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近藤 俊明*; 寺本 宗正*; 高木 健太郎*; 小嵐 淳; 安藤 麻里子; 市井 和仁*; 高木 正博*; 石田 祐宣*; 山貫 緋称*; Liang, N.*
no journal, ,
温暖化や土地利用転換に伴う土壌微生物相の変化は、地球規模の温室効果ガス収支にも多大な影響を及ぼすため、その評価は気候変動の将来予測において重要である。しかしながら、従来の培養法を用いた土壌微生物相評価では、僅かな土壌中に数億個体が存在する土壌微生物の環境変動に対する応答を正確に把握することは極めて困難であった。本発表では、アジアモンスーン域の多様な森林・農地生態系を網羅する国内外のチャンバー観測サイトで採集した土壌を対象に、遺伝解析手法を用いて、(1)土壌微生物量、(2)土壌微生物の種組成、および(3)土壌微生物機能を把握することで、温暖化や土地利用転換に伴う環境変動に対して土壌微生物相がどのような応答を示し、結果として土壌を介した温室効果ガス収支がどう変動するのかについて議論する。
市井 和仁*; 山貫 緋称*; Liang, N.*; 寺本 宗正*; 高橋 善幸*; Zeng, J.*; 高木 健太郎*; 平野 高司*; 石田 祐宣*; 高木 正博*; et al.
no journal, ,
陸域生態系のCO等のフラックスの推定には、近年はAsiaFluxやFLUXNETなど観測ネットワーク網や衛星リモートセンシングデータの充実により、観測データに基づく推定(データ駆動型(data-driven)の推定)が可能になってきた。一方、「土壌呼吸」に関しては、様々な課題を抱えており、広域推定は十分には実現されていない。国立環境研究所らのグループでは統一された観測手法・データ処理手法によるアジア域のチャンバー連続観測ネットワークを構築しており課題を解決できる可能性がある。そこで、我々は、衛星データと機械学習を用いることで土壌呼吸の広域推定を試みている。まずは、日本を対象にした8観測サイトのデータを用いた解析を進めている。本発表では、(1)AsiaFluxやFLUXNETデータベースと衛星観測データを利用して機械学習法を適用することによるCO
フラックス(総一次生産量,生態系CO
交換量)推定手法の紹介と、(2)土壌呼吸ネットワークと衛星観測データと機械学習を用いた土壌呼吸の広域推定と既存のデータセットとの比較解析について紹介し、今後の課題についても議論したい。
高木 正博*; Sun, L.*; Liang, N.*; 寺本 宗正*; 平野 高司*; 高木 健太郎*; 石田 祐宣*; 近藤 俊明*; 小嵐 淳; 安藤 麻里子; et al.
no journal, ,
森林土壌は温室効果ガスのメタンを吸収することが知られているが、その定性的かつ定量的な解明は未だ途上である。メタン吸収フラックスの支配要因として、火山灰を母材とする土壌は大きい可能性が指摘されている。本研究では、火山の多い地方である九州・沖縄の4つの森林においてメタンフラックスを測定し、火山灰土壌との関係を調査した。メタンフラックスの測定にはポータブルチャンバーを用いた。その結果、メタン吸収フラックスの多い順に、福岡県糟屋(非火山灰) = 宮崎県田野(火山灰) 熊本県阿蘇(火山灰)
沖縄県与那(非火山灰)となった。このことから、森林土壌のメタン吸収フラックスの強弱は母材の性質では一括りにはできず、土壌の物理性や化学性を個別に検討する必要があることが示唆された。
小嵐 淳; 安藤 麻里子; Liang, N.*; 近藤 俊明*; 高木 健太郎*; 平野 高司*; 高木 正博*; 石田 祐宣*; 寺本 宗正*; 永野 博彦*; et al.
no journal, ,
近年急速に進行する地球温暖化をはじめとした気候変化や、自然的・人為的要因によって引き起こされる生態系の変化は、土壌の炭素貯留能に影響を及ぼし、その結果、炭素循環のバランスが崩れ、地球の気候システムに連鎖的かつ不可逆的な変化をもたらすことが懸念されている。したがって、将来起こりうる気候変化を正確に予測するためには、土壌における炭素の動態やそのメカニズムを明らかにすることに加え、それらが気候や生態系の変化に対してどのように応答するかについて予測可能な形で理解することが不可欠である。土壌有機炭素の放射性炭素(C)同位体比は、土壌有機炭素の動態を定量的に把握するための有用なツールとなりうる。本講演では、我々がこれまでに国内外の様々な地域で実施・展開してきた研究事例について紹介し、
C同位体比を利用した研究手法の有用性を共有することで、炭素循環や気候変化に対する科学的理解の深化に向けたさらなる応用の開拓につなげたい。
山貫 緋称*; 市井 和仁*; Liang, N.*; 寺本 宗正*; 高橋 善幸*; Zeng, J.*; 高木 健太郎*; 平野 高司*; 石田 祐宣*; 高木 正博*; et al.
no journal, ,
In this study, we updated our data-driven estimation of soil respiration (SR) across Japan with observation data (eight sites across Japan), remote sensing data (MODIS land products), and random forest regression. Our estimation shows a reasonable performance with R=0.87 for remote sensing only model and R
= 0.91 for remote sensing and in-situ combined model. Based on the established model, we also produced upscaled estimations of SR across Japan with 1km spatial resolution from 2000 to 2020. Intercomparison of our estimation with other available datasets was also conducted to understand advantages of our estimation. Our results show spatially more explicit variations compared with other global products. In addition, our advantage is to capture temporal variations (e.g. 8 days). We also confirmed that previous estimations do not reproduce our observation network datasets, indicating consistent observation approach is important to upscale soil respiration.
高木 健太郎*; Sun, L.*; 寺本 宗正*; 近藤 俊明*; 小嵐 淳; 安藤 麻里子; 市井 和仁*; Liang, N.*
no journal, ,
Global warming will increase the soil respiration rate through the increase in the soil temperature especially in East Asian forests where soil carbon and water contents are rich. However, there is limited information on the warming effect on another important greenhouse gas flux, soil CH flux. Thus, we started simultaneous and continuous measurement of CO
and CH
fluxes in a cool-temperate forested peatland to reveal the warming effect on and the interaction between these fluxes from May 2020. Soil warming increased both heterotrophic respiration and CH
absorption rates by 134% and 144%, respectively in the study period in 2020. The heterotrophic respiration increased exponentially with the linear increase in the soil temperature, while CH
absorption rate increased linearly with the decrease in the soil water content. Accordingly, soil warming increased the CH
absorption rate by decreasing soil water content and enhancing CH
oxidation.
寺本 宗正*; Liang, N.*; Sun, L.*; 近藤 俊明*; 小嵐 淳; 安藤 麻里子; 高木 正博*; 山中 典和*; 平野 高司*; 高木 健太郎*; et al.
no journal, ,
Forest soil is an important sink of atmospheric methane (CH) in natural terrestrial ecosystems. However, there is still large uncertainty for the spatial variation of CH4 uptake rate in forest soils. In this study, we conducted field measurements for soil CH
flux and environmental parameters in five forests in Western Honshu. There were significant negative relationships between soil moisture and soil CH
uptake rate in the beech forest site and the red pine forest site, indicating that heterogeneity of soil moisture was one of the dominant factors for spatial variation of soil CH
absorption in the sites. On the other hand, there was no significant relationship between soil moisture and soil CH
uptake rate in the other three forests, suggesting that the dominant factors for the spatial variation of soil CH
absorption might be different depending on the ecosystem.
Liang, N.*; 寺本 宗正*; 高木 健太郎*; 平野 高司*; 近藤 俊明*; 小嵐 淳; 安藤 麻里子; 高木 正博*; 石田 祐宣*; Zhang, Y.*; et al.
no journal, ,
欧米に比べ、有機炭素が豊富な日本を含むアジアモンスーン地域の森林土壌は、温暖化に対する長期的なCO排出量(微生物呼吸)増進の応答が大きいことに加え、温暖化に伴う土壌の乾燥化でCH
吸収能が上昇する可能性も、土壌の劣化でCH
吸収能が低下する可能性も秘めている。しかし、CH
収支と土壌炭素動態の気候変動応答に関わる観測データの欠如は、将来予測に大きな不確実性を与えている。本研究では、前例のないアジア域を網羅する森林土壌におけるCH
吸収能の広域推定及び将来予測を行うために、世界最大規模のチャンバー観測ネットワークを活用した多地点連続観測を実施している。講演では、これまで得られた結果について報告する。
平野 高司*; 坂口 香帆*; 山下 隼平*; Cui, R.*; Hu, R.*; Sun, L.*; Liang, N.*; 寺本 宗正*; 高木 健太郎*; 石田 祐宣*; et al.
no journal, ,
森林土壌が大気メタン(CH)の主要な吸収源であることは認識されているが、土壌CH
フラックスの時空間変動は大きく、吸収量の定量化には観測データの蓄積が必要である。本研究では、自動チャンバーシステムによって観測された連続データを用いて、CH
フラックスの小スケールでの変動要因を明らかにすることを目的にした。北海道苫小牧市の森林で実験を行った。このサイトはカラマツ林であったが、2004年の台風による風倒害の後、シラカンバが優占する植生に変わった。3処理区(対照,根切,植生)を設けCH
フラックスを測定した。すべての処理区で土壌はCH
の吸収源であったが、処理区間で吸収量に違いが見られた。土壌水分,地温,土壌のバル期密度がCH
吸収量に影響を及ぼす要因であることが示唆された。
高橋 善幸*; Sun, L.*; Liang, N.*; 寺本 宗正*; 高木 健太郎*; 平野 高司*; 近藤 俊明*; 小嵐 淳; 安藤 麻里子; 高木 正博*; et al.
no journal, ,
日本は火山国であり、火山灰を母材とする土壌が広く分布している。土壌による微量ガス交換の特性は生物化学的プロセスや土壌の物理特性に強く依存するため、様々な土壌タイプでの観測データの集積が重要である。本発表では、約300年前の樽前山の噴火による比較的新しい火山放出物が堆積した土壌をもつ苫小牧フラックスリサーチサイトにおいて観測したCH等微量ガスの交換量の変動について報告する。チャンバーを用いた観測ではおよそ月に1度のサンプリングを行い、経時変化を観測するとともに、2回の集中観測において空間変動を観察した。CH
については全ての観測値が土壌による吸収を示しており、季節変動においては高温期に吸収量が大きくなる共通した特徴が見られた。また、空間変動も大きく、代表値を評価するために多点観測が重要であることが示唆された。
山貫 緋称*; 市井 和仁*; 山本 雄平*; 小槻 峻司*; Sun, L.*; Liang, N.*; 寺本 宗正*; 永野 博彦*; 平野 高司*; 高木 健太郎*; et al.
no journal, ,
Soil respiration (SR) is one of the most essential components of soil carbon cycles. However, large uncertainties remain in its temporal and spatial variations. In this study, we refined our model to estimate SR across Japan with observation data (eight sites across Japan), remote sensing data (MODIS land products), and random forest regression. We newly added soil temperature and moisture by a process-based model, the Simple Biosphere model including Urban Canopy (SiBUC). Our estimation shows a reasonable performance with R=0.72 for the in-situ model and R
=0.73 for remote sensing and in-situ combined model on average. Based on the established model, we produced upscaled estimations of SR across Japan with a spatial resolution of 4 km from 2000 to 2020.
近藤 俊明*; 寺本 宗正*; Sun, L.*; 高木 健太郎*; 小嵐 淳; 安藤 麻里子; 市井 和仁*; 平野 高司*; 石田 祐宣*; 高木 正博*; et al.
no journal, ,
土壌はメタン(CH)の重要な吸収源となっており、その吸収能はCH
の分解に寄与するメタン資化細菌や、CO
を基質としてCH
を合成するメタン生成細菌などの土壌微生物によって強く影響を受ける。そのため、温暖化や植生の違いがこれら土壌微生物に及ぼす影響を評価し、そのメカニズムを解明することは気候変動予測の不確実性の低減や、植林や森林管理等によるメタン削減の実現において重要である。本研究では、温暖化操作が施されたサイトを含め国内の8つの森林において、メタン生成細菌やメタン資化細菌を含む土壌微生物を対象に、遺伝解析手法を用いて生物量や種組成を把握した。その結果、(1)温暖化に伴う土壌の乾燥により、嫌気性細菌であるメタン生成細菌量が減少すること、(2)メタン生成細菌量の減少によって温暖化サイトではメタン吸収能が高まること、(3)こうした傾向はサイト間で大きく異なることなど、土壌メタン吸収能の温暖化応答メカニズムの一部が明らかとなった。
石田 祐宣*; Sun, L.*; Liang, N.*; 寺本 宗正*; 平野 高司*; 高木 健太郎*; 高木 正博*; 近藤 俊明*; 小嵐 淳; 安藤 麻里子; et al.
no journal, ,
温室効果ガスであるCHは高い温室効果を持つため、その動態を把握することは将来の気候変動予測にとって重要な課題である。特に森林土壌はCH
の重要な吸収源となっているが、土壌の物理化学的性質や気候によってその吸収能がどの程度変わり得るのか、実測ベースで理解する必要がある。本研究では、冷涼かつ多雪地帯である白神山地の広葉樹林を対象とし、土壌CO
/CH
フラックスの変動要因となる環境因子に対する感度を明らかにすることを目的とした。対照区,根切区,温暖化区の3処理区を設け、無雪期に自動開閉式チャンバーシステムで土壌CO
/ CH
フラックスの連続観測を実施した。解析の結果、各区のCO
排出速度およびCH4吸収速度と地温および土壌水分との間には、全てに有意な相関関係が見られたが、温暖化区で環境因子に対するCO
排出速度およびCH
吸収速度への感度が弱まる傾向があった。CH
吸収速度は一般的に土壌水分との相関が強いが、調査対象期間は降水量が少なく、地温と土壌水分に強い相関があり、見かけ上の関係である可能性がある。よって、観測を継続し特性を見極める必要がある。
山貫 緋称*; 市井 和仁*; 山本 雄平*; 小槻 峻司*; 寺本 宗正*; Sun, L.*; 永野 博彦*; 平野 高司*; 高木 健太郎*; 石田 祐宣*; et al.
no journal, ,
地球温暖化などの気候変動を予測するためには、大気CO濃度を正確に予測することが重要である。陸域生物圏は、全球の炭素循環において人為的に排出されたCO
のうち約30%を吸収しており、将来の気候変動によって吸収能力が維持されるか排出に向かうのかは将来予測モデルに大きく依存し明らかになっていない。したがって、陸域生物圏のCO
排出量を正しく推定することは、将来の気候変動を予測する上で最重要な課題である。本発表では、統一された観測手法で計測されている世界最大の土壌呼吸(土壌からのCO
排出量)観測ネットワークのデータベースと気象データ、衛星観測データに加え、土壌炭素量などの土壌特性データを使用し、機械学習手法を用いて日本域の土壌呼吸量を広域推定した結果を紹介する。説明変数の重要度などから土壌呼吸量の時間・空間的な変動の決定要因とその重要性を示す。
Liang, N.*; 高木 健太郎*; 平野 高司*; 石田 祐宣*; 近藤 俊明*; 小嵐 淳; 安藤 麻里子; 寺本 宗正*; 高木 正博*; 市井 和仁*; et al.
no journal, ,
大気中の二酸化炭素(CO)、メタン(CH
)および一酸化二窒素(N
O)の濃度は、産業革命以降著しく増加を続けており、気候変動の主要要因となっている。森林や畑地などの土壌は、陸域におけるCH
の唯一の吸収源であると同時に、CO
やN
Oなどの発生源にもなっており、気候変動の将来予測において極めて重要な鍵を握っている。我々の「世界最大規模のチャンバー観測ネットワーク」を用いた観測結果から、土壌有機炭素(SOC)の分解によって土壌から放出されるCO
の量が温暖化によって増加する(温暖化効果)こと、また、SOCの蓄積量が多く、湿潤なモンスーンアジア域の森林では、高い温暖化効果が長期間に渡って持続することが明らかになった。一方で、CH
およびN
Oフラックスの観測例は極めて少ない。近年、チャンバー観測ネットワークを活用し、レーザー式CH
分析計を用いて行った連続観測では、アジアモンスーン域、特に火山灰土壌に特徴づけられる日本の森林土壌におけるCH
吸収能は極めて高いことが明らかになってきた。本発表では、これまでの研究成果を紹介するとともに、今後のN
Oフラックスに関する観測計画も紹介する。
山貫 緋称*; 市井 和仁*; 山本 雄平*; 寺本 宗正*; Sun, L.*; 小嵐 淳; 安藤 麻里子; 永野 博彦*; 平野 高司*; 高木 健太郎*; et al.
no journal, ,
Soils exchange greenhouse gases (GHGs) such as carbon dioxide (CO) and methane (CH
) with the atmosphere. In general, forest soils act as a source of CO
emissions through soil respiration and as a sink for CH
through methane oxidation. Recently, spatiotemporal variations in soil respiration and methane absorption have been estimated using field observation data, but the causes of these variations remain uncertain. In this study, we use data from the largest observation network of soil respiration and methane absorption in Asia and satellite observation data, and apply machine learning methods to estimate observed soil respiration and methane absorption. Using machine learning methods, we analyzed the influence of soil property data in explaining the observed spatiotemporal variation in soil respiration and methane absorption. Even when the feature importance of the soil properties was relatively small, it was found to have a significant impact on the accuracy of the estimation.
Ma, R.*; 高木 健太郎*; 平野 高司*; Sun, L.*; Liang, N.*; 高橋 善幸*; 寺本 宗正*; 近藤 俊明*; 小嵐 淳; 安藤 麻里子; et al.
no journal, ,
To evaluate soil warming effect on the soil-to-air CO and CH4 exchange rates, we continuously measured these hourly rates during snow-free periods from 2020 to 2022 in a forested peatland in northern Japan. Root removal treatment reduced CO
emission rates from the soil by about 38%, which indicates that microbial respiration accounts for about 62% of soil respiration at this site. Soil microbial CO
emission rate was about 125% higher due to the warming treatment than the control plot. The soil generally absorbed CH
during snow-free period even at this wet site, and CH
absorption rate increased linearly with decreasing soil moisture in the seasonal variation.
小嵐 淳; 安藤 麻里子; 高木 健太郎*; 近藤 俊明*; 寺本 宗正*; 永野 博彦*; 國分 陽子; 高木 正博*; 石田 祐宣*; 市井 和仁*; et al.
no journal, ,
森林生態系における土壌有機炭素の微生物分解(微生物呼吸)は、地球上の炭素循環を駆動する主要なプロセスである。温暖化によって微生物呼吸が増大することで、大気中の二酸化炭素濃度が増加し、温暖化の進行がさらに加速するという悪循環が懸念されている。そのため、様々な地域における微生物呼吸量を正しく把握し、それらを規定する要因を明らかにすることが、今後の温暖化影響を定量的に評価・予測するために必要不可欠である。したがって、我々の究極の目標は、様々な地域や土壌に適用できる普遍的な微生物呼吸モデルを新たに構築することである。そこで、アジアモンスーン域の多様な森林生態系を網羅するチャンバー観測ネットワークサイトにおいて、土壌有機炭素の蓄積量,蓄積形態,放射性炭素(C)同位体比を指標とした代謝回転のタイムスケールなどの土壌有機炭素特性を分析評価した。それらの土壌有機炭素特性と、微生物呼吸量やその温暖化応答との関連性を解析し、サイト間の違いを説明できる特性の抽出を試みた。本発表では、
C同位体比が微生物呼吸を推定する上でのキーパラメーターとなりうるかという点に特に着眼したい。
Liang, N.*; 寺本 宗正*; 高木 健太郎*; 近藤 俊明*; 小嵐 淳; 安藤 麻里子; 平野 高司*; 高橋 善幸*; 高木 正博*; 石田 祐宣*; et al.
no journal, ,
欧米に比べ、有機炭素が豊富な日本を含むアジアモンスーン地域の森林土壌は、微生物呼吸の温暖化に対する長期的なCO排出量増進の応答が大きいことに加え、温暖化に伴う土壌の乾燥化でCH
吸収能が上昇する可能性も、土壌の劣化でCH
吸収能が低下する可能性も秘めている。しかし、CH
を含めた土壌炭素動態の気候変動応答に関わる観測データの欠如は、将来予測の大きな不確実性の一因となっている。そこで本研究では、森林における土壌炭素動態の気候変動影響メカニズムの解明に加え、世界的に前例のない、アジア域を網羅する森林土壌におけるCH
吸収能に関する多地点連続観測、広域推定及び将来予測を行う。国立環境研究所が開発した世界最大規模のチャンバー観測ネットワークを活用して、北海道からマレーシアまでの広域トランゼクトに沿って選定した代表的な森林生態系を対象に、観測,分析,モデリングアプリーチ等を融合した研究を展開し、アジア域における超高解像な土壌CH
/CO
フラックスの広域推定と将来予測を目指す。
山貫 緋称*; 市井 和仁*; 山本 雄平*; 小槻 峻司*; Sun, L.*; Liang, N.*; 寺本 宗正*; 永野 博彦*; 平野 高司*; 高木 健太郎*; et al.
no journal, ,
Soil respiration (SR) is one of the most essential components of soil carbon cycles. Many observation stations directly measure SR using chambers. In this study, we updated our data-driven estimation of SR across Japan with observation data (eight sites across Japan), remote sensing data (MODIS land products), and random forest regression. As soil meteorological variables, we used soil temperature and moisture by a process-based model, the Simple Biosphere model including Urban Canopy (SiBUC). Our estimation shows a reasonable performance with R = 0.72 for the in-situ model and R
= 0.73 for remote sensing and in-situ combined model on average. Based on the established model, we also produced upscaled estimations of SR across Japan with a spatial resolution of 1 km from 2000 to 2020.