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論文

Simulation of discharge in insulating gas from initial partial discharge to growth of a stepped leader using the percolation model

佐々木 明; 加藤 進*; 高橋 栄一*; 岸本 泰明*; 藤井 隆*; 金澤 誠司*

Japanese Journal of Applied Physics, 55(2), p.026101_1 - 026101_10, 2016/02

 被引用回数:2 パーセンタイル:9.75(Physics, Applied)

放電の確率的な振る舞いを再現するパーコレーションモデルによるシミュレーションについて述べる。放電領域をマクロ的なセルに分割し、それぞれが絶縁体か導体かのいずれかの状態にあることを確率的に決定し、セルが構成するメッシュ上で回路方程式を解く方法で、電場や電流の構造の時間発展を計算した。空間の静電容量及び、各場所の電離のダイナミクスを考慮することと、電離領域の生成、消滅の確率を、電界や電流密度の大きさで重み付けすることで、印加電界の効果や媒質の特性を考慮した。電極・ストリーマ先端の電離と、媒質内部のランダムな電離の両方が放電の構造形成に重要な役割を持つことがわかった。計算は、電圧印加後、部分放電が起こるタイムラグがあって、そののちにステップドリーダが成長して短絡する様相を再現することができた。

論文

Silicon avalanche photodiode linear-array detector with multichannel scaling system for pulsed synchrotron X-ray experiments

岸本 俊二*; 三井 隆也; 春木 理恵*; 依田 芳卓*; 谷口 敬*; 島崎 昇一*; 池野 正弘*; 斉藤 正俊*; 田中 真伸*

Journal of Instrumentation (Internet), 10(5), p.C05030_1 - C05030_6, 2015/05

 被引用回数:6 パーセンタイル:28.47(Instruments & Instrumentation)

We developed an X-ray detector system using a 64-pixel silicon avalanche photodiode Si-APD linear array and fast pulse-counting electronics for multichannel scaling. The Si-APD linear array consists of 64 pixels each 0.01$$times$$0.02 cm$$^{2}$$ in size, with a pixel pitch of 0.015 cm and depletion depth of 0.001 cm. The fast electronics, consisting of an ultrafast application-specific integrated circuit and field-programmable gate arrays, can record both the position and timing of X-rays arriving at each pixel of the linear array with 1 ns pulse-pair resolution. The count distribution was measured using 14.4 keV synchrotron X-rays for nuclear resonant forward scattering experiments on $$^{57}$$Fe, and the spatial resolution was improved by inclining the detector. We also successfully measured amorphous alloy Fe$$_{78}$$Si$$_{9}$$B$$_{13}$$ during heating.

論文

Nuclear resonant scattering measurements on $$^{57}$$Fe by multichannel scaling with a 64 pixel silicon avalanche photodiode linear-array detector

岸本 俊二*; 三井 隆也; 春木 理恵*; 依田 芳卓*; 谷口 敬*; 島崎 昇一*; 池野 正弘*; 斉藤 正俊*; 田中 真伸*

Review of Scientific Instruments, 85(11), p.113102_1 - 113102_5, 2014/11

 被引用回数:8 パーセンタイル:36.91(Instruments & Instrumentation)

We developed a silicon avalanche photodiode (Si-APD) linear-array detector for use in nuclear resonant scattering experiments using synchrotron X-rays. The Si-APD linear array consists of 64 pixels (pixel size: 0,01$$times$$0.02 cm$$^{2}$$) with a pixel pitch of 0.015 cm and depletion depth of 0.001 cm. An ultrafast frontend circuit allows the X-ray detector to obtain a high output. High-performance integrated circuits achieve multichannel scaling over 1024 continuous time bins with a 1 ns resolution for each pixel without dead time. The multichannel scaling method enabled us to record a time spectrum of the 14.4 keV nuclear radiation at each pixel with a time resolution of 1.4 ns (FWHM). This method was successfully applied to nuclear forward scattering and nuclear small-angle scattering on $$^{57}$$Fe.

論文

深部結晶質岩における割れ目の形成・充填過程と透水性割れ目の地質学的特徴;土岐花崗岩を例として

石橋 正祐紀; 安藤 友美*; 笹尾 英嗣; 湯口 貴史; 西本 昌司*; 吉田 英一*

応用地質, 55(4), p.156 - 165, 2014/10

高レベル放射性廃棄物の地層処分では、長期的な透水性構造の変遷を考慮する必要がある。そのため、本研究では透水性割れ目の特徴に着目し、地下約300mの水平坑道から取得したデータに基づいて、透水性割れ目の変遷について検討を行った。その結果、深度300mの坑道では1670本の割れ目が認められ、そのうち約11%の割れ目が透水性割れ目であった。透水性割れ目のうち、グラウト材で充填されるような割れ目は、割れ目周辺母岩の変質が顕著ではなく、方解石で充填される。一方で、グラウト材で充填されていないが、少量の湧水を伴う割れ目は、水みちとして機能していないと考えられるシーリング割れ目と類似した特徴を示す。割れ目充填鉱物と割れ目周辺母岩の変質に基づくと、これらの割れ目は、花崗岩の貫入・定置(ステージI)後の冷却過程における形成及び熱水活動時期における充填(ステージII)、その後の隆起・侵食に伴う開口・伸長(ステージIII)といった履歴が考えられた。また、現在の透水性割れ目は、ステージIIにおいて割れ目の充填による透水性の低下を被るが、その後の隆起・侵食に伴う開口又は伸長による透水性の増大によって形成されたと考える。

論文

Source development and novel applications of laser-driven plasma X-ray lasers in JAEA

河内 哲哉; 長谷川 登; 錦野 将元; 石野 雅彦; 今園 孝志; 大場 俊幸; 海堀 岳史; 岸本 牧; 越智 義浩; 田中 桃子; et al.

X-Ray Lasers 2010; Springer Proceedings in Physics, Vol.136, p.15 - 24, 2011/12

本講演では、原子力機構におけるレーザー駆動X線レーザーの光源開発及び利用研究に関する最新の成果を報告する。利用研究の対象は物質科学,レーザー加工,X線イメージング,生体細胞の放射線損傷等と多岐に渡っている。物質科学への応用に関しては、強誘電体の相転移直上での格子揺らぎの時間相関を初めて観測した。レーザー加工に関しては、短パルスレーザー照射時の試料表面電子融解現象をX線レーザー干渉計で観察した。軟X線回折イメージングに関しては、静止したサンプルの微細構造の観察結果とともに、将来的なポンププローブ観察への計画を紹介する。また、X線レーザーの集光性能を利用した細胞損傷効果の基礎実験では、DNAの2本鎖切断の観察結果とKeV領域のインコヒーレントX線照射の場合との比較を議論する。

論文

Development of the X-ray interferometer and the method of spatial and temporal synchronization of XRL and optical pulse

長谷川 登; 越智 義浩; 河内 哲哉; 寺川 康太*; 富田 卓朗*; 山本 稔; 錦野 将元; 大場 俊幸; 海堀 岳史; 今園 孝志; et al.

X-Ray Lasers 2010; Springer Proceedings in Physics, Vol.136, p.353 - 358, 2011/12

レーザー照射によるプリアブレーション過程の解明は、非熱的加工及び微細加工等の応用に対して重要である。われわれが開発したプラズマ軟X線レーザーは物質表面の微細構造の観測に適した短い波長(13.9nm)とダイナミクスの観測に適した短いパルス幅(7ps)を有する。本研究では、ナノスケールのダイナミクスを観測するために、軟X線レーザーを用いた干渉計の開発を行うとともに、軟X線レーザーと他のレーザーとの空間及び時間同期に関する研究を行った。ダブルロイズ反射鏡を用いることにより、深さ方向1nmの分解能を持つ干渉計の開発に成功した。空間同期に関しては、軟X線に感度を有するシンチレーターを用いることにより、50micron以下の精度でのアライメントを実現した。また時間同期に関しては、薄膜ターゲットを利用したプラズマゲートによるX線レーザーと他のレーザーとの時間同期に関する基礎実験を行ったので、これを報告する。

論文

Torsion test technique for interfacial shear evaluation of F82H RAFM HIP-joints

野澤 貴史; 荻原 寛之*; 神成 純*; 岸本 弘立*; 谷川 博康

Fusion Engineering and Design, 86(9-11), p.2512 - 2516, 2011/10

 被引用回数:14 パーセンタイル:72.14(Nuclear Science & Technology)

F82Hに代表される低放射化フェライト鋼を用いたブランケットシステム第一壁は熱間等静圧圧縮成形(HIP)による接合技術の適用が有力視される。本研究の目的は、F82Hを母材とするHIP接合体の界面強度をねじり試験法により評価し、本手法の適用性について明らかにすることである。さまざまな接合条件の材料を対象にねじり試験を行ったところ、ねじり破壊が生じる最大強度に接合条件による有意な違いは認められなかったのに対し、破壊過程における吸収エネルギーは接合条件によって異なることが明らかになった。また、破断面観察より、その破壊がHIP接合界面に析出した酸化物に起因することを特定した。これらの結果は、従来のシャルピー衝撃試験での結果とよく一致しており、結果として、微小試験片を用いたねじり試験法は、HIP接合体の界面特性を評価するに十分な手法であり、有力な試験法の一つになりうることが示された。

論文

Tensile, compressive and in-plane/inter-laminar shear failure behavior of CVI- and NITE-SiC/SiC composites

野澤 貴史; Choi, Y.-B.*; 檜木 達也*; 岸本 弘立*; 香山 晃*; 谷川 博康

IOP Conference Series; Materials Science and Engineering, 18, p.162011_1 - 162011_4, 2011/09

 被引用回数:9 パーセンタイル:96.49

SiC/SiC複合材料は、その優れた耐照射特性や耐熱材料としての資質から、先進核分裂炉又は核融合炉の候補材の一つに挙げられる。さまざまな織物構造に起因する潜在的な異方性のため、多様な破壊モードにおける亀裂進展挙動を特定することは重要である。本研究は、主軸/非主軸の引張/圧縮モード,Iosipescu法による面内剪断モード,ダブルノッチ剪断法による層間剪断モード,径圧縮試験法による層間剥離モードについて亀裂進展挙動を明らかにする。初期検討により強度異方性マップを明らかにしたところ、本材料は複合破壊モードで破壊が進行することが示唆された。特に、面内剪断及び層間剪断モードが試験結果に大きく影響していることが明らかとなった。

論文

Percolation simulation of laser-guided electrical discharges

佐々木 明; 岸本 泰明*; 高橋 栄一*; 加藤 進*; 藤井 隆*; 金澤 誠司*

Physical Review Letters, 105(7), p.075004_1 - 075004_4, 2010/08

 被引用回数:10 パーセンタイル:55.4(Physics, Multidisciplinary)

パーコレーションモデルによるレーザーガイド放電の3次元シミュレーションについて述べる。ストリーマ先端の逐次的な進展と、逃走電子によるランダムな電離を考慮するモデルにより、超短パルスレーザー照射によって、予備生成したプラズマチャネルに沿って起こす放電の確率的な振舞,遠回りや枝分かれを伴う放電路の形成をよく再現することを示す。プラズマチャネルにおける導電性領域の割合がガイディングの成否の確率に与える効果についても考察する。

論文

Surface studies of tungsten erosion and deposition in JT-60U

上田 良夫*; 福本 正勝*; 西川 雅弘*; 田辺 哲朗*; 宮 直之; 新井 貴; 正木 圭; 石本 祐樹*; 都筑 和泰*; 朝倉 伸幸

Journal of Nuclear Materials, 363-365, p.66 - 71, 2007/06

 被引用回数:10 パーセンタイル:58.28(Materials Science, Multidisciplinary)

JT-60Uの外側ダイバータ部分に、タングステンをコーティングしたCFCグラファイトタイルを13枚設置し、タングステンタイルの健全性や損耗されたタングステンの輸送・再堆積特性を調べた。タングステンの再堆積分布については、EDXやXPSを用いて測定を行った。タングステンタイルには最大6MW/m$$^{2}$$の熱負荷が加わったが、特に目立った損傷は観測されなかった。Wタイルに隣接したCFCグラファイトタイル上には、タングステンが損耗・電離後、磁力線に沿って移動して堆積した厚い堆積層が局所的に存在した。また、タングステンタイルと同じセクションにおけるタングステンのポロイダル方向の再堆積分布を調べたところ、内側ダイバータストライク点近傍と外側ウイング下部に多くの堆積が見られた。これらの分布を、$$^{13}$$Cの再堆積分布と比較したところ、内側ダイバータではほぼ同様の分布を観測したが、ドームの内側ウイングと外側ウイングでは、異なった堆積傾向が見られた。

論文

Long-term erosion and re-deposition of carbon in the divertor region of JT-60U

後藤 純孝*; 田辺 哲朗*; 石本 祐樹*; 正木 圭; 新井 貴; 久保 博孝; 都筑 和泰*; 宮 直之

Journal of Nuclear Materials, 357(1-3), p.138 - 146, 2006/10

 被引用回数:27 パーセンタイル:85.66(Materials Science, Multidisciplinary)

1997年より2002年までの長期間のJT-60U重水素実験運転を通して、W型ダイバータ部における炭素タイル表面の損耗・再堆積分布を評価した。損耗・再堆積の内外ダイバータでの非対称性が確認された。ドーム部においては、内側ドームウィングで損耗が、また外側ドームウィングのアウトボード側領域では堆積が観測された。再堆積層は第一壁表面の垂直線に対しある傾度を持って成長する柱状組織構造を示している。ダイバータ領域での損耗・再堆積分析結果及び外側ドームウィングの再堆積構造のポロイダル方向分布の分析結果から、損耗領域からトーラス内側方向へ向かう炭素輸送の存在を示した。ダイバータ領域での損耗・再堆積の収支結果から得られた評価期間の全損耗量は0.55kgであり、そのうちの38%は第一壁領域からきたものであった。実験期間中でのNBI加熱の積算時間内で評価した炭素の再堆積率は9$$times$$10$$^{20}$$C/sとなった。ダイバータ排気スロットがプライベート領域に位置するJT-60Uのダイバータ構造は、内側排気スロットの影の部分における炭素再堆積層の蓄積を抑える効果があると考えられる。

論文

Biosynthesis and secretion of mugineic acid family phytosiderophores in zinc-deficient barley

鈴木 基史*; 高橋 美智子*; 塚本 崇志*; 渡辺 智; 松橋 信平; 矢崎 潤史*; 岸本 直己*; 菊池 尚志*; 中西 啓仁*; 森 敏*; et al.

Plant Journal, 48(1), p.85 - 97, 2006/10

 被引用回数:162 パーセンタイル:95.75(Plant Sciences)

Mugineic acid family phytosiderophores (MAs) are metal chelators that are produced in graminaceous plants in response to Fe deficiency, but current evidence regarding secretion of MAs during Zn deficiency is contradictory. HPLC analysis showed that Zn deficiency induces the synthesis and secretion of MAs in barley plants. Studies of the genes involved in the methionine cycle using microarray analysis showed that the transcripts of these genes were increased in both Zn-deficient and Fe-deficient barley roots. Analysis using the PETIS confirmed that more $$^{62}$$Zn(II)-MAs than $$^{62}$$Zn$$^{2+}$$ were absorbed by the roots of Zn-deficient barley plants. These data suggest that the increased biosynthesis and secretion of MAs arising from a shortage of Zn are not due to an induced Fe deficiency, and that secreted MAs are effective in absorbing Zn from the soil.

論文

Investigation of bulk superconductivity in PrPt$$_5$$

伊藤 孝; 西田 信彦*; 大石 一城; 髭本 亘; 柄木 良友*; 石本 英彦*

Journal of the Physical Society of Japan, 75(Suppl.), p.189 - 191, 2006/08

PrPt$$_5$$は核断熱消磁冷却の冷媒として知られる物質であり、低温において核磁性と電子による一般的な磁性の中間的な性質をもった磁性を示す。最近、PrPt$$_5$$多結晶試料において超伝導転移を示唆する抵抗及び磁化の異常が観測された。これがバルクの超伝導であるならば、「増強された核磁性」との共存という観点から非常に興味深い。われわれは$$mu$$SR法を用いて微視的な視点からPrPt$$_5$$の超伝導特性の研究を行い、混合状態におけるミュオンスピン緩和率の測定から磁場侵入長に関する知見を得た。

論文

Thermal properties of redeposition layers in the JT-60U divertor region

石本 祐樹; 後藤 純孝*; 新井 貴; 正木 圭; 宮 直之; 大山 直幸; 朝倉 伸幸

Journal of Nuclear Materials, 350(3), p.301 - 309, 2006/05

 被引用回数:21 パーセンタイル:80.19(Materials Science, Multidisciplinary)

ELMによる過渡的な熱負荷を評価するため、JT-60UW型ダイバータの内側ターゲットタイル上に形成された再堆積層の熱物性値をレーザーフラッシュ法を用いて初めて測定した。再堆積層の観察は走査電子顕微鏡によって行い、ストライクポイントの頻度が高い位置に200マイクロメートルを超える再堆積層を確認した。この位置より再堆積層のみの試料を取り出し、分析を行った。マイクロバランスを用いて試料の質量を測定し、再堆積層のかさ密度が、タイル基材である炭素繊維材料のおよそ半分であることを明らかにした。室温から1000度の領域では、比熱は参照試料である等方性黒鉛とほぼ同じであるが、熱拡散係数は、炭素繊維材料に比べておよそ2桁小さいことがわかった。測定した熱物性値をELMの熱流負荷解析に適用すると、熱負荷はタイル表面を炭素繊維材料であるとして解析した場合の10分の1程度になると示唆される。これは、赤外カメラの温度上昇から見積もったダイバータへの熱負荷がプラズマ蓄積エネルギーの減少分よりも大きくなっているという矛盾を説明する理由の1つとなることがわかった。また、熱物性値のポロイダル分布や熱負荷の非一様性を考慮する必要があることも明らかになった。

論文

Magnetic field stabilization by temperature control of an azimuthally varying field cyclotron magnet

奥村 進; 荒川 和夫; 福田 光宏; 中村 義輝; 横田 渉; 石本 貴幸*; 倉島 俊; 石堀 郁夫; 奈良 孝幸; 上松 敬; et al.

Review of Scientific Instruments, 76(3), p.033301_1 - 033301_6, 2005/03

 被引用回数:9 パーセンタイル:43.11(Instruments & Instrumentation)

AVFサイクロトロンの運転において、ビーム電流減少を引き起こす数十時間に渡る10$$^{-4}$$台の磁場変動が生じていた。実験の結果より、励磁コイルからの熱によって鉄心温度が上昇し、ビーム特性の劣化を引き起こす磁場変動を発生させていることを明らかにした。鉄心温度上昇を防ぎ、高安定磁場を実現するために、メインコイルとヨークとの間への熱絶縁やトリムコイル冷却水温度制御の高精度化といった鉄心温度制御技術を開発した。この温度制御によって、磁場安定度$$pm$$5$$times$$10$$^{-6}$$を達成し、$$pm$$2%のビーム強度安定度を得た。

論文

Development of a magnetic field monitoring system for the JAERI AVF cyclotron

奥村 進; 荒川 和夫; 福田 光宏; 中村 義輝; 横田 渉; 石本 貴幸; 倉島 俊; 石堀 郁夫; 奈良 孝幸; 上松 敬; et al.

Nukleonika, 48(Suppl.2), p.S35 - S37, 2003/00

サイクロトロンでは、ビーム強度減少などのビーム不安定現象が一般的に生じるため、高精度なビーム制御は困難であった。原研AVFサイクロトロンでは、この原因がサイクロトロン電磁石の鉄心温度上昇による磁場変動であることを突き止め、鉄心温度の定温化によってビーム強度の安定化を確認した。イオンビームによる細胞や材料の微細加工技術の開発に必要なビームサイズ1ミクロンを達成するにはビームエネルギーの最小化が必要で、これにはビーム強度のみならずビーム位相も十分安定化する必要があり、サイクロトロン電磁石が磁場安定度10$$^{-5}$$を達成している必要がある。この磁場安定度測定を実現するには通常用いられるホール素子では精度が不十分であるため、核磁気共鳴(nuclear magnetic resonance:NMR) を利用した測定法を用いる必要があるが、サイクロトロン内部は高磁場(~2T)、高磁場勾配(~10G/cm)、高電磁場ノイズのため従来のNMR磁場測定装置では測定が困難であった。そこで、磁場勾配補正コイルの採用や高電磁場ノイズ対策などを行ったNMR磁場測定装置を開発し、10$$^{-6}$$台の測定精度を実現することでサイクロトロン電磁石の磁場安定度を確認することに成功した。

論文

Temperature control of a cyclotron magnet for stabilization of the JAERI AVF cyclotron beam

奥村 進; 荒川 和夫; 福田 光宏; 中村 義輝; 横田 渉; 石本 貴幸*; 倉島 俊; 石堀 郁夫; 奈良 孝幸; 上松 敬; et al.

AIP Conference Proceedings 600, p.330 - 332, 2001/00

JAERI AVFサイクロトロンにおいて、ビーム電流を長時間一定に保つにはしばしば磁場調整が必要となっている。NMRプローブによる磁場測定と白金測温抵抗体による温度測定から、磁場と電磁石の鉄心温度との間に相関関係があることがわかった。メインコイルからの熱が主な原因となって鉄心温度が上昇し、ビームの不安定現象を引き起こしている。鉄心への熱を遮断するために鉄心とメインコイル間に温度制御した銅板を挿入した。それに加えて、ポール先端温度を独立に制御するために、トリムコイルの冷却水温度制御系を独立化した。磁場安定化のために、これら温度制御系の最適運転条件を見いだした。

論文

Stabilization of cyclotron magnetic field strength by means of magnet temperature control

奥村 進; 倉島 俊; 石本 貴幸*; 横田 渉; 荒川 和夫; 福田 光宏; 中村 義輝; 石堀 郁夫; 奈良 孝幸; 上松 敬; et al.

Proceedings of 13th Symposium on Accelerator Science and Technology, p.283 - 285, 2001/00

サイクロトロンの磁場の変化によるビームの不安定性が近年大きく取り上げられている。前回の本研究発表会では、原研AVFサイクロトロンにおいては運転開始後、電磁石ヨークが主にメインコイルの放熱により数十時間にわたって上昇を続け、このためにビーム電流が減少することを突き止めたことを報告した。その後、さらに詳細なヨーク温度の分布泳ぎ磁場強度の時間変化を測定するとともに、熱解析コードによるシミュレーションも加えて検討した結果、主な熱源がメインコイルとトリムコイルであることを明らかにした。これに基づいて、メインコイルの放熱を断熱する装置と、ハーモニックコイルの温度をコイル電流に依らずに一定にする装置を設置した。試験運転では、運転開始50時間後もビーム電流を初期値の90%に保つという良好な結果を得た。一方で、これまで見えなかったサイクロトロン室の空気温度の影響が現れるなどの問題も出てきた。

論文

Acceleration test of M/Q=2 and 4 cocktail beams and study of multiturn extraction

横田 渉; 福田 光宏; 奥村 進; 荒川 和夫; 石堀 郁夫; 奈良 孝幸; 上松 敬; 田村 宏行; 倉島 俊; 中村 義輝; et al.

JAERI-Review 2000-024, TIARA Annual Report 1999, p.273 - 275, 2000/10

ほぼ等しい質量数対価数比(M/Q)を持つイオン種を短時間で交換するカクテルビーム加速技術は、広範囲のLETを必要とする宇宙半導体の開発等に不可欠である。現在TIARAではM/Q=5カクテル($$^{15}$$N$$^{3+}$$,$$^{20}$$Ne$$^{4+}$$,$$^{40}$$Ar$$^{8+}$$,$$^{84}$$Kr$$^{17+}$$)が利用できる。M/Q=2($$^{4}$$Ne$$^{2+}$$,$$^{12}$$C$$^{6+}$$,$$^{14}$$N$$^{7+}$$,$$^{16}$$O$$^{8+}$$,$$^{20}$$Ne$$^{10+}$$,$$^{36}$$Ar$$^{8+}$$)及びM/Q=4($$^{4}$$He$$^{+}$$,$$^{12}$$C$$^{13+}$$,$$^{16}$$O$$^{4+}$$,$$^{20}$$Ne$$^{5+}$$,$$^{40}$$Ar$$^{10+}$$,$$^{84}$$Kr$$^{21+}$$)カクテルについては異種イオンが混入するという問題があり、混入比を低減する技術開発を行った。その結果、一部のイオン種を除き、混入比を1$$times$$10$$^{-4}$$以下にすることに成功した。マルチターンの形成過程の解明は、P-チョッパーとS-チョッパーの組み合わせによるシングルパルス形成に必要なだけでなく、サイクロトロンのビームダイナミクスの理解に役立つ。そこでサイクロトロン内外のビームパルスの時間分布を測定した結果、内部ビームの時間分布よりも、ビーム引出しがマルチターンに強く影響していることが判明した。

論文

Separate structure of two branches of sheared slab $$eta_{i}$$ mode and effects of plasma rotation shear in weak magnetic shear region

Li, J.; 岸本 泰明; 津田 孝

Plasma Physics and Controlled Fusion, 42(4), p.443 - 453, 2000/04

 被引用回数:5 パーセンタイル:17.82(Physics, Fluids & Plasmas)

負磁気シア配位におけるスラブ・イータアイ・モードのモード構造とそれに対するプラズマのシア回転の効果を調べ、モードが空間的に分離することを見いだした。モードの分離は安全係数の非単調な分布によって起こり、分離する条件は有利面の安全係数最小位置からの距離に依存する。さらに反磁性ドリフト運動やE$$times$$B運動の局在化は安全係数最小磁気面の片側の揺らぎを抑制する可能性を示した。原研におけるトロイダル粒子シミュレーションで見いだされたトカマク内部の巨視的な揺らぎに現れるギャップ構造は、この効果により説明できる可能性が高い。

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