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若井 隆純; 安藤 勝訓; 岡島 智史; 豊田 晃大; 石上 勝夫*; 小沼 輝充*; 高橋 亮耶*; 浅山 泰
日本機械学会論文集(インターネット), 92(961), p.26-00004_1 - 26-00004_12, 2026/09
ナトリウム冷却高速実証炉への適用を目的として、新たな材料監視技術の開発に取り組んだ。この技術は、試験体を原子炉内に挿入し、試験片を観察・評価して劣化の程度や残存寿命等の情報を得ることにより、材料劣化プロセス、すなわち疲労およびクリープ疲労損傷の把握を可能とする。この技術を確立するため、受動式クリープ疲労試験体を設計・製作し、電気炉を用いて繰返し温度変化を与える実証試験を実施した。実証試験後の観察の結果、座屈は生じておらず、また、破面観察の結果、疲労またはクリープ疲労によって破損が引き起こされたと推測され、この技術のナトリウム冷却高速実証炉への適用見通しを得ることができた。
岡島 智史; 安藤 勝訓; 豊田 晃大; 石上 勝夫*; 小沼 輝充*; 高橋 亮耶*; 浅山 泰; 若井 隆純
Proceedings of the ASME 2025 Pressure Vessels & Piping Conference (PVP2025) (Internet), 10 Pages, 2025/07
本研究では、ナトリウム冷却高速炉の構造健全性に対する信頼度を、数十年を要する膨大な長期材料試験データによってのみ達成可能なレベルまで高めることを目的として、新しい材料監視技術の開発に取り組んだ。当該技術は、実際の原子炉で進行中の材料劣化プロセス、すなわち疲労やクリープ疲労を監視することを可能にするものである。この目的のために新たに開発された試験片を原子炉に入れ、劣化の程度や残存寿命など必要な情報を得るため、試験片を観察・評価する手順を確立する。試験手順を確立するために、日米間の協力協定である「民生原子力研究開発ワーキンググループ(CNWG)」の枠組みの中で受動クリープ疲労試験体を開発し、電気炉を用いた繰返し熱負荷による実証試験を実施した。その結果、試験片は数百回の熱サイクルによって破損した。試験後の試験片の巨視的検査では、座屈を起こすことなく正常に試験が行われたことが示された。破面観察から、おそらく疲労かクリープ疲労による破壊であることが示唆された。
小高 進; 加藤 章一; 吉田 英一; 石上 勝夫*
JNC TN9400 2005-021, 37 Pages, 2005/05
高速炉プラントの機器、配管において温度が異なる冷却材の合流部では、高温と低温の流体混合による不規則な温度ゆらぎ(サーマルストライピング)に伴い熱応力が生じ、この熱応力が疲労損傷に影響を与えるとされる有効な繰返し数は、 108
109サイクル程度に及ぶとされている。このため、高サイクル領域における疲労損傷機構や疲労寿命の評価を実験的に把握しておくことが重要な課題である。本研究試験では、高速炉構造用SUS316(316FR鋼)を対象に、レーザ変位計を用いたひずみ制御による高サイクル疲労試験を550
650
の条件下で実施した。これまでに得られた中間結果を以下に示す。(1)新しい試験技術を導入して10
60Hzの繰返し周波数で高温疲労試験を実施し、これまでに107サイクル域までの高サイクル疲労破損データを取得した。(2) 107サイクル域の高サイクル疲労寿命は、設計用の材料強度基準等(DDS)の最適疲労破損式から単純外挿して求められる曲線と比較して長寿命側になることがわかった。また、材料強度基準等の高度化に関する作業(KOM-MSS WG)で検討された高サイクル疲労破損式との比較評価においても、十分保守側となる結果であった。(3)本試験の範囲内では、高サイクル疲労寿命に及ぼす繰返し周波数の有意な影響は認められなかった。また、高サイクル疲労寿命に対する温度依存性が認められた。(4) 107サイクル域で疲労破損した試験片では、内部起点型の破面(フィッシュアイ)が認められた。
小高 進; 加藤 章一; 吉田 英一; 川上 朋広*; 鈴木 高一*; 川島 成一*; 石上 勝夫*
JNC TN9450 2005-001, 196 Pages, 2005/03
新技術開発試験グループでは、FBRの構造材料に用いられている316FR鋼について長期にわたり材料試験を実施してきた。本報告は試験データの拡充が図れたために取りまとめたものである。4万時間を超える長時間試験やナトリウム環境下での試験など多くの貴重な試験データを有するものであり、今後のFBR材料研究に役立つものである。報告内容は以下の通りである。(1)材料: 316FR鋼、素材(14ヒート)、溶接同材継手(18ヒート)溶接異材継手(2ヒート)、(2)試験雰囲気: 大気中、ナトリウム中、(3)試験温度: 室温
800
C、(4)試験方法: JIS及び「FBR金属材料試験実施要領書(改訂版)*4」に準拠した。(5)データ点数: 引張試験 234点、クリープ試験 408点、疲労試験 201点、クリープ疲労試験 47点、 リラクセーション試験 6点、合計 896点。なお、本データ集は「FBR構造材料データ処理システム(SMAT)」の帳票を出力したものである。
加藤 章一; 吉田 英一; 石上 勝夫*; 矢口 勝己*
JNC TN9400 2003-108, 92 Pages, 2004/02
高クロム鋼(12Cr系鋼)は、高温強度特性、熱膨張係数及び熱伝導率等に優れていることから、実用化戦略調査研究における実用化炉の構造材料として期待されている。本研究では、12Cr系鋼のHCM12A(2001年度材)の機械的強度特性に及ぼすナトリウム環境の影響を評価することを目的に、ナトリウム中でのクリープ試験、クリープ疲労試験及び浸漬試験を実施した。ナトリウム中試験には、オーステナイト系スデンレス鋼を構成材料とするナトリウム試験装置を使用した。ナトリウム浸漬条件は、温度55
C及び溶存酸素濃度2ppm以下である。HCM12A(2001年度材)のナトリウム中におけるクリープ強度及びナトリウム中クリープ疲労強度は、加速浸炭雰囲気を含め、同一条件下の大気中と比較して有意差は認められなかった。これは、両者とも材料内部のクリープ損傷が支配的となったためと考えられる。ナトリウム中におけるクリープ及びクリープ疲労寿命は、大気中データをベースにした評価法によって予測可能と考えられる。HCM12A(2001年度材)の腐食速度は、浸漬温度550
Cで最大約0.4
m/yearであり、従来材のSUS304やMod.9Cr-1Mo鋼とほぼ同等であった。また、「高速原型炉高温構造設計方針」で規定されている腐食速度式により腐食量を保守的に評価できる見通しが得られた。
加藤 章一; 吉田 英一; 石上 勝夫*; 高森 裕二*
JNC TN9400 2003-006, 37 Pages, 2003/02
高クロム鋼は、高温強度特性、熱膨張係数及び熱伝導率等に優れていることから、実用化戦略調査研究における実用化炉の構造材料として期待されている。本研究では、高クロム鋼のHCM12A(2001年度FBR熱処理材)の低サイクル疲労特性に及ぼすナトリウム環境の影響を評価することを目的に、ナトリウム中疲労試験を実施した。ナトリウム中疲労試験には、オーステナイト系ステンレス鋼を構成材料とするナトリウムループを使用した。ナトリウム浸漬条件は、温度550度C、流速1m/sec及び溶存酸素濃度約1ppmである。 本試験の結果、HCM12A(2001年度FBR熱処理材)のナトリウム中疲労寿命は、同一条件下の大気中疲労試験寿命よりも長くなる傾向が認められ、ナトリウム環境の影響による寿命低下は生じないことが分かった。ナトリウム中疲労寿命の増大は、2・1/4Cr-1Mo鋼、Mod.9Cr-1Mo鋼と同様に、主として試験片表面における酸化がナトリウムの還元作用により抑制されることから、疲労き裂の発生寿命が増加したことによるものと考えられる。 また、ナトリウム中における疲労寿命は、現行の大気中データをベースにした評価法によって保守的に予測可能と考えられる。