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山口 憲司; 部家 彰*; 志村 憲一郎; 勝俣 敏伸*; 山本 博之; 北條 喜一
Thin Solid Films, 461(1), p.17 - 21, 2004/08
被引用回数:4 パーセンタイル:25.15(Materials Science, Multidisciplinary)-FeSiは、Si基板へのエピタキシャル成長が可能で、新しい光エレクトロニクス用半導体への期待から大きな関心を集めている。その結晶構造は、合成時におけるFeとSiの原子比に大きく依存するため、本研究では、Fe,FeSi,FeSiといった種々の組成比を有するターゲット材料を用い、イオンビームスパッタ蒸着法によりSi(100)基板上への-FeSi薄膜の合成を試みた。実験結果によると、FeSiターゲットの場合、Siリッチな相である-FeSi (FeSi)が支配的であった。一方、Feターゲットの場合は、(100)面に配向した-FeSi相が873-973 Kで観測された。FeSiターゲットではSiはターゲットと基板の双方より供給されるため、必然的にSiリッチとなり相が維持できなくなると考えられた。しかし、一方で、Feターゲットの場合でも、膜厚が100nmになると多結晶質になることがわかった。これらの事実は-FeSiのエピタキシャル成長にとってFeとSiの原子比が重要であることを示していると考えられ、そこで中間的な組成を有するFeSiターゲットを採用したところ、120nm程度の高配向性の-FeSi膜を作製することができた。
山口 憲司; 原口 雅晴*; 勝俣 敏伸*; 志村 憲一郎; 山本 博之; 北條 喜一
Thin Solid Films, 461(1), p.13 - 16, 2004/08
被引用回数:10 パーセンタイル:46.89(Materials Science, Multidisciplinary)イオンビームスパッタ蒸着法により、773-973Kの温度範囲で、Si(100)基板上にFe蒸着膜厚8-30nmの-FeSi薄膜を作製した。X線回折による分析の結果、本研究の条件下では-FeSi相が支配的であることがわかった。薄膜の電気特性については、蒸着の前後で電気特性がほとんど変わらなかったことから、圧倒的に基板の電気伝導度が大きいと考えられた。最良の結晶特性を有する薄膜は、基板温度; 873K, Fe蒸着膜厚; 15nm、もしくは、温度; 973K, 膜厚; 30nmという条件下で得られた。これを換言すれば、前述の条件よりも高温もしくは低膜厚条件下では、金属相である-FeSi相が混在するようになる一方で、低温,高膜厚条件下では-FeSi相は多結晶質になった。これらの事実は、Si原子とFe原子による相互拡散、ならびに、その拡散を抑制するシリサイド層が、結晶成長に重要な影響を及ぼすことを示唆している。
志村 憲一郎; 勝俣 敏伸*; 山口 憲司; 山本 博之; 北條 喜一
Thin Solid Films, 461(1), p.22 - 27, 2004/08
被引用回数:7 パーセンタイル:41.05(Materials Science, Multidisciplinary)-FeSiは、自然界に多く存在している鉄とシリコンから構成されており、また製造段階で毒性の強い薬品を多用しないため、次世代の環境半導体として注目されている。また、その特性は、現在の光通信技術を進歩させるに十分なものとされる。しかしながら、現在その合成法は未発達な状態にある。Si基板上に-FeSiをエピタキシャル成長させるうえで、その作製法は数多くあるが、われわれはイオンビームスパッタ蒸着(IBSD)法を採用している。実用的な-FeSiのデバイス化で必要なことは、単結晶薄膜を得ることである。鉄蒸着前のSi表面の状態は、薄膜の結晶性に大きく影響を及ぼすと考えられる。本研究では、ネオンイオンによるスパッタ・エッチング及び照射後、1073K, 1時間程度の熱処理を行いFeの蒸着を行った。最適なスパッタ・エッチングの条件を模索するため、ネオンイオンエネルギーを14keV、フルエンスを0.3103010ions/mと変化させ薄膜作製を行った。作製された薄膜は、X線回折法を用いその結晶性を評価し、スパッタ・エッチング条件の変化が薄膜にいかに影響を及ぼすかを調べた。その結果、エネルギー1keV, フルエンス310ions/m程度が最適であると結論づけられた。
五十嵐 慎一*; 勝俣 敏伸*; 原口 雅晴*; 齊藤 健*; 山口 憲司; 山本 博之; 北條 喜一
Vacuum, 74(3-4), p.619 - 624, 2004/06
被引用回数:6 パーセンタイル:27.86(Materials Science, Multidisciplinary)イオンビームスパッタ蒸着法を用いて「環境に優しい」半導体であり、受発光素子などへの応用も期待される-FeSi薄膜作製を行った。従来までの著者らの検討により、イオン照射によるSi基板処理と照射後の加熱によって良好な-FeSi薄膜の得られることが明らかとなっている。本研究においては基板処理条件の最適化を目的とし、照射イオン(Ne)のエネルギーを110keVまで変化させることにより、それぞれの条件において得られた基板を用いて成膜を行った際の薄膜の結晶性及びその配向性について透過型電子顕微鏡,X線回折により検討を行った。この結果から、3keVで照射を行った場合がそれ以上のエネルギーに比べて良好な膜質となることを明らかにした。これは3keV程度の照射によって生成する基板表面の欠陥生成量とその深さが成膜のためのFe-Siの相互拡散に最も適していたためと考えることができる。
五十嵐 慎一; 勝俣 敏伸; 原口 雅晴; 斉藤 健; 山口 憲司; 山本 博之; 北條 喜一
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 28(4), p.1153 - 1156, 2003/12
われわれはイオンビームスパッタ蒸着法により、シリコン基板上に-FeSi薄膜の作製を行ってきた。薄膜の結晶構造は基板洗浄法に依存し、高配向の-FeSi薄膜の作製にはスパッタエッチングが適していることがわかってきた。われわれはスパッタエッチングの条件を変え、-FeSi薄膜の結晶構造の評価をX線回折法・反射高速電子線回折法により行い、エッチングにおける表面非晶質化が結晶構造に及ぼす影響を明らかにした。非晶質層は高配向膜の形成を妨げる。エッチング後の焼鈍による欠陥回復が、高配向-FeSi薄膜には不可欠であることを明らかにした。