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報告書

「常陽」MK-III冷却系機器の設計・製作; 主中間熱交換器

近藤 等士; 礒崎 和則; 川原 啓孝; 冨田 直樹

JNC TN9410 2003-004, 137 Pages, 2003/06

JNC-TN9410-2003-004.pdf:10.25MB

高速実験炉「常陽」では、照射能力の高度化に向けたプロジェクト(MK-III計画)を進めている。MK-III計画は、炉心の高速中性子束を高める、照射運転時間を増やす、照射技術を向上させることを目的としている。熱出力は、炉心の中性子束を高めることでMK-II炉心の100MWtから140MWtに増大する。よって、その除熱能力を高めるため、原子炉冷却系機器のうち、主中間熱交換器(50MW/基$$times$$2基)及び主冷却機(25MW/基$$times$$4基)をはじめとした冷却系機器を交換するための改造工事を2000年10月30日から2001年9月21日間実施した。改造工事においては、改造範囲を極力少なくする観点から既設設備の配置を変更しないとの条件の中で、主中間熱交換器の必要交換熱量(70MWt/基)を確保した。MK-III用主中間熱交換器の設計では、伝熱・流動特性、圧力損失、流力振動、機器区分・耐震クラスの考え方、構造の特徴を踏まえた機械的強度、遮へい機能といった種々の面からの検討を行うと共に、主要構造材料に高温でのクリープ破断及びクリープ疲労特性を向上させた316FRを採用した。これにより、旧主中間熱交換器の改善点及びMK-III条件(出入口温度差($$Delta$$T)の増大、流量の増加)に伴う以下の問題点を解決した。(1)旧主中間熱交換器(A)で生じていた熱交換量に寄与しない無効流の抑制(2)旧主中間熱交換器(B)で生じていた放射性腐食生成物(CP)の付着抑制(3)流量増加に伴うナトリウム液面低下(4)熱過渡緩和本報告書は、MK-III用主中間熱交換器の設計・製作にあたっての特徴、設計に対する考え方、各種設計データをまとめたものである。なお、(3)項については、2003年2月から3月に実施した総合機能試験(その2)において設計の妥当性を確認した。(1)項及び(4)項については、2003年8月から11月に実施される性能試験で確認すると共に、(2)項については、今後運転を継続していく中でCP測定データを蓄積することにより設計の妥当性を明らかにする。

口頭

ガラス固化溶融炉の解析シミュレーションシステムの開発,2; TVFガラス溶融炉運転時の物理的挙動

三浦 昭彦; 中島 正義; 山下 照雄; 堺 公明; 塩月 正雄; 佐藤 暁拓*; 川原 仁志*

no journal, , 

ガラス固化溶融炉の運転支援や次世代溶融炉設計の支援を目的として、溶融炉内で生じる代表的な現象である伝熱,流動,電位,不溶解性粒子の挙動及びこれに伴う溶融ガラスの粘性・比抵抗の変化を連成させるとともに、ガラス原料の供給・流下に伴う液面の上下動などの物理挙動をモデル化したシミュレーションシステムを開発し、TVFの運転データとの比較により、有効性を確認した。

口頭

ガラス固化溶融炉解析シミュレーションシステムの開発,1; シミュレーションシステムにおける解析手法

中島 正義; 三浦 昭彦; 山下 照雄; 堺 公明; 塩月 正雄; 川原 仁志*; 佐藤 暁拓*

no journal, , 

東海再処理施設で高レベル放射性廃液を固化処理しているガラス固化溶融炉の炉内状態及び運転挙動を把握するとともに、次世代炉の開発・設計を支援することを目的として解析シミュレーションシステムを開発した。本システムは電場,熱流動,粒子挙動を連成解析するもので、既存の熱流動解析ソフトをベースに電場解析機能及び粒子挙動解析機能を付加し、物性の温度等への依存性,溶融炉固有の熱バランスモデル等を取り入れてカスタマイズしたものである。本発表では、解析機能で用いた手法等について報告する。

口頭

長寿命ガラス固化溶融炉の開発,8; ガラス溶融炉シミュレーションシステムのドレンアウト運転解析への対応

中島 正義; 大枝 幹拓; 山下 照雄; 塩月 正雄; 川原 仁志*; 佐藤 暁拓*

no journal, , 

長期的なガラス固化溶融炉の状態を解析的に評価することを目的として、ドレンアウト等で液面位置が大きく変化する場合の挙動とドレンアウト後のガラス残留状態の解析評価のため、VOF法による自由表面を持つ流れの解析機能をガラス固化溶融炉シミュレーションシステムに組み込み、有効性を確認した。

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