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宮部 昌文; 大場 正規; Jung, K.; 飯村 秀紀; 赤岡 克昭; 加藤 政明; 音部 治幹; Khumaeni, A.*; 若井田 育夫
Spectrochimica Acta, Part B, 134, p.42 - 51, 2017/08
被引用回数:31 パーセンタイル:90.75(Spectroscopy)炉心溶融事故により生成された燃料デブリやデブリで汚染された廃棄物の核種組成分析では、ウランやプルトニウムなどの核燃料物質の分析性能が重要である。本研究ではプルトニウムの同位体分析のため、レーザーアブレーションと共鳴吸収法を組み合わせて、プルトニウム原子種の分光特性を調べた。Puの中性原子およびイオンの17個の光学遷移について、測定した吸収スペクトルのフォークトプロファイル近似から、吸光度、同位体シフト、超微細構造分裂幅を求め、分析に適した遷移として3つの候補を選定した。これらの遷移を利用して得られる分析性能を評価し、吸光度とプルトニウム濃度の相関係数として0.9999、プルトニウム濃度の検出下限値として30-130ppm、濃度2.4%のPu信号に対する相対標準偏差として約6%を得た。これらの結果から、レーザーアブレーション吸収分光法が、複数のアクチノイド元素を含む高い放射能を有する燃料デブリや廃棄物の遠隔同位体分析に適用可能であることが分かった。
宮部 昌文; 大場 正規; 飯村 秀紀; 赤岡 克昭; Khumaeni, A.*; 加藤 政明; 若井田 育夫
Spectrochimica Acta, Part B, 110, p.101 - 117, 2015/08
被引用回数:26 パーセンタイル:81.62(Spectroscopy)レーザー誘起蛍光撮像法を用いて雰囲気ガス中のアブレーションプルームの動的挙動を調べた。YAGレーザーの2倍高調波光をガドリニウムの酸化物や金属試料上に照射し、生成したプルームにはシート状の紫外色素レーザー光を交差させて、様々な時刻の蛍光像をICCDカメラによって撮影した。得られたプルームの断面画像から、ガドリニウムの基底状態の原子やイオンが、プルームとガスの境界の半球層内に蓄積されることや、プルームの中心部に粒子密度の少ない空洞が生じることが明らかになった。膨張の初期段階では、その空洞内を別の明るい成分が膨張し、半球層と合流する様子も観測された。このようなプルームの分離や合流は、イオンに比べて原子の方が遅く現れた。また半球層の出現もイオンに比べて原子の方が遅いが、出現位置はほぼ同じであった。このような出現位置の一致や出現時間のずれは、半球層の原子が、イオンとガスの衝突による三体再結合反応によって生じることを示唆している。得られたプルームの膨張ダイナミクスやプルームの詳細構造に関する知見は、レーザーアブレーションを利用する様々な遠隔分光分析法の実験条件を決める上で有用である。
Khumaeni, A.; 反保 元伸; 赤岡 克昭; 宮部 昌文; 若井田 育夫
Optics Express (Internet), 21(24), p.29755 - 29768, 2013/12
被引用回数:56 パーセンタイル:92.16(Optics)レーザー誘起発光分光法(LIBS)における発光信号の増大を図るため、ループアンテナ(直径3mm)を用いてマイクロ波を照射し、その効果を確かめた。減圧空気条件下で、酸化ガドリニウム試料にNd:YAGレーザー光(532nm, 10ns, 5mJ)を集光照射し、これに同期してパルスマイクロ波を入射した結果、温度が高い状態で長時間プラズマ発光が維持され、時間積分した発光信号量は、従来のマイクロ波を用いないLIBS信号に比較して32倍の発光信号量が得られた。酸化ガドリニウム試料に酸化カルシウムを微量混入させた試料を用いてカルシウム検出量に関する検量線を求めた結果、良好な直線性と2mg/kgの検出下限感度を得た。核燃料物質等のその場分析の高感度化に有用である。
若井田 育夫; 赤岡 克昭; 宮部 昌文; 加藤 政明; 音部 治幹; 大場 弘則; Khumaeni, A.
no journal, ,
日本原子力研究開発機構では、文部科学省原子力システム研究開発事業により、化学分析や中性子計測によらないMA含有次世代MOX燃料の迅速分析を目指した研究開発を実施し、未照射MOX燃料によりその性能を実証した。レーザー分光専用のグローブボックスを構築し、Pu含有量を変えたMOX試料による分光分析試験を可能とした。レーザー誘起発光分光(LIBS)による組成分析では、U中のPu含有量30%における相対誤差が2.9%、検出下限値を2,500ppmとする定量分析を5分間の計測時間で実現した。アブレーション共鳴吸収分光法によるU中のPu同位体分析では、Pu/Puの同位体比測定が相対誤差1%未満相当、検出下限値を30ppmから100ppmとする定量分析を3分間又は5分間で実現できることを実証した。また、溶存元素については、模擬溶存試料の液体薄膜を対象としたLIBSにより、ICP-AESと同等の分析特性を確認した。
若井田 育夫; 赤岡 克昭; 宮部 昌文; Khumaeni, A.; 大場 弘則; 伊藤 主税
no journal, ,
次世代核燃料サイクルでは、核燃料資源の有効利用を図ると共に長寿命廃棄物の削減やの観点から、TRUを含有した燃料を加速器駆動未臨界炉(ADS)で核変換するADS核変換サイクル、高速炉(FBR)で核変換するFBRサイクルの導入が考えられている。このような燃料の遠隔分析法として、非接触・非分離・直接分析法としてレーザー利用遠隔分析法の開発を実施してきた。その結果MOX燃料を用いたレーザーブレークダウン分光(LIBS)による元素組成分析では、U中のPu濃度分析偏差が5%以下、検出下限が数千ppmの計測を5分で定量分析できることを確認した。また、アブレーション共鳴吸収分光による同位体分析では、U中のPuについて、Pu, Puの識別観測に成功し、測定偏差1%以下、検出下限数十ppmの定量分析を5分以内で実施できることも示された。この他、高感度、高分解能分光を実現するため、簡単なアンテナ結合によるマイクロ波支援LIBSにより、数十倍の発光信号増大効果も確認した。溶液分析では、液体薄膜をLIBSターゲットとすることでICP発光分光法と同等な性能を示し、ppbレベルの高感度が実現可能なことが示された。過酷環境下でのLIBS分析については、耐放射線性光ファイバーを活用したファイバーLIBSの性能を評価し、過酷環境で適用できる可能性が確認された。
若井田 育夫; 赤岡 克昭; 宮部 昌文; 大場 弘則; 音部 治幹; 丸山 庸一郎; 加藤 政明; Khumaeni, A.; 反保 元伸
no journal, ,
原子力施設の廃止措置、とりわけ汚染による過酷な環境や燃料が損傷した場合などにおいては、その手法判断や計画立案のために、燃料の組成、状況を遠隔で把握することが求められている。レーザー誘起発光分光法(LIBS)やアブレーション共鳴吸収分光法により元素組成や同位体組成を分析する手法は、その有力な手法の一つである。観測手法の開発では、マイクロ波による発光強度の増大や液体薄膜LIBSによる溶液の高感度分析に成功した。また、遠隔その場分析のために、光ファイバーを用いたプローブの開発も行っている。一方発光スペクトルの解析には核燃料物質の基礎分光データベースの整備が不可欠である。MOX燃料の分光データを得るために、遠隔操作で分光可能なシステムをグローブボックス内に構築し、ウラン中のプルトニウムについても、識別分光が可能となった。
若井田 育夫; 赤岡 克昭; 宮部 昌文; Khumaeni, A.; 大場 弘則; 佐伯 盛久; 伊藤 主税; 音部 治幹; 加藤 政明
no journal, ,
次世代核燃料サイクルでは、長寿命廃棄物の削減や核燃料資源の有効利用の観点から、TRU含有低除染燃料の活用が計画されている。そこで、非接触・非分離・直接分析法としてレーザー利用遠隔分析法の開発を実施してきた。その結果MOX燃料を用いたレーザーブレークダウン分光(LIBS)による元素組成分析では、Pu濃度30%における偏差が5%以下、検出下限が数千ppmの計測を5分で実施できることを実証した。また、アブレーション共鳴吸収分光による同位体分析では、Pu濃度30%でのPu, Puの分別観測に成功し、測定偏差1%以下、検出下限数十ppmの計測を5分で実施できることも実証した。この他、高感度, 高分解能分光を実現するため、簡単なアンテナ結合によるマイクロ波支援LIBSにより、数十倍の発光信号増大効果が確認された。溶液分析では、液体薄膜をLIBSターゲットとすることで、ppbレベルの高感度が実現可能であることを示した。耐放射線性光ファイバーを活用したLIBSについては、水中で着目元素スペクトルを観測することに成功し、溶融デブリの観測への適用の可能性が示唆された。
若井田 育夫; 赤岡 克昭; 宮部 昌文; 音部 治幹; Khumaeni, A.; 加藤 政明
no journal, ,
化学分析や中性子計測によらない次世代マイナーアクチノイド含有MOX燃料の迅速遠隔分析の実現を目指したレーザー迅速分析技術開発を実施し、未照射MOX燃料で性能を実証した。MOX試料の分光のためにグローブボックスをレーザー分光用に改良し、元素分析にはレーザー誘起発光分光法を、同位体分析にはアブレーション共鳴吸収法を適用した。その結果、元素分析では、MOX中のPuについて、相対誤差が5%以下、検出下限値が2,500ppmとなる定量分析を5分間の計測時間で実現した。MOX中Pu同位体比分析では、相対誤差1%未満、検出下限値が30ppmの定量分析を5分間の計測時間で実現することに成功した。
Khumaeni, A.; 反保 元伸; 赤岡 克昭; 宮部 昌文; 若井田 育夫
no journal, ,
次世代燃料サイクルで重要となるウランやプルトニウムの非接触高感度分析法として、マイクロ波支援レーザー誘起プラズマ発光分光法(MELIPS)を開発した。本研究においては、分光学的性質が核燃料物質と類似した酸化ガドリニウム試料を用い、減圧待機雰囲気中で焦点距離200mmのレンズにより、YAGレーザー光を集光照射して試料をアブレーションするとともに初期プラズマを生成し、これに、マグネトロンで発生させたパルスマイクロ波をアンテナを介して供給した。その結果、プラズマ発光時間が数百マイクロ秒に及び、これまで実施してきた減圧希ガス雰囲気での測定同様、時間積分したガドリニウムの発光スペクトル強度は、レーザー単独照射に比べて飛躍的に増大されることを見いだした。
若井田 育夫; 赤岡 克昭; 宮部 昌文; 大場 弘則; 音部 治幹; 丸山 庸一郎; 加藤 政明; Khumaeni, A.; 反保 元伸*; 清水 修
no journal, ,
「次世代燃料の遠隔分析技術開発とMOX燃料による実証的研究」及び関連研究に関するシリーズ発表において、研究開発の背景及びMOX試料を用いた実証試験の結果について概説する。Pu酸化物試料の取り扱いを可能とするため、原子力機構NUCEF施設内のグローブボックス内にレーザー遠隔分光システムを構築した。本装置を用い、元素組成分析については、MOX試料によるLIBS分光により、母材であるU中においても、Puの発光線を分解識別することに成功し、Puの検量線がPu量に対して良い線形性を示すことを確認した。同様に同位体分析については、アブレーション共鳴吸収分光により、U中においてもPuとPuの同位体をU同位体と分別識別することに成功した。同位体の共鳴吸収量の比は同位体比を表すとともに、Pu量に対して良い線形性を示すことも確認した。さらに、これらの分光操作に要する実質的な操作時間は、数分程度であることも確認できた。この結果は、本手法が、MOX試料中のPu元素組成・同位体組成の非接触・直接・迅速な定量分析に適用可能であることを実証するものである。これはまた、福島原子力発電所事故における溶融デブリのその場分析にも適用できる可能性を示唆したものと考えられる。
Khumaeni, A.; 赤岡 克昭; 丸山 庸一郎; 宮部 昌文; 若井田 育夫
no journal, ,
レーザー誘起ブレークダウン発光法(LIBS)は、迅速な核燃料物質の非接触分析法として有望視されている。しかし、核燃料物質の発光線は極めて複雑であるため、高分解能な分光が要求され、結果的に感度低下を招く。そこで、核燃料物質の高感度な分光を目指し、簡便なアンテナからマイクロ波を放射して発光量の増大を図る、マイクロ波支援LIBSにおける発光特性を調べた。その結果、1msに及ぶ極めて長いプラズマ発光寿命の延長と電子温度上昇が確認され、酸化カルシウムイオンの分光では、得られた発光信号を時間積分することにより、従来のレーザー照射のみの発光量に比べ、約200倍の発光量を得た。
Khumaeni, A.; 若井田 育夫
no journal, ,
Application of LIBS to analysis of nuclear materials requires a higher resolution spectrometer in order to identify each emission lines separately. Such a spectrometer is less sensitive and thus requires a more intense source of emission. To enhance the emission signal, we offer a novel method by using microwave-assisted laser-induced breakdown spectroscopy (MA-LIBS). In this study, a pulsed Nd:YAG laser was focused on a material target by using a lens to induce a target plasma, and the pulsed microwave (MW) generated by a magnetron was then supplied to the plasma through a loop antenna. The emission characteristics of atom are compared in MA-LIBS and conventional LIBS. For practical application, a gadolinium oxide (GdO) pellet which had complex spectra as a nuclear material, was used as a simulated fuel sample. The emission spectrum of GdO taken by using MA-LIBS and standard LIBS was compared observed and extremely enhancement in intensified MW was introduced. Total emission intensity increased by approximately 35 times. By using the method, identification of trace elements in the GdO sample can be made. The detection limit of Ca in the GdO sample using the MA-LIBS method is approximately 2 mg/kg, while for the standard LIBS case are approximately 48 mg/kg.
Khumaeni, A.; 宮部 昌文; 赤岡 克昭; 若井田 育夫
no journal, ,
The use of Laser-Induced Breakdown Spectroscopy (LIBS) to heavier atoms requires a higher resolution power of the LIBS spectrometer to identify each emission line separately. Such a spectrometer is less sensitive and thus requires a more intense source of emission. We developed a novel method of microwave-assisted LIBS to produce a high intense plasma. Gadolinium oxide was used as a simulated sample of nuclear fuel material. The microwave generated by a magnetron was coupled to the plasma by the simple loop antenna in the vacuum chamber to enhance the emission. The plasma was induced in various ambient gases including air, Ar, and He gases, and the emission characteristics with microwave are investigated. The enhancement factor for the case with microwave in Ar and He gas are approximately 70 times higher than the case without microwave, while in air environment, the enhancement factor is approximately 40 times. In these cases, it might be assumed that in air case, thermal excitation process by electron collisions might be predominant, and on the other hand, in Ar and He gases, energy transfer from metastable states of these gases might be assumed a major process. To clarify these phenomena, study on excitation process is necessary.