生成回収試験による、トリチウム生産技術開発についても進展した。本報告ではこれらのTBM開発の最新の成果を報告する。
河村 繕範; 落合 謙太郎; 星野 毅; 近藤 恵太郎*; 岩井 保則; 小林 和容; 中道 勝; 今野 力; 山西 敏彦; 林 巧; et al.
Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.1253 - 1257, 2012/08
被引用回数:16 パーセンタイル:75.09(Nuclear Science & Technology)核融合炉ブランケットで生成するトリチウムの量の把握は、トリチウム増殖性能の評価及び、回収システム設計の観点から重要である。そこで原子力機構では、核融合中性子源を用いた模擬ブランケットの照射によるトリチウム生成回収実験を開始した。増殖材にはチタン酸リチウムを用いている。今回は、生成トリチウムの放出挙動におけるスイープガスの種類の影響について報告する。1%のHを含むヘリウムガスでパージした場合、水蒸気状のトリチウムの放出が中性子照射に敏感に対応して生じた。これはスイープガス中に水蒸気成分が含まれていたことに起因する。乾燥ヘリウムガスでパージした場合は、水蒸気成分での放出が少なく、ガス分子状トリチウムの放出が目立つ結果となった。
星野 毅; 中道 勝
Fusion Engineering and Design, 87(5-6), p.486 - 492, 2012/08
被引用回数:39 パーセンタイル:93.37(Nuclear Science & Technology)日本と欧州で核融合エネルギー開発の早期実現を図ることを目的として行う研究開発である幅広いアプローチ(BA)活動の一環として、核融合炉の燃料となるトリチウム製造に必要な先進トリチウム増殖材料の、エマルジョン法による微小球の試作試験を行った。先進トリチウム増殖材料としては、Liの核的燃焼及び高温でのLi蒸発に対する結晶構造安定性の向上を図ったLi添加型LiTiOの粉末を用い、微小球の試作を行ったところ、直径0.95mmの真球に近い微小球の試作に成功した。さらに、トリチウムは中性子とLiとの核反応により製造するため、中性子を得るために必要なベリリウム金属間化合物(ベリライド)の試作試験も行った。BeとTiの粉末を用いベリライドの試作を行ったところ、高温にて水蒸気との反応性が低い等の利点を有するBeTiの合成に成功した。
西谷 健夫; 山西 敏彦; 谷川 博康; 野澤 貴史; 中道 勝; 星野 毅; 香山 晃*; 木村 晃彦*; 檜木 達也*; 四竈 樹男*
Fusion Engineering and Design, 86(12), p.2924 - 2927, 2011/12
被引用回数:7 パーセンタイル:48.56(Nuclear Science & Technology)日欧間協力である幅広いアプローチ活動(BA)の一環として、ブランケット材料開発を中心としてR&Dが新たに開始されている。それぞれの極における原型炉のための共通課題として、ブランケット構造材としての低放射化フェライト鋼,流路保護材及び先進構造材としてのSiC/SiC複合材、先進中性子増倍材,先進トリチウム増殖材及びトリチウム技術の5つの課題が進められている。日本において、これらのR&Dは、BAの実施機関である原子力機構が中心となり、多くの大学及び研究機関の協力を得て進められている。
星野 毅; 及川 史哲
Fusion Engineering and Design, 86(9-11), p.2172 - 2175, 2011/10
被引用回数:37 パーセンタイル:92.91(Nuclear Science & Technology)リチウム(Li)の含有量をあらかじめ高めることによって、Liの核的燃焼及び高温でのLi蒸発に対する結晶構造安定性の向上を図った先進トリチウム増殖材料であるLi添加型LiTiOの粉末合成法に成功した。トリチウム増殖材料は微小球の形状にて核融合炉内に装荷されるため、Li添加型LiTiO粉末を用い、日本と欧州で核融合エネルギー開発の早期実現を図ることを目的として行う研究開発である幅広いアプローチ(BA)活動の一環として、湿式造粒法による微小球の試作試験を行った。ボールミルにて粉砕した粉末を用いた場合では、スラリー製造時にスラリー層とバインダー層に分離が生じ、均一なスラリーが得られなかった。そこで、ジェットミル粉砕によりLi添加型LiTiO微粉末としてスラリー製造を行ったところ、分離層を形成することなく均一なLi添加型LiTiO粉末スラリーを得ることができた。このスラリーを用いて乾燥ゲル球を製造後、Ar雰囲気中にて焼結を行ったところ、白色で約1mmのLi添加型LiTiO微小球の試作に成功した。
星野 毅; 寺井 隆幸*
Fusion Engineering and Design, 86(9-11), p.2168 - 2171, 2011/10
被引用回数:57 パーセンタイル:96.75(Nuclear Science & Technology)核融合炉の燃料となるトリチウムは、6-リチウム(Li)と中性子との核反応により生産するが、天然のリチウムにはLiが約7.6%しか存在せず、必要なトリチウム量を確保するためにはより高濃縮のLiが必要となる。これまで、既存のアマルガム法よりも高効率で環境性に適したLi濃縮技術の実用化を目指し、イオン液体を含浸した有機隔膜を用いてLiを濃縮する新技術の研究開発を行ったが、含浸させたイオン液体が溶脱する現象が観察された。そこで、イオン液体の溶脱を低減させるため、両端に保護膜を施した改良隔膜を用いて耐久性試験を行った。保護膜としてフィオンを使用した場合、有機隔膜中のイオン液体残存率は87%と保護膜なしの場合のイオン液体残存率63%を大きく上回る結果が得られた。よって、Liイオンを透過させ、かつイオン液体を透過させない保護膜をイオン液体含浸有機隔膜の両端に用いることで、高耐久性を有する隔膜の製作に見通しを得ることができた。
星野 毅; 寺井 隆幸*
Journal of Nuclear Materials, 417(1-3), p.696 - 699, 2011/10
被引用回数:38 パーセンタイル:93.19(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉の燃料となるトリチウムは、6-リチウム(Li)と中性子との核反応により生産するが、天然のリチウムにはLiが約7.6%しか存在せず、必要なトリチウム量を生産するためにはより高濃縮のLiが必要となる。Li濃縮技術としては水銀を用いたアマルガム法が海外にて使用されているが、日本では水銀による環境汚染の観点から大量製造が可能な手法は確立されていない。そこで、Liイオンを選択的に透過させるイオン液体に着目し、Li同位体分離技術への適応を探る予備的試験を行った。本法は、Liイオンのみを透過させる特性を持つイオン液体を含浸した有機隔膜を電気透析セルに装荷し、通電することによりLiを分離濃縮するもので、予備的試験の結果、アマルガム法(同位体分離係数:約1.06)を凌ぐ1.2以上の同位体分離係数が得られた。本結果より、イオン液体含浸有機隔膜による電気透析方式のLi同位体分離法は、実用的な濃縮Li製造方法として期待が持てることを明らかにした。