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吉田 由香里*; 溝端 健亮*; 松村 彰彦*; 磯野 真由*; 八高 知子*; 中野 隆史*; 舟山 知夫; 小林 泰彦; 金井 達明*
JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 81, 2015/03
日本の炭素線治療において臨床線量を決定するために用いられているclinical RBE (cRBE)はexperimental RBE (eRBE)にscaling factorをかけたものである。eRBEはhuman salivary gland(HSG)細胞を用いたコロニー形成法によりlinear-quadratic(LQ)モデルで得られた値および値から求められた各LETにおけるRBEが採用されており、これが全ての患者(すなわちすべての細胞および組織)における炭素線治療計画に反映されている。しかしながら、RBEは線量,線量率,細胞や組織の種類、エンドポイント、酸素化の程度などにより異なる。そこで、群馬大学重粒子線照射施設(GHMC)のLET 1380keV/m、および原子力機構TIARAのLET 108158keV/mの炭素線を用い、その線量分布を評価すると共に、ヒト正常皮膚細胞への照射を行い、得られたRBE値について過去のHSG細胞の結果と比較・解析した。
金井 亮彦*; 笠田 竜太*; 中島 基樹; 廣瀬 貴規; 谷川 尚; 榎枝 幹男; 小西 哲之*
Journal of Nuclear Materials, 455(1-3), p.431 - 435, 2014/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Materials Science, Multidisciplinary)The present study reports the compatibility of a reduced-activation ferritic steel F82H exposed to high temperature pressurized water using a rotating disk apparatus at 573 K. Every rotated sample reduces their weight due to water flow. Cross-sectional observations revealed that difference of apparent rotating speed on the microstructural change is limited.
金井 亮彦*; Park, C.*; 登尾 一幸*; 笠田 竜太*; 小西 哲之*; 廣瀬 貴規; 野澤 貴史; 谷川 博康
Fusion Engineering and Design, 89(7-8), p.1653 - 1657, 2014/10
被引用回数:4 パーセンタイル:30.92(Nuclear Science & Technology)The present study reports the compatibility of a reduced-activation ferritic steel F82H and Ni exposed to liquid Pb-Li flow using a rotating disk apparatus at 873 K. Cross-sectional observations revealed that grain boundary attack of Pb caused a liquid metal embrittlement of Ni and formation of pitting holes and Cr-depleted zone in F82H.
中島 基樹; 金井 亮彦*; 廣瀬 貴規; 谷川 尚; 榎枝 幹男
no journal, ,
水冷却固体増殖ブランケットはITER/TBMの日本案であるとともに原型炉ブランケットの有力概念であり、構造材である低放射化フェライト鋼と冷却水との共存性についてのデータ拡充が強く求められている。特に、冷却管の腐食しろを決定するためにも、流動環境下における長時間の腐食・減肉量について評価が必要である。本研究では温度300C、圧力15MPaの高温高圧水中にて円盤試験片を回転させ、最大5m/sの冷却水の流動を模擬した環境での共存性試験により得られた重量並びに表面性状の変化について報告する。また、流動環境下における腐食への表面仕上げや環境中の溶存酸素量の影響についても併せて検討する。流動のない環境では試験片は重量増加するものの、流動環境下では重量が減少し、流れ加速型腐食発生の可能性が考えられた。また、表面仕上げの影響については短時間では有意な差が認められなかった。
金井 亮彦*; 笠田 竜太*; 小西 哲之*; 中島 基樹; 廣瀬 貴規; 谷川 尚; 榎枝 幹男
no journal, ,
低放射化フェライト鋼に対し、水冷却ブランケット条件を模擬した573K/15MPaの高温高圧水中での腐食試験を実施した。実機における冷却水の流動を模擬するために、円盤上の低放射化フェライト鋼の試験片を毎分1000回転の速度で回転させた。高温高圧水中の溶存酸素量を20ppb以下とした場合、試験片の回転により無回転時には存在した最表面の粒子状酸化物は消失すること、回転の有無によらず酸化物層自体(主にクロマイト)は存在すること、断面切断・研磨の工程において酸化物層内において剥離が生じることが明らかとなった。本実験では酸化物の消失が減肉の要因になっているといえる。組織観察の結果からは、通常の流れ加速型腐食機構にみられる酸化皮膜の流体への溶解に加えて、今回の流動模擬環境下における腐食は、回転によって試験片表面部に生じるせん断力による酸化物層の剥離についても考慮すべきこと、酸化物の脆弱性が減肉挙動に影響する可能性があることが示唆された。
溝端 健亮*; 吉田 由香里*; 松村 彰彦*; 磯野 真由*; 八高 知子*; 安藤 興一*; 舟山 知夫; 大野 達也*; 中野 隆史*; 金井 達明*
no journal, ,
日本の炭素線治療において臨床線量を決定するために用いられているclinical RBE(cRBE)はexperimental RBE(eRBE)にscaling factorをかけたものである。eRBEは過去にHSG細胞を用いたコロニー形成法により求められたRBEが採用されており、これが全ての患者および組織における炭素線治療計画に反映されている。本研究では異なる組織・異なる細胞種において従来のeRBEを用いることが妥当かどうかを検討した。NHDF細胞にX線または炭素線を照射しコロニーアッセイを行った。細胞生残率はLQモデルでフィットさせ、D10を求めてRBEを算出した。得られたそれぞれの値についてHSG細胞の結果と比較・解析した。その結果、NHDF細胞から得られたRBEはLET依存的に増加した。この傾向はHSG細胞の結果と一致しているが、それぞれのRBE値を比較するとNHDF細胞はHSG細胞よりも高かった。このことから、様々な組織に対する効果の評価にはそれぞれの組織毎にscaling factorを変える必要がある可能性が示唆された。
西村 昭彦; 金井 昭夫*; 吉田 稔*
no journal, ,
福島第一原子力発電所の廃止措置に関して、文部科学省より英知事業の推進が進められている。原子力機構の福島研究開発部門廃炉環境国際共同研究センターは本事業の取りまとめと連携協力を行っている。2019年に国際協力の推進として日露共研分野において、研究テーマ「微生物生態系による原子炉内物体の腐食・変質に関する評価研究」が採択され、2020年12月末まで実施される。ここでは、炉内に流入する地下水に含まれる微生物が、原子炉構造体の劣化・腐食の促進の一因となる可能性の有無を明らかとする。この研究テーマの発展として、連携重点研究として令和2年度より3年間、研究テーマ「廃止措置のリスク要因低下手法に関する研究」が採択された。ここでも、日露の国際協力の推進の一助を実施する。発表では、連携重点研究として実施する小テーマ8課題を紹介する。併せて、微生物腐食の抑制方法についての提案を行う。
西村 昭彦; 金井 昭夫*; 吉田 稔*
no journal, ,
令和3年度以降、福島第一原子力発電所の2号機格納容器内より、核燃料デブリの取り出しが開始される。この作業の進展が見通せるまで、1号機と3号機は現状のままで長期安定化措置を施す必要がある。令和元年から令和2年12月末にかけて、英知事業国際協力型廃炉研究プログラム(日露共研)が実施され、炉内に流入する地下水に含まれる微生物を特定する日露共同研究が開始された。ある種の微生物は鉄材料の腐食を促進するため、燃料デブリの風化及び格納容器や鉄筋コンクリートの強度低下が進行し、長期にわたる廃炉作業のリスク上昇要因することが予想される。本連携重点研究の意義は、異なる分野の専門家が知恵を出し合うことで、長期化する廃止措置の潜在的リスク要因を低下できる具体的な手法を提案する。
藁科 友朗*; 佐藤 朝子*; Shagimardanova, E.*; 丸山 茂徳*; 森 宙史*; 鳴海 一成*; Gusev, O.*; 斎藤 元文*; 眞田 幸尚; 佐々木 祥人; et al.
no journal, ,
原子炉内の大量の放射性物質は、福島第一原子力発電所(1F)の廃止措置を妨げている。この研究の目的は、(1)1F周囲の環境を分析して原子炉内の滞留水に存在する可能性のある微生物を調査すること、(2)微生物腐食の原因となる細菌を特定することの2つである。環境サンプルは、1Fに関連する3つの場所、敷地境界南の土壌、海岸から3km離れた表層海水、および福海底土壌から得られた。16S rRNAアンプリコンシーケンシングの結果、土壌サンプルから少なくとも17の門が確認された。最も豊富な門はアシドバクテリアとプロテオバクテリアであり、門レベルでの群集構造は、福島の低放射能の土壌からのものと類似していた。海水には、少なくとも9つの門が確認された。プロテオバクテリアとシアノバクテリアが最も豊富である。門レベルでの群構造も日立港沖の結果と類比していた。さらに、シュードモナスなどの腐食誘起細菌とディノコッカスなどの耐放射線性細菌が、土壌と海水の両方で発見された。ただし、腐食誘起細菌の相対的存在量は、全体量の1%未満である。原子炉内は還元雰囲気,嫌気性,暗所であるため、微生物群の分布も変化することが予想される。
西村 昭彦; 金井 昭夫*; 吉田 稔*
no journal, ,
令和3年度以降、福島第一原子力発電所の2号機格納容器内より、核燃料デブリの取り出しが計画されている。この作業の進展が見通せるまで、1号機と3号機は現状のままで長期安定化措置を施す必要がある。令和元年から令和2年12月末にかけて、英知事業国際協力型廃炉研究プログラムが実施され、炉内に流入する地下水由来の微生物を特定する日露共同研究が開始された。さらに東京大学による連携重点研究として、異なる分野の専門家が知恵を出し合い、長期化する廃止措置の潜在的リスク要因を低下できる具体的な手法を提案する。連携重点研究開始の令和2年度は、8つの研究テーマの内、検討開始となった2テーマについて進捗を報告する。なお、炉内を模擬する自然環境として、閉山となったウラン鉱山を用いる。