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相羽 信行; 徳田 伸二; 石澤 朋子*
Journal of Plasma Physics, 72(6), p.1127 - 1131, 2006/12
被引用回数:1 パーセンタイル:3.54(Physics, Fluids & Plasmas)トカマク核融合装置において高性能プラズマを長時間保持することを実現するうえで、外部電磁流体(MHD)不安定性の発生を抑えることは重要な課題であり、特にこの不安定性のアスペクト比に対する依存性は装置設計を行ううえで考慮すべき要因の一つである。本研究ではこれまで開発を続けてきたMHD安定性解析コードMARG2Dの特徴である「広いトロイダルモード数nの範囲にわたって解析ができる」という特長を生かすことで、nが1から10までの外部MHDモードの安定性に対するアスペクト比の依存性を調べた。その結果、外部MHDモードから決まるプラズマ圧力の限界はアスペクト比を小さくすることで高くなることを確認した。またプラズマを囲む完全導体壁の位置がプラズマ表面に近い場合、アスペクト比が小さくなるにつれて圧力限界を決める外部モードのトロイダルモード数は大きくなることを示した。さらにこの原因が、アスペクト比を小さくしたことによって異なるポロイダルモード間のトロイダル結合が強くなり、その結果nの小さいモードを強く安定化する導体壁の影響が強く表れるためであることを、MARG2Dコードで得られる固有関数を比較することによって明らかにした。
相羽 信行; 徳田 伸二; 石澤 朋子*; 岡本 正雄*
Computer Physics Communications, 175(4), p.269 - 289, 2006/08
被引用回数:42 パーセンタイル:83.84(Computer Science, Interdisciplinary Applications)2次元Newcomb方程式を数値的に取り扱うための定式化を、ベクトルポテンシャル法を用いて真空磁場エネルギー積分の計算を可能にするために拡張した。この定式化を数値安定性解析コードMARG2Dに実装し、トロイダルモード数の小さいモードから大きいモードまでの理想外部電磁流体(MHD)モードを対象とした安定性解析を1つの物理モデルに基づいて行うことを可能にした。また、この数値コードは並列計算による安定性の評価が可能である。これによって、実験解析やトカマク輸送コードとの連結による統合シミュレーションなどにかかる計算時間の短縮を実現しており、トカマク周辺プラズマの理解を進めるうえで有用な数値解析コードである。
相羽 信行*; 徳田 伸二; 石澤 朋子*; 岡本 正雄*
Plasma Physics and Controlled Fusion, 46(11), p.1699 - 1721, 2004/11
被引用回数:3 パーセンタイル:9.99(Physics, Fluids & Plasmas)ニューコム方程式の理論をトカマクにおける低-n外部モードに適用し、安定性行列を計算する方法を確立した。安定性行列によって外部モードによるプラズマポテンシャルエネルギーの変化を摂動のプラズマ表面での値で表すことができる。この方法を用いて、理想外部モードのスペクトルの性質を詳細に調べた。それには外部モードと内部モードの結合,通常シア配位と逆シア配位の安定性の違いなどが含まれる。これらの結果は抵抗性壁モードの安定性解析にも有益である。
相羽 信行; 徳田 伸二; 石澤 朋子*; 小関 隆久
no journal, ,
本研究は、線形理想MHD安定性解析コードMARG2Dの開発と、このコードを用いたJT-60Uプラズマの安定性評価を行うことを目的に進めている。今回の会議では、MARG2Dコードの上下非対称化に伴ってJT-60Uプラズマにおける理想MHDモードに関する実験解析が可能になったこと、及びその解析の例としてエッジローカライズモード(ELM)と呼ばれる現象に関係したMHDモード(ピーリング・バルーニングモード)の安定性を評価したことを報告する。この解析結果は、現段階では十分実験結果を再現しているとはいえないが、その原因の解明を含めた詳細な実験結果の解析は今後進めていく。また、MARG2Dの基づく物理モデルには漸近接続法による物理モデルの拡張が容易であるという利点がある。漸近接続法を用いると、理想MHDモデルからのずれが安定性に大きな影響を与える領域である有理面近傍(内部層)とそれ以外の領域(外部層)を、それぞれ別の方程式に従うとして取り扱うことができ、このうちの内部層に関する方程式を変えるだけで物理モデルを拡張できる。MARG2Dは同方法によるモデルの拡張を実現すべく開発を進めており、現段階では外部層を取り扱う方程式を数値的に解き、また内部層方程式を解く際に必要な境界条件(接続データ)の計算が可能である。この接続データの計算に関する詳細も上記のELMに関する結果と併せて報告する。
相羽 信行; 徳田 伸二; 石澤 朋子*; 小関 隆久
no journal, ,
近年、境界層理論に基づいた電磁流体(MHD)不安定性の解析手法を用いて理想MHDモードの解析、特に臨界安定状態に近い(成長率の小さい)理想MHDモードの成長率を数値的に同定する方法が提案された。この手法ではまず、プラズマ内部の有理面近傍以外(外部層)においてはNewcomb方程式を解き、「接続データ」と呼ばれる量を求める。これを用いて有理面近傍(内部層)においてプラズマの慣性効果などを考慮した別の方程式(内部層方程式)を解くことで、理想MHDモードの成長率の同定が可能となる。なお接続データとは、Newcomb方程式に随伴する固有値問題を解いて得られる固有関数Y(r)を構成する成分の中で、有理面の左側(p=L)及び右側(p=R)における小さい解Ys(r)によって表される成分の係数である(Y(r)=Ys(r)-Ya(r), Ya(r)はY(r)のq=m/nにおいて正則な成分、m, nはそれぞれポロイダル・トロイダルモード数)。本研究では理想MHDモードの解析に関する手法をプラズマ表面近傍に拡張する。講演では、MARG2Dコードを用いて理想外部MHDモード、特にピーリングモードの成長率を数値的に同定した結果を報告する。