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長崎 正雅*; 塩谷 真也*; 井川 直樹; 吉野 正人*; 岩崎 航太*; 深澤 裕; 内海 渉
Journal of Solid State Chemistry, 182(10), p.2632 - 2639, 2009/10
被引用回数:7 パーセンタイル:26.67(Chemistry, Inorganic & Nuclear)プロトン伝導体中の水素の結晶位置の詳細を明らかにするため、中性子回折データを用いた差最大エントロピー法(差MEM)を提案した。この方法は結晶中に取り込まれた水素と重水素の構造因子の差を利用した手法である。本法のシミュレーションでは水素原子の分布のみではなく、水素原子付近の空間分解能を改善させることを明らかにした。また、本法を水素と重水素を溶解させたBaSnIn
O
の9Kで測定した回折データに適用することで、O-D結合が第2近接酸素方向へ傾いていること、そしてその水素と酸素原子の分布は格子間位置には存在しないことを明らかにした。
工藤 博*; 岩崎 渉*; 内山 瑠美*; 冨田 成夫*; 島 邦博*; 笹 公和*; 石井 聡*; 鳴海 一雅; 楢本 洋; 齋藤 勇一; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, Part 2, 45(22), p.L565 - L568, 2006/06
被引用回数:16 パーセンタイル:48.64(Physics, Applied)MeV原子クラスターの衝突によって固体から放出される電子のエネルギー分布を初めて観測した結果を報告する。グラファイトとSiにC,Al
(n
8)を入射した場合、後方に放出される電子については、エネルギーが
10eVより低い領域では、nの増加に伴って1原子あたりの電子の収量が減少し、n
3では、n=1の場合の50%より低くなった。実験結果は、入射粒子の阻止断面積でも露払い効果でも説明できず、おそらく、イオン化の抑制ではなく、生成された低エネルギー電子の輸送過程、あるいは表面の透過過程が抑制された結果、電子放出が抑制されたものと考えられる。
三宅 康博*; 西山 樟生*; 河村 成肇*; 牧村 俊助*; Strasser, P.*; 下村 浩一郎*; Beveridge, J. L.*; 門野 良典*; 福地 光一*; 佐藤 伸彦*; et al.
Physica B; Condensed Matter, 374-375, p.484 - 487, 2006/03
被引用回数:6 パーセンタイル:31.27(Physics, Condensed Matter)物質生命科学実験施設の建屋の建設は2004年度の初めに開始された。2008年に加速器とビーム輸送系のコミッショニングが行われた後、2009年にはミュオンのユーザー利用が開始される。この論文ではJ-PARCミュオン科学実験施設建設の現状について述べる。
三宅 康博*; 河村 成肇*; 牧村 俊助*; Strasser, P.*; 下村 浩一郎*; 西山 樟生*; Beveridge, J. L.*; 門野 良典*; 佐藤 伸彦*; 福地 光一*; et al.
Nuclear Physics B; Proceedings Supplements, 149, p.393 - 395, 2005/12
J-PARCミュオン施設は物質生命科学実験施設の中に位置する。中性子標的の手前に置かれたミュオン標的から得られるミュオンを用いた研究が行われる。このJ-PARCミュオン科学施設の概要を報告する。
工藤 博*; 岩崎 渉*; 村主 拓也*; 齋藤 勇一; 山本 春也; 鳴海 一雅; 楢本 洋
JAERI-Review 2002-035, TIARA Annual Report 2001, p.214 - 216, 2002/11
われわれが最近行ったC及びAuクラスターによる電子分光実験について、測定系の確立と問題点,テストデータとその解釈について報告する。実験はTIARAタンデム加速器のクラスタービームラインを利用し、Ni多結晶試料から後方135に放出される電子のエネルギー測定を行った。測定系としては、クラスタービームには電流安定度に多少問題があるため、数値微分によってエネルギースペクトルを求めなければならない阻止電界型エネルギー分析器よりも静電偏向型エネルギー分析器が本実験目的に適合していることがわかった。得られたエネルギースペクトルより、0.5MeV/atomのC
クラスターは等速のC
に比べて15eV以下の収量が25%程度低下しており、またCより高速の1.67MeV/atomのAu
クラスターは等速のAu
に比べて10eV以下の収量がわずかに低下していることが見出された。このような非線形効果が特に低速電子生成に現れることは、従来報告されている2次電子の総量(電流値)の測定では得られなかった知見であり、非線形効果がクラスターとターゲット内原子との遠隔衝突に起因していることを示唆している。
長崎 正雅*; 塩谷 真也*; 井川 直樹; 岩崎 航太*; 吉野 正人*; 深澤 裕; 内海 渉
no journal, ,
Ba(Sn,In)O系プロトン伝導体は燃料電池の電解質,水素センサーなどへの応用が期待されている。これら材料中の水素の位置を正確に求めるために、水素まわりの構造に対するMEM解析の空間分解能を実質的に向上させる方法として、重水素溶解試料と軽水素溶解試料の構造因子の差をMEM解析する「差MEM」を考案し、シミュレーションによってその効果を検証した。
塩谷 真也*; 長崎 正雅*; 井川 直樹; 岩崎 航太*; 吉野 正人*; 深澤 裕; 内海 渉
no journal, ,
重水・軽水を溶解したBa(Sn,In)O系プロトン伝導体の粉末中性子回折と差MEM解析(1)の発表において、最大エントロピー法(MEM)解析の空間分解能を向上させる方法として「差MEM」を考案し、その効果をシミュレーションによって検証した。本報では、差MEM解析を実測データに適応し、その効果を評価した。差MEM法は通常のMEM法に比べて、より真に近いプロトンの存在領域を決定することができ、水素同位体の中性子散乱長の違いを利用したMEM法の空間分解能が向上したことを実証した。