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早川 教*; 石倉 修一*; 渡辺 収*; 金子 哲也*; 山野 秀将; 田中 正暁
Proceedings of 8th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-8) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2012/12
本研究で開発した手法をJSFRのホットレグ配管を模擬した1/3縮尺試験の解析に適用し、計測された応力値と計算値を比較した。その結果、非定常流動解析により得られた圧力変動による応力の計算値は過小評価した。そのため、配管への圧力変動に関する予測精度の向上を試みた。
寺田 敦彦; 竹上 弘彰; 野口 弘喜; 上地 優; 石倉 修一*
Proceedings of 19th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-19) (CD-ROM), 6 Pages, 2011/10
日本原子力研究開発機構は、ISプロセス法による水素製造技術の研究を進めている。ISプロセス機器の設計研究では、熱流動と構造健全性の観点からセラミックス反応器の高性能化が重要である。そこで、2成分系の硫酸分解蒸発過程を考慮したセラミックス反応器設計のための簡易流動解析コードを開発した。本報告では、これと汎用のFEMコードを組合せて、硫酸分解器のセラミックス構造体の構造強度解析評価に適応した予備解析結果について報告する。
竹上 弘彰; 石倉 修一*; 寺田 敦彦; 稲垣 嘉之
JAEA-Technology 2011-002, 41 Pages, 2011/03
熱化学法ISプロセスは硫酸の高温熱反応とヨウ素の化学反応サイクルを利用した水素製造プロセスであり、製造設備は高温かつ腐食性の環境に耐える設計が要求される。特に、ISプロセスの主要機器の一つである硫酸分解器は、90wt%の濃硫酸を高温ヘリウムにより加熱して蒸発させ硫酸蒸気を生成させるとともに、一部をSOに分解して次の工程であるSO
分解器に供給する重要機器である。濃硫酸を蒸発させる熱交換器部は4MPaの高圧ヘリウムを内蔵するために耐圧構造とする必要があり、かつ700
C以上の高温と腐食環境に耐えうる材料として現状では炭化ケイ素セラミックス(SiC)が最も優れた材料である。熱交換器となるセラミックブロックは、外側に位置する耐圧金属容器に格納される構造となっており、仮に内部でセラミックブロックが破損しても、硫酸等の流体が外部には漏れない構造となっている。しかしながら、セラミックスを構造部材として使用する場合に手引きとなる統一された構造設計手法が規格・基準として整備されていない。本報告書は、既存の構造設計基準類を参考に、ISプロセスに用いるSiCの材料強度特性を考慮した構造設計手法案を提案したものである。
石倉 修一; 寺田 敦彦; 野口 弘喜; 笠原 清司; 小貫 薫; 日野 竜太郎
日本原子力学会和文論文誌, 7(2), p.134 - 141, 2008/06
熱化学水素製造法、ISプロセスの主要機器の一つである硫酸分解器は500C以上の高温ヘリウムの顕熱により濃硫酸(H
SO
)を蒸発させ、さらに硫酸蒸気をH
OとSO
に分解する。硫酸分解器の腐食環境に耐える熱交換器として、われわれが提案した耐腐食性に優れた炭化珪素系セラミックス(SiC)をブロック状にした新型熱交換器の構造成立性評価の一環として、濃硫酸のような2成分溶液の沸騰において濃度上昇に伴う沸点上昇を考慮できる硫酸とヘリウムの熱交換解析コードを構築した。セラミックブロック熱交換器をFEMによる汎用構造解析コードにより3次元モデル化し、熱交換解析で得られた硫酸とヘリウムの温度分布を入力にして温度分布解析と熱応力解析を実施した結果、最大主応力はドライアウト部近傍に発生し、その値はSiCの引張り強度の約1/2であった。
金川 昭宏*; 岩月 仁; 石倉 修一; 小貫 薫; 日野 竜太郎
JAEA-Technology 2007-060, 31 Pages, 2007/11
熱化学法ISプロセスは、地球温暖化ガスである二酸化炭素を排出することなく大量の水素を効率的に製造することが可能であり、高温ガス炉からの核熱を熱源として使用する。ISプロセスは強酸である硫酸やヨウ化水素酸を高温高圧下で使用する。このため、耐熱性に加えて耐腐食性の材料で大型化学反応器の開発が必須である。特に、ISプロセスの主要機器であるSO分解器は、高温高圧のヘリウム(He)ガス用の圧力容器とHeガス加熱によるSO
分解のための内部構造物から構成され、内部構造物の接続部は最高700
Cにまで達する。そこで、高温条件までシール性能が確保できるようにSiCボルトと皿バネを用いた高温継手機構を考案し、その有効性確認試験、及び候補となるガスケットのシール性能試験を実施した。その結果、適切なガスケット材を組合せることにより、高温時でもシール性は維持できることを確認した。
岩月 仁; 寺田 敦彦; 野口 弘喜; 石倉 修一; 高橋 才雄*; 日野 竜太郎
第12回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集, p.285 - 286, 2007/06
日本原子力研究開発機構(原子力機構)では、将来の大量水素需要に対応した幾つかの水素製造技術のうち、核熱を利用して水を熱分解する熱化学法ISプロセスの開発研究を進めてきた。ガラス製の工学基礎試験装置による1週間にわたる連続水素製造の成果を踏まえて、次段階の30m/h規模の水素を製造するパイロットプラント試験に向けて、設計,機器要素の開発研究を進めている。ブンゼン反応器を中心にして、二相分離器,各種分解器,蒸留塔等のプロセス機器が設置され、それらが配管で接続される。ここで使用される配管は高温の硫酸やヨウ化水素混合物を輸送するため、過酷な腐食条件にある。本報では、コストの低減を目指した耐食性配管として、ガラスライニング材の適用性を調べた熱サイクル試験結果と、高温化でのガスケットのシール特性を確保するために実施した熱膨張吸収皿バネ機構の特性について紹介する。
粉川 広行; 二川 正敏; 石倉 修一
Journal of Nuclear Science and Technology, 44(4), p.523 - 529, 2007/04
被引用回数:7 パーセンタイル:41.76(Nuclear Science & Technology)水銀ターゲットには、大強度のパルス陽子ビームが入射し、核破砕反応によって、水銀は瞬時に発熱する。この瞬時発熱によって水銀中に圧力波が発生し、水銀ターゲット容器は圧力波による負荷を受ける。水銀ターゲット容器の構造健全性を評価するために、圧力波の伝播挙動などの水銀の動的挙動を把握することが重要である。水銀の動的挙動を調べるために、ホプキンソン棒法試験装置を用いて、水銀の衝撃実験を実施した。また、有限要素法による数値解析を行い、解析モデルの検証を実施した。数値解析結果は、実験初期の挙動をよく再現できることがわかった。また、本実験範囲では、水銀の体積弾性率が衝撃速度に依存しないことがわかった。
涌井 隆; 二川 正敏; 粉川 広行; 石倉 修一
Journal of Nuclear Science and Technology, 44(4), p.530 - 536, 2007/04
被引用回数:7 パーセンタイル:46.35(Nuclear Science & Technology)J-PARCの物質・生命科学実験施設において、パルス核破砕中性子源として液体水銀ターゲットが設置される。水銀ターゲットには自重や内圧などの静的荷重に加え、液体水銀の瞬時発熱に伴う圧力波により、過大な動的荷重が負荷される。さらに、水銀中に発生する圧力波の伝播過程において、水銀容器内壁表面上にキャビテーション気泡崩壊に伴う衝撃壊食を受ける。そこで、液体水銀ターゲットの寿命評価を行うために、想定される荷重下で発生する応力及び衝撃壊食などに伴う材料劣化挙動をもとに、水銀ターゲットの破損確率を算出した。その結果、設計運転時間(2500時間)後に、セーフティーハル(保護容器)が破損する確率は極めて低いが、水銀容器は水銀の圧力波による繰返し荷重が負荷されるため、疲労により破損する可能性が高く評価された。すなわち、疲労による水銀容器の破損確率は、入射陽子ビームのパワーとともに増加し、陽子ビームパワーが1MWの場合、2500時間後の破損確率は99.9%以上となることがわかった。
寺田 敦彦; 岩月 仁; 石倉 修一; 野口 弘喜; 久保 真治; 奥田 泰之; 笠原 清司; 田中 伸幸; 大田 裕之*; 小貫 薫; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 44(3), p.477 - 482, 2007/03
被引用回数:46 パーセンタイル:92.93(Nuclear Science & Technology)日本原子力研究開発機構では、熱化学法ISプロセスによる水素製造技術の開発を進めている。ISパイロット試験は、(1)実用工業材料を用いた水素製造装置の製作とヘリウム加熱による水素製造,(2)解析コードの開発,(3)実用化に向けた要素試験,(4)HTTR-ISシステムの概念設計から構成される。本報では、パイロット試験の概要とセラミックス反応器の設計検討、及び反応器設計に向けた解析コード開発について報告する。
明午 伸一郎; 野田 文章*; 石倉 修一*; 二川 正敏; 坂元 眞一; 池田 裕二郎
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 562(2), p.569 - 572, 2006/06
被引用回数:20 パーセンタイル:78.15(Instruments & Instrumentation)JSNSでは3GeV陽子ビームが早い繰り返しのシンクロトロン(RCS)から水銀の核破砕中性子ターゲットに輸送される。水銀ターゲット容器におけるピッティングによる損傷を減らすためには、陽子ビームの電流密度のピークを下げることが最も効果的である。本研究では、第一ステップとしてターゲットでのビームプロファイルを評価した。ビームプロファイルはRCS出口の位相空間で決定される。位相空間における分布は、空間電荷効果を考慮したSIMPSONSコードにより計算した。実空間における、プロファイル分布はベータトロン振幅の行列変換により導出した。RCSにビームを入射する場合において、コリレーテッドペインティングよりもアンタイコリレーテッドを用いることによりピーク電流密度が減ることがわかった。
寺田 敦彦; 岩月 仁; 大田 裕之; 野口 弘喜; 石倉 修一*; 日野 竜太郎; 平山 俊雄
高温学会誌, 32(1), p.63 - 68, 2006/01
日本原子力研究所では、熱化学ISプロセス法による水素製造技術の研究開発を進めており、現在、パイロット試験を計画している。パイロット試験の研究課題として、(1)高温のヘリウムガスを熱源とする工業材料製パイロットプラント試験装置による水素製造試験の実証、(2)HTTR-ISシステムを設計するための「解析的な設計体系」の構築と運転制御及び安全評価用動特性コードの検証、(3)機器構造健全性とシステム経済性(熱効率)を向上させる先進的要素技術開発、(4)HTTR-ISシステムの概念検討を抽出した。本報では、パイロット試験の概要を報告する。
直江 崇; 二川 正敏; 大井 俊志; 石倉 修一*; 池田 裕二郎
材料, 54(11), p.1184 - 1190, 2005/11
高出力の核破砕中性子源の開発が世界的に行われている。大強度陽子加速器施設(J-PARC)の物質生命科学実験施設では、核破砕水銀ターゲットからの発生する中性子を用いて、物質生命科学の先駆的研究が展開される。陽子ビームが水銀ターゲットへ入射することにより、水銀中では熱膨張による圧力波が生じる。この圧力波の伝ぱ過程で発生する水銀中のキャビテーションは、ターゲット容器内壁に局所的な衝撃壊食損傷を形成する。この衝撃壊食は、構造健全性を低下させるため、ターゲット容器交換寿命を決定する重要な因子となる。局所的な衝撃壊食損傷を再現するために、電磁式衝撃圧負荷試験装置(MIMTM)を開発し、壊食損傷形成を評価した。さらに、独立した壊食痕形状と、キャビテーション気泡崩壊時に生じるマイクロジェットの衝突速度との相関を評価するために、液滴衝突解析を適用した。その結果、壊食痕の半径/深さで規格化した値を用いることにより、マイクロジェット衝突速度が同定可能であり、陽子ビーム入射時の損傷を再現する実験における衝突速度は、225325m/sであることを示した。また、塑性変形による壊食痕形成抑制の観点から、表面硬化処理が有用であることを示し、その有効厚さについても評価した。
粉川 広行; 石倉 修一*; 佐藤 博; 原田 正英; 高玉 俊一*; 二川 正敏; 羽賀 勝洋; 日野 竜太郎; 明午 伸一郎; 前川 藤夫; et al.
Journal of Nuclear Materials, 343(1-3), p.178 - 183, 2005/08
被引用回数:8 パーセンタイル:48.41(Materials Science, Multidisciplinary)JSNSのために開発を進めているクロスフロー型(CFT)水銀ターゲットでは、ビーム窓近傍での水銀の停滞領域発生を抑制するために、水銀を陽子ビームに直交するようにフローガイドブレードに沿って流す。これまで、水銀のモデルに弾性モデルを用いて動的応力解析を行ってきた。しかしながら、実際に陽子ビームを用いた最近の実験結果から、水銀のモデルにカットオフ圧力モデルを用いた方が実験結果に近い動的応力が得られることが示された。そこで、カットオフ圧力モデルを用いて動的応力解析を行った結果、半円筒型ビーム窓に発生する動的応力が、平板型ビーム窓に発生する応力よりも低くなることを明らかにした。また、陽子ビームを広げてピーク発熱密度を218W/ccまで低減して、ビーム窓の発生応力を許容応力以下にした。一方、陽子ビーム窓を広げたため、フローガイドブレード先端の発熱密度が高くなり、許容応力を超える熱応力が発生したが、ブレードの先端の形状を、水銀の流動分布に影響を及ぼさない範囲で薄くすることによって、発生する熱応力を許容応力以下にした。
二川 正敏; 直江 崇; Tsai, C.-C.*; 粉川 広行; 石倉 修一*; 池田 裕二郎; 祖山 均*; 伊達 秀文*
Journal of Nuclear Materials, 343(1-3), p.70 - 80, 2005/08
被引用回数:59 パーセンタイル:95.37(Materials Science, Multidisciplinary)核破砕中性子源水銀ターゲットには、大強度のパルス陽子ビームが入射される。このとき、水銀内には熱衝撃に起因する膨張波が生じ、その伝播過程でキャビテーションによる損傷がターゲット容器内壁に形成される。この損傷挙動を電磁力衝撃圧負荷試験装置により観察し、繰り返し周波数及び入力パワー依存性について調べた。さらにバブル崩壊により誘発される音響振動に着目した損傷ポテンシャルを提案するとともに、バブルダイナッミックスに基づく数値解析を行った。その結果、以下の結論を得た。(1)侵食挙動は微小領域塑性変形支配の潜伏期と質量減少を伴う定常期に大別できる。(2)定常期の質量減少を予測しうる実験式を導出した。(3)潜伏期間は、入力パワーの増加とともに縮小し、繰り返し周波数の増加により拡大する。
石倉 修一*; 志賀 章朗*; 二川 正敏; 粉川 広行; 佐藤 博; 羽賀 勝洋; 池田 裕二郎
JAERI-Tech 2005-026, 65 Pages, 2005/03
本報は、大強度陽子加速器計画(J-PARC: Japan Proton Accelerator Complex)の中核施設である物質・生命科学実験施設の核破砕中性子源となる水銀ターゲット容器(3重壁構造)の構造健全性評価を行うための基本データとするために、水銀容器及び保護容器(別名セーフティーハルで2重壁リブ構造)で想定される荷重条件下(水銀容器及び保護容器の内外圧と定常熱応力,水銀容器内の25Hzの熱衝撃に伴う圧力波による応力)で発生する応力値をもとに、実験から求められた照射と壊食による材料強度劣化(疲労寿命の低下)を考慮して、確率論的手法により破損確率の算定を行った。水銀容器と保護容器の破損確率を評価した結果、(1)水銀容器は圧力波による応力サイクルと壊食による疲労強度の低下が大きいために、5000hrを仮定した寿命中の破損確率は12%である。(2)保護容器は圧力波が作用しないために寿命中の破損確率は10と十分低く、破損する可能性はほとんどない。したがって、万が一水銀容器が破損して水銀が漏洩した場合でも、保護容器が漏洩水銀を収納するとともに、同時に水銀漏洩検知器が機能することにより、漏洩水銀は保護容器内部に閉じ込めることが十分可能であることを定量的に示した。
石倉 修一*; 二川 正敏; 粉川 広行; 明午 伸一郎; 前川 藤夫; 原田 正英; 佐藤 博; 羽賀 勝洋; 池田 裕二郎
JAERI-Tech 2004-028, 123 Pages, 2004/03
本報告では、J-PARCの物質・生命科学実験施設に設置される核破砕中性子源水銀ターゲット容器について、これまでに実施してきた構造設計の考え方及び手順についてまとめた。基本的には、(1)ターゲット容器の構造設計では、(i)核分裂炉のような反応度事故が原理的に生じる可能性はないこと,(ii)永久構造物ではないことなどから、法規上は障防法を適用し、さらに、(2)安全かつ合理的な設計を行うために、原子力構造設計基準並みのJISB8270[圧力容器(基盤規格)]規格体系の第1種容器に準拠するものとし、「解析による設計法」を適用した設計応力により設計を決めることとした。また、付録には、ターゲット容器構造における最大荷重モードである圧力波の低減を目的として、陽子ビームプロファイルを変化させた場合に想定される種々の影響について検討した結果を述べた。
石倉 修一*; 粉川 広行; 二川 正敏; 神永 雅紀; 日野 竜太郎; 齊藤 正克*
日本原子力学会和文論文誌, 3(1), p.59 - 66, 2004/03
原研とKEKは共同で、大強度陽子加速器を用いた複合研究施設(J-PARC)の建設を進めている。その中核設備となるMW規模の核破砕中性子源に用いる液体水銀ターゲットが約1MWのパルス状陽子ビーム(パルス幅1ms)を受けた時、瞬時の熱膨張による圧力波が発生し、ターゲット容器に負荷すると同時に、キャビテーションの発生原因ともなる。キャビテーションが崩壊する時に誘起される水銀マイクロジェットが固体壁へ衝突する時のマイクロピット形成挙動を検討するために、水銀の状態方程式の非線形性と固体壁材料の降伏応力の歪速度硬化依存を考慮して、単一気泡を対象とした気泡動力学に基づき、水銀球が固体壁に衝突する解析を実施した。その結果、静的降伏応力が高い材料の場合、ピットの深さを抑制できるなどの、マイクロピットの形成と材料強度との関係を理解するうえで、重要な結果が得られた。
二川 正敏; 直江 崇*; 粉川 広行; 石倉 修一*; 伊達 秀文*
材料, 53(3), p.283 - 288, 2004/03
大強度のパルス陽子線が水銀ターゲット中に入射するため、液体水銀内部では急激な発熱反応に伴う熱膨張により、圧力波が生じる。圧力波の伝播過程でキャビテーション壊食による損傷が懸念され、固体金属容器の寿命を決定する重要な因子となる。これまでに種々の材料に対してSplit-Hopkinson-Pressure-Bar(SHPB)衝撃原理に基づいた平面ひずみ波入射実験装置を用いて、固体/液体界面に衝撃圧力を負荷する実験を行い、損傷評価基礎実験を行った。これより、マイクロピット群の形成による衝撃壊食損傷の程度が、材料の硬度と明瞭な相関があることを見いだした。そこで、本報では、ターゲット容器内壁に処理可能な各種表面硬化処理により損傷の低減化を試み、その可能性について検討した。
石倉 修一*; 粉川 広行; 二川 正敏; 菊地 賢司; 羽賀 勝洋; 神永 雅紀; 日野 竜太郎
JAERI-Tech 2003-093, 55 Pages, 2004/01
中性子散乱施設用液体金属(水銀)ターゲットの開発における工学的課題を明らかにするために、3GeV/1MWのパルス状陽子ビームがクロスフロー型液体金属ターゲットに入射するときの定常熱応力と動的熱衝撃解析を行った。解析モデルは、実機構造を模擬した半円筒ウィンドウ型と平板ウィンドウ型の2種類の構造を対象とし、NMTC/JAMによる核破砕発熱計算結果をもとに、衝撃解析コードLS-DYNAを用いて解析した。その結果、動的熱衝撃により発生する応力は、最も厳しい環境にあるウィンドウ中心部で半円筒型よりも平板型の方が構造設計上有利であり、応力分類として2次応力的な性質を持つことがわかった。また、ターゲット主要部に発生する応力は曲げ応力,疲労強度ともにJISの基準を満足していることがわかった。ウィンドウ内面で水銀が負圧になりキャビテーションが発生し、ターゲット容器に損傷を与えることが実験により確認されたため、生成するピットとピット先端のき裂を対象に破壊力学的観点から評価した結果、ウィンドウ先端部では定常熱応力により圧縮応力場にあり、き裂は進展しないことがわかった。また、水銀ターゲットを設計するにあたり、今後必要となるキャビテーションの評価手法について整理した。
羽賀 勝洋; 神永 雅紀; 木下 秀孝; 粉川 広行; 佐藤 博; 石倉 修一*; 鳥井 義勝; 日野 竜太郎
Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-12) (CD-ROM), 8 Pages, 2004/00
J-PARCプロジェクトの物質・生命科学実験施設では核破砕中性子源として水銀ターゲットシステムが設置される。一旦、システムの運転が始まれば、水銀及びその周辺機器は高度に放射化されるためターゲット容器や周辺機器の保守・交換作業は全て遠隔操作で行わなければならない。このような要求に対処するため、われわれは水銀ターゲット容器及び水銀循環設備をターゲット台車と呼ぶ輸送台上に設置する構造とした。これにより、陽子ビーム照射運転中は水銀ターゲット容器と水銀循環設備一体でターゲットシステム中心に挿入し、また、ビーム停止の保守作業時には保守作業室に設備一式を引き出して、ホットセル内に設置してある各種マニピュレータ類を用い、設備機器の保守・交換作業を行うことができる。本報告では1MW核破砕中性子源設備の内、水銀ターゲット容器,水銀循環設備、及びターゲット台車を含む設備機器について現状の設計を紹介する。