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五十嵐 悠; 山口 一郎*; 小田 啓二*; 福士 政広*; 阪間 稔*; 飯本 武志*
日本放射線安全管理学会誌, 21(2), p.74 - 76, 2022/11
日本保健物理学会エックス線被ばく事故検討WGでは、2021年に国内で発生したエックス線被ばく事故の背景と経緯、線量評価、健康影響などの情報収集を行い、(1)安全管理上の対策・課題、(2)測定、線量推定に関する課題、(3)社会とのコミュニケーション上の課題等の整理を進めている。本発表では検討WGを代表して、これまでに集約された国内外におけるエックス線被ばく事故事例を紹介し、事故に至る原因の整理とこれにより明らかとなった問題を提起する。
狩野 恒一*; 萩原 聡*; 五十嵐 誉廣; 大谷 実*
Electrochimica Acta, 377, p.138121_1 - 138121_10, 2021/05
被引用回数:14 パーセンタイル:72.78(Electrochemistry)参照相互作用サイトモデル+密度汎関数理論(ESM-RISM-DFT)を用いて、酸性条件下でのAl電極/NaCl水溶液界面での腐食電位の解析を行った。カソードおよびアノード反応の電極電位を電子化学ポテンシャルを変数とするグランドポテンシャルから取得し、ターフェル外挿法を使用して腐食電位を取得した。腐食電位の結果は、実験データと一致した。溶液のpHを制御することにより得られた腐食電位のpH依存性は、実験結果とよく一致した。ESM-RISM-DFTによって酸性溶液の環境への影響が適切に表現され、腐食電位が正確に決定された。ESM-RISM-DFTを用いることで、さまざまな反応の腐食電位が計算できることが示唆される。
宮尾 智章*; 五十嵐 前衛*; 三浦 昭彦; 真山 実*
Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.571 - 573, 2013/08
J-PARCリニアックの加速エネルギーを181MeVから400MeVに増強するプロジェクトが進められており、400MeVのリニアックで使用するビームモニタの設計,製作を行った。製作した位相モニタの性能を評価するため、位相モニタに関する特性の測定を実施した。また、東日本大震災の際、J-PARCリニアックにあるビームモニタでは、おもに位相モニタのろう付け部が破損し、真空が破れてしまったが、位置モニタには被害は全く見られなかった。堅固な構造を持つ位置モニタは、位相モニタのバックアップ機器として期待ができることから、位置モニタで位相測定を行ううえでの特性を取得し、位相モニタとの比較検討を行った。この結果、位置モニタからの信号利得は小さいものの、位相測定に必要な信号が得られていることが確認された。また、カットオフ周波数も加速に使用するRFの周波数帯より十分に遠いところにあり、問題はない。このことから、位置モニタは位相モニタに比べ、特性は劣るものの、使用可能であることが判明した。
小林 貴之; 諫山 明彦; Fasel, D.*; 横倉 賢治; 下野 貢; 長谷川 浩一; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 寺門 正之; 平内 慎一; et al.
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.9, p.363 - 368, 2010/08
JT-60 ECRF装置のパルス幅(5秒)を伸ばすための改良がJT-60SA(100秒)へ向けて必要である。欧州により電源が新規に設計,製作及び設置される。また、新たに設計したモード変換器を備えた改良型ジャイロトロンの調整運転を開始した。本モード変換器によって、ジャイロトロン内での回折損失による内部機器への熱入力が低減され、1MWの長パルス発振が期待できる。JT-60Uで実証されたヒータ電流やアノード電圧をプレプログラム/フィードバック制御する手法が、発振中のカソード冷却によるビーム電流の減少対策として重要と考えられる。伝送系については、真空排気した伝送路により1系統あたり1MWの伝送が可能である。一方、結合系については真空容器内機器のメンテナンスが困難であることから、真空容器内での冷却水リークや駆動機構のトラブルのリスクを低減するために直線駆動アンテナ手法が提案され、詳細な設計及び低電力試験を開始した。
上出 英樹; 五十嵐 実*; 川島 滋代*; 木村 暢之; 林 謙二
Nuclear Engineering and Design, 239(1), p.58 - 67, 2009/01
被引用回数:124 パーセンタイル:99.37(Nuclear Science & Technology)サーマルストライピング現象の熱流動側面に着目し、3対1の口径比を持つT管を対象とした水試験を実施した。移動可能な熱電対ツリーと粒子画像流速計測法を用い、詳細な温度分布と流速分布を計測した。T管内のフローパターンは3種類に分類され、それぞれが固有の温度変動強度の空間分布を持つことを明らかにした。温度変動のパワースペクトル(PSD)はSt数により無次元化することで、T管の流速比とフローパターンが同じであれば、流速の絶対値によらず同じ分布形状を示すことがわかった。有限差分法に基づく数値解析の結果、壁面噴流の形態では、枝管からのジェットの背後に交互に渦が発達することが示された。T管内の混合現象をこれらの試験データと解析結果に基づいて明らかにした。
上出 英樹; 五十嵐 実; 木村 暢之; 林 謙二
サイクル機構技報, (27), p.41 - 53, 2005/06
高サイクル熱疲労は流体の温度変動が構造物に繰り返し熱応力を負荷し疲労破壊に至るもので、近年も原子力分野で損傷事例が散見されることから重要な課題となっている。本報告では代表的な流体混合部であるT管体系と高速炉の炉心出口部を単純化した平行三噴流体系について水試験を行ない、流体内の温度変動の空間分布、周波数特性の知見を得た。試験の結果、温度変動の周波数特性が、フローパターンが同一であれば流速の絶対値によらずSt数と無次元化したパワースペクトル密度により一般化して表現できることなどを明らかにした。T管体系では枝管からの噴流が主管の流れに対する障害物となって生じるカルマン渦的な流れが温度変動に大きな影響を与えることを明らかにした。
上出 英樹; 木村 暢之; 五十嵐 実; 林 謙二
Proceedings of 6th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics, Operations and Safety (NUTHOS-6) (CD-ROM), 0 Pages, 2004/10
サーマルストライピングの熱流動について、水ならびにナトリウムを用いた実験研究を行った。壁に沿う平行3噴流体系、T字合流配管を対象に温度測定、流速場測定を行い、壁近傍での温度変動強度の減衰特性を明らかにした。また、DINUS3コードを用いた実験解析により、解析手法の有効性を明らかにした。
田中 正暁; 川島 滋代*; 五十嵐 実; 林 謙二; 飛田 昭; 上出 英樹
JNC TN9400 2003-117, 65 Pages, 2004/03
温度の異なる流体が混合することにより生じる温度変動が構造材に伝わると、構造材に高サイクル熱疲労(サーマルストライピング現象)が発生する場合がある。冷却材に液体金属ナトリウムを使用する高速炉では、水に比べてナトリウムの熱伝導率が高いことから液体の温度変動が構造に伝わり易く、本現象の評価は重要な課題である。核燃料サイクル開発機構では、T字管体系の配管合流部におけるサーマルストライピング現象に着目し、T字管における混合現象及び実機プラントで観測されている長周期温度変動の原因を解明するために、長周期温度変動水流動試験を実施している。可視化試験の結果から、流入条件の違いにより噴流形態を(A)衝突噴流(B)偏向噴流(C)再付着噴流(D)壁面噴流に分類でき、各噴流形態は主/枝配管流体の運動量比により整理できることを明らかにした。 本研究では、主配管に枝配管が接続する合流部下流の主配管内表面に感温液晶シート貼り付け、配管表面温度の測定を試みた。配管表面温度は、感温液晶シートによる可視化画像から温度データに変換して定量的に取得する。画像解析による輝度値データから温度データヘの変換にかかる不確かさについて検討し、感温液晶シートによる温度測定誤差は10の感温範囲に対して平均土約2度Cであることが分かった。感温液晶試験の結果から、(A)衝突噴流条件及び(D)壁面噴流条件のケースでは枝配管下流の主配管内面に、枝配管からの低温流体によるコールド・スポツトが形成され、このコールド・スポツトは時間的に変動し、コールド・スポツトの周辺では温度変動強度が高い値を示すことがわかった。これにより、(A)衝突噴流条件及び(D)壁面噴流条件が配管への熱疲労の観点から厳しい流動条件であることが分かった。壁面に設置した熱電対データとの比較から、感温液晶シートを用いた本手法による温度分布測定結果は熱電対による粗な空間分布を補間するものとして有用であることを確認した。
五十嵐 実; 五十嵐 実; 上出 英樹; 田中 正暁; 木村 暢之
日本機械学会論文集,B, 70(700), p.3150 - 3157, 2004/00
サーマルストライピング現象の研究は、高速炉における構造健全性の観点で重要である。本研究では、サーマルストライピング現象を解明するために、T字管体系の水流動試験を実施している。本論文では、粒子画像流速測定法を使用した流速測定及び熱電対ツリーを使用した温度測定を実施し、合流部での流動特性及び温度変動特性を把握した。サーマルストライピングで重要となる壁面噴流のフローパターンにおいて、枝配管の後流域に2つの渦が生成されこの渦が温度変動強度に影響を及ぼしていることがわかった。また、温度変動の周波数特性を評価する方法として、無次元化したパワースペクトル密度(PSD)を提案した。
五十嵐 実; 田中 正暁; 木村 暢之; 中根 茂*; 川島 滋代*; 林 謙二; 飛田 昭; 上出 英樹
JNC TN9400 2003-092, 100 Pages, 2003/11
高サイクル熱疲労の研究は、高速炉における構造健全性の観点で重要である。サイクル機構では高速炉における熱疲労評価手法を確立するために種々の実験及び解析コードの整備を実施している。本報は、T字管水試験による温度・速度場計測を実施した。温度測定の結果から、主/枝配管の運動量比が等しければ、温度変動の周波数特性は無次元化したパワースペクトル密度が一致することがわかった。流速測定の結果から、運動量比が等しければ合流部のフローパターンは一致することがわかった。また伝達関数による熱伝達率の推定から、時間的に一定な熱伝達率により温度変動の流体から構造への伝達は表現できることがわかった。
佐藤 博之; 五十嵐 実; 木村 暢之; 上出 英樹
JNC TN9400 2003-079, 38 Pages, 2003/09
本報告書では、「切込みを有するコラム型UIS」の切込み部を通る冷却材の流れおよび炉上部プレナム内の基本的な挙動に着目し、切込みを通過する流速の低減化およびプレナム内の流動の適正化を図る構造を検討するために、水を作動流体として用いた1/20スケールの可視化試験装置を用い、炉心出口流速およびUIS形状をパラメータとして行った流動可視化試験の結果について示した。その結果、切込み部を除くUIS側面に多孔状の板を巻き付けると、UIS切込み部を抜けるジェットの方向を炉壁方向に曲げる効果およびUIS側面からの流れの平坦化に効果が期待できる。また、切込み部側面に半径15mmのフローガイドを片側に設置した場合、切込み部鉛直方向流速の低減に対し最大の効果が得られた。
木村 暢之; 三宅 康洋*; 宮越 博幸; 長澤 一嘉*; 五十嵐 実; 上出 英樹
JNC TN9400 2003-077, 96 Pages, 2003/06
高速炉において、温度の異なる流体が混合し、その際に発生する温度変動が構造材へ伝わることにより、構造材に高サイクル熱疲労をもたらす現象(サーマルストライピング現象)の評価手法を確立することは重要である。サーマルストライピング現象の評価において、流体中での温度変動特性、流体から構造材への温度変動の伝達特性、構造材中の温度変動の伝播特性を取り込んだ上で、構造健全性を評価することで、安全性担保と合理的な設計が可能となる。 高速炉の冷却材として検討されているナトリウムに比べ、一般産業で多く使用される水では、熱伝導率が約1/100であることから、温度変動特性が異なると考えられる。そこで、本研究では、3本鉛直壁噴流体系のナトリウム試験と水試験をほぼ同一の寸法形状で実施し、ナトリウムと水の物性の違いによる噴流間混合現象への影響を評価した。試験パラメータとしては、水試験をリファレンスとし、ナトリウム試験において、流速を同じにしたケースとRe数を同じにしたケースの2ケース行った。また、噴流の混合形態の異なる条件として3本の噴流の吐出速度が等速条件、非等速条件、ならびに1本の噴流の流速をゼロとした2噴流条件の3パターン実施した。 その結果、各噴流条件ともナトリウムの方が水に比べて、噴流間の流体混合が発生する領域が下流側になることが明らかとなった。また、温度変動のパワースペクトル密度(PSD)は、流速一致条件でナトリウムと水の結果が一致した。壁面近傍では、水に比べて、ナトリウムの温度変動のPSDは低周波数成分側が小さくなることがわかった。構造材の疲労損傷を評価する上で重要な変動の振幅とその頻度を分析する上で、流体温度変動の波形分析(レインフロー法)を行った結果、全体的な傾向はナトリウムと水で一致した。 これらのことから、温度変動の空間分布、周波数および振幅に関して、同一寸法形状、流速一致条件での水試験により得られた結果を使用して実機を評価できる見通しが得られた。
木村 暢之; 林 謙二; 伊藤 真美*; 関根 正*; 五十嵐 実; 佐藤 博之; 上出 英樹
JNC TN9400 2003-032, 214 Pages, 2003/03
FBR実用化戦略調査研究の一環として、ナトリウムを冷却材とした高速炉が検討されている。本炉においては、物量を削減して経済性を大幅に向上させるために、徹底したシステムの簡素化・コンパクト化が進められており、具体的には、プレナム径に対する炉出力の増加、燃料交換システム簡素化に伴う切り込みを有するUIS構造の採用などが挙げられる。これらによって懸念される流動現象としては、自由液面からのガス巻き込み現象、高流速化に伴うキヤビテーション、流力振動、熱過渡などがある。設計では、炉心出口からの流れが直接液面に到達しないように、ディッププレートと呼ばれる水平板を液面の下方に設置し、ガス巻き込みの抑制を図ることを検討している。そこで、液面からのガス巻き込み防止を含む炉上部プレナム内の流況を適正化することを目的に、主な構造物を全て模擬した実体系1/10スケールの炉上部プレナム水流動試験装置を製作し、試験を実施した。流況把握は、可視化、超音波流速計、粒子画像流測定法を用いて行った。実機流速一致までの条件で液面からの連続的なガス巻き込みは発生せず、ディッププレートの有効性が確認できた。しかしながら、UIS切り込み部の正面位置での液面は激しく揺動し、液面に向かう流速が大きいことがわかった。また、H/L配管吸い込み部では気泡を伴う水中渦が確認され、キヤビテーション係数を用いて評価すると、実機で発生する可能性があることが確認された。上記課題の解決策として、流れを整流するスプリッタを設置することで、実機キャビテーション係数一致条件での水中渦の発生が防止できることを確認した。また、燃料交換機が設置される個所にプラグを挿入することで、液面に向かう流れが抑制できることを確認した。以上の方策により、コンパクト化した原子炉容器について、流動現象の面から成立性の見通しが得られた。
五十嵐 実; 川島 滋代*; 中根 茂*; 田中 正暁; 木村 暢之; 上出 英樹
JNC TN9400 2003-005, 80 Pages, 2003/02
温度の異なる流体が混合することによって発生する温度変動により、構造材内部に高サイクル熱疲労が発生する現象(サーマルストライピング現象)を評価することは、原子力のみならず一般プラントにおいても重要な課題である。核燃料サイクル開発機構では、本現象の解明とともに設計に適用できる評価ルールを構築するために実験及び解析コードの整備を実施している。T字管体系の配管合流部におけるサーマルストライピング現象に関しては、評価ルールを具体化するために、長周期温度変動水流動試験(WATLON:Water Experiment of Fluid Mixing in T-pipe with Long Cycle Fluctuation)を実施している。 本研究では、直接シミュレーション(DNS)コードによる解析を実施し、熱電対ツリーによる詳細な温度分布測定及び粒子画像流速測定法(PIV)による詳細な速度分布測定結果との比較からコードの適用性を評価するとともに、温度変動に影響を及ぼすと考えられる渦構造の解明を試みた。 DNSによる解析は、試験(壁面噴流と衝突噴流の2ケース)で得られた時間平均温度場及び速度場をほぼ再現できることがわかった。また、解析結果は、温度測定試験における壁面噴流条件で得られた温度変動強度の高い位置に発生する温度変動の卓越周波数も精度良く再現できた。 DNSによる解析結果から、壁面噴流条件における温度変動強度の高い位置に発生する温度変動は、枝配管から出た噴流の後流域に生成されるカルマン渦によるものであることがわかった。また、この枝配管後流域に生成される渦は3次元的な挙動を示していることが確認された。
木村 暢之; 林 謙二; 五十嵐 実; 上出 英樹; 伊藤 真美*; 関根 正*
Proceedings of 10th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-10), CD-RO, K0102 Pages, 2003/00
FBR実用化戦略調査研究の一環として行っているNa大型炉について、炉容器コンパクト化に伴う上部プレナム内流動の適正化を行う必要がある。そこで、1/10スケール水流動試験装置を製作し、可視化、粒子画像流速測定法、超音波流速計による流況の定量化を行うとともに、熱流動上の課題の抽出を行った。その結果、UISの切り込みを通る上昇流によって液面が大きく変動することを確認した。しかし、ディッププレートの下に移行するガス巻き込みの発生は確認されなかった。また、ホットレグ(H/L)吸込流速増大のため、H/L吸込部近傍に3本のキャビテーションを伴う水中渦を確認した。流動上の課題について、プレナム内構造をパラメータとした実験を行い、流動の適正化を実施した。ホットレグ近傍で発生する水中渦に関しては、炉容器とホットレグの間にスプリッタを設けることで水中渦の初生条件を改善することができた。また、燃料交換機が挿入される貫通孔のプラグ高さを最適化することで、ディッププレートを通過する流量を低減できた。
木村 暢之; 長澤 一嘉*; 宮越 博幸; 三宅 康洋*; 五十嵐 実; 上出 英樹
JNC TN9400 2003-003, 66 Pages, 2002/10
高速炉において、温度の異なる流体が混合し、その際発生する温度変動が構造材へ伝わることにより、構造材に高サイクル熱疲労をもたらす現象(サーマルストライピング現象)の評価手法を確立することは重要である。サーマルストライピング現象の評価において、流体中での温度変動特性、流体から構造材への温度変動の伝達特性、構造材中の温度変動の伝播特性を取り込んだ上で、構造健全性を評価することで、安全性担保と合理的な設計が可能となる。 流体中での温度変動特性が構造材表面へ達する過程において、流体混合により発生した温度変動が、構造材近傍に存在する流体の速度/温度境界層により、温度変動挙動の変化を明らかにするために、構造物の熱容量による温度変動の減衰効果を切り離し、境界層による挙動の変化のみに着目したDNS解析を実施した。本解析は、3本の噴流を平行に設置し、鉛直に吐出する平行三噴流ナトリウム試験に対して実施した。中央の噴流を低温、左右の噴流を高温に設定し、3つの噴流の吐出速度が0.5m/sで等しい条件について実施した。 本解析結果と実験結果を比較すると、壁面から離れた位置では時間平均温度場および温度変動のスペクトル密度はよく一致しており、本解析により実験の温度/速度場を良好に模擬できていることがわかった。実験では壁面近傍で温度変動強度が小さくなるのに対し、解析では壁面近傍での温度変動強度の減衰は見られなかった。すなわち、Na体系では流体の速度境界層による温度変動の減衰効果はごく小さい。壁面のごく近傍における流体の温度変動強度は、壁(構造材)との熱的相互作用により減衰することが示され、現象を評価する上でその考慮が重要である。また、解析結果より乱流2次モーメントを求め、壁面の摩擦による影響を評価した。
日高 昭秀; 丸山 結; 五十嵐 実*; 橋本 和一郎; 杉本 純
Nuclear Engineering and Design, 200(1-2), p.303 - 315, 2000/08
被引用回数:6 パーセンタイル:42.76(Nuclear Science & Technology)原研では、配管信頼性実証試験(WIND計画)において、シビアアクシデント時の配管内FPエアロゾル挙動及び熱または圧力負荷に対する配管健全性を調べている。エアロゾル挙動試験では、CsIを用いたWAD1試験を行い、その結果を原研の3次元熱流動解析コードWINDFLOW、FPエアロゾル挙動解析コードART及び両コードを結合するインターフェイスを用いて解析した。CsIエアロゾルの主な沈着機構はガスの温度勾配に依存する熱泳動であることから、熱流動計算結果をエアロゾル挙動計算に適切に反映することにより、配管内のCsI沈着挙動は精度良く予測できることを確認した。また、ART及びVICTORIAコードを用いて、将来WIND計画で試験を予定しているBWRのTQUXシーケンスにおける逃し安全弁配管内のFPエアロゾル挙動について解析を実施し、両コードの慣性沈着モデルについて検討を行った。
森井 幸生; 小池 良浩; 五十嵐 武*; 久保田 実*; 鰭崎 有*; 谷田 広士*
Physica B; Condensed Matter, 284-288(Part2), p.2014 - 2015, 2000/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Physics, Condensed Matter)中性子散乱研究用液体ヘリウムフリー希釈冷凍機「mKクライオクーラー」を開発した。この冷凍機は4Kステージにパルス管冷凍機を、mKステージにジュールトムソン型稀釈冷凍機を採用して構成されている。中性子散乱実験で得られた最低温度は41mKであった。自動冷却操作が開発されつつある。この希釈冷凍機により、移動性良く、簡単な操作で、経費も低く、運転が安定して、中性子ビームロスのない中性子散乱実験が誰にでも可能になると期待される。
丸山 結; 柴崎 博晶*; 五十嵐 実*; 前田 章雄; 原田 雄平; 日高 昭秀; 杉本 純; 橋本 和一郎*; 中村 尚彦*
Journal of Nuclear Science and Technology, 36(5), p.433 - 442, 1999/05
被引用回数:9 パーセンタイル:57.43(Nuclear Science & Technology)原研の配管信頼性実証試験(WIND)計画において、軽水炉のシビアアクシデント時における原子炉冷却系配管内壁へのエアロゾル沈着挙動を明らかにするためにエアロゾル沈着試験を実施した。本試験では、水平直管から成る長さ2m及び内径約0.1mの試験部にヨウ化セシウムエアロゾルを導入した。高温の過熱蒸気雰囲気下においてもヨウ化セシウムの著しい分解は観測されなかった。本試験及びWINDFLOWコードを用いた熱流動解析の比較から、ヨウ化セシウムの空間沈着分布が自然対流に起因する二次流れの形成に強く影響されることが明らかとなった。主要沈着メカニズムは、エアロゾル搬送気体、試験部内壁の温度及び両温度の差に依存するヨウ化セシウム蒸気の凝縮及びエアロゾルの熱泳動であると評価した。
小池 良浩; 森井 幸生; 五十嵐 武*; 久保田 実*; 鰭崎 有*; 谷田 広士*
Cryogenics, 39(7), p.579 - 583, 1999/00
被引用回数:20 パーセンタイル:66.77(Thermodynamics)超低温での実験には通常希釈冷凍機が用いられるが、これを作動させるのにはかなりの経験が必要であり、作動させる低温雰囲気を作るのに大量の液体ヘリウム寒剤を必要とするため、中性子散乱実験に対しては、導入はあまり進んでいなかった。そこで誰もが簡単に行えるようにするため、パルス管・GMハイブリッド型冷凍機とジュールトムソン型希釈冷凍機を組み合わせた、液体ヘリウム寒剤を使用とせず、取り扱いも比較的簡単な超低温用冷凍機''mK Cryocooler''の開発を行った。その結果、試作機が完成し中性子ビーム中で約40mKの温度が得られた。この成功により、実験操作の簡便化、コスト低減化、中性子ビーム利用効率化を達成する見込みをつけた。冷却テストでは、室温から4.2Kまで希釈冷凍機部分を予冷するために約一日、その後、希釈冷凍機運転により、約50mKに8時間程度で到達した。この冷却テスト時のcooling powerは100mKで約42Wであった。