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明午 伸一郎; 執行 信寛*; 伊賀 公紀*; 岩元 洋介*; 木附 洋彦*; 石橋 健二*; 前畑 京介*; 有馬 秀彦*; 中本 建志*; 沼尻 正晴*
AIP Conference Proceedings 769, p.1513 - 1516, 2005/05
核破砕中性子源等のビームライン機器の設計に使用される核子・中間子輸送計算コードの計算精度検証のためには、薄いターゲットを用いた微分断面積測定データのみならず、厚いターゲットの実験が有効である。今回はKEKにおいて鉄ターゲットから生成される中性子スペクトルを測定した。実験はKEKの東カウンターホール内で行った。1.5GeV陽子を20cm厚の鉄ターゲットに入射し、生成中性子のスペクトルを飛行時間法により測定した。測定で得た結果とNMTC/JAMによる計算結果との比較を行った。計算は実験と全体的によい一致を示しており、特に重金属ターゲットに見られた過小評価は見られない。また媒質効果を考慮した核子・核子断面積を用いることにより、計算はさらに実験とよい一致を示し、最大でも50%以内の精度で予測できることがわかった。この結果は、鉄製機器の核特性評価を行ううえで本計算手法が十分な精度を有していることを示す。
高田 弘; 明午 伸一郎; 伊賀 公紀*
Journal of Nuclear Science and Technology, 37(3), p.307 - 315, 2000/03
核子・中間子輸送コードNMTC/JAERI97における20~100MeVのエネルギー領域の中性子弾性散乱の角度分布の取り扱いを1次のベッセル関数近似から光学ポテンシャルパラメータで評価したデータベースに基づくランダムサンプリング法に改訂した。この改訂したNMTC/JAERI97を用いて、鉄、コンクリート及びポリエチレンを用いた43及び68MeV準単色中性子の透過実験を解析した。このNMTC/JAERI97の計算は、測定された透過中性子エネルギースペクトルと良く一致する。そして、中性子減弱距離のC/E値を従来の計算に比べて顕著に改善した。また、計算結果は遮蔽体のビーム軸から離れた位置における中性子スペクトル測定値を良く再現する。さらに、光学ポテンシャルパラメータで評価した断面積を用いた計算は、系統式の場合よりも40MeV以下の中性子の透過をより良く再現する。
伊賀 公紀*; 高田 弘; 池田 裕二郎
JAERI-Tech 99-023, 32 Pages, 1999/03
核子・中間子輸送コードNMTC/JAERIにLindhard-Robinsonモデルに基づくはじき出し損傷断面積計算機能を追加した。はじき出し損傷断面積を正確に評価するため、核子-原子核断面積の950MeV以上への拡張、弾性散乱角度分布の修正を同時に行った。機能拡張したNMTC/JAERIコードを用いてCr,Fe,Ni及びSUS316のはじき出し損傷断面積を計算した結果、弾性散乱によるはじき出し損傷断面積の計算値が20MeVでJENDL PKAファイルの値と滑らかに接続することが確認できた。これらの値を用いて、1.5GeV、5MW陽子入射の核破砕水銀ターゲットのビーム入射窓及びターゲット容器におけるDPAを評価した。本研究で得られたDPA値とは、他の機関の核破砕中性子源設計における結果とおおむね同じ値であることがわかった。
伊賀 公紀*; 高田 弘; 永尾 忠司*
JAERI-Tech 97-068, 58 Pages, 1998/01
水冷タンタルターゲット・減速材・反射体体系について、NMTC/JAERI-MCNP4Aコードシステムを用いた熱・冷中性子輸送計算を行い、核破砕中性子源の核設計への本コードシステムの適用性を調べた。計算では、減速材に軽水及び液体水素を用いた場合に放出される中性子のエネルギースペクトルについて、BCデカップラーの有無による強度変化、外部中性子線源位置による強度変化等の計算結果が実験結果に基づく半実験式に物理的に妥当な値のパラメータを用いて再現できることを確認した。しかし、放出中性子の時間スペクトルを精度良く評価するためには、MCNP4Aによる計算で反射体やデカップラー領域に適当なインポータンスを設定する工夫が必要であることがわかった。本計算によって、今後の核破砕値源の核設計にNMTC/JAERI-MCNP4Aコードシステムを適用できることを確認した。