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論文

Intrinsic 2D ferromagnetism in V$$_{5}$$Se$$_{8}$$ epitaxial thin films

中野 匡規*; Wang, Y.*; 吉田 訓*; 松岡 秀樹*; 真島 裕貴*; 池田 啓祐*; 平田 靖透*; 竹田 幸治; 和達 大樹*; 小濱 芳允*; et al.

Nano Letters, 19(12), p.8806 - 8810, 2019/12

 被引用回数:66 パーセンタイル:89.73(Chemistry, Multidisciplinary)

The discoveries of intrinsic ferromagnetism in atomically thin van der Waals crystals have opened a new research field enabling fundamental studies on magnetism at two-dimensional (2D) limit as well as development of magnetic van der Waals heterostructures. Here we demonstrate that V$$_{5}$$Se$$_{8}$$ epitaxial thin films grown by molecular-beam epitaxy exhibit emergent 2D ferromagnetism with intrinsic spin polarization of the V 3d electrons although the bulk counterpart is originally antiferromagnetic. Moreover, thickness-dependence measurements reveal that this newly developed 2D ferromagnet could be classified as an itinerant 2D Heisenberg ferromagnet with weak magnetic anisotropy.

論文

Visualization of subnanometric phonon modes in a plasmonic nano-cavity via ambient tip-enhanced Raman spectroscopy

Balois, M. V.*; 早澤 紀彦*; 保田 諭; 池田 勝佳*; Yang, B. *; 數間 惠弥子*; 横田 泰之*; Kim, Y.*; 田中 拓男*

npj 2D Materials and Applications (Internet), 3(1), p.38_1 - 38_10, 2019/10

 被引用回数:23 パーセンタイル:65.49(Nanoscience & Nanotechnology)

本研究では、大気中のチップ増強ラマン散乱システム(TERSシステム)を使用して、単層グラフェンの無欠陥領域の許容光学フォノンモードと禁制光学フォノンモードの両方を同時に観察し、それぞれナノメートルスケールのひずみ変動とラマンピークのプラズモン活性化に関して検証を行った。TERSイメージングにより、ひずみの変動と最小5nmまでのナノメートルサイズのドメインが0.7nmの空間分解能で可視化可能であることを示した。さらに、このようなサブナノメートル閉じ込めは、DおよびD'禁制フォノンモードだけでなく、D + D'モードも活性化することが判明した。我々のTERSシステムを使用することで、欠陥のないグラフェンやその他の2Dナノ材料の完全なフォノン特性評価が可能になり、サブナノメートルのひずみ解析や欠陥のない材料の固有特性の探索に有効であることを示した。

論文

A New approach for measuring the muon anomalous magnetic moment and electric dipole moment

阿部 充志*; Bae, S.*; Beer, G.*; Bunce, G.*; Choi, H.*; Choi, S.*; Chung, M.*; da Silva, W.*; Eidelman, S.*; Finger, M.*; et al.

Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2019(5), p.053C02_1 - 053C02_22, 2019/05

 被引用回数:212 パーセンタイル:99.42(Physics, Multidisciplinary)

この論文はJ-PARCにおける、ミューオン異常磁気モーメント$$a_{mu}=(g-2)/2$$と電気双極子モーメント(EDM) $$d_{mu}$$を測定する新しいアプローチを紹介する。我々の実験のゴールは、これまでと独立の、1/10の運動量と1/20のストレージリングを用いて、$$a_{mu}$$と$$d_{mu}$$をこれまでにない精密な磁場で測定することである。さらに過去の実験との顕著な違いは、1/1000の横エミッタンスミューオンビーム(サーマルミューオンビーム)を用い、効率的なソレノイドへ縦入射し、ミューオンからの崩壊陽電子をトラッキングし、その小さな運動量ベクトルを求める点である。$$a_{mu}$$は統計精度450ppb、系統誤差70ppb、EDMについては$$1.5times10^{-21}$$ e$$cdot$$cmの精度で測定することを目標とする。

論文

Operator's contribution on the improvement of RII scheme against the process operation at PCDF

中村 仁宣; 清水 靖之; 牧野 理沙; 向 泰宣; 石山 港一; 栗田 勉; 池田 敦司*; 山口 勝弘*

Proceedings of INMM 57th Annual Meeting (Internet), 9 Pages, 2016/07

日本国の統合保障措置は2004年に、核燃料サイクル工学研究所(JNC-1)においては2008年より導入され、査察業務量の低減及び核物質転用に対する抑止効果を高めることを目的とし、従前の中間在庫検認(IIV)に代わり短時間通告ランダム査察(RII)が導入された。そのRII手法は運転停止中(インターキャンペーン)を想定して設計されたため、運転時は改訂が必要であった。原子力機構では再処理施設の潜在的な安全上のリスクを低減するため、2014年4月よりPCDFの運転(溶液からMOX粉末への転換)を決定したことから、運転と統合保障措置の要件を満足させる最適な査察手法の検討に着手し、検知確率を減らすことなく、査察業務量を増加させることのない新たな査察手法をIAEA及び規制庁に提案した。IAEA等との協議の結果、同提案は受け入れられ、2014年3月に導入することができた。新たな査察手法では、査察日を事前確定型への変更、推定量の核物質を低減、リモートモニタリングデータの提供の実施、運転状態確認査察の改善及び適時性をもった在庫申告等の改善を図った。その結果、在庫情報等の提供に係る業務量は若干増加したものの、統合保障措置における要件とPCDFの運転を両立させることができ、2年間の運転に対する保障措置の効果的かつ効率的な実施に貢献した。

論文

硝酸プルトニウム溶液に対するINVS測定不確かさの改善

牧野 理沙; Swinhoe, M. T.*; 鈴木 久規; 池田 敦司*; Menlove, H. O.*; 清水 靖之; 中村 仁宣

核物質管理学会(INMM)日本支部第35回年次大会論文集(インターネット), 9 Pages, 2015/01

在庫サンプル測定システム(INVS)は、プルトニウム転換技術開発施設の査察において採取されたサンプル中のMOX粉末またはPu溶液中のPu量を測定する非破壊測定装置であり、31.3%の比較的高い検出効率を有している。現在のINVSの測定不確かさは、3-5%程度であるが、仮に測定の不確かさを1%以下まで改善することができれば、計量管理に用いる破壊分析の低減、Puの迅速確定、Kエッジデンシトメトリー(KEDG)の代替機器としての活用等、種々の効果が期待できる。本研究では、INVSの高精度化を目的として、実際の硝酸Pu溶液(再処理施設で通常用いられている濃度範囲に限定)を用いた校正試験を、3つの手法(キャリブレーションカーブ法、known-$$alpha$$法及びマルチプリシティ法)を適用して行った。なお、実試料の測定に先立ち、検出器の最適なパラメータ及び測定位置を確認する特性試験を行い、最適化されたパラメータを用いて校正を行った。校正試験の結果、それぞれの手法において不確かさに違いはあるものの、計数値とPu量との間に良い相関があることを確認した。特にキャリブレーションカーブ法が最も相関がよく、結果として1%以下の測定不確かの測定ができる見通しを得ることができた。溶液の測定は、様々な因子(濃度,酸濃度及び容量)が影響を与えるため、その結果についても合わせて考察を行った。

論文

Increase in the beam intensity of the linac-based slow positron beam and its application at the Slow Positron Facility, KEK

和田 健*; 兵頭 俊夫*; 柳下 明*; 池田 光男*; 大澤 哲*; 設楽 哲夫*; 満汐 孝治*; 立花 隆行*; 長嶋 泰之*; 深谷 有喜; et al.

European Physical Journal D, 66(2), p.37 - 40, 2012/02

 被引用回数:45 パーセンタイル:86.28(Optics)

本論文では、高エネルギー加速器研究機構(KEK)低速陽電子実験施設の最近の進展について報告する。はじめに、低速陽電子ビームを生成するためのコンバータ・モデレータアッセンブリの改良を行った。具体的には、コンバータ・モデレータのフレームをタンタルで作製し、モデレータ内部ではタングステン薄膜を井桁状に2セット組み、2段に配置した。この改良により、低速陽電子のビーム強度が以前のものに比べて一桁増大するに至った。この高強度陽電子ビームを用いて、二つの新たな研究が進展した。一つは、ポジトロニウム負イオンの光脱離実験を行い、レーザーによるポジトロニウムの中性化に成功した。二つ目は、反射高速陽電子回折(RHEPD)装置を開発し、これまでの線源法に比べて5-10倍の反射強度を得ることに成功した。今後、両実験のさらなる発展が見込まれる。

論文

Identified charged hadron production in $$p + p$$ collisions at $$sqrt{s}$$ = 200 and 62.4 GeV

Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.

Physical Review C, 83(6), p.064903_1 - 064903_29, 2011/06

 被引用回数:200 パーセンタイル:99.33(Physics, Nuclear)

200GeVと62.4GeVでの陽子陽子の中心衝突からの$$pi, K, p$$の横運動量分布及び収量をRHICのPHENIX実験によって測定した。それぞれエネルギーでの逆スロープパラメーター、平均横運動量及び単位rapidityあたりの収量を求め、異なるエネルギーでの他の測定結果と比較する。また$$m_T$$や$$x_T$$スケーリングのようなスケーリングについて示して陽子陽子衝突における粒子生成メカニズムについて議論する。さらに測定したスペクトルを二次の摂動QCDの計算と比較する。

論文

Azimuthal correlations of electrons from heavy-flavor decay with hadrons in $$p+p$$ and Au+Au collisions at $$sqrt{s_{NN}}$$ = 200 GeV

Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Aramaki, Y.*; et al.

Physical Review C, 83(4), p.044912_1 - 044912_16, 2011/04

 被引用回数:10 パーセンタイル:53.41(Physics, Nuclear)

重いフレーバーのメソンの崩壊からの電子の測定は、このメソンの収量が金金衝突では陽子陽子に比べて抑制されていることを示している。われわれはこの研究をさらに進めて二つの粒子の相関、つまり重いフレーバーメソンの崩壊からの電子と、もう一つの重いフレーバーメソンあるいはジェットの破片からの荷電ハドロン、の相関を調べた。この測定は重いクォークとクォークグルオン物質の相互作用についてのより詳しい情報を与えるものである。われわれは特に金金衝突では陽子陽子に比べて反対側のジェットの形と収量が変化していることを見いだした。

報告書

$$gamma$$線によるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の放射線架橋技術の開発

池田 重利*; 笠井 昇; 大島 明博*; 草野 広男*; 春山 保幸; 瀬口 忠男

JAERI-Tech 99-005, 37 Pages, 1999/02

JAERI-Tech-99-005.pdf:1.79MB

ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に$$^{60}$$Co-$$gamma$$線を照射して架橋させる照射容器を製作し、架橋の研究を行った。$$gamma$$線を使用すると、厚肉の試料や複雑な形状の試料について適切な架橋が可能であった。また、照射による試料の温度上昇が小さく、試料の温度を一定に制御できた。

論文

Moessbauer spectroscopic study of iron selenate irradiated by 14MeV neutrons

中田 正美; 正木 信行; 佐伯 正克; 荒殿 保幸; 池田 裕二郎; 遠藤 和豊*

SIF Conf. Proc., Vol. 50 (ICAME-95), 0, p.99 - 102, 1996/00

セレン酸鉄(II)に14MeV中性子照射をおこない、鉄(II)が鉄(III)に変化した量を、メスバウア分光法で測定した。その結果セレン酸鉄(II)の$$gamma$$線照射による結果及び$$^{57}$$Coでラベルしたセレン酸コバルト(II)の発光法による結果と比較検討した。14MeV中性子照射後の鉄(III)の生成量は、1水塩の方が5水塩より多いことが分かった。これは、$$gamma$$線照射と$$^{57}$$CoのEC壊変にともなう鉄(III)の生成量が5水塩の方が1水塩より多いという結果と大きな違いを示している。セレン酸鉄(II)5水塩の構造は、鉄原子が4個の水分子に囲まれている。14MeV中性子照射では、核反応で生成した荷電粒子などが、鉄へおよぼす酸化作用をその水分子が阻害しているためと考えられる。

報告書

高温電子線照射容器の開発

春山 保幸; 大島 明博*; 池田 重利*; 須永 博美; 滝沢 春喜; 瀬口 忠男

JAERI-Tech 95-003, 18 Pages, 1995/02

JAERI-Tech-95-003.pdf:1.0MB

高分子等を高温で電子線照射する場合には、従来は試料支持台に熱媒体を流通させるか、直接電気ヒーターで加熱するかの方法がとられていた。しかし、その方法では熱伝導のための試料温度の均一性が得られないこと、また、電子線を照射すると試料温度が局所的に上昇して温度の制御ができなくなるなど、高温下での照射に著しい困難があった。本研究開発において、雰囲気に不活性ガスを用い、その対流によって照射物質の温度を制御する方法により、電子線を照射する容器を開発した。この容器を用いて、高分子のシートを200$$^{circ}$$Cから400$$^{circ}$$Cの範囲で制御でき、均一温度下で照射することが可能となった。

口頭

Recent developments and results of the KEK slow positron facility

和田 健*; 望月 出海*; 兵頭 俊夫*; 小菅 隆*; 斉藤 裕樹*; 濁川 和幸*; 設楽 哲夫*; 大澤 哲*; 池田 光男*; 白川 明広*; et al.

no journal, , 

高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所の低速陽電子実験施設で得られた最近の成果について報告する。本施設では、専用ライナック(55MeV)を有しており、高強度のパルス低速陽電子ビーム(5$$times$$10$$^{7}$$ e$$^{+}$$/s: ロングパルスモード)を共同利用に供している。低速陽電子ビームは、高圧(35kVまで)に印加された発生部で生成され、磁場を用いて接地されたビームラインを輸送され、各実験ホールに振り分けられる。現在、3つの実験(ポジトロニウム負イオン分光,ポジトロニウム飛行時間測定,反射高速陽電子回折(RHEPD))が進行中である。今回、RHEPDの最新の成果について取り上げる。陽電子における結晶ポテンシャルは、電子の場合とは逆のプラスであり、陽電子は、低視射角入射で全反射を起こす。最近、Si(111)-7$$times$$7表面におけるRHEPD実験を行い、全反射臨界角以下の領域で、最表面原子層からのみの明瞭な回折像を観測することに成功した。

口頭

KEK低速陽電子実験施設の現状; 新ビームライン分岐と実験ステーションの再配置

和田 健*; 望月 出海*; 兵頭 俊夫*; 小菅 隆*; 斉藤 裕樹*; 濁川 和幸*; 設楽 哲夫*; 大澤 哲*; 池田 光男*; 白川 明広*; et al.

no journal, , 

高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所の低速陽電子実験施設では、ライナックベースの大強度低速陽電子ビームを共同利用に供している。2012年春に、日本原子力研究開発機構の協力を得て、反射高速陽電子回折(RHEPD)用に透過型の輝度増強ユニットを導入した。これにより、$$^{22}$$Naベースの陽電子ビームと比較して、ビームの輝度が約3600倍上がり、ビーム強度は約60倍向上した。この輝度増強ビームを用いてSi(111)-7$$times$$7表面におけるRHEPD実験を行ない、全反射臨界角以下の領域で、最表面原子層からのみの明瞭な回折像を観測することに成功した。近年成果が上がっている上記RHEPD実験とポジトロニウム負イオン分光実験を次の段階に進めるために、地下1階部分の多数のコイル用電源を実験と干渉しないスペースへ移動して、より広い実験スペースを確保した。ロングパルスモードを使用するRHEPD実験は地下1階で、ショートパルスモードを使用するポジトロニウム負イオン実験とポジトロニウム飛行時間測定実験を地上1階で行うよう、ステーションの再配置を行った。

口頭

Recent development of the slow positron facility at institute of materials structure science, KEK

和田 健*; 兵頭 俊夫*; 柳下 明*; 池田 光男*; 大澤 哲*; 設楽 哲夫*; 満汐 孝治*; 鈴木 亮平*; 立花 隆行*; 長嶋 泰之*; et al.

no journal, , 

KEK低速陽電子実験施設の最近の進展について報告する。はじめに、低速陽電子ビームを生成するためのモデレーター・コンバーターの交換を行った。コンバーターとモデレーターのフレームをタンタルで作製した。モデレーターは、25$$mu$$m厚のタングステン薄膜を井桁状に2セット組み、2段に配置した。モデレーター・コンバーター交換前後の低速陽電子ビームの強度を比較したところ、毎秒7$$times$$10$$^{7}$$個に増大した。続いて、陽電子ビームを用いた物性研究として、以下の2つの実験が進展した。ポジトロニウム負イオンの実験に関しては、アルカリ金属を蒸着したタングステン表面から、ポジトロニウム負イオンが高い効率で生成することがわかった。さらに、短パルス陽電子ビームとレーザーを用いて、ポジトロニウム負イオンの光脱離実験を行い、エネルギーが揃ったポジトロニウムを取り出すことに成功した。また、KEK低速陽電子実験施設のビームラインに反射高速陽電子回折(RHEPD)実験装置を設置し、RHEPD実験を開始した。Si(111)-7$$times$$7表面超構造の陽電子回折パターンの観察に成功し、ばらつきが非常に小さいロッキング曲線の測定にも成功した。現状で、5-10倍の反射強度を得ている。今後は、さらなるビーム強度の増大及び実際の表面超構造物性の研究に展開させる。

口頭

KEK低速陽電子ビームの高強度・高輝度化とその応用

和田 健*; 兵頭 俊夫*; 小菅 隆*; 斉藤 祐樹*; 柳下 明*; 池田 光男*; 大澤 哲*; 諏訪田 剛*; 古川 和朗*; 白川 明広*; et al.

no journal, , 

本講演では、高エネルギー加速器研究機構(KEK)低速陽電子実験施設の最近の進展について報告する。本施設では、2010年夏に、低速陽電子ビーム生成のためのコンバータ・モデレータユニットを改造し、ビーム強度が一桁増大した。増大したビーム強度を生かして、ポジトロニウム負イオンの分光実験、反射高速陽電子回折(RHEPD)実験、ポジトロニウム飛行時間測定実験を展開してきた。2012年春には、RHEPD実験用に新たにタングステンモデレータを用いた透過型輝度増強ユニットを導入し、質・強度ともに大幅に向上した平行ビームを生成することに成功した。この高強度・高輝度陽電子ビームを用いて、Si(111)-7$$times$$7表面からのRHEPDパターンを測定したところ、従来の$$^{22}$$Na線源を用いたビームでは捉えることができなかった、表面超構造に由来する高次の回折スポットを観測することに成功した。

口頭

KEK低速陽電子実験施設のビームライン整備と最近の成果

和田 健*; 望月 出海*; 兵頭 俊夫*; 小菅 隆*; 斉藤 裕樹*; 設楽 哲夫*; 大澤 哲*; 池田 光男*; 白川 明広*; 古川 和朗*; et al.

no journal, , 

高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所の低速陽電子実験施設では、ライナックベースの低速陽電子ビームを共同利用に供している。2012年度春に、日本原子力研究開発機構の河裾グループの協力を得て、反射高速陽電子回折用に透過型の輝度増強ユニットを導入した。磁場で輸送した15keVの低速陽電子ビームを非磁場領域に解放した後、10kVに印加した厚さ100nmのタングステン薄膜に磁気レンズを用いて収束し、数段からなる引き出し電極と磁気レンズを用いてアース電位の試料に導く。輝度増強ユニット導入前と比べて、ビームのエネルギー広がりが1桁以上狭くなるとともに、反射強度が約4倍向上した。また、これまで使用できなかったポジトロニウム飛行時間(Ps-TOF)測定装置を、東京理科大学長嶋グループの協力を得て再整備し、同装置を用いる共同利用の募集を開始した。2012年度秋より3課題のPs-TOF測定装置を用いた共同利用が開始された。2009年度まで行われていた透過型陽電子顕微鏡実験で用いた輝度増強チャンバーを生かし、東京大学物性研究所高橋グループ及び千葉大学藤浪グループの協力を得て、低速陽電子回折実験装置の開発を開始した。最近予備実験として、このビームライン分岐におけるビーム試験と、輝度増強ユニットの動作試験を行った。以上の施設の整備状況について報告するとともに、最近の共同利用の成果の紹介を行う。

口頭

Materials science at the KEK slow positron facility

和田 健*; 望月 出海*; 兵頭 俊夫*; 小菅 隆*; 斉藤 裕樹*; 濁川 和幸*; 設楽 哲夫*; 大澤 哲*; 池田 光男*; 白川 明広*; et al.

no journal, , 

高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所の低速陽電子実験施設では、専用電子線形加速器(linac)を用い、高強度のパルス低速陽電子ビームを提供している。低速陽電子の生成ユニットは35kVまで印加可能である。陽電子ビームは接地されたビームライン中を磁場輸送され、各実験ホールに振り分けられる。現在、3つの実験ステーションが稼働中である。ポジトロニウム負イオン(Ps$$^{-}$$)では、エネルギー可変(0.3-1.9keV)のポジトロニウム(Ps)ビームの発生に成功している。Psビームは、絶縁体の表面回折実験に利用される予定である。ポジトロニウム飛行時間(Ps-TOF)測定では、表面状態の情報を得ることができる。反射高速陽電子回折(RHEPD)は、最表面構造を決定することができる。RHEPDは、反射高速電子回折(RHEED)の陽電子版である。電子の場合とは対照的に、陽電子の結晶ポテンシャルは正であるため、ある臨界角以下の視射角で入射した場合、陽電子は物質表面で全反射される。最近、Si(111)-$$7times7$$表面からの全反射陽電子回折パターンが最表面原子のみの情報を含むことが分かった。

口頭

Introduction to the slow positron facility at KEK

和田 健*; 望月 出海*; 兵頭 俊夫*; 設楽 哲夫*; 大澤 哲*; 池田 光男*; 満汐 孝治*; 寺部 宏基*; 飯田 進平*; 長嶋 泰之*; et al.

no journal, , 

高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所(IMSS)低速陽電子実験施設(SPF)では、専用LINAC(55MeV)を用い、高強度のパルス低速陽電子ビームを供している。陽電子はTaコンバーターに打ち込まれた高エネルギー電子の制動放射による対生成により発生する。Taコンバーターから放出された陽電子はW薄膜内で熱化し、それらの一部が負の仕事関数により薄膜表面から再放出される。得られた単色陽電子は35keVまでの任意のエネルギーに加速され、低速陽電子ビームとして実験ステーションに磁場輸送される。現在、ポジトロニウム負イオン(Ps$$^{-}$$)の光脱離、ポジトロニウム飛行時間(Ps-TOF)、反射高速陽電子回折(RHEPD)の3つの実験ステーションが稼働中である。Ps$$^{-}$$実験ステーションでは、静電加速されたPs$$^{-}$$の光脱離によりエネルギー可変のPsビームを発生させる。Ps-TOF実験では、Ps放出を通して表面状態に関する情報を与える。RHEPDは反射高速電子回折(RHEED)の陽電子版である。電子の場合とは対照的に、陽電子の結晶ポテンシャルが正であるため、視射角がある臨界角より小さいとき、陽電子は物質表面で全反射する。陽電子ビームを高輝度化するために、100nm厚のW薄膜を持つ透過型のリモデレーターを導入した。その結果、Si(111)-$$7times7$$超構造からの鮮明な分数次スポットの観測に成功した。

口頭

先進オリエントサイクル研究(Phase I),4; 核種分離フローシートと核種移行

鈴木 達也*; 池田 泰之*; 小山 真一; 逢坂 正彦; 小澤 正基

no journal, , 

照射済燃料を用いた試験において、3級ピリジン樹脂によるイオン交換法を用いて、最初のSTEP Iで白金族(Ru-106)の回収を確認し、次のSTEP IIではPuの回収とMA(III)とLnとの分離、STEP IIIではAm-Cm間の分離を確認した。模擬照射済燃料溶解溶液を用いた試験では、STEP Iでは白金族元素, Re(Tcの代替物質)などがほぼ全量吸着し、Sn, Moが一部吸着することを確認した。

口頭

超高周波誘導炉による廃棄物減容処理システムの開発,6; 実証試験,核種移行挙動

青山 佳男; 山口 大美; 宮本 泰明; 榊原 哲朗; 花本 行生; 佐々木 尚*; 西川 雄*; 村田 実*; 室井 正行*; Park, J.*; et al.

no journal, , 

超高周波誘導炉による放射性廃棄物減容処理システムの開発を進めている。実用規模の超高周波誘導試験装置を使用して実証試験を実施し、雑固体廃棄物を模擬した試料に模擬核種を添加して溶融し作製した溶融固化体や排ガスダストなどを分析して核種移行挙動を確認した。

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