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二宮 博正; 秋場 真人; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 藤原 正巳*; 濱松 清隆; 林 伸彦; 細金 延幸; 池田 佳隆; 井上 信幸; et al.
Journal of the Korean Physical Society, 49, p.S428 - S432, 2006/12
現在検討が進められているJT-60のコイルを超伝導コイルに置き換える計画(トカマク国内重点化装置計画)の概要について述べる。本計画はITER及び原型炉への貢献を目指しているが、その位置づけ,目的,物理設計及び装置設計の概要,今後の計画等について示す。物理設計については、特に高い規格化ベータ値を実現するためのアスペクト比,形状因子及び臨界条件クラスのプラズマや完全非誘導電流駆動のパラメータ領域等について、装置については物理設計と整合した設計の概要について示す。
菊池 満; 玉井 広史; 松川 誠; 藤田 隆明; 高瀬 雄一*; 櫻井 真治; 木津 要; 土屋 勝彦; 栗田 源一; 森岡 篤彦; et al.
Nuclear Fusion, 46(3), p.S29 - S38, 2006/03
被引用回数:13 パーセンタイル:41.76(Physics, Fluids & Plasmas)トカマク国内重点化装置(NCT)計画は、大学における成果を取り込みつつJT-60Uに引き続き先進トカマクを進めるための国内計画である。NCTのミッションは発電実証プラントに向けて高ベータ定常運転を実現するとともに、ITERへの貢献を図ることである。高ベータ定常運転を実現するために、装置のアスペクト比,形状制御性,抵抗性壁モードの帰還制御性,電流分布と圧力分布の制御性の機動性と自由度を追求した。
土屋 勝彦; 秋場 真人; 疇地 宏*; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 藤原 正巳*; 濱松 清隆; 橋爪 秀利*; 林 伸彦; 堀池 寛*; et al.
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1599 - 1605, 2006/02
被引用回数:1 パーセンタイル:9.98(Nuclear Science & Technology)JT-60定常高ベータ装置(トカマク国内重点化装置)は、経済的な核融合炉の実現を目指した定常高ベータプラズマ運転の実証が重要なミッションの一つである。現在、プラズマ形状及びアスペクト比について広いパラメータ領域で研究を行えるように、装置の物理的・技術的設計検討を進めている。本装置の目標とする高ベータプラズマは、自由境界MHD安定性限界を超えた領域にあるため、電子サイクロトロン加熱による新古典テアリングモードの抑制に加えて、安定化板及び容器内コイルを用いた壁不安定性モードの抑制など、さまざまなMHD不安定性の制御手法を駆使する必要がある。それらを踏まえて、今回は、高ベータと臨界条件クラスのプラズマを同時に達成できるプラズマパラメータの解析評価、及び自由境界MHD安定性限界を超えた高ベータプラズマの非誘導電流駆動制御シナリオの検討結果について報告する。また、広いパラメータ領域で定常高ベータプラズマ運転を実現させるための装置設計の現状に関して、超伝導コイル及び放射線遮へい材を中心に報告する。
玉井 広史; 秋場 真人; 疇地 宏*; 藤田 隆明; 濱松 清隆; 橋爪 秀利*; 林 伸彦; 堀池 寛*; 細金 延幸; 市村 真*; et al.
Nuclear Fusion, 45(12), p.1676 - 1683, 2005/12
被引用回数:15 パーセンタイル:45.53(Physics, Fluids & Plasmas)トカマク国内重点化装置の設計研究をまとめた。装置の設計は、プラズマのアスペクト比と形状制御性に関して自由度を広く確保できることが求められている。これは、ITERと平行して研究を進めるとともに、定常高ベータプラズマ運転についての科学的なデータベースをDEMOへ提供する観点から重要である。この目標に合致するように、プラズマのアスペクト比と形状の自由度の確保について、これまで比較的困難であったダイバータ排気性能との両立が図られるように装置設計を行った。この装置設計に基づいて、閉じ込め,安定性,電流駆動,ダイバータプラズマ等の物理性能を評価し、主目的である定常高ベータプラズマを実現するための制御方法を検討した。
前川 洋; 向山 武彦; 山根 剛; 宮崎 芳徳*; 平川 直弘*; 鈴木 篤之*; 竹田 練三*; 早川 均*; 川島 正俊*; 那須 速雄*; et al.
日本原子力学会誌, 40(12), p.963 - 965, 1998/12
国際科学技術センター(ISTC)の科学諮問委員会(SAC)が企画した第1回のセミナーが、ロシア連邦最大の秘密都市サロフで1998年6月22~25日、開催された。本セミナーの目的はトピックスに対する現状の総括、ISTCプロジェクトの成果、今後の課題等を議論し、有益で効果的なプロジェクトを提案実施するための指針をCISの科学者に与えることにある。ロシア外から39人の計102人の参加があり、日本から14人が参加した。セミナーは、セッションごとにトピックスに関する基調講演、4~7件の口頭発表に引き続き、1~2人によるコメントの発表と討論を行う形で進められた。
山岡 光明*; 川島 正俊*; 山口 隆司; 高下 浩文
Journal of Nuclear Science and Technology, 34(10), p.983 - 991, 1997/10
高速炉の燃焼度や線出力等の炉心性能向上に対応して、燃料集合体内の出力分布や燃焼履歴の評価精度を向上させることは、適切な設計余裕のもとで燃料の健全性を確保するために重要である。本研究では、拡散方程式の解析解に境界条件を与えて集合体内の燃料ピン毎の出力分布や燃焼履歴を詳細に評価する方法について検討を行った。高速炉炉心へ適用した結果、燃料ピン毎の出力分布が得られる詳細メッシュ有限差分全炉心計算の結果と比較しいて、本手法による結果は良い精度を示した。この結果をもとに、燃料ピン毎の燃焼計算を行った結果、末期のピーキング係数や燃焼度に高意な影響があり、燃料ピン毎に燃焼計算することが重要であることがわかった。特にピーキング係数が大きくなる実証炉等の大型バンドルに有効であると考えられる。また、本手法により燃焼予測結果を照射後試験結果と比較することにより、燃焼特性予測精度の向上に役立てることができる。
森木 保幸*; 川島 正俊*
PNC TJ9164 97-008, 245 Pages, 1997/03
「常陽」MK-III炉心における炉心管理法及び照射条件予測の精度向上に資するために、平成7年度に引き続き、運転監視コードシステムの高度化を図った。本年度は、随伴中性子束、ガンマ発熱を含めた集合体出力及び燃焼の各計算モジュールを作成し、各モジュールの確認計算を行った。また、各モジュールの入出力変数の整理を行った。MK-III標準平衡炉心の全炉心体系について中性子18群、ガンマ線7群、集合体当たり24メッシュの確認計算を行い、実効増倍率、制御棒反応度価値、出力分布及び燃焼による原子数密度変化などの計算結果を設計計算値と比較することにより、結果の妥当性を確認した。今後は、更にシステム高度化のために、定数作成モジュール、動特性パラメータ計算モジュール、熱特性計算モジュール及びシステムフロー制御とI/O部分を作成していく必要がある。
山岡 光明*; 川島 正俊*
PNC TJ9164 97-001, 185 Pages, 1997/03
実証炉の基本設計から許認可まで一貫して使用できる統合炉定数の作成のために、従来の積分データとしては使用できなかった小型高速炉「常陽」の測定値および解析値を整備した。本検討では、臨界実験データを補完する実機データとして、「常陽」性能試験・運転特性データの解析を評価済核データJENDL-3.2 から作成された高速炉用定数セットを使用して解析し、炉定数調整用積分データとして提示した。これは、実験炉「常陽」MK-1炉心およびMK-2炉心の積分特性を統一した視点から評価したはじめての解析である。今年度は、臨界性、Naボイド反応度、燃料置換反応度、燃焼係数を対象とし、解析・測定値について、誤差評価と相関係数の設定を行った。今後は、臨界実験解析の結果等との比較、炉定数調整への寄与などを更に調べ、炉定数調整への利用データの追加などを行い、大型から小型炉までの予測精度を整合させていく必要がある。
横山 次男*; 川島 正俊*; 川合 将義*; 山岡 光明*; 藤田 玲子*
PNC TJ9164 96-008, 189 Pages, 1996/12
高速炉では、MAのリサイクルに伴ってナトリウムボイド反応度及び冷却材温度反応度が大きくなり、また、ドップラー係数も小さくなる傾向がある。安全上これらの反応度を改善することが重要である。本解析作業では、ナトリウムボイド時に増加する高エネルギー中性子に対して、大きな中性子吸収反応を生じる核種を混在させた炉心を解析することにより、炉心性能を大きく低下せずにナトリウムボイド反応度を低減できる核種についてそのボイド低減効果を調べた。また、ドップラー係数の改善方法として高次Puの利用及び共鳴物質の利用が考えられ、パラメータサーベイによりその効果を調べた。閾値反応を利用したナトリウムボイド反応度低減炉心の解析では、中性子スペクトル変化の影響調査として炉心部へのMA装荷の有無及び炉心サイズをパラメータとして炉心部中性子スペクトルを解析し、ボイド反応度上重要なエネルギー領域を同定した。次にボイド反応度低減のための候補核種として、上記の重要なエネルギー領域以上で閾値反応による中性子吸収断面積の増大する核種を調査した。更に上記スペクトル場において、ボイド反応度低減効果を吸収核種装荷量と種類をパラメータとして解析した。その結果、候補として摘出された酸素17を用いた大型酸化物燃料炉心のボイド反応度は天然酸素による炉心のボイド反応度の約1/2以下となることが分かった。ドップラー反応度改善炉心の解析では、PuN燃料をベースとして、高次Pu及び共鳴吸収物質を装荷した場合のドップラー係数改善効果について解析した。また、不活性母材候補材料について、その適合性、炉心特性解析に必要な物性値を調査し、それらの材料を用いた燃料材の物性値等について予備調査を行なった。その結果、構造材核種を金属形態で装荷する事でドップラー係数等の特性を改善できることが分かった。
山岡 光明*; 川島 正俊*
PNC TJ9164 96-007, 106 Pages, 1996/12
使用済燃料中に含まれる核分裂生成物(FP)には、TRU核種と同様にきわめて長半減期のものが存在している。中性子束の高い高速炉では、これらFPを消滅できるポテンシャルがある。FPの断面積は低エネルギーで増大する傾向があるので、消滅効率を上げるために、FPを含むピンの他に水素化ジルコニウム(ZrH1.7)等の中性子減速材ピンを装荷したターゲット集合体による消滅が考えられる。平成6年度は、Tc-99等のFPおよび減速材を装荷したFP消滅ターゲット集合体を炉心内部領域に配置することを前提とした検討を行った。その結果、減速材により消滅率は増大するものの、炉心燃料の出力スパイクが増大することがわかった。これを避けるには炉心周囲でのFP装荷が示唆された。本年度は、Tc-99と減速材を装荷したターゲット集合体を炉心周囲に配置することを前提として、高速炉において効率的に消滅を行うための解析を行った。解析は主として、非均質性の強いターゲット集合体におけるTc-99の共鳴吸収効果を厳密に扱うために有効と考えられる連続エネルギーモンテカルロコードを用いて実施した。
川合 将義*; 川島 正俊*
PNC TJ9164 96-024, 137 Pages, 1996/03
日本原子力研究所シグマ委員会より日本の評価済み核データJENDL-3.2ライブラリーが公開され、高速炉の分野でも様々な形での使用が開始されている。一方、燃料サイクルの特性解析には、従来から汎用の燃料燃焼チェーン計算コードORIGENが広く使用されている。このORIGENに内蔵されている1群形式のオリジナル断面積は、米国の評価済み核データライブラリーをオークリッジ国立研究所が独自に処理したものである。我国で炉心解析で使用されている核データとは整合がとれていないことになる。本作業は、このような状況に鑑み、JENDL-3.2ライブラリーに格納されている340核種すべてを対象にORIGENコードで使用する1群実効断面積セットを高速炉用に作成した。高速炉スペクトルとして、1600MWeクラス高速炉のウラン・プルトニウム混合酸化物均質炉心体系(平衡サイクル中期)の炉心・ブランケット領域平均スペクトルをもとめ、1群化に使用した。これによりアクチニド燃焼研究などにおける核種生成・消滅量の評価が炉心解析と整合して行うことが可能となる。
森本 保幸*; 川島 正俊*
PNC TJ9164 96-017, 142 Pages, 1996/03
「常陽」を利用した安全特性試験の検討には,出力反応度係数等のフィードバック反応度が精確に予測できることが重要である。そこで,燃料照射履歴に着目し,反応度の成分分離を考慮した解析を行った。主な結果は次のとおりである。MK-III炉心では,最大線出力の増大及び炉心の2領域化により,その温度挙動変化が出力反応度係数に与える影響はMK-II炉心より大きくなる。従って,MK-III炉心の出力反応度係数を予測する上で詳細な燃料温度評価が必要となる。MK-III炉心の温度反応度係数と出力反応度係数の基本的な成分割合等は,MK-II炉心とほぼ同じであった。従って,本解析手法を用い,これまで蓄積したMK-II炉心の知見を活用することにより,MK-III炉心の反応度挙動を適切に評価できる見通しが得られた。
川島 正俊*; 森本 保幸*
PNC TJ9164 96-012, 153 Pages, 1996/03
「常陽」MK-III炉心における炉心管理手法の高度化および照射条件予測精度の向上に資するために運転監視コードシステムの高度化に関するシステム全体のグランドデザインおよび中性子束分布計算モジュールの作成を行った。システムのグランドデザインでは,新システムの機能は原子炉運転前の予測計算と原子炉運転後の記録計算の二機能とすることおよび必要なシステム構成の概要を決定した。MK-IIIは炉心現行炉心から出力増大・二領域化等の変更があるので,予測計算では従来よりも事前安全確認用の出力分布の評価機能を拡充する計画である。中性子束計算モジュールは照射場の核計算精度向上のために採用する燃料集合体あたり径方向に24メッシュとする分割詳細化とエネルギー群数の18群化を実現するために,有限差分3次元Tri-Z(24メッシュ/SA)拡散手法を用いて作成した。MK-III炉心の全炉心体系で集合体あたり24メッシュ・軸方向ノード数22・エネルギー群数18とするサンプル計算を行い,結果の妥当性を確認した。今後は,予想計算における安全性確認計算結果の評価方法の確立と,作成した中性子計算モジュールの計算結果を利用して具体化を図ることが必要である。更にシステム高度化のためにシステム作成に向けてシステムフロー制御,定数の作成,核種特性計算モジュールとIO部分を作成していく必要がある。
川島 正俊*; 森本 保幸*
PNC TJ9164 96-003, 149 Pages, 1995/03
「常陽」運転監視コード"MAGI"の高度化は、MK-III炉心への炉心変更に併せて、従来の運転監視機能にとどまらず、照射場全体の核熱特性の予測計算精度向上を図ることを目的としている。このような大幅な機能拡大のためには、ローカルな照射場における核熱特性計算手法を増強する適切な手法を新たに採用する必要がある。検討の結果、中性子・ガンマ線束のエネルギー群数は18群、7群とし、炉心全体の出力分布・燃焼度分布は従来の集合体内1メッシュから大幅に詳細化する集合体24メッシュ分割拡散計算により求めることとした。この詳細メッシュモデルの採用と併せて、集合体の組成領域を複数考慮することを集合体タイプ別に設定することを提案した。
森本 保幸*; 川島 正俊*
PNC TJ9164 96-002, 207 Pages, 1995/03
「常陽」を利用する高速炉の固有の安全特性の確認試験が検討されている。このような試験のためには、出力係数などのフィードバックが正確に予測できることが重要である。本検討では、MK-II炉心初期サイクルと第27サイクルで測定されている出力係数を解析した。特に、支配要因を明確にするために燃料温度履歴を考慮する評価モデルを提案し検討した。主要な結論として、出力係数の解析評価では、燃料集合体の照射履歴を考慮した燃料温度評価および燃料軸方向膨張モデルが重要であること、および出力係数の炉出力依存性は、燃料軸方向膨張モデルとして燃料中心温度反映モデルで評価することで、測定値間に観測されている燃料に伴う出力係数の変動傾向はほぼ再現できることがわかった。このことから、今回適用したモデルをベースに、解析結果を"適切に"調節するモデルを取り入れる方式を今後の研究のなかで確立していくことが重要なことが分かった。
山岡 光明*; 飯田 正明*; 川島 正俊*; 藤田 玲子*
PNC TJ9164 95-009, 231 Pages, 1995/03
高速炉によるプルトニウム燃焼特性を向上させるためには、プルトニウム燃料の母材としてウラン以外の物質を使用することが有効と考えられる。平成5年度には、このウラン不使用型高速炉について、従来MOX炉との比較を中心に炉心特性、安全特性の観点から検討し、その特徴を明らかにした。本年度は、熱出カ1600MW・炉心径4m以下の条件で、炉心寸法・配置を検討し、本炉心概念の特徴である低Naポイド反応度を生かしつつ、固定吸収体なしで速転サイクル長期化・燃焼度増大が可能な炉心仕様の真体化をはかった。また、マイナーアクチニド添加効果、二酸化ウラン添加効果、吸収体非均質装荷などの影響度評価を行うとともに、安全解析を実施した。燃料形態としては、乎成5年度の結果をもとに、炉心特性およぴ燃料物性の観点から、アルミナおよびベリリアを母材とするプルトニウム酸化物燃料を考えた。物性値評価においては、二酸化プルトニウム、アルミナ、ベリリア各単体の物性データもとに、その混合物の熱伝導度、密度、融点を温度依存性も含め定量的に推定評価した。この結果は、安全解析へ反映した。炉心核熱特性検討の結果、制御棒本数・配置を適切に選定することにより、固定吸収体なしで運転サイクル9か月が可能なことがわかった。主な特性は母材がアルミナの場合、Pu燃焼度40%、Pu fissile減少卒59%、量大線出カ320W/cm、Naボイド反応度-1ドル(全炉心ボイド)である。母材がヘベリアのの場合もほぼ同様な特性である。出カ変動は従来炉より大きいが、冷却材出人口温度を510/390と設定することにより被覆管最高温度制限を満足できる。燃料へのマイナーアクチニド添加、ウラン添加、炉内へのB4C非均質装荷は、燃焼欠損反応度が低減される点で有効であるが、反応度係徴への影響も大きいので、さらに安全特性への影響を勘案する必要がある。これら炉心の安全解析を行い、短時間挙動を比較用MOX炉心と比較した。ULOF解析結果より、本炉心概念では高い燃料熱伝導度に起困する低い熱料温度と低いNaポイド反応度によって、炉心応答が従来型炉より緩和されることがわかった。一方、UT0P解析結果からは、ドップラー係数が小さいため、やや従来炉より応答が大きく、従来炉と同等以上の設計対策が必要である。
川島 正俊*; 森木 保幸*; 西 裕士*
PNC TJ9164 89-002, 70 Pages, 1989/03
「常陽」の高性能炉心への移行に併ない、原子炉稼働率の向上による照射能力の増強が計画されている。原子炉稼働率の向上のために、燃料交換期間を短縮する方策として貯蔵専用ポットを廃止する可能性を検討した。貯蔵専用ポットを廃止するためには炉心と燃料ラックの間のステンレススチール製反射体の一部を高性能遮蔽体に置換し、炉心からの漏洩中性子によるラック内燃料の発熱量を低減させて自然循環除熱が可能な程度以下に抑える必要がある。本検討では、この点に関する遮蔽効果と遮蔽体基本使用に係わるパラメータサーベイを実施した。主な結果は、以下のとおりである。(1)「常陽」の高性能炉心への移行により現行出力を1.5倍まで出力上昇させた場合でも、高性能遮蔽体を使用することにより、貯蔵専用ポットを廃止できる見通しが得られた。(2)そのために実質的に現行の9、10例を高性能遮蔽体と置換する。この場合でも、高性能遮蔽体の冷却のための必要流量は現行炉心と同様に低圧プレナムから供給できる見通しである。(3)高性能遮蔽体の基本仕様は、19本ピン構造、遮蔽材有効長さ100cmを有するものが適切である。9例には天然ボロン、10例には濃縮ボロンを使用する。これらの基本仕様は遮蔽能力、ペレット中心温度、PCMI、照射期間等を勘案して決めた。(4)高性能遮蔽体を使用することによって、ラック内燃料の発熱量は大幅に低減するが、炉出力の増加に伴い、自然循環除熱可能量の上限に近づく。この上限値については更に検討評価することが重要である。(5)「常陽」での高性能遮蔽体の運用経験と試験結果は、実証炉の炉心まわりの遮蔽体の開発に重要なデータベースを提供する。尚、炉心特性/中性子計装への影響、今後の課題等についても検討した。
白方 敬章; 中島 文明; 三田 敏男*; 早瀬 保*; 川島 正俊*; 河北 孝司*; 貝瀬 興一郎*
PNC TN2410 88-004, 359 Pages, 1988/03
昨年度1月より実験が開始されたJUPITER-III計画は、予定通り1年間の実験期間を終了した。昨年度は実験計画の検討、関連データの整理等を行なったが、本年度はこれに引き続き、実験データの解析を主とした研究作業を実施し、以下のような成果を得た。(1)ZPPR-18の実験予備解析を行ない、実験内容の検討を行なった。この結果、ZPPR-18の実験立案にその成果を反映することができた。(2)ZPPR-17A、17B、17Cの臨界性評価を行なった。ZPPR-17AのC/E値は、1.0003となり、均質炉心ZPPR-9のC/E値0.9995とほぼ一致した。(3)ZPPR-17A、17Bのベータeff評価を行なった。当ワーキング・グループのベータeffはANLよりも3%高目の値となり、JUPITER-I、IIと同様の系統性を示した。(4)ZPPR-17A、17Bの制御棒解析を行なった。ZPPR-17Aの中心制御棒解析の結果、CRPに対する制御棒ワースのC/E値は、プレートタイプ制御棒..0.8710.899ピンタイプ制御棒..0.8830.890となった。また、JUPITER-I、IIの場合と同様、炉心周辺部で計算値が過大評価するC/E値の径方向依存性が見られた。(5)ZPPR-17Aの広領域ボイド実験およびナトリウムボイド・ドロワーオシレーター実験について実験データの整理・調査を行なった。(6)ZPPR-12の臨界性評価を行なった。C/E値は、プレート燃料体系で1.0200であった。一方、中心ピンゾーン体系では、1.0180、周辺ピンゾーン体系では、1.0193となり、ピンプレート体系のC/E値は(0.2+-0.1)%の違いで一致した。その他、Naボイド、反応率分布についても同様にピン-プレート体系におけるC/E値の比較を行った。(7)ZPPR-17Aの実験データをサンプルとして、実験データのデータベース化の検討を行なった。(8)ZPPR-17Aにおけるマルチドロワー効果を評価した。臨界性に対するマルチドロワー補正は、+0.17%デルタk/kになった。
川島 正俊*; 石川 真*; 西山 征夫*; 山下 芳興*
PNC TN941 79-236, 238 Pages, 1979/12
本報告書は高速実験炉「常陽」の炉心核特性に関する性能試験の解析結果を述べる。ここでの解析対象は低出力試験(1977年4月11月)で行なわれた次の項目である。1)最小臨界量評価,制御棒較正,3)NaVoid反応度,4)燃料置換反応度,5)出力分布試験である。解析はJAERI一FAST―270群セット(JFS―2)を用いた。また三次元Hex―Zモデルを随所で用い,その適用性を調べることも一つの目的であった。今回の解析から得られた主な結果は次の通りである。1)最小臨界体系のKeffに関するC/E値は1.0044を得た。2)制御棒価値(1本の価値)のC/E値は0.971.03を得た。三次元Hex―Z拡散計算ではメッシュサイズ効果補正が大きな因子であるが,干渉効果解析を含め有効な計算法であることが確認された。3)単チャンネルNavoid係数解析にっいては均質モデルを用いたが炉心部でC/E=0.81.0,ブランケット第1列でC/E=1.3とよい一致が得られた。4)燃料置換反応度の解析では,炉心周辺の炉心―ブランケット燃料置換については,C/E=0.951.05であった。燃料―Na置換反応度は,炉中心で炉心燃料―Naに対してC/E=1.31.5を得た。これらの差はNaチャンネルからの中性子の"もれ"の扱いを改良することによって小さくなると期待される。5)反応率分布は3次元Hex―Zモデルで行なった。中心スペクトルインデックスで,F49/F25,F28/F25のC/E値は,0.99,0.95とよい一致を示した。解析対象の反応は,U235(n,f),U238(n,f),(n,),Pu239(n,f),Th232(n,f),(n,),Au197(n,r),Ni58(n,p),Cu63(n,)である。挿入された制御棒による歪もHex一Zモデルで表わせることが確認された。等温係数,出力係数,燃焼係数解析は,part2として別途報告する。
山本 寿*; 関口 善之*; 石井 愛典*; 鈴木 惣十*; 川島 正俊*; 斉藤 宜弘*; 大西 恒二*
PNC TN941 79-112, 156 Pages, 1979/07
高速実験炉「常陽」の低出力性能試験のうち核出力較正試験と小型核分裂計数管による炉心中心軸上の出力分布試験の結果について述べる。▲原子炉出力は,予め較正されたPu239の小型核分裂計数偶を炉内に挿入し,得られた計数率と,計算によって得られた反応率との対応から求められた。起動系については,計数率と炉出力の関係を求め,中間系は指示計の値と原子炉出力が一致するように調整された。▲本試験の主な結果は次の通りである。▲1)起動系ch1,ch2の計数率と原子炉出力の関係は,0.1kWから10kWの範囲で直線的であることが確認された。▲2)中間系と起動系は,炉出力1kWから10kWの範囲でオーバーラップしており,この区間では中間系の指示値と炉出力の関係は直線的である。▲3)中心軸上の反応率は,Pu239Pu240,U235,U238,Th232の(n,f)反応が小型核分裂計数管によって測定された。軸方向分布の測定値から得られた軸方向ピーキング係数は1.19であり,設計値と一致した。▲4)―次冷却材の温度変化による起動系の計数率は,一次冷却材の温度が100上昇すると,約8%増加する。▲5)燃料貯蔵ラック内の燃料は,起動系の計数率に影響を与える。起動系と炉中心を結ぶ線上のラック内に炉心燃料が一本装荷されると,計数率は約25%増加する。▲その他の核特性として,6)等温係数は一3.6510-3%K/K/(190250)であった。▲7)炉中心において,燃料と試験用特殊燃料集合体の置換反応度は一0.085%K/Kであった。▲