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論文

人間工学領域における科学コミュニケーションの展開

山田 泰行*; 榎原 毅*; 大場 恭子; 庄司 直人*; 鳥居塚 崇*; 八木 絵香*; 吉武 良治*

人間工学, 61(4), p.252 - 261, 2025/08

本総説は、日本人間工学会科学コミュニケーション研究部会における検討をもとに、科学コミュニケーションに対する人間工学的理解を整理し、今後の展望を示すことを目的とする。最初に、科学コミュニケーションの定義、動向、形態を概観し、科学コミュニケーションの類型に応じた人間工学領域の実践事例を紹介した。次に、リスクマネジメントにおける科学コミュニケーションの位置づけ、科学コミュニケーションを実施する際の留意点、参加者の人間特性に応じた人間工学的対応、科学コミュニケーターに求められるコンピテンシーについて論じた。さらに、今後の実践と研究に向けた課題を整理し、人間工学領域における科学コミュニケーションの方向性を提案した。本総説が、人間工学領域における科学コミュニケーションの共通理解の形成と、将来的な発展の基盤となることを期待する。

論文

Development of a multi-scale meteorological Large-eddy simulation model for urban thermal environmental studies; The "City-LES" Model Version 2.0

日下 博幸*; 池田 亮作*; 佐藤 拓人; 飯塚 悟*; 朴 泰祐*

Journal of Advances in Modeling Earth Systems (Internet), 16(10), p.e2024MS004367_1 - e2024MS004367_38, 2024/10

 被引用回数:19 パーセンタイル:88.11(Meteorology & Atmospheric Sciences)

マイクロスケールの都市気候シミュレーションのための気象学Large-eddy simulation (LES)モデルと数値流体力学(CFD)モデルとのギャップを埋めるために、本研究では都市域を対象とした気象学LESモデルを開発した。このモデルはメソスケール(都市スケール)からマイクロスケール(街区スケール)までの都市機構のシミュレーションを行うことができる。本論文では、このLESモデルの概要を紹介する。このLESモデルは、建物や樹木を解像してマイクロスケールのシミュレーションを行うことができる点で、標準的な数値気象モデルと一線を画していると言える。また、大気成層の影響や物理過程を考慮することも標準的なCFDモデルと異なる点である。本モデルの特筆すべき特徴は、(a)ラジオシティ法による都市キャノピー層内の多重反射の考慮や、建物影・ビル影の考慮など長波放射・短波放射の3次元計算、(b)様々な暑さ指数の出力、(c)ミスト散布や街路樹、高反射舗装やクールルーフ、屋上緑化の効果の評価、(d)3次元並列化の実装によるスーパーコンピュータでの動作と、GPU版の実装である。本研究では、モデルの紹介に続き、対流境界層におけるサーマルや、都市キャノピー内・都市キャノピー上の流れや乱れの様子、都市街区における熱環境・熱ストレスのシミュレーションなど、様々な実験を行いその基本性能を確認した。本研究で開発したモデルは、都市気候学の基礎的・応用的研究に取り組むためのコミュニティツールとなることを目指している。

論文

Addendum: Site occupancy of interstitial deuterium atoms in face-centred cubic iron

町田 晃彦*; 齋藤 寛之*; 杉本 秀彦*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 遠藤 成輝*; 片山 芳則*; 飯塚 理子*; 佐藤 豊人*; 松尾 元彰*; et al.

Nature Communications (Internet), 15, p.8861_1 - 8861_2, 2024/10

 被引用回数:3 パーセンタイル:95.26(Multidisciplinary Sciences)

前回の論文(Nature Commun. 5, 5063 (2014))では、988Kと6.3GPaで収集した中性子粉末回折パターンのリートベルト精密化によって、fcc Fe金属格子に溶解したD原子のサイト占有率を調べた。fcc金属格子には、八面体サイトと四面体サイトの2つのD原子収容可能な格子間サイトがある。リートベルト精密化により、D原子は主に八面体サイトを0.532占有し、わずかに四面体サイトを0.056占有することがわかった。その後、Antonov (Phys. Rev. Mater. 2019))による密度汎関数理論(DFT)計算の結果、四面体サイトの占有エネルギーは八面体サイトの占有エネルギーよりも著しく高く、988Kの高温でも四面体サイトの占有は起こりにくいことがわかった。消衰補正は粉末回折パターンに適用されることはまれであり、前回の精密化には含まれていなかった。その結果、八面体の占有率は0.60に増加し、四面体の占有率はゼロに減少した。D原子の八面体サイトのみの占有は、以前の結果とは対照的ではあるが、DFT計算と一致している。

論文

Hydroxyl group/fluorine disorder in deuterated magnesium hydroxyfluoride and behaviors of hydrogen bonds under high pressure

He, X.*; 鍵 裕之*; 小松 一生*; 飯塚 理子*; 岡島 元*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 町田 真一*; 阿部 淳*; 後藤 弘匡*; et al.

Journal of Molecular Structure, 1310, p.138271_1 - 138271_8, 2024/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Physical)

重水素化ヒドロキシフルオロマグネシウム[理想組成はMg(OD)F]のO-D$$cdotcdotcdot$$F水素結合の高圧応答を中性子粉末回折とラマン分光法を用いて調べた。常温でのリートベルト解析の結果、化学組成はMg(OD)$$_{0.920(12)}$$F$$_{1.080(12)}$$であり、結晶構造中で水酸基/フッ素(OD/F)が無秩序化して、2つの水素結合配置が生じていることが分かった。構造解析の結果、水素結合配置は9.8GPaまで維持され、圧力による水素結合の強化は見られなかった。常圧でのラマンスペクトルでは、2613, 2694, 2718cm$$^{-1}$$に3つの水酸基伸縮バンドが観測された。O-D伸縮モードの周波数が高いことから、ヒドロキシル基は弱い水素結合相互作用、あるいは水素結合を持たないことが示唆された。20.2GPaまでは、2694cm$$^{-1}$$を中心とするモードは圧力によってブルーシフトを示し、水素結合は圧縮されても強化されないことが明らかになった。これは、中性子回折の結果と一致した。水素結合の存否と、常圧および高圧での水酸基のブルーシフトの原因について議論した。

論文

Hydrogen occupation and hydrogen-induced volume expansion in Fe$$_{0.9}$$Ni$$_{0.1}$$D$$_x$$ at high $$P-T$$ conditions

市東 力*; 鍵 裕之*; 柿澤 翔*; 青木 勝敏*; 小松 一生*; 飯塚 理子*; 阿部 淳*; 齋藤 寛之*; 佐野 亜沙美; 服部 高典

American Mineralogist, 108(4), p.659 - 666, 2023/04

 被引用回数:7 パーセンタイル:56.55(Geochemistry & Geophysics)

Fe$$_{0.9}$$Ni$$_{0.1}$$H$$_x$$(D$$_x$$)の12GPa, 1000Kまでの高温高圧下における相関係と結晶構造をその場X線及び中性子回折測定により明らかにした。今回実験した温度圧力下において、Fe$$_{0.9}$$Ni$$_{0.1}$$H$$_x$$(D$$_x$$)ではFeH$$_x$$(D$$_x$$)とは異なり、重水素原子は面心立方構造(fcc)中の四面体サイトを占有しないことが明らかになった。単位重水素あたりの水素誘起膨張体積$$v_mathrm{D}$$は、fcc相で2.45(4) $AA$^3$$、hcp相で3.31(6) $AA$^3$$であり、FeD$$_x$$におけるそれぞれの値より著しく大きいことが明らかになった。また、$$v_mathrm{D}$$は温度の上昇に伴いわずかに増加した。この結果は、鉄に10%ニッケルを添加するだけで、金属中の水素の挙動が劇的に変化することを示唆している。$$v_mathrm{D}$$が圧力に関係なく一定であると仮定すると、地球内核の最大水素含有量は海洋の水素量の1-2倍であると推定される。

論文

A Design study on a metal fuel fast reactor core for high efficiency minor actinide transmutation by loading silicon carbide composite material

大釜 和也; 原 俊治*; 太田 宏一*; 永沼 正行; 大木 繁夫; 飯塚 政利*

Journal of Nuclear Science and Technology, 59(6), p.735 - 747, 2022/06

 被引用回数:2 パーセンタイル:18.91(Nuclear Science & Technology)

A metal fuel fast reactor core for high efficiency minor actinide (MA) transmutation was designed by loading silicon carbide composite material (SiC/SiC) which can improve sodium cooled fast reactor (SFR) core safety characteristics such as sodium void reactivity worth and Doppler coefficient due to neutron moderation. Based on a 750 MWe metal fueled SFR core concept designed in a prior work, the reactor core loading fuel subassemblies with SiC/SiC wrapper tubes and moderator subassemblies was designed. To improve the reactor core safety characteristics efficiently, three layers of SiC/SiC moderator subassemblies were loaded in the core by replacing 108 out of 393 fuel subassemblies with the moderators. The reactor core with approximately 20 wt% MA-containing metal fuel satisfied all safety design criteria and achieved the MA transmutation amount as high as 420 kg/GWe-y which is twice as high as that of the axially heterogeneous core with inner blanket and upper sodium plenum, and two-thirds of that of the accelerator-driven system.

論文

New oxygen-evolving inert anode made of nickel metal applicable to electrolytic reduction of UO$$_{2}$$ in LiCl-Li$$_{2}$$O melt

坂村 義治*; 村上 毅*; 飯塚 政利*; 小藤 博英

Journal of the Electrochemical Society, 169(6), p.063504_1 - 063504_13, 2022/06

 被引用回数:7 パーセンタイル:28.66(Electrochemistry)

酸化物核燃料の電解還元プロセスにおいては、プロセス温度である923KでLiCl-Li$$_{2}$$O溶融塩中での反応中に溶解しないO$$_{2}$$発生陽極の開発が極めて重要でである。実用規模にスケールアップした陽極としては、形状を維持する観点から金属陽極が好ましい。本研究では、Fe, Ni、およびFe-Ni金属を電気化学的に調べた結果、NiOでコーティングされたNi金属が有望な陽極であることが示された。

論文

Behavior of light elements in iron-silicate-water-sulfur system during early Earth's evolution

飯塚 理子*; 後藤 弘匡*; 市東 力*; 福山 鴻*; 森 悠一郎*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 舟越 賢一*; 鍵 裕之*

Scientific Reports (Internet), 11, p.12632_1 - 12632_10, 2021/06

 被引用回数:9 パーセンタイル:39.82(Multidisciplinary Sciences)

FeNi合金からなる地球核は、H, C, O, Si, Sなどの軽元素を含んでいると考えられている。その中でHは、宇宙に最も存在する元素であり、最も有望な候補である。これまでの我々の中性子回折実験から、鉄-水系において、水素が他の元素より優先的に鉄に取り込まれることが分かっている。今回、初期地球の組成で水を含んだ鉄-ケイ酸塩系において、Sが及ぼす影響を調べた。その結果、一連の鉄の相転移、含水ケイ酸塩の脱水酸基およびカンラン石・輝石の形成を観察した。またFeの共存相としてFeSが現れた。Hがいる条件でもFeSの格子体積が一定であることから、FeSに水素は入らず、FeSはむしろFeの水素化を阻害することがわかった。高温高圧下から回収された試料を観察すると、FeにはHとSが入っており、HおよびSはFe(H$$_{x}$$)-FeS系の融点を下げる効果があることが分かった。一方回収試料には、C, O, Siなどの他の軽元素は含まれていないため、地球核形成時には、まずFeH$$_{x}$$およびFeSができ、その後さらに高温高圧下でFeHxやFeSが融解した後でないと、それらは核に取り込まれないことが分かった。

論文

Neutron diffraction study of hydrogen site occupancy in Fe$$_{0.95}$$Si$$_{0.05}$$ at 14.7 GPa and 800 K

森 悠一郎*; 鍵 裕之*; 柿澤 翔*; 小松 一生*; 市東 力*; 飯塚 理子*; 青木 勝敏*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 舟越 賢一*; et al.

Journal of Mineralogical and Petrological Sciences, 116(6), p.309 - 313, 2021/00

 被引用回数:4 パーセンタイル:16.46(Mineralogy)

地球のコアは、対応する圧力温度条件下で純鉄よりも密度が10%低いため、いくつかの軽元素を含んでいると考えられている。水素はその有力候補であるため、これまで主にFe-H系の相平衡関係や物性が調べられてきた。この研究では、14.7GPaおよび800Kでのhcp-Fe$$_{0.95}$$Si$$_{0.05}$$水素化物の重水素のサイト占有率を調べるために、その場中性子回折実験によりFe-Si-Hシステムを具体的に調べた。リートベルト解析の結果、hcp-Fe$$_{0.95}$$Si$$_{0.05}$$水素化物はhcp格子の格子間八面体サイトにのみ重水素(D)が0.24(2)占有することが判明した。Feに2.6wt%Siを添加する(つまりFe$$_{0.95}$$Si$$_{0.05}$$)ことによるDのサイト占有率への影響は、Fe-D系の先行研究で得られた結果と比較して無視できる程度であった(Machida et al., 2019)。

論文

Crystal and magnetic structures of double hexagonal close-packed iron deuteride

齋藤 寛之*; 町田 晃彦*; 飯塚 理子*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 舟越 賢一*; 佐藤 豊人*; 折茂 慎一*; 青木 勝敏*

Scientific Reports (Internet), 10, p.9934_1 - 9934_8, 2020/06

 被引用回数:11 パーセンタイル:31.58(Multidisciplinary Sciences)

4-6GPaの圧力で1023-300Kに降温中の鉄重水素化物の中性子回折パターンを測定した。二重六方晶構造を持つ$$varepsilon$$'重水素化物は温度圧力に応じて他の安定または準安定相と共存し、673K, 6.1GPaではFeD$$_{0.68(1)}$$、603K, 4.8GPaではFeD$$_{0.74(1)}$$の組成を持つ固溶体を形成した。300Kに段階的に降温する際、D組成は1.0まで上昇し、一重水素化物FeD$$_{1.0}$$を生成した。4.2GPa, 300Kにおけるdhcp FeD$$_{1.0}$$において溶け込んだD原子は、中心位置から外れた状態で二重六方格子の八面体空隙のすべてを占めていた。また、二重六方晶構造は12%の積層欠陥を含んでいた。また磁気モーメントは2.11$$pm$$0.06B/Feであり、Feの積層面内で強磁性的に並んでいた。

論文

A Design study on a mixed oxide fuel sodium-cooled fast reactor core partially loading highly concentrated MA-containing metal fuel

大釜 和也; 太田 宏一*; 大木 繁夫; 飯塚 政利*

Proceedings of 2019 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2019) (Internet), 9 Pages, 2019/05

A neutronics design study for a mixed oxide (MOX) fuel Sodium-cooled Fast Reactor (SFR) core partially loading highly concentrated Minor Actinide (MA) containing fuel was conducted. To analyze preferable loading positions of highly concentrated MA-containing metal fuel, the characteristics of heterogeneous MA loading cores were evaluated assuming the amount of MA loaded to heterogeneous cores were same as that of a reference homogeneous 3% MAcontaining MOX fuel core. The cores loading MA-containing metal fuel could meet the design limitation of the sodium void reactivity of the SFR except for the one loading MA-containing metal fuel in the core center region. Based on these results, the core design was modified to maximize amount of MA transmutation. The modified core loading 60 subassemblies of 16% MA-containing metal fuel in the outermost region could attain the largest amount of MA transmutation, which was larger by about 60% than that of the reference homogeneous MOX fuel core.

論文

Simulation of saturation process in a transuranium disposal facility

高山 裕介; 飯塚 敦*; 河井 克之*

Environmental Geotechnics (Internet), 4(5), p.339 - 352, 2017/10

 被引用回数:1 パーセンタイル:5.46(Engineering, Geological)

難透水性と膨潤性を持つベントナイト材料は、TRU廃棄物処分施設の緩衝材としての利用が検討されている。TRU廃棄物処分施設の超長期的な性能を評価するためには、数値解析を用いたベントナイトの力学挙動の予測が必要である。本研究では、ベントナイトの飽和化挙動についての概要とその数理モデルを説明した。次に、その数理モデルを用いていくつかの数値解析を実施した。まず、施設の緩衝材と埋戻し材の膨潤特性を調べるために、膨潤圧試験のシミュレーションを実施した。その後、TRU廃棄物処分施設の再冠水シミュレーションを実施し、緩衝材と埋戻し材の再冠水時の力学挙動を調べた。

論文

高温高圧下での鉄-ケイ酸塩-水系の中性子回折その場観察

飯塚 理子*; 八木 健彦*; 後藤 弘匡*; 奥地 拓生*; 服部 高典; 佐野 亜沙美

波紋, 27(3), p.104 - 108, 2017/08

水素は太陽系で最も豊富にある元素で、地球核に含まれる軽元素の最も有力な候補である。しかしながら水素は、X線では見えないこと、常圧下では鉄から簡単に抜け出てしまうことから、その溶解量やプロセスは未知である。本研究では、J-PARCのPLANETを用い、鉄-含水鉱物系の高温高圧下中性子その場観察実験を行った。その結果、約4GPaで含水鉱物の分解によって生じた水が鉄と反応し鉄酸化物と鉄水素化物を生成することを確認した。この時生じた鉄水素化物は、さらに温度を挙げても安定であった。この反応は1000Kで起きたが、その他の物質に関して融解は起きなかった。このことは、地球形成期初期に水素が、他の軽元素に先んじて鉄に溶けることを示唆している。

論文

Constitutive modeling for compacted bentonite buffer materials as unsaturated and saturated porous media

高山 裕介; 橘 伸也*; 飯塚 敦*; 河井 克之*; 小林 一三*

Soils and Foundations, 57(1), p.80 - 91, 2017/02

 被引用回数:18 パーセンタイル:53.78(Engineering, Geological)

ベントナイトは著しい膨潤特性と難透水性を有する材料であり、放射性廃棄物の処分施設において緩衝材としての利用が想定されている。処分施設の長期にわたる力学挙動を評価するには、ベントナイトの力学挙動を表現できる構成モデルの開発が必要である。本研究では、ベントナイトを、「飽和の程度により力学特性が変化していく材料」と捉え、不飽和ベントナイトの弾塑性構成モデルを提案した。本提案モデルでは、膨潤指数および負のダイレイタンシーの表現式を飽和度の関数として表現し、さまざまなベントナイト材料に適用できるようにモンモリロナイト含有率を入力パラメータとして用いている。さらに、提案モデルにより膨潤圧試験と膨潤量試験のシミュレーションを実施した結果、ベントナイトの力学挙動を再現できることが確認された。

論文

Hydrogenation of iron in the early stage of Earth's evolution

飯塚 理子*; 八木 健彦*; 後藤 弘匡*; 奥地 拓生*; 服部 高典; 佐野 亜沙美

Nature Communications (Internet), 8, p.14096_1 - 14096_7, 2017/01

AA2016-0524.pdf:0.73MB

 被引用回数:60 パーセンタイル:88.44(Multidisciplinary Sciences)

地球の核の密度は純鉄の密度よりも低く、核の中の軽い元素は長年の問題である。水素は太陽系内で最も豊富な元素であり、したがって重要な候補の1つである。しかし、これまで水素の鉄への溶解過程は不明であった。ここでは、高圧高温その場中性子回折実験を行い、含水鉱物の混合物が加熱されると、含水鉱物が脱水された直後に鉄が水素化されることを明らかにしている。これは、地球の進化の初期に、蓄積された原始物質が熱くなったときに、他の物質が溶けこむ前に水素の鉄への溶解が起こったことを意味する。これは、水素が地球進化の過程で鉄に溶解した最初の軽元素であり、その後のプロセスにおいて他の軽元素の挙動に影響を及ぼす可能性があることを示唆している。

報告書

東京電力(株)福島第一原子力発電所の廃炉に向けた放射性廃棄物に係る化学分析作業手順

米川 実; 岩崎 真歩; 島田 梢; 柳谷 昇子; 塚田 学; 飯塚 芳之; 金子 宗功; 吽野 俊道

JAEA-Testing 2015-002, 151 Pages, 2016/03

JAEA-Testing-2015-002.pdf:4.29MB
JAEA-Testing-2015-002-appendix(CD-ROM).zip:5.7MB

福島研究基盤創生センター運転管理準備室では、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた研究開発を着実に進めるにあたり、低放射線量のガレキ類及び燃料デブリ等の放射性廃棄物の処理、処分及び管理の安全性を評価するための放射化学分析手法について作業手順書の作成を行っている。作業手順書は、新たに従事する分析技術者の人材育成のためにパワーポイントのアニメーション機能を活用し、化学分析の初心者にも理解しやすいように工夫を施した内容としている。今回の報告書は、これまでに分析手法が確立し、かつ、アニメーションによる作業手順の作成が完了した核種についてまとめたものである。

論文

照射が向きそうな食品向きそうにない食品

千葉 悦子*; 飯塚 友子*; 市川 まりこ*; 鵜飼 光子*; 菊地 正博; 小林 泰彦

放射線と産業, (137), p.29 - 32, 2014/12

世界では食品照射が実用化されているが、日本では照射じゃがいも以外は食品衛生法で禁止され体験的な判断が難しい状況にある。本稿では我々の体験実験から、食品照射の良さを伝えやすい具体例を挙げ、健全なリスコミを推進したい。ニンニク, 次郎柿(甘柿), 白桃(モモ), ぶどう(4種), グリーンピース, 筍, 梨(新高・幸水), リンゴ(つがる・ふじ・シナノスイート), 乾燥果実(ブルーベリー・イチジク), 栗, ちりめんじゃこ, 茶(緑茶・紅茶・ウーロン茶), 牛乳, おつまみ昆布, かつお節削り節, 香辛料の保存性と食味の観点から照射の向き・不向きについて紹介した。りんごやぶどうは品種により向き不向きが異なる。乾燥果実では、脱酸素剤なしのブルーベリーは異臭がしたが、イチジクは問題なかった。照射時の酸素の有無等の条件や、料理の種類を含む使い方等により照射の向き不向きは異なり、限定的にしか使えない食品が多い。結果がばらつき向き不向きが判然としないものも多い。これまでの体験から、照射が非常に向くものは限られ、消費者は「今後、照射を許可される食品が増えても、適用対象は限定的」と冷静に考えられるだろう。

論文

Phase transitions and hydrogen bonding in deuterated calcium hydroxide; High-pressure and high-temperature neutron diffraction measurements

飯塚 理子*; 小松 一生*; 鍵 裕之*; 永井 隆哉*; 佐野 亜沙美; 服部 高典; 後藤 弘匡*; 八木 健彦*

Journal of Solid State Chemistry, 218, p.95 - 102, 2014/10

 被引用回数:8 パーセンタイル:34.26(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

重水素化したカルシウム水酸化物(Ca(OD)$$_{2}$$)の高圧その場中性子散乱実験を、J-PARCのパルス中性子を用い、パリ-エジンバラプレスとマルチアンビルプレスを用いて行った。常圧には回収できない、高圧常温相の水素位置を含めた原子位置を初めて求めた。高圧下において水素結合が曲がっていることが明らかになり、これはラマン分光の結果と調和的である。高温高圧相に関しては、先行研究の常圧下に回収して求められた構造と一致した。これらの観測結果から、高圧下における相転移はCaO多面体で構成される層のスライドと、Ca原子の変位、Ca-O再構成と水素結合の配向の変化によりおこることが明らかとなった。

論文

Site occupancy of interstitial deuterium atoms in face-centred cubic iron

町田 晃彦; 齋藤 寛之; 杉本 秀彦*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 遠藤 成輝*; 片山 芳則; 飯塚 理子*; 佐藤 豊人*; 松尾 元彰*; et al.

Nature Communications (Internet), 5, p.5063_1 - 5063_6, 2014/09

 被引用回数:84 パーセンタイル:88.94(Multidisciplinary Sciences)

鉄と水素との反応は水素脆性などな材料科学の問題や、地球内核の鉄中の水素の有無なども地球科学の問題を考える上で重要であり、広く興味が持たれている。鉄は高温高水素圧力下において水素化物を形成するが、常温常圧では不安定であるため、水素化物の形成過程や状態を観測するには高温高圧力下でその場観察を行う必要がある。本研究ではJ-PARC/MLFのBL11 PLANETを利用して高温高圧力下中性子回折実験を実施し、鉄の重水素化過程および面心立方晶構造の鉄重水素化物における重水素原子の占有位置と占有率の決定を行い、これまで考えられていた八面体サイトだけでなく四面体サイトの一部も重水素原子が占有することを世界で初めて明らかにした。さらに量子力学的計算に基づいて二つのサイトを占有するメカニズムについて考察を行った。

論文

Numerical evaluation of a multiple soil barrier system preventing water infiltration

高山 裕介*; 生田 勇輝*; 飯塚 敦*; 河井 克之*; 瀧 富弘; 坂尾 亮太; 市川 康明*

Unsaturated Soils; Research & Applications, p.659 - 665, 2014/06

礫層,砂層とベントナイト混合土層からなる不飽和の多重覆土層では、ベントナイト混合土層の非常に低い透水性だけでなく、異なる保水能力を有する砂層-礫層間のキャピラリーバリアにより水の浸入を防止することが期待される。数値シミュレーションでは、植生層(まさ土), 上部フィルタ層(砂), 排水層(礫), 下部フィルタ層(まさ土), ベントナイト混合層(ベントナイト及びまさ土)からなる幅10m, 厚さ1.5mの不飽和の多重覆土層を考えており、これらの覆土層は5%の勾配で設置しているものとして飽和/不飽和、水/土連成の有限要素法を用いて多重覆土層による降雨浸透抑制の評価を行った。その結果、バリアシステムの長期性能を評価するうえでキャピラリーバリアが重要であり、また、本論文で検討した遮水機能は過去の最大降雨強度に対しても機能することを確認することができた。

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