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田窪 勇作*; 高山 裕介*; 杉田 裕; 生越 季理; 石田 圭輔*
Environmental Earth Sciences, 85(9), p.229_1 - 229_19, 2026/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Environmental Sciences)In this study, sensitivity analysis was conducted to identify key parameters that strongly influence infiltration assessment. The results indicate that the intrinsic permeability and the water retention function have a significant impact on the simulation of liquid saturation as key parameters to be focused on the hydraulic modelling. Furthermore, the results of hydraulic analysis for saltwater infiltration with various concentrations suggest that the hydraulic analysis model is applicable for evaluating infiltration behaviour, by setting several analysis cases focused on variabilities of key parameters. This modeling approach, which focuses on the key parameters, has the potential to be a simple method to predict the hydraulic state transition of the buffer material during re-saturation period.
小池 彩華*; 田窪 勇作*; 石田 圭輔*; 三原 守弘
NUMO-TR-25-03; 技術開発成果概要2024, p.100 - 104, 2025/10
地層処分事業の実施主体である原子力発電環境整備機構(NUMO)が、日本原子力研究開発機構(JAEA)をはじめとする関係研究機関及び大学との共同研究等により実施した2024年度の技術開発成果の概要を取りまとめ、報告する。本報告は、NUMOとJAEAの共同研究「ニアフィールドシステムの状態変遷に伴うバリア材及び核種の長期挙動評価のための研究」で2024年度に実施したTRU廃棄物処分場に使用するセメント系材料の状態評価に関する成果についての概要をまとめたものである。
牧村 俊助*; 的場 史朗*; 砂川 光*; 直江 崇; 涌井 隆; 石田 卓*; 松原 綱之*; 深尾 祥紀*; 高橋 仁*; 渡邉 丈晃*; et al.
Proceedings of 71st ICFA Advanced Beam Dynamics workshop on High-Intensity and High-Brightness Hadron Beams (HB2025) (Internet), p.359 - 363, 2025/10
現代の陽子加速器では、ターゲット、ビームウィンドウ、ビームダンプといったビーム遮断装置の強烈なビーム照射下における耐久性が、より高いビーム出力の達成を阻害する重要な要因となっている。大強度陽子加速器施設(J-PARC)における二次粒子生成ターゲットとビームウィンドウが直面する課題と、それらの課題を克服するために行われた開発について紹介する。
曽我部 丞司; 石田 真也; 田上 浩孝; 岡野 靖; 神山 健司; 小野田 雄一; 松場 賢一; 山野 秀将; 久保 重信; 久保田 龍三朗*; et al.
Proceedings of International Conference on Nuclear Fuel Cycle (GLOBAL2024) (Internet), 4 Pages, 2024/10
日仏協力の枠組みにおいて、タンク型ナトリウム冷却高速を対象とした過酷事故の評価手法を定義し、解析評価を実施した。
若井 栄一; 能登 裕之*; 柴山 環樹*; 古谷 一幸*; 安堂 正己*; 鎌田 貴晴*; 石田 卓*; 牧村 俊助*
Materials Characterization, 211, p.113881_1 - 113881_10, 2024/05
被引用回数:12 パーセンタイル:81.56(Materials Science, Multidisciplinary)大強度加速器標的や原子力の分野や航空機と自動車の磁気モーターの応用のために、CoおよびNi元素を含まないbcc結晶構造を持つ鉄基高エントロピー合金(HEA) Fe-20Mn-15Cr-10V-10Al-2.5C (at%)の微細構造、機械的特性及び照射硬化挙動を調べた。この合金は、1150
Cで2時間焼ならしした後、水焼入れし、800
Cで10分間加熱した後、再び水焼入れした。この合金はbcc相を持ち、粒界に沿って2-3
mのバナジウム炭化物が配列していた。また、ビッカース硬度は520Hvで純タングステンよりも硬かいことが分かった。走査型透過電子顕微鏡による位相差コントラスト法により磁区構造を観察したところ、粒子内のミクロサイズの磁区と表面近傍にサブミクロサイズの磁区が形成されており、この磁気特性は魅力的であった。母相中には、ナノスケール(20nm)の元素分布が観察され、原子レベル領域での結晶格子の乱れの存在が見られた。この材料は、300
Cおよび500
Cで1dpaまで照射硬化が起こらず、非常に高い耐放射線性能が確認された。これは、照射によって引き起こされるナノスケールの濃度変化とHEA内の歪み緩和によるものであると推測された。これらの緒特性は、多分野の応用において非常に魅力的な特性である。
田窪 勇作*; 高山 裕介; 石田 圭輔*; 藤崎 淳*
NUMO-TR-24-01; 技術開発成果概要2022, p.109 - 112, 2024/05
地層処分事業の実施主体である原子力発電環境整備機構(NUMO)が、日本原子力研究開発機構(JAEA)をはじめとする関係研究機関及び大学との共同研究等により実施した2022年度の技術開発成果の概要を取りまとめ、報告する。本報告は、NUMOとJAEAの共同研究「ニアフィールドシステムの状態変遷に伴うバリア材及び核種の長期挙動評価のための研究」で2022年度に実施した原位置試験データを用いたTHMC(熱-水-力学-化学)連成現象評価技術の高度化に関する研究成果についての概要をまとめたものである。
若井 栄一; 能登 裕之*; 柴山 環樹*; 古谷 一幸*; 涌井 隆; 安堂 正己*; 牧村 俊助*; 石田 卓*
Science Talks (Internet), 8, p.100278_1 - 100278_4, 2023/12
高エントロピー合金は、その固有の特性により高い強度と良好な延性を併せ持つ傾向にある。本物質はより高性能な将来の一般産業用途だけでなく、原子力や放射線環境下での放射線影響機器の耐久性や適用範囲を高めるためにも、有望な新物質として考えられており、近年、急激に注目がされ始めている。本研究では、高エネルギー加速器ターゲットシステム部品, 原子炉, 核融合炉等の放射線下で使用される新機能材料として応用を目指し、低放射能元素(Ni, Coを含まない)からなる2種類の高エントロピー合金(Fe-Mn-V-Cr-Al-C、Fe-Si-W-Cr-V)の作製とその基本特性評価を行った。本研究で開発中の2つの材料は、次の点でそれぞれユニークな性質を持つ。前者は高強度・低放射化という特徴を共有する新しい構造材料や磁気特性として、ハイパワーモーター系材料の基礎研究として発展することが期待される。一方で、後者は、金属元素の中で最も高い融点を持つタングステンと、かなり高融点のバナジウムを混合して合金の融点を上げ、かつ高強度な合金を設計することで、新しい工学分野での新機能材料としての応用が期待されるものと考えられるものである。
田窪 勇作*; 高山 裕介; 市川 希*; 石田 圭輔*; 藤崎 淳*
NUMO-TR-22-02; 技術開発成果概要2021, p.68 - 71, 2023/03
地層処分事業の実施主体である原子力発電環境整備機構(NUMO)が、日本原子力研究開発機構(JAEA)をはじめとする関係研究機関及び大学との共同研究等により実施した2021年度の技術開発成果の概要を取りまとめ、報告する。本報告は、NUMOとJAEAの共同研究「ニアフィールドシステムの状態変遷に伴うバリア材及び核種の長期挙動評価のための研究」において2021年度に実施した「原位置試験データを用いたTHMC(熱-水-力学-化学)連成現象評価技術の高度化に関する研究」の成果の概要を取りまとめたものである。
西田 真之*; Harjo, S.; 川崎 卓郎; 山下 享介*; Gong, W.
Quantum Beam Science (Internet), 7(1), p.8_1 - 8_15, 2023/03
In this study, the thermal stress alterations generated in a tungsten fiber reinforced titanium composite (W/Ti composite) were evaluated by the neutron stress measurement method at cryogenic temperatures. The W/Ti composite thermal loads were repeated from room temperature to the cryogenic temperature (10 K), and alterations in thermal residual stress were evaluated using the neutron in situ stress measurement method. In this measurement, the stress alterations in the titanium matrix and the tungsten fibers were measured. This measurement was carried out by TAKUMI (MLF-BL19) of J-PARC, a neutron research facility in the Japan Atomic Agency. The measurement method of TAKUMI is the time-of-flight (TOF) method. Owing to this measurement method, the measurement time was significantly shortened compared to the angle-dispersion type measurement by a diffractometer. As a result of the measurement, large compressive stresses of about 1 GPa were generated in the tungsten fibers, and tensile stresses of about 100 MPa existed in the titanium matrix. The thermal stresses due to the temperature change between room temperature and cryogenic temperature is caused by the difference of thermal expansions between the tungsten fibers and the titanium matrix, and these stress values can be approximated by a simple elastic theory equation.
田窪 勇作*; 高山 裕介; Idiart, A.*; 田中 達也*; 石田 圭輔*; 藤崎 淳*
Proceedings of 2022 International High Level Radioactive Waste Management Conference (IHLRWM 2022) (Internet), p.906 - 915, 2022/11
地層処分場の設計では、ベントナイト中のモンモリロナイトの熱変質による安全機能の低下を防止するため、ベントナイトが使用される緩衝材や埋め戻し材の温度を100度以下に抑えることが一般的な設計要件となっており、これまでの設計検討では、熱伝導解析を用いて緩衝材温度が100度未満となることが確認されてきた。しかし、ベントナイトの状態の不確実性や人工バリア材料間の隙間などの施工上の不確実性などといった緩衝材温度を上昇させる可能性がある要因については考慮できておらず、評価をより現実的にするにはこれら不確実性の影響を考慮する必要がある。そこで本研究では、より現実的かつ100度以上の温度環境も含めた緩衝材の状態評価を行うための解析モデルの開発を開始した。また本研究では、処分場環境の不均一性に起因した緩衝材の状態変遷の不確実性も含めた予測評価を行うことを目指している。本稿では、100度以上の高温域も含めたTHMC連成解析モデルの段階的開発プロセスの概要を紹介するとともに、緩衝材の状態変遷の不確実性を定量化するために実施したTH連成現象を支配するパラメータの調査及びそのパラメータの不確実性を考慮した既存のTH連成解析技術の適用性の確認の試行結果について報告する。
岩元 洋介; 吉田 誠*; 明午 伸一郎; 米原 克也*; 石田 卓*; 中野 敬太; 安部 晋一郎; 岩元 大樹; Spina, T.*; Ammigan, K.*; et al.
JAEA-Conf 2021-001, p.138 - 143, 2022/03
高エネルギー陽子加速器施設の照射材料の寿命評価において、粒子・重イオン輸送計算コードPHITS等が原子はじき出し数(dpa)の導出に利用されている。しかし、30GeVを超える高エネルギー領域において、コード検証に必要な弾き出し断面積の実験値は存在しない。そこで、超高エネルギー領域のコード検証のため、米国フェルミ国立加速器研究所(FNAL)における120GeV陽子ビームを用いた金属の弾き出し断面積測定を計画した。実験は2021年10月から2022年9月の期間に、FNALのテストビーム施設M03において実施予定である。これまで、直径250
m及び長さ4cmのアルミニウム,銅,ニオブ、及びタングステンのワイヤーサンプルに焼鈍処理を施し、これらサンプルを付属したサンプルアセンブリの製作を行った。計画中の実験では、ギフォード・マクマフォン冷凍機によりサンプルを4K程度の極低温に冷却し、弾き出し断面積に関係する照射欠陥に伴うサンプルの電気抵抗増加を測定し、照射後に等温加熱試験を用いて、極低温下で蓄積されたサンプル中の欠陥の回復過程を測定する予定である。
奥津 賢一*; 山下 琢磨*; 木野 康志*; 中島 良太*; 宮下 湖南*; 安田 和弘*; 岡田 信二*; 佐藤 元泰*; 岡 壽崇; 河村 成肇*; et al.
Fusion Engineering and Design, 170, p.112712_1 - 112712_4, 2021/09
被引用回数:5 パーセンタイル:39.71(Nuclear Science & Technology)水素同位体を利用したミュオン触媒核融合(
CF)では、核融合によって2.2
sの寿命を持つミュオンが再放出され、それが次の標的と新たな核融合を引き起こす。我々は、水素・重水素混合固体から放出されたミュオンを収集して輸送する同軸輸送管を新たに開発し、輸送のための加速電圧などについて検討したので報告する。
山下 琢磨*; 奥津 賢一*; 木野 康志*; 中島 良太*; 宮下 湖南*; 安田 和弘*; 岡田 信二*; 佐藤 元泰*; 岡 壽崇; 河村 成肇*; et al.
Fusion Engineering and Design, 169, p.112580_1 - 112580_5, 2021/08
被引用回数:4 パーセンタイル:32.33(Nuclear Science & Technology)重水素・三重水素混合固体標的に負ミュオン(
)を入射し、ミュオン触媒核融合反応(
CF)の時間発展をルンゲクッタ法によって計算した。核融合によって生成する中性子の強度や、固体標的から真空中に放出されるミュオン量を最大化する三重水素含有率を明らかにした。
西田 智*; 西野 創一郎*; 関根 雅彦*; 岡 勇希*; Harjo, S.; 川崎 卓郎; 鈴木 裕士; 森井 幸生*; 石井 慶信*
Materials Transactions, 62(5), p.667 - 674, 2021/05
被引用回数:9 パーセンタイル:37.30(Materials Science, Multidisciplinary)In this study, we used neutron diffraction to analyze in a non-destructive method the distribution of internal residual stress in a free-cutting steel bar processed by cold drawing and straightening. The residual stresses were successfully measured with excellent stress balance. The residual stresses generated by the cold-drawing process were reduced by subsequent straightening, and the distribution of residual stresses by finite element method (FEM) simulation was consistent with the measured values by neutron diffraction. As a result of the FEM analysis, it is assumed that the rod was subjected to strong tensile strains in the axial direction during the drawing process, and the residual stresses were generated when the rod was unloaded. Those residual stresses were presumably reduced by the redistribution of residual stresses in the subsequent straightening process.
明午 伸一郎; 松田 洋樹; 岩元 洋介; 吉田 誠*; 長谷川 勝一; 前川 藤夫; 岩元 大樹; 中本 建志*; 石田 卓*; 牧村 俊助*
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011050_1 - 011050_6, 2021/03
加速器駆動型核変換システム(ADS)では、加速器の真空領域と標的領域の隔壁となるビーム入射窓の開発が重要となる。ビーム窓の損傷評価には、原子当たりの弾き出し数(DPA)が用いられるが、DPAの導出に用いられる弾き出し断面積の実験データは20MeV以上のエネルギー領域の陽子に対しほとんどないため、ADSにおいて重要な0.4
3GeV陽子における弾き出し断面積の測定を開始した。弾き出し断面積は、損傷を維持するため極低温に冷却された試料の陽子入射に伴う抵抗率変化を陽子フルエンスとフランケル対当たりの抵抗率変化で除することにより導出できる。実験はJ-PARCセンターの3GeV陽子シンクロトロン施設で行い、アルミ及び銅を試料として用いた。実験で得られた断面積と一般的に弾き出し断面積の計算に使用されるNRTモデルの計算との比較の結果、NRTモデルの計算は実験を約3倍過大評価することが判明した。
石田 卓*; 若井 栄一; 牧村 俊助*; Casella, A. M.*; Edwards, D. J.*; Prabhakaran, R.*; Senor, D. J.*; Ammigan, K.*; Bidhar, S.*; Hurh, P. G.*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 541, p.152413_1 - 152413_12, 2020/12
被引用回数:28 パーセンタイル:91.72(Materials Science, Multidisciplinary)ブルックヘブン研究所のリニアックアイソトープ製造施設において、ビーム窓材料としてのチタン合金を含む加速器ターゲット用の様々な材料試料に対して、181MeVのエネルギーを持つ高強度陽子ビーム照射を行った。引張試験では、
+
相のTi-6Al-4VのGrade-5及びGrade-23 ELI(侵入型固溶元素の不純物が低い)合金では硬さの増加と延性の大幅な低下が見られたが、
相単相に近いTi-3Al-2.5VのGrade-9合金では照射後も数%の均一な伸びを示した。Ti-6Al-4Vに関する透過型電子顕微鏡による解析では、
相の各結晶粒に2nm以下のサイズの欠陥クラスターが高密度に存在することが明らかになった。また、
相粒には転位ループやブラック・ドットのような照射欠陥は観察されなかったが、回折パターンからは、形成が進んだ段階のオメガ相の析出が確認された。
相における放射線誘起の
相変態は、
相が少ないTi-3Al-2.5V合金と比較して、Ti-6Al-4V合金の延性の損失を大きくさせている可能性がある。
松田 洋樹; 明午 伸一郎; 岩元 洋介; 吉田 誠*; 長谷川 勝一; 前川 藤夫; 岩元 大樹; 中本 建志*; 石田 卓*; 牧村 俊助*
Journal of Nuclear Science and Technology, 57(10), p.1141 - 1151, 2020/10
被引用回数:17 パーセンタイル:78.18(Nuclear Science & Technology)加速器駆動型核変換システム(ADS)等の陽子ビーム加速器施設におけるビーム窓などの構造材の損傷評価には、原子当たりの弾き出し数(dpa)が損傷指標として広く用いられる。dpaの評価は弾き出し断面積に基づいて行われるものの、20MeV以上のエネルギー領域の陽子に対する弾き出し断面積の実験データは乏しく、計算モデルの間でも約8倍の差が存在している。このため、弾き出し断面積を実験的に取得するのは計算に用いるモデルの評価のために重要となる。弾き出し断面積の取得のため、J-PARCの加速器施設において、0.4-3GeVにわたる陽子エネルギー領域における銅と鉄の断面積を測定した。弾き出し断面積は、損傷を保持するために極低温に冷却された試料における、陽子ビームに金する抵抗率変化により得ることができる。本測定で得られた実験結果を元に、計算モデルの比較検討を行った。広く用いられているNorgertt-Robinson-Torrens (NRT)モデルは、実験値を3.5倍過大評価することが判明した。一方、近年の分子動力学に基づく非熱的再結合補正(arc)モデルは実験値をよく再現したため、銅と鉄の損傷評価にはarcモデルを使うべきであると結論づけられた。
明午 伸一郎; 松田 洋樹; 岩元 洋介; 吉田 誠*; 長谷川 勝一; 前川 藤夫; 岩元 大樹; 中本 建志*; 石田 卓*; 牧村 俊助*
EPJ Web of Conferences, 239, p.06006_1 - 06006_4, 2020/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)加速器駆動型核変換システム(ADS)では、加速器の真空領域と標的領域の隔壁となるビーム入射窓の開発が重要となる。ビーム窓の損傷評価には、原子当たりの弾き出し数(DPA)が用いられるが、DPAの導出に用いられる弾き出し断面積の実験データは20MeV以上のエネルギー領域の陽子に対しほとんどないため、ADSにおいて重要な0.4
3GeV陽子における弾き出し断面積の測定を開始した。弾き出し断面積は、損傷を維持するため極低温に冷却された試料の陽子入射に伴う抵抗率変化を陽子フルエンスとフランケル対当たりの抵抗率変化で除することにより導出できる。実験はJ-PARCセンターの3GeV陽子シンクロトロン施設で行い、試料には銅を用いた。実験で得られた断面積と一般的に弾き出し断面積の計算に使用されるNRTモデルの計算との比較の結果、NRTモデルの計算は実験を約3倍過大評価することが判明した。
関根 恵; 松木 拓也; 鈴木 敏*; 蔦木 浩一; 西田 直樹; 北尾 貴彦; 富川 裕文; 中村 仁宣; LaFleur, A.*; Browne, M.*
JAEA-Technology 2019-023, 160 Pages, 2020/03
国際原子力機関(IAEA)は、再処理施設の保障措置をより効果的・効率的に実施するための手法として、再処理施設全体の核物質の動きをリアルタイムに監視する測定技術開発の必要性を研究開発計画(STR-385)で技術的課題として掲げている。この課題に対応するため、日本原子力研究開発機構(JAEA)では、再処理施設の入量計量槽を含めFP及びマイナーアクチニド(MA)存在下においてもPu量のモニタリングが可能な検出器の技術開発を、2015年から3年間の計画で、東海再処理施設の高放射性廃液貯蔵場にて日米共同研究として実施した。まず、MCNPシミュレーションモデルを作成するためにサンプリングによる高放射性廃液(HALW)組成・放射線調査及びHALW貯槽の設計情報の調査を実施し、シミュレーションモデルを作成した。一方、検出器設計とこのモデルの妥当性を確認するため、コンクリートセル壁内外における線量率分布測定を実施した。さらに、新しく設計された検出器を使用して、コンクリートセル内外においてガンマ線と中性子線を連続的に測定し、放射線特性を把握するとともに検出器の設置位置を最適化した。最後に、シミュレーション結果とガンマ線及び中性子線測定結果に基づいて、Puモニタリング技術への適用性を評価した。その結果、ガンマ線測定と中性子線測定の両方を組み合わせることで、溶液中のPu量の変化を監視できる可能性があることが分かった。この研究において、FPを含むPuを扱う再処理工程全体の保障措置を強化するためのPuモータリングが適用可能であることが示唆された。本稿は、本プロジェクトの最終報告書である。
明午 伸一郎; 松田 洋樹; 岩元 洋介; 吉田 誠*; 長谷川 勝一; 前川 藤夫; 岩元 大樹; 中本 建志*; 石田 卓*; 牧村 俊助*
JPS Conference Proceedings (Internet), 28, p.061004_1 - 061004_6, 2020/02
核変換システム等の陽子加速器施設では、標的や窓等の構造材に関する損傷の評価が重要となる。構造材の損傷評価には、原子あたりの弾き出し数(DPA)が広く用いられており、カスケードモデルに基づく計算で得られた弾き出し断面積に粒子束を乗ずることで得られる。DPAによる損傷評価は広く一般的に用いられているものの、20MeV以上のエネルギー範囲における陽子に対する弾き出し断面積の実験データは十分でなく、計算モデル間で約8倍異なることが報告されており構造材の弾き出し断面積の実験データ取得が重要となる。そこで、我々はJ-PARCセンターの3GeV陽子加速器施設を用い、400MeV以上のエネルギー範囲の陽子の弾き出し断面積の測定を開始した。弾き出し損傷断面積は、冷凍機で極低温(4K)に冷却された試料に陽子ビームを照射し、照射に伴う抵抗率の変化により得ることができる。実験で得られた断面積とPHITSコードに一般的に用いられるNRTモデルを用いて計算した結果、計算は実験を3倍程度過大評価を示した。一方、Nordlund等による最新モデルの結果は実験をよく再現し、これまでのNRTモデルに基づく標的等の弾き出し損傷は過大評価していることが明らかになった。