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稲垣 照美*; 金児 敏信*; 羽鳥 雅一*; 椎名 保顕
日本機械学会論文集,B, 70(699), p.279 - 286, 2004/11
赤外線サーモグラフィーは非接触で二次元の温度計測を行うことができる。そこで、通常の手法での温度計測が不可能である気液界面の伝熱現象にこれを適用し、自由表面を有するベナール対流の気液界面における伝熱計測を行った。実験はシリコンオイルを用いて行い、実験結果を数値シミュレーション結果と比較して赤外線サーモグラフィーの適応性,有効性の考察を行った。その結果、赤外線サーモグラフィーにより可視化された対流のセルパターンは数値シミュレーションにより得られたパターンとよく一致した。また、気液界面における熱伝達率とレイリー数の関係は、赤外線サーモグラフィーによる実験結果と数値シミュレーション結果の両者が比較的よく一致した。これらから、赤外線サーモグラフィーは、界面の揺動等を伴い、通常の計測が不可能である気液界面における伝熱現象の計測に有効であることが示された。
佐々 敏信; 辻本 和文; 金子 邦男*; 高野 秀機
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.2), p.1183 - 1186, 2002/08
現行の主要な断面積データライブラリである、JTNDL-3.2,JEF-2.2及びENDF/B-VIを用いたときの加速器駆動システムの核特性及び燃焼特性の相違を解析した。加速器駆動システムの未臨界度等の解析の信頼性を向上するには、現行のNp,Am,Cmなどのマイナーアクチノイドの核データの精度を把握しておくことが重要である。解析モデルには、OECD/NEAの加速器駆動核変換システムベンチマーク問題を選択し、ATRASコードシステム及びMVPコードを用いて計算を行った。群断面積データはJENDL-3.2,JEF-2.2及びENDF/B-VIから新たに作成したものを用いた。このとき、マイナーアクチノイドのデータの違いを明確化するため、冷却材及び構造材の断面積データは、全てJENDL-3.2から作成したものを使用した。解析結果から、JENDL-3.2とJEF-2.2は、実効増倍率,燃焼反応度変化ともに類似の傾向を示したが、ENDF/B-VIは他の2ライブラリとは異なる実効増倍率及び燃焼反応度変化を示した。