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Wang, H.*; 大津 秀暁*; 千賀 信幸*; 川瀬 頌一郎*; 武内 聡*; 炭竃 聡之*; 小山 俊平*; 櫻井 博儀*; 渡辺 幸信*; 中山 梓介; et al.
Communications Physics (Internet), 2(1), p.78_1 - 78_6, 2019/07
被引用回数:9 パーセンタイル:55.54(Physics, Multidisciplinary)陽子(あるいは中性子)過剰核の効率的な生成経路を探索することは、原子核反応研究の主な動機のひとつである。本研究では、Pdに対する核子当たり50MeVの陽子および重陽子入射による残留核生成断面積を逆運動学法によって測定した。その結果、重陽子入射ではAgやPd同位体の生成断面積が大きくなることを実験的に示した。また、理論計算による解析から、この生成断面積の増大は重陽子の不完全融合反応に起因することを示した。これらの結果は、陽子過剰核の生成において重陽子のような弱束縛核の利用が有効であることを示すものである。
杉田 裕; 藤田 朝雄; 高橋 義昭*; 川上 進; 梅木 博之; 油井 三和; 浦上 学*; 北山 一美*
Physics and Chemistry of the Earth, 32(1-7), p.32 - 41, 2007/00
被引用回数:6 パーセンタイル:20.12(Geosciences, Multidisciplinary)本論文はPhysics and Chemistry of the Earth Tours 2005 Meeting特集号に投稿する論文である。日本の処分事業を進めるうえでのアプローチについて紹介するとともに、処分場概念の設計へ反映する材料の要件の検討の一例として、処分場の閉鎖にかかわる材料と人工バリア材料との関連について水理解析の結果を示している。処分事業を進めるうえでのアプローチとしては、公募方式の採用に基づき、処分場が決まっていない前提条件でどのように処分場の性能を確保するか、その確からしさが段階を追って精度を増すという考え方を示したものである。
三井 裕之*; 谷口 直樹; 大槻 彰良*; 川上 進; 朝野 英一*; 油井 三和
JAEA-Research 2006-031, 88 Pages, 2006/06
炭素鋼オーバーパック溶接部の長期健全性評価に資するため、溶接部において想定される腐食現象を想定して腐食試験計画を策定した。また、この計画に基づいて腐食試験を開始し、炭素鋼溶接部の電気化学特性について母材との比較を行った。EBW溶接材,TIG溶接材について、母材部,熱影響部及び溶接金属部のアノード分極曲線の測定を炭酸塩(0.1M及び0.01M CO)溶液中で行ったところ、以下の結果を得た。EBW材については、母材,熱影響部及び溶接金属で金属組織が異なるが、アノード分極曲線に顕著な違いは現れなかった。TIG材については、溶接金属の電流値が全般的に高くなった。0.01M CO
-pH10の溶液中では、急激な電流値の立ち上がりを伴う、局部腐食的な変化も認められた。
青柳 茂男; 油井 三和; 棚井 憲治; 川上 進; 藤田 朝雄; 谷口 直樹; 柴田 雅博; 小西 一寛; 西村 繭果; 菊池 広人*; et al.
JAEA-Review 2006-014, 61 Pages, 2006/03
日本原子力研究開発機構(以下、「原子力機構」という)では、北海道の天塩郡幌延町にて、堆積岩を対象とした幌延深地層研究計画を進めている。幌延深地層研究計画は、平成17年度より、地下研究施設の建設に伴い、地上からの調査段階(第1段階)から坑道掘削時の調査研究段階(第2段階)へと移行していく。一方、原子力機構では、これまで工学技術の基盤技術開発として、「わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性; 地層処分研究開発第2次取りまとめ」で示した一連の工学技術をベースとしつつ、幌延地区の地上からの調査段階で得られた地質環境条件を対象として工学技術の具体的な地質環境への適用性検討を行ってきた。今後は、工学技術の基盤技術開発として、幌延深地層研究計画の進捗に併せて、第2段階を通じた工学技術の具体的な地質環境への適用性検討を進め、それらの成果を体系的に整理し提示していく必要があると考える。よって、本報告書では、現時点の幌延の地下施設の建設工程及び「幌延深地層研究計画; 地下施設を利用した第2,第3段階における調査試験計画案」に基づき、幌延深地層研究計画の第2段階のうち、平成17年度から平成21年度までの5年間に焦点をあてた工学技術の適用性検討に関する研究計画を、個別研究課題ごとに整理し立案した。なお、本計画は、今後、幌延の地下施設の施工状況や最新の動向を踏まえ随時変更する可能性があるとともに、今後より詳細化していく必要がある。
川上 進; 藤田 朝雄; 油井 三和
JAEA-Research 2006-015, 25 Pages, 2006/03
国が策定する緩衝材にかかわる安全基準、指針等に資するため、埋め戻し材、プラグ、坑道及び処分孔等の性能保証項目に対し、現状の評価方法を確認し、ツールの整備状況として一覧表形式でまとめた。また、一覧表に記載した評価ツール内容の具体例を示した。示している内容は、埋め戻し材、緩衝材の基本特性(膨潤特性、力学特性、透水特性)、埋め戻し材の変形・変質の長期挙動に関する現象(流出、岩盤への侵入)、コンクリート材料によるアルカリ影響(緩衝材、岩盤の変質・劣化、オーバーパックの腐食挙動)、岩盤の力学的変形挙動であり、それぞれの項目で確認する具体的内容、評価方法(実験による確認により評価がなされるもの、実験式及びデータベースから推定されるもの、モデル計算より導出するもの)の種類、研究の概要及びその最新の結果を示した。
川上 進; 藤田 朝雄; 杉田 裕
放射性廃棄物安全研究年次計画(平成13年度平成17年度)研究成果報告集, p.216 - 223, 2006/03
施工にかかわる性能保証研究として、処分場の構成要素ごとに対する性能保証項目(案)の抽出・整理,課題,評価方法,評価ツールの整理を行った。また、人工バリア性能への隙間影響の確認及びデータの取得を行い、施工時の隙間の人工バリアへの影響が無いことを確認した。さらに、処分場の閉鎖に関して、施工されたプラグの閉鎖性能に関する検証データを取得し、低透水性を確認するとともに、解析によって、閉鎖性能を評価するモデルを開発するとともに、海水系地下水条件での埋め戻し材の隙間充填性能に着目した基礎試験によるデータ取得,閉鎖システムを対象とした水理解析やFaultツリー分析による閉鎖シナリオの検討を行った。処分場における管理/モニタリングとして、人工バリア性能にかかわるモニタリングに着目して基本的な考え方及び測定技術などに関する情報を整理するとともに、人工バリア性能確認に関するモニタリングの考え方,計測項目,計測技術に関する情報を整理した。
藤田 朝雄; 藤崎 淳; 鈴木 英明*; 川上 進; 油井 三和; 千々松 正和*; 根山 敦史*; 石原 義尚*; 菱谷 智幸*
Proceedings of 2nd International Conference on Coupled T-H-M-C Processes in Geo-systems; Fundamentals, Modeling, Experiments and Applications (GeoProc 2006), p.416 - 421, 2006/00
ニアフィールドの長期挙動を予測評価するために、熱-水-応力-化学連成現象にかかわる数値実験を行ってきている。本論では、これまでに開発してきた熱-水-応力-化学連成モデルに新たに脱ガス,ガス拡散,濃縮・希釈現象,イオン交換,表面反応,速度論を考慮したモデルについて論ずるとともに、事例解析結果について示す。
青柳 茂男; 棚井 憲治; 松井 裕哉; 川上 進; 油井 三和
Proceedings of International Conference on Nuclear Energy System for Future Generation and Global Sustainability (GLOBAL 2005) (CD-ROM), 6 Pages, 2005/10
幌延URLプロジェクトの地上からの調査段階を対象として、第2次取りまとめにおける手法に基づいて実施した処分場設計について、人工バリアの設計、岩盤の力学安定性評価を中心に報告する。その目的は、(1)堆積岩における地上からの調査の結果に基づいた人工バリア設計や処分施設の全体的な設計手順や方法論の構築、(2)地上からの調査に基づく研究を通して幌延深地層研究所の建設段階において解決されるべき課題の抽出、の2点である。検討結果として、各分野の相互関連を考慮し改訂した処分場の設計フローを示した。さらに、幌延の地質環境における緩衝材とオーバーパックの仕様は、第2次取りまとめにおける仕様が適用できるということ、幌延の深度450mにおける処分孔周辺岩盤は第2次取りまとめより長期的に安定であろうということが知見として得られた。
杉田 裕*; 藤田 朝雄; 高橋 美昭*; 川上 進; 梅木 博之; 油井 三和; 浦上 学*
JNC TN8400 2005-016, 49 Pages, 2005/09
高レベル放射性廃棄物の地層処分における安全評価においては、処分場の閉鎖性能を考慮する必要がある。原子力発電環境整備機構と核燃料サイクル開発機構は、地層処分システムに求められる閉鎖性能の考え方を示し、そこで示される坑道の埋め戻し材や粘土プラグ等の閉鎖要素の設計要件に対する今後の技術開発等の方向性を導出するため、それらの閉鎖要素の性能を検討している。検討の第一段階として、国内外の閉鎖技術に関する現状、関連する処分場の構成要素及び処分場環境を整理し、これらの整理結果を受けて処分パネルにおける処分坑道と主要坑道の交差部及び人工バリア周辺に存在する処分場構成要素を考慮し坑道交差部に焦点を当てた水理解析を行った。地下施設では全ての坑道が連結しており、この交差部における地下施設閉鎖後の水理挙動の把握は、人工バリアからの放射性核種の移行挙動を解釈し、地層処分システムに求められる閉鎖性能を理解する上で重要なポイントとなる。 解析モデルでは、処分坑道と主要坑道の交差部、廃棄体、人工バリア、坑道の埋め戻し材、粘土プラグとコンクリートプラグ、坑道の掘削影響領域、支保工、母岩を考慮する構成要素とした。支保工と処分坑道端部に設置するコンクリートプラグのコンクリート材料の経年劣化については、透水係数をパラメータとして考慮した。粘土プラグを設置する位置は、処分坑道の端部もしくは主要坑道とし、粘土プラグを設置する場合としない場合を解析ケースとし、粘土プラグの閉鎖要素としての効果を比較検討した。
松井 裕哉; 棚井 憲治; 川上 進; 佐藤 稔紀; 油井 三和
JNC TN5400 2005-004, 250 Pages, 2005/09
None
谷口 直樹; 建石 剛*; 福留 和幸*; 西村 務*; 川上 進
JNC TN8400 2005-014, 36 Pages, 2005/07
低酸素濃度環境で代表的な腐食生成物であるマグネタイトを炭素鋼に接触させると,炭素鋼の腐食が加速されるという報告がある。オーバーパックの長期腐食挙動を評価するうえで,マグネタイト共存下での腐食機構を明らかにすることが重要である。マグネタイト共存下において,鉄の溶解反応であるアノード反応とカップルするカソード反応としてマグネタイト中の3価鉄の還元反応と水素発生反応の2種類が挙げられる。前者が支配的であればFe(III)の消費によってやがて腐食の加速は停止するが,後者が支配的であれば腐食加速現象は持続する可能性がある。本研究ではマグネタイトによる腐食機構解明に資することを目的としてマグネタイトまたは模擬腐食生成物共存下での炭素鋼の浸漬試験を行い,腐食速度と水素発生挙動を調査した。まず,模擬腐食生成物中のFe(III)/Fe(II)比を変えて溶封アンプル中で浸漬試験を行った。その結果,Fe(III)/Fe(II)比が大きいほど腐食速度は大きくなり,Fe(III)/Fe(II)比がマグネタイトの化学量論比(=2)以上の場合に急激に腐食速度は大きくなった。水素発生速度は模擬腐食生成物が共存しない場合に比較して数倍加速されたが,Fe(III)/Fe(II)比が増えても水素発生速度は変化しなかった。この結果より,顕著な腐食の加速は過剰のFe(III)を含むマグネタイトの共存で起こり,そのカソード反応はFe(III)の還元が主であることがわかった。また,過剰のFe(III)を含まない場合でも数倍程度の腐食加速は起こり,そのとき水素発生反応が支配的となることが示唆された。 次に,過剰のFe(III)を含まないマグネタイトを用いて炭素鋼の腐食に伴う水素発生速度の経時変化を測定した。その結果,マグネタイトの共存によって浸漬初期には数倍10倍近く水素発生反応が増加した。しかし,約130日後には水素発生反応の加速は認められなくなった。 以上の試験結果から,マグネタイトによる炭素鋼の腐食加速のオーバーパック長期健全性への影響は小さいと考えられる。
小高 進; 加藤 章一; 吉田 英一; 川上 朋広*; 鈴木 高一*; 川島 成一*; 石上 勝夫*
JNC TN9450 2005-001, 196 Pages, 2005/03
新技術開発試験グループでは、FBRの構造材料に用いられている316FR鋼について長期にわたり材料試験を実施してきた。本報告は試験データの拡充が図れたために取りまとめたものである。4万時間を超える長時間試験やナトリウム環境下での試験など多くの貴重な試験データを有するものであり、今後のFBR材料研究に役立つものである。報告内容は以下の通りである。(1)材料: 316FR鋼、素材(14ヒート)、溶接同材継手(18ヒート)溶接異材継手(2ヒート)、(2)試験雰囲気: 大気中、ナトリウム中、(3)試験温度: 室温800
C、(4)試験方法: JIS及び「FBR金属材料試験実施要領書(改訂版)*4」に準拠した。(5)データ点数: 引張試験 234点、クリープ試験 408点、疲労試験 201点、クリープ疲労試験 47点、 リラクセーション試験 6点、合計 896点。なお、本データ集は「FBR構造材料データ処理システム(SMAT)」の帳票を出力したものである。
鈴木 宏幸*; 谷口 直樹; 川上 進
JNC TN8400 2005-003, 76 Pages, 2005/03
チタンは非常に耐食性に優れているため、オーバーパック候補材料のひとつとされている。処分後初期のオーバーパック周辺の環境は酸化性となっているが、やがて還元性環境になると考えられている。還元性環境では水の反応をカソード反応とする水素発生型の腐食が支配的となり、発生した水素をチタンが吸収することによって脆化する恐れがある。チタンをオーバーパック材料として用いる場合に評価する事項は、隙間腐食と水素脆化であるが、地層処分で想定される中性から弱アルカリ性の還元性環境におけるチタンの耐食性や水素吸収挙動についてはほとんど知られていない。そこで、チタンの腐食速度及び水素吸収挙動についてより信頼性の高いデータを取得する必要があるため、長期浸漬試験および完全密封容器試験を行い、前回までの報告と比較・検討を行なった。試験の結果、3年間の浸漬試験から求められた腐食速度は、溶液中で1010
m/yオーダー、ベントナイト中で10
10
m/yオーダーであり、前回報告した2年間の浸漬試験と変化はみられなかった。完全密封容器試験より、腐食に伴って発生したほとんどの水素はチタン中に吸収されていることがわかった。また、完全密封容器試験の各パラメーターを変化させた結果より、HCO
濃度1MとpH13の条件において他の条件に比べて水素吸収量が2
3倍になることがわかった。
谷口 直樹; 川上 進; 神徳 敬; 油井 三和
JNC TN8400 2005-002, 29 Pages, 2005/03
国が策定するオーバーパックに関わる安全基準,指針等に資するため,これまでのオーバーパック腐食研究成果を基に,オーバーパック性能保証に関する評価ツールの検討を行った。ここでは,処分環境で考慮すべき腐食現象を挙げ,それぞれの現象に対する評価手法と評価例を現状の知見から整理した。処分環境において考慮すべき現象として,不動態化,全面腐食,局部腐食(孔食,すきま腐食,応力腐食割れ),水素脆化を挙げ,各現象の生起・進展挙動に関する実験的な評価方法を提示した。また,第2次取りまとめなどの研究成果を基に評価事例を示した。
川崎 学*; 谷口 直樹; 川上 進
JNC TN8400 2004-028, 37 Pages, 2005/03
軟岩系岩盤の地層処分では、空洞の力学安定性を確保するために支保工としてセメント系材料の使用が考えられており、支保工と接触した地下水は想定していた地下水のpH範囲よりも高いpHとなることが想定される。そこでオーバーパックの候補材料の一つである銅にセメント系材料が与える影響を調査することを目的として、普通ポルトランドセメント(OPC)および低アルカリ性セメント(HFSC)と接触させた人工海水を用いて、アノード分極測定と還元環境下における浸漬試験実施した。溶液系でのアノード分極試験では、人工海水と人工海水+HFSCの分極曲線は活性溶解型を示し、人工海水+OPCの分極曲線は活性溶解/不動態遷移型の分極曲線となった。ベントナイト中での分極曲線は、各溶液条件とも活性溶解型を示した。これらの結果はすでに報告されている結果と同じであった。浸漬試験では各条件とも腐食速度は試験期間とともに小さくなった。平均腐食深さは0.1mのオーダーとなり、90日と1年で腐食深さにあまり大きな進展は確認されなかった。人工海水単独系とセメント材料を接触した溶液の結果に差が見られないことから、人工海水系ではセメント材料の純銅に与える影響は小さいことが確認された。
川崎 学*; 谷口 直樹; 川上 進
JNC TN8400 2004-027, 94 Pages, 2005/03
オーバーパック候補材料である銅の還元環境における硫化物の影響を把握することを目的とし、人工海水(SSW)中およびベントナイト中での硫化物濃度をパラメータとした浸漬試験を80Cの低酸素濃度雰囲気制御下で実施した。その結果、溶液単独系およびベントナイト共存系とも硫化物の添加量が多いほど腐食速度が大きな値を示した。また、腐食速度は経時的に低下する傾向があった。試験条件を想定してHS-のベントナイト中の拡散を考慮した計算を実施し、今回の得られた試験結果と比較したところ計算値から求めた腐食深さに比べ試験結果の腐食深さは各条件とも小さな値を示した。また、実際の緩衝材厚さを想定してベントナイト中の拡散に基づいて長期的な腐食量の推定を行った。その結果、1000年間での腐食量は硫化物濃度が0.001Mで0.06mm、硫化物濃度が0.005Mでは0.32mm、硫化物濃度が0.1Mでは6.33mmとなった。表面腐食生成物の観察・分析結果より、溶液単独系ではいづれも皮膜が形成されており比較的密着性がよく、保護性を有すると推定される。一方、ベントナイト中の低濃度条件では薄い皮膜であり、高濃度条件では密着性のほとんどない皮膜が観察され、いずれも保護性に乏しいと考えられる。X線回折による腐食生成物の同定では、人工海水単独系では各試験期間でCu
O(cuprite)が検出された。硫化物を添加した条件ではCu2S(chalcocite)が検出された。
小田 好博; 鈴木 英明*; 川上 進; 油井 三和
JNC TN8400 2004-024, 55 Pages, 2005/02
高レベル放射性廃棄物地層処分システムにおける人工バリア設計評価や性能評価の信頼性向上のためのニアフィールド環境条件のリアリティ向上に向けて,熱的,水理学的,力学的,化学的なプロセスが相互に影響を及ぼし合うニアフィールド連成挙動の数値解析に関する研究が進められている。その一環として,人工バリアおよびその周辺岩盤における熱-水-応力-化学の連成現象を定量的に把握することを目的に,熱-水-応力連成試験設備(COUPLE)を用いて連成試験を実施した。試験は,モルタルで製作した模擬岩体中に緩衝材を設置し,廃棄体を模擬したヒーターを100Cに,模擬岩体周囲を70
Cに加熱した。緩衝材中に浸潤する水は,モルタルと反応した高pHの溶液である。本報は,連成試験で得られた結果のうち,第1報以降に得られた緩衝材の化学的特性の変化を調べるために組成分析結果を,また2次鉱物の生成状況等を調べるためにX線回折,SEM観察/EDS分析を行った。これらの分析の結果,今回の熱-水-応力-化学連成試験終了後の緩衝材において,大きな化学的変質が生じていないことが分かった。
朝野 英一*; 谷口 直樹; 川上 進; 油井 三和
JNC TY8400 2004-008, 30 Pages, 2004/04
オーバーパック溶接部の品質を確保し、オーバーパックの長期信頼性を向上させるうえで溶接部耐食性の確認が必要である。本研究では原環センター(RWMC)とサイクル機構(JNC)により、溶接部耐食性評価手法について検討を行った。RWMCではオーバーパックの溶接技術と検査技術の開発を行っており、オーバーパックに適用可能な溶接技術についての情報を提供した。TIG溶接および電子ビーム溶接(EBW)がオーバーパックに適用可能な溶接方法として見通しが得られており、適切な溶接条件を確認するための試験の現状が示された。JNCではオーバーパックの腐食挙動と腐食寿命に関する研究が行われており、処分環境における溶接材の腐食挙動に関する現状の情報が提供された。JNCにおける浸漬試験の結果、代表的な処分環境条件である還元性雰囲気において、EBWにより溶接された炭素鋼は母材と同等の腐食速度となったことが示された。RWMCとJNCからの情報に基づいて溶接部耐食性に関する研究課題を抽出するとともに腐食試験概念を検討した。
栗原 雄二; 油井 三和; 棚井 憲治; 川上 進; 杉田 裕; 谷口 直樹; 平井 卓
JNC TN8400 2004-006, 59 Pages, 2004/04
第2次取りまとめに示された人工バリア設計技術を幌延の地質環境へ適用するため以下の検討を行った。1)処分場全体の設計手順の構築、2)人工バリア設計に必要な地質環境項目の抽出、3)地質環境項目を得るための地質調査・試験項目の整理、4)幌延の地質環境を条件とした空洞安定性評価
栗原 雄二; 油井 三和; 棚井 憲治; 川上 進; 杉田 裕; 谷口 直樹; 平井 卓
JNC TN8400 2004-002, 58 Pages, 2004/04
処分技術に関する現状の課題を抽出し,その課題を解決するための研究として,幌延における原位置試験が有効であると考えられる項目を抽出し,それぞれについてその概念を構築した。設定した原位置試験項目は、人工バリア試験(連成試験)、緩衝材/岩盤クリープ試験、ガス移行挙動試験、オーバーパック腐食試験、セメント影響試験、低アルカリ性コンクリート施工性確認試験、定置精度確認試験、坑道閉鎖試験である。