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上田 祐生; 江口 綾乃; 徳永 紘平; 菊池 圭*; 杉田 剛; 岡村 浩之; 長縄 弘親
Industrial & Engineering Chemistry Research, 61(19), p.6640 - 6649, 2022/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Engineering, Chemical)近年の世界的なカーボンニュートラルの潮流から廃電子機器などの二次資源からの白金族金属の効果的な分離・精製の向上が求められている。本研究では、Pt(IV)とPd(II)をpH変化のみで分離可能なウレア基を導入したイミダゾリウム型イオン液体(L1)を合成し、その抽出挙動を評価した。従来の有機溶媒-水抽出系におけるウレア型抽出剤では、Pt(IV)とPd(II)を同じpH領域で抽出してしまい、相互分離ができなかった。それに対し、本研究で合成したL1は、低pH領域ではPt(IV)選択性を、高pH領域ではPd(II)選択性を示した。UV-visおよびEXAFSスペクトルによる解析から、L1によるPt(IV)抽出では、外圏錯体を形成し、Pd(II)抽出では内圏錯体を形成していることが示された。さらに、従来の有機抽出系では第三相を生成するような高濃度のPt(IV)抽出後も、L1は第三相を生成することなくPt(IV)を抽出可能であった。
山野 秀将; 高井 俊秀; 古川 智弘; 菊地 晋; 江村 優軌; 神山 健司; 福山 博之*; 東 英生*; 西 剛史*; 太田 弘道*; et al.
Proceedings of 28th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 28) (Internet), 11 Pages, 2021/08
ナトリウム冷却高速炉の炉心損傷事故(CDA)評価における重要な課題の一つに、制御棒材の炭化ホウ素(BC)とステンレス鋼(SS)の共晶溶融反応及び移動挙動がある。CDAの数値解析では、このような挙動のシミュレーションはこれまで行われたことがないため、物理モデルを開発しそれをCDA解析コードに組み入れる必要がある。本研究では、B
C-SS共晶溶融実験,共晶溶融の熱物性計測,共晶溶融反応の物理モデル開発に焦点を当てている。共晶実験では、可視化実験,反応速度実験,材料分析を行う。物性は液相から固相までの範囲で測定する。これらの反応速度や物性を基に、シビアアクシデント解析コードのための物理モデルを開発する。本発表はプロジェクト全体概要及び2019年度までの進捗概要について報告する。この論文における具体的成果は、SSプール中にB
Cペレットを置いたB
C-SS共晶溶融実験の数値解析を通じて、CDA解析コードSIMMER-IIIにおける共晶反応を記述する物理モデルの妥当性を確認したことである。
上田 祐生; 菊池 圭*; 徳永 紘平; 杉田 剛; 青柳 登; 田中 万也; 岡村 浩之
Solvent Extraction and Ion Exchange, 39(5-6), p.491 - 511, 2021/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Multidisciplinary)本研究では、三価のランタノイドイオン(Ln)に関する新規フルオラス抽出剤(TFP)を開発し、その抽出分離能力を市販リン酸エステル抽出剤であるリン酸トリブチル(TBP)と比較した。興味深いことに、一般的に炭化水素のフルオロ化は抽出能力を低下させる傾向があるにもかかわらず、TFPはTBPよりも遙かに高いLn抽出および分離性能を発揮した。幾つかの分光的手法および抽出相の組成分析に基づいた微視的および巨視的なLnに関する配位環境の比較から、Ln-TFP錯体は水和水をほとんど有しないだけでなくフルオラス相中にはほとんど水分子が含まれていなかった。これらの結果は、フルオラス溶媒の強力な疎水性が、TFPのLnに対する高い抽出および分離性能をもたらしていることを示唆している。
山野 秀将; 高井 俊秀; 古川 智弘; 菊地 晋; 江村 優軌; 神山 健司; 福山 博之*; 東 英生*; 西 剛史*; 太田 弘道*; et al.
Proceedings of 2020 International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 2020) (Internet), 10 Pages, 2020/08
ナトリウム冷却高速炉の炉心損傷事故(CDA)評価における重要な課題の一つに、制御棒材の炭化ホウ素(BC)とステンレス鋼(SS)の共晶溶融反応及び移動挙動がある。CDAの数値解析では、このような挙動のシミュレーションはこれまで行われたことがないため、物理モデルを開発しそれをCDA解析コードに組み入れる必要がある。本研究では、B
C-SS共晶溶融実験、共晶溶融の熱物性計測、共晶溶融反応の物理モデル開発に焦点を当てている。共晶実験では、可視化実験,反応速度実験,材料分析を行う。物性は液相から固相までの範囲で測定する。これらの反応速度や物性を基に、シビアアクシデント解析コードのための物理モデルを開発する。本発表はプロジェクト全体概要及び2018年度までの進捗概要について報告する。この論文における具体的成果は、共晶溶融実験において固化したB
C-SS共晶試料のホウ素濃度分布で、これはコンピュータコードに組み込まれた共晶物理特性の検証に用いられる。
青柳 光裕; 内堀 昭寛; 菊地 晋; 高田 孝; 大野 修司; 大島 宏之
日本機械学会論文集(インターネット), 86(883), p.19-00366_1 - 19-00366_8, 2020/03
ナトリウム(Na)冷却高速炉においては、冷却材Naの漏えいに伴うNa火災の発生が懸念されている。Na火災時の種々の影響を評価するため、原子力機構ではNa燃焼解析コードを開発している。本報では、Na火災事象における関連現象の重要度評価および重要現象に対する評価マトリクスの構築とともに、評価マトリクスに基づくNa燃焼解析コードAQUA-SFおよびSPHINCSの妥当性評価解析について述べる。妥当性評価解析は、Run-E1スプレイ燃焼実験に対して実施し、両解析コードによる圧力変化挙動は実験結果と良好な一致を示した。
青柳 光裕; 内堀 昭寛; 菊地 晋; 高田 孝; 大野 修司; 大島 宏之
Nuclear Engineering and Design, 353, p.110240_1 - 110240_10, 2019/11
被引用回数:4 パーセンタイル:47.64(Nuclear Science & Technology)ナトリウム冷却高速炉のナトリウム燃焼時には、多くの現象が複合して生じる。本研究では、ナトリウム燃焼時の重要現象を同定するためにPIRT手法を適用した。本PIRT手法においては、要因分析を用いて重要度評価を実施する上での適切な評価指標を設定するとともに、要素および事象進展の両分析から関連現象を抽出した。重要度評価は事象進展に評価指標を関連付けて実施して、重要度評価表を完成させた。またモデルの妥当性評価のための評価マトリクスを構築した。さらに、より精緻な妥当性評価を念頭に、エアロゾル挙動モジュールおよび多次元コードのCFDモジュールの詳細な評価に関する検討を実施した。
佐藤 優樹; 寺阪 祐太; 宇津木 弥*; 菊地 弘幸*; 清岡 英男*; 鳥居 建男
Journal of Nuclear Science and Technology, 56(9-10), p.801 - 808, 2019/09
被引用回数:41 パーセンタイル:99.14(Nuclear Science & Technology)The Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (FDNPS), operated by Tokyo Electric Power Company Holdings, Inc., went into meltdown in the aftermath of a large tsunami caused by the Great East Japan Earthquake of 11 March 2011. Measurement of radiation distribution inside the FDNPS buildings is indispensable to execute decommissioning tasks in the reactor buildings. We conducted a radiation imaging experiment inside the reactor building of Unit 1 of FDNPS by using a compact Compton camera mounted on a crawler robot and remotely visualized gamma-rays streaming from deep inside the reactor building. Moreover, we drew a radiation image obtained using the Compton camera onto the three-dimensional (3-D) structural model of the experimental environment created using photogrammetry. In addition, the 3-D model of the real working environment, including the radiation image, was imported into the virtual space of the virtual reality system. These visualization techniques help workers recognize radioactive contamination easily and decrease their own exposure to radiation because the contamination cannot be observed with the naked eye.
山野 秀将; 高井 俊秀; 古川 智弘; 菊地 晋; 江村 優軌; 神山 健司; 福山 博之*; 東 英生*; 西 剛史*; 太田 弘道*; et al.
Proceedings of International Nuclear Fuel Cycle Conference / Light Water Reactor Fuel Performance Conference (Global/Top Fuel 2019) (USB Flash Drive), p.418 - 427, 2019/09
制御棒材の炭化ホウ素(BC)とステンレス鋼(SS)の共晶溶融反応及び移動挙動は、ナトリウム冷却高速炉の炉心損傷事故(CDA)評価における重要な課題の一つである。CDAの数値解析では、このような挙動のシミュレーションはこれまで行われたことがないため、物理モデルを開発しそれをCDA解析コードに組み入れる必要がある。本研究では、B
C-SS共晶溶融実験、共晶溶融の熱物性計測、共晶溶融反応の物理モデル開発に焦点を当てている。共晶実験では、可視化実験,反応速度実験,材料分析を行う。物性は液相から固相までの範囲で測定する。これらの反応速度や物性を基に、シビアアクシデント解析コードのための物理モデルを開発する。本発表はプロジェクト全体概要及び平成29年度までの進捗概要について報告する。この論文における具体的成果は、共晶溶融実験において固化したB
C-SS共晶試料のホウ素濃度分布で、これはコンピュータコードに組み込まれた共晶物理特性の検証に用いられる。
菊地 紀宏; 今井 康友*; 吉川 龍志; 堂田 哲広; 田中 正暁; 大島 宏之
Journal of Nuclear Engineering and Radiation Science, 5(2), p.021001_1 - 021001_12, 2019/04
原子力機構では、先進ループ型ナトリウム冷却高速炉の設計検討における炉心損傷事故に対する安全対策の一つとしてFAIDUSと呼ばれる内部ダクトを有する燃料集合体の採用が検討されている。本研究では、サブチャンネル解析コード(ASFRE)を用いFAIDUS内の熱流動特性について調べた。FAIDUSの解析を実施する前に、模擬燃料集合体試験を対象として解析を行いASFREの妥当性を確認した。大型炉の内部ダクトのない典型的な燃料集合体と内部ダクトを有するFAIDUSを対象に高流量および低流量条件下での熱流動解析を実施し、FAIDUS内の温度分布について、内部ダクトのない燃料集合体と同様に顕著な非対称性が生じないことを示した。
森下 祐樹; 鳥居 建男; 宇佐美 博士; 菊地 弘幸*; 宇津木 弥*; 高平 史郎*
Scientific Reports (Internet), 9, p.581_1 - 581_14, 2019/01
被引用回数:16 パーセンタイル:91.16(Multidisciplinary Sciences)We measured alpha emitters obtained from a reactor building in the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant (FDNPP) by using an alpha particle imaging detector. For developing the detector, we used a verythin (0.05-mm-thick) a cerium-doped Gd(Ga,Al)
O
(Ce:GAGG) scintillator and silicon photomultiplier (SiPM) arrays as the photodetector. The floor of the reactor building in FDNPP was wiped off by using smear papers, and the radioactivity of these papers was measured by the alpha particle imaging detector. The alpha spectrum was in the energy range of 5-6 MeV, which corresponds to the alpha particle energy of
Pu (5.5 MeV). Moreover, the peak of
Am was identified by gamma spectrum measurement. Based on these results, we report actual findings of alpha emitters in the FDNPP reactor buildings originating from nuclear fuels.
佐藤 優樹; 谷藤 祐太; 寺阪 祐太; 宇佐美 博士; 冠城 雅晃; 川端 邦明; 宇津木 弥*; 菊地 弘幸*; 高平 史郎*; 鳥居 建男
Journal of Nuclear Science and Technology, 55(9), p.965 - 970, 2018/09
被引用回数:29 パーセンタイル:96.79(Nuclear Science & Technology)The Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (FDNPS), operated by Tokyo Electric Power Company Holdings, Inc., went into meltdown after the occurrence of a large tsunami caused by the Great East Japan Earthquake of March 11, 2011. The radiation distribution measurements inside the FDNPS buildings are indispensable to execute decommissioning tasks in the reactor buildings. We conducted the radiation imaging experiment inside the turbine building of Unit 3 of the FDNPS using a compact Compton camera, and succeeded in visualizing the high-dose contamination (up to 3.5 mSv/h). We also drew a three-dimensional radiation distribution map inside the turbine building by integrating the radiation image resulting from the Compton camera into the point cloud data of the experimental environment acquired using the scanning laser range finder. The radiation distribution map shows the position of these contaminations on the real space image of the turbine building. The radiation distribution map helps workers to easily recognize the radioactive contamination and to decrease the radiation exposure; the contamination cannot be observed with the naked eye, naturally.
平川 萌*; 菊池 祐一郎*; 堺 公明*; 田中 正暁; 大島 宏之
Proceedings of 26th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-26) (Internet), 8 Pages, 2018/07
ナトリウム冷却高速炉において、ガス通過による予期しない炉心反応度の投入を防止するため、カバーガス空間にある自由液面からのガス巻き込み現象は重要な評価課題となっている。本研究では、回流水槽を利用した実験で観察された自由液面を移動する非定常渦のガス巻込み現象の解析を行い、実験結果と比較して解析手法の妥当性について検討するとともに、解析結果に対し、原子力機構で開発された評価ツール(StreamViewer)を適用して、自由液面からのガスコア長さの評価を実施した。
菊地 紀宏; 堂田 哲広; 橋本 昭彦*; 吉川 龍志; 田中 正暁; 大島 宏之
第23回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集(USB Flash Drive), 5 Pages, 2018/06
高速炉の安全性強化の観点から、循環ポンプ等の動的機器を必要としない自然循環冷却が期待されている。自然循環時の炉心流量は定格運転時の2から3%程度となり、隣接する燃料集合体間の径方向熱移行や浮力による炉心内流量再配分が、炉心全体及び燃料集合体内の温度分布に与える影響が相対的に強くなる。自然循環時の燃料集合体内温度分布評価では、この燃料集合間熱移行の考慮が重要となる。本研究では、燃料集合体内熱流動解析と連成させた炉心全体の熱流動解析評価手法整備の前段階として、低流量かつ径方向熱移行量が大きい条件での燃料集合体内熱流動に対するサブチャンネル解析コードASFREの妥当性確認を目的に、隣接集合体間の径方向熱移行が発生する条件で実施されたナトリウム試験を対象とした試験解析を実施した。計測結果との比較により、これまで集合体単体を対象に整備を進めてきたASFREの既存物理モデルである、圧力損失を評価するDistributed Resistance Model及び集合体内の乱流混合を評価するTodreas-Turi Modelの径方向熱移行現象評価への適用性及び解析結果の妥当性確認を行った。
菊地 紀宏; 今井 康友*; 吉川 龍志; 田中 正暁; 大島 宏之
日本機械学会関東支部茨城講演会2017講演論文集(CD-ROM), 4 Pages, 2017/08
ナトリウム冷却高速炉システムの安全性強化に係る概念構築の一環として、シビアアクシデント時に炉心が溶融する遷移過程において早期に溶融燃料を炉心部から排出し、炉心部での再臨界を排除するため、燃料集合体内に内部ダクトを有する燃料集合体(FAIDUS)の採用を検討している。この内部ダクトの存在により冷却材の偏流や温度分布の非対称性が生じることが懸念されることから、原子力機構で開発してきた高速炉燃料集合体内熱流動解析コードSPIRALを用い、FAIDUS内の熱流動特性を詳細に確認することとした。先進型ナトリウム冷却大型高速炉の定格条件(暫定条件)を境界条件とするFAIDUSの熱流動解析を実施した結果、従来の正六角管型集合体の熱流動特性と同様な傾向を示し、特異な温度分布を示さないことを確認した。
菊地 紀宏; 今井 康友*; 吉川 龍志; 堂田 哲広; 田中 正暁; 大島 宏之
Proceedings of 25th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-25) (CD-ROM), 12 Pages, 2017/07
先進ループ型ナトリウム冷却高速炉の設計検討において、高速炉の安全性向上のための方策の一つとしてFAIDUSと呼ばれる内部ダクトを有する燃料集合体の採用が検討されている。FAIDUSの設計実現性を確認するため、種々の運転条件下における熱流動評価が必要であり、本研究では、模擬燃料集合体を用いた試験を対象とした数値解析を通じ燃料集合体へのASFREコードの適用性を確認した後、内部ダクトのない燃料集合体とFAIDUSの熱流動解析を実施した。得られた結果からFAIDUS内に非対称な温度分布が生じず、FAIDUSの温度分布特性は内部ダクトのない燃料集合体と同様であることがわかった。特に、低流量条件において、浮力による局所的な流れの促進が流量再配分をもたらし、その影響により平坦な温度分布が形成されるとの知見を得た。
青柳 光裕; 内堀 昭寛; 菊地 晋; 高田 孝; 大野 修司; 大島 宏之
Proceedings of International Conference on Fast Reactors and Related Fuel Cycles; Next Generation Nuclear Systems for Sustainable Development (FR-17) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2017/06
ナトリウム冷却高速炉のナトリウム燃焼時には、多くの現象が複合して生じる。本研究では、ナトリウム燃焼時の重要現象を同定するためにPIRT手法を適用した。本PIRT手法においては、要因分析を用いて重要度評価を実施する上での適切な評価指標を設定するとともに、要素および事象進展の両分析から関連現象を抽出した。重要度評価は事象進展に評価指標を関連付けて実施して、重要度評価表を完成させた。またモデルの妥当性評価のための評価マトリクスを構築した。
青柳 光裕; 内堀 昭寛; 菊地 晋; 高田 孝; 大野 修司; 大島 宏之
Proceedings of 10th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-10) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2016/11
ナトリウム冷却高速炉のナトリウム燃焼時には、多くの現象が複合して生じる。本研究では、ナトリウム燃焼時の重要現象を同定するためにPIRT手法を適用した。本PIRT手法においては、要因分析を用いて重要度評価を実施する上での適切な評価指標を設定するとともに、要素および事象進展の両分析から関連現象を抽出した。重要度評価は事象進展に評価指標を関連付けて実施して、重要度評価表を完成させた。
菊地 紀宏; 大島 宏之; 田中 正暁; 橋本 昭彦*
第21回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集(USB Flash Drive), 4 Pages, 2016/06
高速炉燃料集合体の熱流力設計や安全性評価への適用を目的として、サブチャンネル解析コードASFREを整備し、複数の試験解析を通して燃料集合体内熱流動評価への適用性を確認してきたが、試験結果と比べやや急峻な温度分布となる傾向があった。本研究では、燃料集合体内温度分布の予測精度向上を目的として、流量配分に影響を及ぼす局所的な流動抵抗をより適切に評価するため、サブチャンネル解析の各コントロールボリュームにおいて冷却材が燃料ピンやワイヤスペーサから受ける局所的な流動抵抗を計算する分布抵抗モデル(DRM: Distributed Resistance Model)の精緻化を試みた。具体的には、DRMに組み込まれる燃料ピン配置等の幾何形状を考慮するモデルパラメータを修正した。改良されたDRMの適用性を確認するため、37本ピンバンドル体系ナトリウム試験を対象とした解析を実施し、その適用性を確認した。
栗原 成計; 梅田 良太; 菊地 晋; 下山 一仁; 大島 宏之
日本原子力学会和文論文誌, 14(4), p.235 - 248, 2015/11
ナトリウム冷却高速炉の蒸気発生器でナトリウム(Na)-水反応が生じると、水漏えい位置に隣接する健全な伝熱管は反応ジェットの影響によって局所的な損耗(ターゲットウェステージ)を受け、破損が伝播して影響範囲が拡大する可能性がある。従来の研究では、実機SGの伝熱管候補材料を対象に、実機SG運転条件を模擬した多くのターゲットウェステージ実験が実施され、反応ジェットを形成するマクロな境界因子でウェステージ速度が評価されてきた。しかしながら、高温・高圧運転が指向される異なるSG型式に対して同様のアプローチで安全評価を行うには、設計上の選択肢に対して汎用性に欠け、設計時の最適化に適さない。本報では、Na-水反応時の主たる反応生成物である、高温のNaOH及びNaOによる実機SG伝熱管材料の流れを伴う複合酸化型腐食挙動を把握することを目的として、ウェステージ環境に影響を及ぼす局所因子を分離可能な実験装置及び手法を開発し、減肉速度に及ぼす試料/供試体(伝熱管材料)温度及び試料衝突速度の影響を定量的に検討した結果について述べる。さらに、実験後供試体の金属組織観察や化学分析に基づき、腐食環境を推察した。
菊地 紀宏; 大島 宏之; 今井 康友*; 檜山 智之; 西村 正弘; 田中 正暁
日本機械学会関東支部茨城講演会2015講演論文集, p.179 - 180, 2015/08
ナトリウム冷却型高速炉の経済性向上策の一つとして燃料の高燃焼度化が挙げられるが、その実現にはスエリング等による燃料ピン変形状態および変形時の燃料集合体内の熱流動現象を詳細に評価する必要がある。原子力機構では、燃料集合体熱流動詳細解析コードSPIRALを整備し、種々の検証解析を実施し、コード適用性を確認してきた。本報では、燃料ピン周りの詳細な速度分布が得られている3本ピン水試験を対象に試験解析を実施し、集合体内の速度場を精度よく再現できることを確認した。これにより、燃料集合体内ギャップ部における流れ場に対し、SPIRALに組み込まれたHybrid型乱流モデルが高い適用性を持つことを示した。