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岩見 聡音*; 山下 琢磨*; 光安 優典*; 小野 健太*; 岡 壽崇; 高橋 温*; 木野 康志*; 関根 勉*; 清水 良央*; 千葉 美麗*; et al.
KEK Proceedings 2024-6, p.91 - 95, 2024/12
ESR線量計測法の検出限界線量の改善を目指している。本研究では、ESR測定時にマイクロ波出力を変化させ、各ラジカルの飽和挙動を調べた。炭酸ラジカルと有機ラジカルのスピン緩和時間の違いから、マイクロ波出力を4.0mWにすると、S/N比が改善し検出限界線量を引き下げることができるという見込みを得た。
山下 琢磨*; 岩見 聡音*; 光安 優典*; 小野 健太*; 岡 壽崇; 高橋 温*; 木野 康志*; 関根 勉*; 清水 良央*; 千葉 美麗*; et al.
KEK Proceedings 2024-6, p.85 - 90, 2024/12
東京電力・福島第一原子力発電所事故による生物への放射線影響を明らかにするためには、各個体の正確な被ばく線量推定が重要であり、我々は被ばくによって歯中に生成される炭酸ラジカルを測定することで線量推定を行っている。ESR測定で得たスペクトルから炭酸ラジカル由来の成分だけを抽出するため、乱数最適化を用いた多成分解析プログラムを整備した。
磯部 祐太; 谷垣 考則; 刀根 公平; 上坊寺 悠哉; 松井 一晃; 小幡 行史
Proceedings of 31st International Conference on Nuclear Engineering (ICONE31) (Internet), 8 Pages, 2024/11
日本のナトリウム冷却炉である高速増殖原型炉「もんじゅ」では、現在廃止措置が進められている。「もんじゅ」は2018年に廃止措置に移行し、2022年度に炉心及びEVST(炉心等)からの燃料体取出し作業を完了し、廃止措置第1段階を完了した。2023年度からは廃止措置第2段階に移行し、現在は炉心等からのしゃへい体等取出し作業と水・蒸気系等発電設備の解体撤去作業を行うとともに、廃止措置第3段階から本格的に開始するナトリウム設備の解体に向けた準備を行っている。「もんじゅ」には、原子炉・燃料の冷却を行う1次系ナトリウム(放射性)と、水・蒸気系に熱伝達を行う2次系ナトリウム(非放射性)が存在する。系統内に保有していたナトリウムは、原子炉容器及びEVSTを除いて既設のタンクに抜取り、固化した状態で保管している。ナトリウムの搬出は非放射性ナトリウムから実施する計画としていることから、まずは非放射性ナトリウムの抜出しの検討を先行して行っており、現在までの検討において、ISOタンクを設置するナトリウム抜出しエリア、既設のタンクからISOタンクまでナトリウムを移送するためのルート等を定めた。このために必要な配管を追設し、既設のガス系・電磁ポンプ等を利用してナトリウムの抜出しを実施する予定としている。ナトリウムの漏えい対策を適切に行い、安全を確保しながら合理的な抜出・搬出方法を引き続き検討していく。
蓬田 匠; 橋本 直; 奥村 拓馬*; 山田 真也*; 竜野 秀行*; 野田 博文*; 早川 亮大*; 岡田 信二*; 高取 沙悠理*; 磯部 忠昭*; et al.
Analyst, 149(10), p.2932 - 2941, 2024/03
被引用回数:1 パーセンタイル:34.56(Chemistry, Analytical)本研究では、ウラン鉱山より採取した黒雲母に含まれるUの分布状態と化学種を分析するため、超電導転移端センサー(TES)をマイクロビーム蛍光X線分光分析時の検出器として用いる手法を開発した。通常のシリコンドリフト検出器(SDD)の約220eVのエネルギー分解能の蛍光X線スペクトルでは、13.615keVのU L線の蛍光X線と13.395keVのRb K
線の蛍光X線を分離することは困難であった。一方、TESを用いることにより13keVのエネルギー領域で50eVのエネルギー分解能が達成され、U L
とRb K
の蛍光X線を完全に分離することができた。このTESを用いたピーク分離により、マイクロ蛍光X線分析における微量Uの正確なマッピング解析と、マイクロX線吸収端近傍構造分光における信号対バックグラウンド比の減少を達成できた。
Linh, B. D.*; Corsi, A.*; Gillibert, A.*; Obertelli, A.*; Doornenbal, P.*; Barbieri, C.*; Duguet, T.*; Gmez-Ramos, M.*; Holt, J. D.*; Hu, B. S.*; et al.
Physical Review C, 109(3), p.034312_1 - 034312_15, 2024/03
被引用回数:2 パーセンタイル:74.11(Physics, Nuclear)理化学研究所RIビームファクトリーにて中性子過剰核Arビームからの1中性子ノックアウト反応実験を行い、
Arのエネルギー準位および分光学的因子を導出した。特に、第一励起状態の
への分光学的因子が大きいことから、始状態の
Arの基底状態において中性子が
軌道を多く占めていることがわかった。これは、中性子数32がよい魔法数として知られる
Caとは異なった性質であり、カルシウムからアルゴンへと陽子が2個減ることで閉殻構造が大きく崩れることが明らかになった。
Li, P. J.*; Beaumel, D.*; Lee, J.*; Assi, M.*; Chen, S.*; Franchoo, S.*; Gibelin, J.*; Hammache, F.*; Harada, T.*; 延与 佳子*; et al.
Physical Review Letters, 131(21), p.212501_1 - 212501_7, 2023/11
被引用回数:21 パーセンタイル:94.59(Physics, Multidisciplinary)Beのクラスター構造を(
)反応を用いて調査した。三重微分断面積が実験的に測定され、Tohsaki-Horiuchi-Schuck-R
pke波動関数の方法や反対称化分子動力学を用いた歪曲波インパルス近似計算と比較した。実験データと理論計算の顕著な一致が確認され、
Beの比較的コンパクトな分子状態を確認した。
谷口 武士*; 磯部 一夫*; 今田 省吾*; Eltayeb, M. M.*; 赤路 康朗*; 中山 理智; Allen, M. F.*; Aronson, E. L.*
Science of the Total Environment, 899, p.165524_1 - 165524_13, 2023/11
被引用回数:11 パーセンタイル:79.42(Environmental Sciences)乾燥地の生態系は強度の乾燥と適度な降水の季節的なサイクルを経験する。乾燥地の植物は典型的にはパッチ状に分布しており、多くは繰り返す乾湿ストレスを生き抜くために根の内生微生物と共生している。群集合体は多くのシステムで見出されているが、乾燥地における機能微生物によるコロニー形成や季節の移り変わりとの関係は不明である。ここでは、米国南西部の高温砂漠における乾季と雨季の根の内生微生物分類群、およびその根のコロニー形成と関連した形質を調べた。5種類の砂漠性低木について、16S rRNAおよびITSの遺伝子プロファイリングを行い、内生微生物系統の季節変化を分析した。また、微生物形質との関係における中立的な群集モデルへの適合度を評価した。夏には、属特異的ではないものの、放線菌(グラム陽性菌)が増加した。真菌類では、夏に糸状菌が選択的に増加した。冬期には、窒素固定や植物成長促進を行うグラム陰性菌属が増加した。中立モデル解析の結果、内生細菌については確率的な影響が強いが、菌類については特に夏季に弱い影響が見られた。中立モデルで予測された頻度よりも高い頻度を示した分類群は、環境適応性と共生形質を共有していたが、病原性真菌の頻度は予測値以下であった。これらの結果は、細菌と真菌の群集形成が異なる制御を受けていることを示唆している。細菌群集は、乾燥に対する細菌の反応(反応形質)と植物に対する有益な効果(効果形質)を介して、確率的および決定論的なプロセスの影響を受けていた。菌類については、夏期に菌根菌が植物によって選択された。乾季と雨季の両方で植物による有益な微生物の制御が行われていることから、この砂漠の自然生態系には植物-土壌の正のフィードバックが存在することが示唆された。
近藤 洋介*; Achouri, N. L.*; Al Falou, H.*; Atar, L.*; Aumann, T.*; 馬場 秀忠*; Boretzky, K.*; Caesar, C.*; Calvet, D.*; Chae, H.*; et al.
Nature, 620(7976), p.965 - 970, 2023/08
被引用回数:29 パーセンタイル:95.28(Multidisciplinary Sciences)非常に中性子が過剰な原子核Oは、陽子、中性子ともに魔法数であることから古くからその性質に興味が持たれていたが、酸素の最後の束縛核
Oよりも中性子が4個も多いため、これまで観測されてこなかった。この論文では、理化学研究所RIBFにて
Fからの1陽子ノックアウト反応によって
Oを生成し、そこから放出される中性子を測定することによって初めてその観測に成功した。核構造の観点からは、
Oでは二重閉殻が保たれているか興味が持たれていたが、実験で得られた分光学的因子が殻模型計算で予言されて程度の大きいことから、閉殻構造をもたない可能性が高いことがわかった。
Wang, H.*; 安田 昌弘*; 近藤 洋介*; 中村 隆司*; Tostevin, J. A.*; 緒方 一介*; 大塚 孝治*; Poves, A.*; 清水 則孝*; 吉田 数貴; et al.
Physics Letters B, 843, p.138038_1 - 138038_9, 2023/08
被引用回数:4 パーセンタイル:67.28(Astronomy & Astrophysics)Neからの1中性子除去反応を用いて、
Neの詳細な
線分光を行った。平行運動量分布の解析に基づき、
Neの準位構造とスピンパリティを決定し、初めて負のパリティ状態を同定した。測定された断面積と運動量分布から、N=20とN=28のシェルギャップの消失の証拠となる有意なintruder p-wave強度が明らかになった。束縛状態については、弱いf-waveの可能性のある強度が観測された。いくつかの有効相互作用を用いた大規模殻模型計算では、実験的に観測された大きなp-wave強度と小さなf-wave強度は再現されず、Ne同位体に沿った反転の島への遷移の完全な理論的記述への挑戦が続いていることを示している。
Chen, S.*; Browne, F.*; Doornenbal, P.*; Lee, J.*; Obertelli, A.*; 角田 佑介*; 大塚 孝治*; 茶園 亮樹*; Hagen, G.*; Holt, J. D.*; et al.
Physics Letters B, 843, p.138025_1 - 138025_7, 2023/08
被引用回数:9 パーセンタイル:89.00(Astronomy & Astrophysics)Scからの1陽子ノックアウト反応を用いて、
Caと
Caのガンマ崩壊を観測した。
Caでは1456(12)keVの
線遷移が、
Caでは1115(34)keVの遷移が観測された。どちらの遷移も暫定的に
と割り当てられた。有効核子間相互作用をわずかに修正した広い模型空間での殻模型計算では、
準位エネルギー、2中性子分離エネルギー、反応断面積が実験とよく一致し、N=34閉殻の上に新しい殻が形成されていることを裏付けた。その構成要素である
と
軌道はほぼ縮退しており、これは
Caが二重魔法核である可能性を排除し、Ca同位体のドリップラインを
Caあるいはそれ以上にまで広げる可能性がある。
Pohl, T.*; Sun, Y. L.*; Obertelli, A.*; Lee, J.*; Gmez-Ramos, M.*; 緒方 一介*; 吉田 数貴; Cai, B. S.*; Yuan, C. X.*; Brown, B. A.*; et al.
Physical Review Letters, 130(17), p.172501_1 - 172501_8, 2023/04
被引用回数:13 パーセンタイル:87.42(Physics, Multidisciplinary)大きなフェルミ面非対称性を持つ陽子過剰なO原子核からの100MeV/nucleonでの陽子による陽子・中性子除去反応について報告した。この結果は、quasi-freeノックアウト反応、非弾性散乱、核子移行反応を含む複数の反応機構の定量的寄与を初めて示すものである。このようなエネルギー領域では通常無視される非弾性散乱と核子移行の寄与が、弱束縛陽子と強束縛中性子の除去反応断面積にそれぞれ約50%と30%寄与していることが示された。
Li, W.*; 山田 真也*; 橋本 直; 奥村 拓馬*; 早川 亮大*; 新田 清文*; 関澤 央輝*; 菅 大暉*; 宇留賀 朋哉*; 一戸 悠人*; et al.
Analytica Chimica Acta, 1240, p.340755_1 - 340755_9, 2023/02
被引用回数:11 パーセンタイル:65.24(Chemistry, Analytical)希土類元素は放射性元素であるアクチノイドのアナログ元素としてしばしば利用される。セリウム(Ce)は希土類元素の中でも+3価と+4価の両方をとり得る特別な元素である。環境試料中のCeの+3価と+4価の比を調べる手段としてX線吸収端近傍構造(XANES)が有力であったが、チタン濃度が高いと蛍光X線の干渉のために測定ができないという問題があった。本研究では、L吸収端だけでなくL
吸収端を調べ、さらに新しい検出器であるtransition-edge sensor (TES)を利用することでこれまでは測定が難しかった試料も測定可能にした。この結果は様々な環境試料に応用可能である。
Elekes, Z.*; Juhsz, M. M.*; Sohler, D.*; Sieja, K.*; 吉田 数貴; 緒方 一介*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Achouri, N. L.*; 馬場 秀忠*; et al.
Physical Review C, 106(6), p.064321_1 - 064321_10, 2022/12
被引用回数:3 パーセンタイル:43.00(Physics, Nuclear)Vと
Vの低励起準位構造を初めて探索した。
Vについては中性子ノックアウト反応と陽子非弾性散乱が、
Vについては中性子ノックアウト反応データが得られた。
Vについては4つ、
Vについては5つの新たな遷移が確認された。Lenzi-Nowacki-Poves-Sieja (LNPS)相互作用に基づく殻模型計算との比較によって、それぞれの同位体について確認されたガンマ線のうち3つが、first 11/2
状態とfirst 9/2
状態からの崩壊と決定された。
Vについては、(
,
)非弾性散乱断面積は四重極変形と十六重極変形を想定したチャネル結合法により解析されたが、十六重極変形の影響により、明確に反転の島に属するとは決定できなかった。
Enciu, M.*; Liu, H. N.*; Obertelli, A.*; Doornenbal, P.*; Nowacki, F.*; 緒方 一介*; Poves, A.*; 吉田 数貴; Achouri, N. L.*; 馬場 秀忠*; et al.
Physical Review Letters, 129(26), p.262501_1 - 262501_7, 2022/12
被引用回数:18 パーセンタイル:86.28(Physics, Multidisciplinary)230MeV/nucleonでの
Caからの中性子ノックアウト反応が
線分光と行われ、
と
軌道からの中性子ノックアウト反応の運動量分布が測定された。断面積は
の閉殻と整合し、Ca同位体での
と
閉殻と同程度に強い閉殻であることが確認された。運動量分布の分析から
と
軌道の平均二乗根半径の差は0.61(23)fmと決定され、これはmodified-shell-modelによる予言の0.7fmと整合した。これは、中性子過剰なCa同位体での
軌道半径が大きいことが、中性子数にしたがって線形的に荷電半径が増える意外な現象の原因であることを示唆している。
塩田 祐揮; 有吉 秀夫; 塩濱 保貴; 磯部 祐太; 竹内 遼太郎; 工藤 淳貴; 花木 祥太朗; 浜野 知治; 高木 剛彦
JAEA-Technology 2022-019, 95 Pages, 2022/09
もんじゅ廃止措置計画の第1段階では「燃料体取出し作業」を行う。燃料体取出し作業では、炉外燃料貯蔵槽に貯蔵中の燃料体を洗浄・缶詰し燃料池に貯蔵する「燃料体の処理」、炉心にある燃料体を模擬燃料体(以下「模擬体」という。)等と交換し炉外燃料貯蔵槽に貯蔵する「燃料体の取出し」を交互に行い、4つのキャンペーンに分けて炉心にある370体と炉外燃料貯蔵槽にある160体の燃料体を全て燃料池に貯蔵する。本作業報告書は、全4キャンペーンのうち、第3キャンペーンの「燃料体の取出し」作業について纏めたものである。第3キャンペーンにおける「燃料体の取出し」作業では、炉心に装荷されていた72体の炉心燃料集合体と74体のブランケット燃料集合体(合計146体)を炉心から取出し、炉外燃料貯蔵槽へと貯蔵した。また、炉外燃料貯蔵槽にあった模擬体(145体)及び固定吸収体(1体)(合計146体)を炉心へ装荷した。その間、13種類、36件の警報・不具合等が発生したが、何れも燃料体や設備の安全に直ちに影響しない想定内事象であった。よって、燃料体落下等の重大な事象及び移送機器の機構部分のスティック等の長期停止する可能性がある事象は発生していない。また、機器の動作・性能に係る不具合に対しては直接要因を除去し、安全を確保した上で作業を継続することができた。もんじゅの燃料取扱設備はナトリウム冷却高速炉固有の機能を持つものであり、実燃料体を対象とした連続・継続的な運転は途に就いたばかりであるため、標準化が進んだ軽水炉の燃料取扱設備のように多くの経験は無い。そのため、様々な事象を想定し、それを基に事象が発生する頻度をできる限り抑える対策、工程影響を最小化する復旧策を施した。
矢部 孝則; 村上 牧生; 塩田 祐揮; 磯部 祐太; 塩濱 保貴; 浜野 知治; 高木 剛彦; 長沖 吉弘
JAEA-Technology 2022-002, 66 Pages, 2022/07
高速増殖原型炉もんじゅ廃止措置計画の第一段階では「燃料体取出し作業」を行う。燃料体取出し作業では、炉外燃料貯蔵槽に貯蔵中の燃料体を洗浄・缶詰し燃料池に貯蔵する「燃料体の処理」、炉心にある燃料体を模擬燃料体(以下「模擬体」という。)等と交換し炉外燃料貯蔵槽に貯蔵する「燃料体の取出し」を交互に行い、炉心にある370体と炉外燃料貯蔵槽にある160体の燃料体を全て燃料池に貯蔵する。2018年度には、「燃料体の処理」作業を実施し、炉外燃料貯蔵槽に貯蔵していた86体の燃料体を洗浄・缶詰し燃料池に貯蔵した。併せて、「燃料体の取出し」に向けて76体の模擬体を炉外燃料貯蔵槽の空ポット内に貯蔵した。2019年度の「燃料体の取出し」作業は、炉心にあった60体の炉心燃料集合体と40体のブランケット燃料集合体を炉心から取出し炉外燃料貯蔵槽に貯蔵し、炉外燃料貯蔵槽にあった模擬体を炉心へ装荷した。その間、24種類、38件の警報・不具合が発生したが、燃料体落下等の重大な事象及び移送機器の機構部分のスティック等の長期停止する可能性がある事象は発生していない。機器の動作・性能の不具合に対しては直接要因を除去し、安全を把握した上で作業を継続できた。
塩田 祐揮; 矢部 孝則; 村上 牧生; 磯部 祐太; 佐藤 方実; 浜野 知治; 高木 剛彦; 長沖 吉弘
JAEA-Technology 2022-001, 117 Pages, 2022/07
もんじゅ廃止措置計画の第一段階では「燃料体取出し作業」を行う。「燃料体取出し作業」では、炉外燃料貯蔵槽に貯蔵中の燃料体を洗浄・缶詰し燃料池に貯蔵する「燃料体の処理」、炉心にある燃料体を模擬体等と交換し炉外燃料貯蔵槽に貯蔵する「燃料体の取出し」を交互に行い、炉心にある370体と炉外燃料貯蔵槽にある160体の燃料体を全て燃料池に貯蔵する。「燃料体の処理作業」に用いる燃料取扱設備の自動化運転は約10年ぶりの作業であった。このため、2017年度から作業開始までに設備の点検を行い、作業に先立ち使用済み制御棒等を用いて総合試験、模擬訓練を行った。そのうえで、最初の「燃料体の処理作業」として、2018年度に炉外燃料貯蔵槽にあった86体の燃料体を洗浄・缶詰し燃料池に貯蔵した。あわせて、「燃料体の取出し」に向けて76体の模擬体を炉外燃料貯蔵槽の空ポット内に貯蔵した。その間、86種類、232件の警報・不具合等が発生したが、何れも燃料体や設備の安全に直ちに影響を及ぼした事象ではなく、燃料体落下等の安全上重要な事象及び移送機器の機構部分のスティック等の長期停止可能性のある事象は発生していない。機器故障は、燃料出入機本体Bグリッパの爪開閉クラッチ破損の1件であるが補修して作業を再開できた。複数回発生したナトリウム化合物の固着や機器の連続使用が直接要因となった機器の動作・性能の状態異常は、直接要因の除去あるいは特別採用した上で作業を継続した。その他、動作のタイムアウト等の系統制御に係る不具合等も多く発生したものの、安全を確保したうえで作業を継続することができた。もんじゅの燃料取扱設備はナトリウム冷却高速炉固有の機能を持つものであり、実燃料体を対象とした連続・継続的な運転は途に就いたばかりである。このため、原理的に完全な発生防止が難しい事象、使用実績が少ないことに起因する事象、システムの最適化が十分でないことに起因する事象を「対策を施したとしても発生する事象」と想定し、その発生頻度を出来る限り抑える対策と工程影響を最小化する復旧策を施すこととした。
小岩井 拓真*; Wimmer, K.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Barbieri, C.*; Duguet, T.*; Holt, J. D.*; 宮城 宇志*; Navrtil, P.*; 緒方 一介*; et al.
Physics Letters B, 827, p.136953_1 - 136953_7, 2022/04
被引用回数:7 パーセンタイル:71.48(Astronomy & Astrophysics)中性子過剰核Caでは、新魔法数34が発見されて以来、その構造を知るために多くの実験がなされてきたが、それを超える中性子過剰核の情報は全く知られてこなかった。本論文では、理化学研究所RIBFにて
K,
Ca,
Caの励起状態から脱励起するガンマ線を初めて観測した結果を報告した。それぞれ1つのガンマ線しか得られなかったものの、
Kおよび
Caのデータは、それぞれ、陽子の
と
軌道間のエネルギー差、中性子の
と
軌道間のエネルギー差を敏感に反映し、両方とも最新の殻模型計算によって200keV程度の精度で再現できることがわかった。また、1粒子状態の程度を特徴づける分光学的因子を実験データと歪曲波インパルス近似による反応計算から求め、その値も殻模型計算の値と矛盾しないことがわかった。
Linh, B. D.*; Corsi, A.*; Gillibert, A.*; Obertelli, A.*; Doornenbal, P.*; Barbieri, C.*; Chen, S.*; Chung, L. X.*; Duguet, T.*; Gmez-Ramos, M.*; et al.
Physical Review C, 104(4), p.044331_1 - 044331_16, 2021/10
被引用回数:10 パーセンタイル:74.33(Physics, Nuclear)理化学研究所のRIビームファクトリーにて中性子過剰Clの励起状態を
Arからのノックアウト反応によって生成し、脱励起ガンマ線からそのエネルギー準位を測定した。また、陽子ノックアウトの運動量分布から
Clの基底状態が
であることがわかった。その結果を大規模殻模型計算およびいくつかの第一原理計算と比較した。
Cl同位体の基底状態および第一励起状態は、計算で用いた相互作用に敏感であることがわかった。それは、陽子の一粒子エネルギーと四重極集団運動との複雑な結合によるためであると考えられる。
奥村 拓馬*; 東 俊行*; Bennet, D. A.*; Caradonna, P.*; Chiu, I.-H.*; Doriese, W. B.*; Durkin, M. S.*; Fowler, J. W.*; Gard, J. D.*; 橋本 直; et al.
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 31(5), p.2101704_1 - 2101704_4, 2021/08
被引用回数:3 パーセンタイル:13.80(Engineering, Electrical & Electronic)超伝導転移端センサー(TES)マイクロ熱量計は、優れたエネルギー分解能と高い効率を持った、加速器施設での実験に理想的なX線検出器である。高強度パルス荷電粒子ビームを用いたTES検出器の性能を研究するために、日本の陽子加速器研究施設(J-PARC)でパルスミュオンビームを用いてX線スペクトルを測定した。X線エネルギーの実質的な時間的シフトがパルスミュオンビームの到着時間と相関していることを発見した。これは、最初のパルスビームからのエネルギー粒子の入射によるパルスパイルアップによって合理的に説明された。