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木村 建貴*; 福谷 哲*; 池上 麻衣子*; 坂本 文徳; 香西 直文; Grambow, B.*; 米田 稔*
Chemosphere, 276, p.130121_1 - 130121_7, 2021/08
被引用回数:1 パーセンタイル:4.41(Environmental Sciences)土壌環境中でのセシウム(Cs)の移行挙動解明に資するため、Csのバイオタイトへの吸着及びシデロフォアによるバイオタイトからのCs溶解を調べた。ほとんど風化していないバイオタイト粉末試料にCsを吸着させた。バクテリア培養液からシデロフォアを精製し、上記バイオタイト試料に対する5回連続溶解実験を行った。バイオタイトの主要元素(Al, Fe, and Mg)はほぼ化学量論的に溶解した。この結果は、シデロフォアがバイオタイトの破断面を選択的に溶解することを強く示唆している。破断面に吸着したCsが破断面の溶解に伴いすみやかに溶解し、次いでバイオタイト粒子外表面のCsがゆっくりと溶解した。
木村 建貴*; 香西 直文; 坂本 文徳; 福谷 哲*; 池上 麻衣子*
土木学会論文集,G(環境)(インターネット), 76(7), p.III_375 - III_382, 2020/00
粘土鉱物からのセシウム溶出における植物と植物の根に共生するバクテリア間の相乗効果を解明するため、シロツメクサの根から単離したバクテリアの培養実験を、植物(シロツメクサ)が生産する有機酸(乳酸)と、セシウムを吸着させた黒雲母が存在する条件で行った。バクテリアの増殖の初期(誘導期)に、黒雲母から溶出したセシウム及び鉄等の量が乳酸添加によって増加した。
高原 省五; Pratama, M. A.*; 池上 麻衣子*; 福谷 哲*
KURNS Progress Report 2018, P. 240, 2019/08
本報告書は平成30年度京都大学原子炉実験所共同利用の成果報告書である。本共同利用は福島第一原子力発電所事故後の住民の内部被ばく線量評価に資することを目的として実施するものであり、具体的には、福島事故によって汚染されたイノシシ肉に含まれるCs-137の胃腸管吸収率を評価した。
高原 省五; 池上 麻衣子*; 米田 稔*; 近藤 均*; 石崎 梓; 飯島 正史; 島田 洋子*; 松井 康人*
Risk Analysis, 37(7), p.1256 - 1267, 2017/07
被引用回数:6 パーセンタイル:49.78(Public, Environmental & Occupational Health)The authors evaluated the bioaccessibility of radioactive cesium using the extraction test with 1N HCl and the physiologically based extraction test (PBET). The bioaccessibilitiy from the PBET was 5.3%, and the extractability by the tests with 1N HCl was 16%. The bioaccessibility was strongly correlated with the extractability. This result demonstrates that the extractability of 1N HCl can be used as a good predictor of the bioaccessibility by the PBET. We assessed the doses to the children from ingestion of soils through hand-to-mouth activity using a probabilistic approach based on the spatial distribution of radioactive cesium in Date city. The geometric mean of the annual committed effective doses to the children of age category 1 y and 5 y is 16 nSv and 8.8 nSv, respectively. Even if the children ingest a large amount of soils with relatively high contamination, the 95th percentile of the doses from this pathway is tens of nSv per year.
高原 省五; 池上 麻衣子*; 米田 稔*; 近藤 均*; 石崎 梓; 島田 洋子*
第21回地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会講演集(CD-ROM), p.505 - 510, 2015/06
福島第一原子力発電所事故後の汚染地域において、住民の被ばく線量は適切な被ばく管理に不可欠な情報の一つである。汚染土壌の直接摂取は、特に子供への被ばくの観点から住民の関心が高く、同経路を通じて生じる被ばく線量の程度を明らかにすることで、住民の安心感を醸成しつつ中長期的な被ばく管理を効果的に実施することができるものと考えられる。しかし、汚染土壌を直接摂取した場合にどの程度人体に吸収されるかについては未だ明らかになっていないため、同経路からの被ばく線量を評価するためには消化器系において放射性Csがどのくらい吸収されるかを明らかにする必要がある。そこで本研究では、人体の胃や腸での条件を再現した「生理学的抽出方法(PBET: Physiologically Based Extraction Test)」と、我が国における法令規定法である「1N塩酸抽出法」という2つの方法を用いて消化器系における吸収率を評価した。また、これらの結果をもとに、汚染土壌の直接摂取による被ばく線量を評価するとともに、1N塩酸抽出法とPBET法の結果とを比較してより簡便な1N塩酸抽出法が放射性セシウムの抽出方法として妥当であるか否か検討した。
高原 省五; Pratama, M. A.*; 池上 麻衣子*; 福谷 哲*; 米田 稔*
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故で汚染されたイノシシ肉に含まれるCs-137の胃腸管吸収率を実験的に評価した。イノシシは2017年12月に帰還困難区域内で捕獲した。イノシシの3部位(ロース, バラ, モモ)に対して、口腔, 胃及び小腸での消化プロセスを模擬して実験を行った。実験には、Minekus他によるin vitro digestion法を採用した。実験の結果、小腸の模擬液中にはイノシシ肉中のCs-137の89%3%が抽出されており、肉中の約9割が小腸から吸収される可能性のあることがわかった。