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丹羽 正和; 鎌滝 孝信*; 黒澤 英樹*; 國分 陽子; 生田 正文*
Island Arc, 29(1), p.e12341_1 - e12341_26, 2020/01
被引用回数:3 パーセンタイル:26.23(Geosciences, Multidisciplinary)海溝型巨大地震に伴う地殻変動の傾向を明らかにする研究開発の一環として、宮崎平野を事例対象として、完新世堆積物の詳細な化学分析及び微化石分析を行い、陸成層から海成層への急激な環境変化を伴う層準を特定した。さらに、放射性炭素年代測定及び既往のテフラ分析の結果に基づき、この急激な環境変化を伴う層準が、歴史記録によって指摘されている1662年の寛文日向灘地震に伴う沈降に起因する可能性が高いことを明らかにした。
熊谷 秀平*; 梅田 浩司*; 鎌滝 孝信*; 小岩 直人*; 藤田 奈津子
東北地域災害科学研究, 53, p.7 - 13, 2017/03
日本海沿岸の古地震・古津波研究の一環として、青森県の日本海沿岸における過去の津波痕跡に関する調査を実施している。平成28年度に実施した青森県鰺ヶ沢町鳴沢川周辺での津波堆積物調査の結果、有機質シルト層の中に水流によって運ばれてきたと考えられるイベント堆積物(砂層)が見出された。そのため、イベント堆積物の空間分布の調査および年代測定を行い、津波堆積物の可能性に関するより詳細な検討を実施した。採取されたほとんどの地点でのボーリングコア試料には、沖積低地に堆積した有機質シルトや泥炭を主体とした細粒堆積物中に砂を主体とした粗粒堆積物が数枚挟まれることが明らかになった。調査の結果、津波は美ノ捨地区の北側から押し寄せ、逆に洪水は南側から押し寄せ、それぞれ堆積物を残すような規模で発生していたと解釈することができた。
生田 正文*; 丹羽 正和; 檀原 徹*; 山下 透*; 丸山 誠史*; 鎌滝 孝信*; 小林 哲夫*; 黒澤 英樹*; 國分 陽子; 平田 岳史*
地質学雑誌, 122(3), p.89 - 107, 2016/03
既往文献の火山ガラス屈折率データからは識別が困難であった桜島の歴史時代の噴火(文明,安永,大正)軽石について、本研究では火山ガラスの水和部と未水和部とを区別して屈折率測定を行い、斜方輝石の屈折率も含めてそれぞれの軽石に違いがあることを見出した。一方、宮崎平野南部で掘削したコアに含まれる軽石濃集層に対して鉱物組成分析、火山ガラスの形態分類や屈折率測定、斜方輝石の屈折率測定、火山ガラスの主成分・微量元素同時分析、および炭質物の放射性炭素年代測定を行い、本研究による桜島歴史噴火軽石の分析と比較した結果、軽石濃集層は桜島文明テフラに対比されることが判明した。桜島文明テフラは、軽石の状態で宮崎平野南部まで到達していた可能性が高い。本研究における軽石濃集層の給源の同定結果は、宮崎平野における地震イベント堆積物の年代決定において重要な示準となりうる。
生田 正文; 丹羽 正和; 高取 亮一*; 鎌滝 孝信*; 黒澤 英樹*
JAEA-Data/Code 2014-002, 246 Pages, 2014/06
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(Mw9.0)による津波災害を契機に、津波堆積物を用いた海溝型巨大地震に関する研究が注目を集めている。一方、日向灘に面する宮崎平野は、歴史時代に日向灘あるいは南海トラフを震源とする大規模な地震による津波に襲われたことが知られている。しかしながら堆積物として津波の痕跡を確認するなど、その証拠を科学的に明らかにした地質学的な研究例は未だ無い。本研究では、宮崎平野の完新世の堆積物を事例に、津波堆積物の認定手法の高度化のほか、数千年オーダでの局所的な隆起・沈降のプロセスの解明等に取り組んでおり、これまでに堆積物の記載、採取および各種分析等を進めてきた。本データ集は、これらの結果を取りまとめ、報告するものである。
野原 壯; 梅田 浩司; 笹尾 英嗣; 花室 孝広; 齋藤 龍郎; 安江 健一; 丹羽 正和; 眞島 英壽*; 島田 耕史; 山田 国見; et al.
JAEA-Research 2008-062, 61 Pages, 2008/07
我が国は変動帯に位置しており、安定大陸にある欧米諸国に比べて、地震や火山活動等が活発である。地質環境の長期安定性に関する研究においては、地質環境に重要な変化をもたらす可能性のある天然現象に着目して、それらの特徴を明らかにするとともに、それらが地質環境に及ぼす影響を評価するための調査技術・手法にかかわる研究開発を進めている。平成18年度においては、地層処分システムの成立性に重大な影響を及ぼす現象の存在や、過去の変動の履歴をあらかじめ確認するための調査技術として、以下の項目について調査・研究を行った。活断層・地震活動については、活断層の分布と活動履歴(移動,伸張,変形帯の発達過程)の調査技術に関する既存情報の整備を行い、火山活動については、第四紀の火山・地熱活動(特に低温領域の熱履歴)や地下深部のマグマ・高温流体等の基礎的な探査技術の抽出を行った。隆起・侵食/気候・海水準変動については、地形変化モデルの概念モデルの作成等を行った。
藤原 治; 鎌滝 孝信*; 増田 富士雄*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 223-224, p.540 - 544, 2004/08
被引用回数:16 パーセンタイル:70.99(Instruments & Instrumentation)C年代測定では、より正確な年代値を得るために試料の選別が重要である。海成の地層に含まれる貝殻化石を用いた
C年代測定について、試料の選別基準を提案した。
鎌滝 孝信; 藤原 治*
no journal, ,
本講演では千葉県館山市に露出する完新統沼層を例に、津波堆積物とその上下の地層にみられる化石群に着目し、その形成過程と古地震学的意義、そして、津波による内湾域の侵食量の評価に関して論じる。ここで観察される貝類化石層は大きく4つのタイプに分類することができる。すなわち、(1)平常時内湾泥底化石群,(2)イベント掃き寄せ型化石群,(3)急速埋没応答型化石群、そして(4)粗粒底質応答型化石群である。これら、(1)から(4)の順を経て、また(1)へと戻る化石群の変化は、津波イベントによる底質の攪乱や改変に伴う生物の棲み場所の変化を反映して形成されたものである。このように、浅海性生物の産状を指標とすることで、津波堆積物の認定をより確実なものとすることができる。「(3)急速埋没応答型化石群」の存在は、内湾域における津波の侵食作用による底質の侵食量が、海底面から数cm程度であることを示す。また、二枚貝化石の産状は、津波イベントによる底質の侵食量を評価する際の有効な指標となることが明らかになった。
河口 達也*; 三枝 博光; 丹羽 正和; 島田 耕史; 安江 健一; 黒澤 英樹; 鎌滝 孝信*; 登坂 博行*
no journal, ,
本研究では、岐阜県東濃地域を事例として、領域内に分布する主要な断層に対し既往の知見を取り込んだモデル化を行い、地形・地質構造の変化並びに気候変動をパラメータとした、現在、0.2Ma, 1.1Maの時間断面における地下水流動解析を行った。その結果、地形並びに気象条件は、地盤への浸透量に大きな影響を与え、また、地下水面の分布を規制していることが確認された。一方、標高区分ごとの流速の分布より、各条件による影響が卓越する区間が標高ごとに異なり、浅部は気象条件が大きく影響し、深部は断層の分布の条件が大きく影響することが確認された。
草野 友宏; 鎌滝 孝信*
no journal, ,
地震発生に伴い発生した湧水の地震後の回復やそれに要する期間について検討を行うため、兵庫県南部地震から約13年経過した淡路島北部地域において、湧水の水質,酸素・水素安定同位体比の分析,湧水量の測定を行った。その結果、今回調査した湧水の変化に深層地下水の変化を示す特徴は認められず、浅層部における地下水流動場の変化と捉えることができ、また、地域,場所によっては未だに影響が残っていると考えることができるが、それらの変化は小さく、地震による地下水流動への影響は、短期的なものであることがわかった。
河口 達也*; 草野 友宏; 野原 壯; 安江 健一; 鎌滝 孝信*
no journal, ,
地震に伴う活断層周辺の水理地質構造の変化と、淡塩の境界の存在の有無により、地下水,表流水に対して三次元的にどのような地域性が現れるかについて、現地データを踏まえた活断層近傍での地下水流動解析を試みた。地下水解析は、淡塩境界を考慮しない場合と、考慮した場合の両方について行った。検討の結果、以下の傾向が見られた。(1)活断層及び淡塩の境界の考慮の有無にかかわらず、解析により湧水量が大きいと想定された地点の一部と湧水地点の分布は整合的である。(2)活断層が高透水性の場合、低地部の活断層沿いで局所的に湧出量が増加となるが、実際の湧水調査の結果と一部整合的ではない。(3)淡塩の境界の考慮の有無にかかわらず、海岸線付近の一部に湧出量が多い地点が見られる。(4)淡塩の境界を概略的に考慮した解析では、考慮しない場合と比較して、淡路島全体の全水頭が上昇する。
野原 壯; 草野 友宏; 河口 達也*; 鎌滝 孝信*
no journal, ,
活断層の直接的な影響は一定の離間距離の設定により回避できると考えられている。活断層による水理的影響についても、顕著な変化は局所的で、数か月から数年程度で回復する事例が多い。しかしながら、水理的影響の影響範囲は比較的広く、そのメカニズムが十分理解されているとはいえないため、顕著な地下水変化の生じる場所の特定や、その継続期間等の予測精度を高める必要がある。特に、地震に伴う局所的な変化が生じる地域の特徴、変化の原因や規則性についての情報の蓄積が重要である。本報告では、プレート固着域の地震や内陸活断層による地下水の変化の特徴と原因について、既存文献のレビューと、最近の調査結果に基づいて検討した。プレート固着域の地震による変化は、その多くが季節変化より小さいが、局所的に大きな変化が同じ観測点で繰り返し生じる傾向がある。内陸活断層による水位変化の原因は、広域的な地下水流動場の変化、特に地下浅部の透水性の増加の寄与が大きいと考えられる。これらの水位変化は一時的で、数か月から数年程度で回復する。
鎌滝 孝信*; 立石 良*; 安江 健一
no journal, ,
第四紀の地殻変動や気候変動の変遷を把握するためには、未固結堆積物から地質学的手法により過去のイベントの推定を行う。しかしながら、一般に内陸部では侵食作用の影響により堆積物が分布せず、第四紀を通じた編年が困難な場合が多い。一方、第四紀においても内陸小盆地などの限られた場では、未固結堆積物が良好に保存されており、地質イベントを知るための重要な情報となる場合がある。このような堆積盆の分布や盆地内の堆積物の種類などの情報を現地調査前にある程度把握しておくことは、調査研究を効率的に行うために有効である。これらの情報の把握には、人工衛星データなどを用いたリモートセンシングの技術が役立つと考えられる。そこで、本研究では、衛星データを利用して、簡便な解析で堆積盆の分布,堆積物の種類などに関する情報を取得する手法について検討した。その結果、本手法を用いることで、堆積盆の特徴を捉えることができる可能性が示された。
丹羽 正和; 生田 正文; 高取 亮一; 鎌滝 孝信*; 黒澤 英樹*
no journal, ,
平野部は一般に、その広さだけ堆積物を受け入れる堆積盆を有することを示唆し、構造的な沈降域であることが想定される。その一方で、宮崎平野のように、広い平野を持つにもかかわらず隆起速度の大きい地域も存在する。本研究では、宮崎平野の完新世の隆起・沈降プロセスを詳細に解明し、日向灘を含む地域の海溝型地震などとの関係について検証するため、堤間湿地での露頭観察及び浅層ボーリングによるコア採取を行った。その結果、過去の隆起・沈降にかかわるイベントが記録されている可能性が高い堆積物を検出することができた。本発表では、堆積環境の復元や堆積年代の推定を目的とした微化石やテフラの分析、放射性炭素年代測定、間隙水の水質分析などの進捗状況を報告する。
生田 正文; 丹羽 正和; 高取 亮一*; 鎌滝 孝信*; 田辺 裕明; 黒澤 英樹*
no journal, ,
2011年東北地方太平洋沖地震以降、日本列島沿岸域の隆起・沈降の長期的な傾向の再評価が求められている。本研究では、平野部であるにもかかわらず約1mm/yrもの隆起速度が推定されている宮崎平野を事例対象として、地震に伴う隆起・沈降の痕跡に関する現地調査を行った。宮崎平野では、1662年の寛文地震により、宮崎市内の河口付近で約1m沈降したことが歴史記録に記されている。先ずはこの1662年の地震を地質学的に明らかにするために、局所的な沈降に伴う堆積環境の変化や津波などのイベント堆積物に関する記載・分析(珪藻化石分析及び水質分析など)を行った。その結果、歴史記録で示されている沈降域で、地震による沈降により海水が流入し、陸地から海(海浜・内湾)へと周辺環境が変化したことを示唆する痕跡が見つかった。堆積物の放射性炭素年代測定に基づくと、この古堆積環境の急激な変化は、1662年の地震に対応する沈降イベントであると推定される。
生田 正文; 丹羽 正和; 鎌滝 孝信*; 高取 亮一*
no journal, ,
2011年東北地方太平洋沖地震の際には、それまで地質断層であると考えられてきた湯ノ岳断層や井戸沢断層が活動した。このように海溝型地震に伴う沿岸域の地殻応力場の変化が、断層の活動性に及ぼす影響を評価することは、地質環境の長期安定性に関する研究において重要な課題として挙げられる。本研究では、宮崎平野を事例研究対象として、正断層型活断層と海溝型巨大地震の関連性を解明するための調査・分析を行っている。宮崎平野は、南海トラフ巨大地震の想定震源域の西端部に位置し、正断層の存在が知られている。これまでの調査では、正断層については、周辺部の基礎データを取得した。巨大地震に伴う津波堆積物については、歴史記録に記されている古地震による地盤沈降を地質学的手法により明らかにした。
生田 正文; 佐藤 善輝; 丹羽 正和; 鎌滝 孝信*; 黒澤 英樹*; 高取 亮一*
no journal, ,
宮崎平野周辺は巨大地震モデル検討会(2012)による津波想定で震源断層域に新たに日向灘を含めるモデルが示されるなど、南海トラフ地震に注目が集まっている。一方で、日向灘を震源とする巨大地震については、未解明な点が多く残されている。文書記録から宮崎平野南部の島山地域では、1662年寛文日向灘地震により、高さ45mの津波が到達し、地盤が約1m沈降した(羽鳥、1985)と推定されているが、これまでに地質学的データからその実態を検証した事例はなかった。そこで本研究では、島山地域を対象として地質調査を行うとともに、コア試料を用いて微化石や化学成分について分析を行い、沈降域周辺の堆積環境の復元を試みた。得られた堆積年代の暦年較正値は、沈降以前の淡水環境の堆積物(A層)がAD1435
1605年頃、沈降によって生じた入江を埋積した海水
汽水環境の堆積物(B層)がAD1520
1810年頃、その上位のシルト
砂からなる汽水
海水環境の堆積物(C層)がAD1640
1810年頃となる。この結果は、B層基底標高を境とする堆積環境の変化が1662年寛文日向灘地震に伴う地殻変動に対応するものであることを示す。
鏡味 沙耶; 丹羽 正和; 梅田 浩司*; 檀原 徹*; 藤田 奈津子; 中西 利典*; 鎌滝 孝信*; 黒澤 英樹*
no journal, ,
鬼界アカホヤ火山灰(K-Ah)を噴出した約7,300年前の鬼界アカホヤ噴火に関連して、数回の津波が発生した可能性があることが報告されており、この津波による堆積物は、九州から四国、近畿地方の沿岸部各地で報告されている。本研究では、宮崎平野のコア(MMS1)において、鬼界アカホヤ噴火に伴う津波が関連している可能性がある堆積物を新たに見出したため、火山ガラスの屈折率測定と主要・微量元素組成分析、C年代測定を行った結果について報告する。深度12.0
10.4mでは、火山ガラスや軽石が砂とともに平行葉理を発達させながら層状に濃集し、それらが層厚1m以上にわたって厚く堆積していた。これは、テフラが水中で二次堆積したものと考えられるが、同様の産状の堆積物が宮崎平野のコア(MIK1)において報告されており、鬼界アカホヤ噴火に伴う津波堆積物とされている。
C年代、火山ガラスの化学組成および屈折率に基づく対比のいずれにおいても、鬼界アカホヤ噴火に伴うイベント堆積層として矛盾の無い結果が得られた。K-Ahの火山ガラスの化学組成は、SiO
濃度が65wt.%付近の低SiO
(L型)と75wt.%前後の高SiO
(H型)のバイモーダルになっており、幸屋火砕流(K-Ky)噴火前期まではH型が噴出し、K-Ky噴火後期にL型が混合したマグマが噴出したと考えられている。MMS1の深度11.8
10.2mの試料では、H型の中でも2つのクラスターがあり、さらに、深度12.3mの試料では、H型の中のSiO
濃度が高いクラスターのみ検出された。この結果は、鬼界アカホヤ噴火のマグマ組成において、これまで考えられてきたH型とL型の2つの分類だけではなく、H型がさらに細分され、噴火中のマグマの組成変化を表している可能性がある。