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生澤 佳久; 菊池 圭一; 小澤 隆之; 中沢 博明; 磯崎 隆夫*; 長山 政博*
JNC TN8410 2005-012, 113 Pages, 2005/08
照射用ガドリニア燃料集合体E09は新型転換原型炉「ふげん」において、1990年6月から1997年1月まで照射された。E09燃料集合体はふげんで最も高い燃焼度に達した集合体で、ペレットピーク燃焼度は約48GWd/tであった。E09燃料集合体は2001年に日本原子力研究所東海研究所へ輸送されたのち照射後試験が2001年6月から開始され、2005年3月に全ての試験が終了した。照射後試験から得られたE09の主な照射挙動は以下のようなものである;・E09燃料集合体及び燃料要素の健全性を確認した。・ATR-MOX燃料被覆管の腐食挙動はLWR-UO2燃料被覆管と類似であった。・最大線出力45kW/m以上で中心空孔の形成が認められた。・ペレットリム部やPuスポット周辺で、高燃焼度LWR-UO2燃料で観察されるリム組織に類似した組織が観察された。・約48GWd/tまで照射されたMOXペレットの物性(ペレットスエリング、熱伝導度、融点、FPガス拡散)はLWR-UO2ペレットの物性と類似であった。本照射後試験結果は、軽水炉におけるプルサーマル燃料への活用も期待され、また解体核利用技術開発の一オプションである「CANDUオプション」へも反映する計画である。
生澤 佳久; 菊池 圭一; 小澤 隆之; 中沢 博明; 安部 智之; 磯崎 隆夫*; 長山 政博*
JNC TN8410 2004-008, 106 Pages, 2004/10
照射用ガドリニア燃料集合体E09は新型転換原型炉「ふげん」において、1990年6月から平成9年1月まで照射され、燃料集合体平均燃焼度約37.7GWd/tに達した。照射用ガドリニア燃料集合体は、高燃焼度化のために軸方向富化度分布やUO2-Gd2O3燃料要素の配置といった改良を行っている。照射されたE09燃料集合体は「ふげん」の使用済み燃料貯蔵プールにおいて約4年間冷却された後、2001年に日本原子力研究所東海研究所へ輸送された。そして破壊試験の一部(パンクチャ試験、金相試験及びオートラジオグラフィ)が2003年3月までに終了した。破壊試験は2004年12月までに終了する計画である。本報告書では、2002年度実施した破壊試験結果をまとめると共に、照射挙動について検討・評価を行った結果についてまとめる。照射後試験の結果から,燃料集合体や燃料要素の健全性に問題となるような挙動は認められず,照射中の高燃焼度MOX燃料集合体の健全性について確認した。なお、本照射後試験結果は、軽水炉におけるプルサーマル燃料への活用も期待され、また解体核利用技術開発の一オプションである「CANDUオプション」へも反映する計画である。
生澤 佳久; 菊池 圭一; 中沢 博明; 安部 智之; 磯崎 隆夫*; 長山 政博*
JNC TN8410 2003-015, 251 Pages, 2004/01
「ふげん」照射用ガドリニア燃料集合体E09は、新型転換炉実証炉用高性能燃料として開発されたMOX燃料集合体と同等の燃料仕様を有する燃料集合体であり、新型転換原型炉「ふげん」において、平成2年6月から平成9年1月まで照射され、燃料集合体平均燃焼度約37.7GWd/tに達した。照射用ガドリニア燃料集合体は、高燃焼度化のために軸方向富化度分布やUO2-Gd2O3燃料要素の配置といった改良を行っている。照射されたE09燃料集合体は「ふげん」の使用済み燃料貯蔵プールにおいて約4年間冷却された後、平成13年に日本原子力研究所東海研究所へ輸送された。そして同年7月から照射後試験が開始され、平成15年3月までに破壊試験の一部(パンクチャ試験、金相試験及びオートラジオグラフィ)が終了した。本報告書では、平成15年3月までに得られた破壊試験結果をまとめると共に、これらの照射後試験結果を基に、燃料集合体や燃料要素の構造健全性及び照射挙動ついて検討・評価した。検討・評価の結果、燃料集合体や燃料要素の健全性に問題となるような挙動は認められなかった。
澁谷 秀雄*; 東島 隆浩*; 江崎 尚和*; 森永 正彦*; 菊池 圭一
Electrochimica Acta, 43(21), p.3235 - 3239, 2002/00
遷移金属基合金の水素過電圧に及ぼす合金元素の影響について提案されている理論を、Zr合金についても系統的な実験と電子構造の計算より確証した。3d、4d、5d遷移金属を3mol%添加したZr二成分系合金の水素過電圧は、合金元素Mとともに大きく変化した。この変化は、Mが純金属のときの水素過電圧の変化とよく似ていた。これらの結果は、DV-Xクラスター法より求めたZr中の合金元素Mのイオン性を用いて説明できる。つまり、Hfを除く大部分の合金元素は負のイオン性であり、そのため、母金属であるZrから合金元素Mへ電子の移行が生じる。このようにして負に帯電した合金元素は水素発生反応サイト、つまり、プロトンに電子を与えるサイトとして作用する。このため、合金の水素過電圧は合金元素によって大きく変化すると考えられる。なお、本件は、大学への委託研究として実施したものの成果である。
笹島 栄夫; 更田 豊志; 中村 武彦; 中村 仁一; 菊池 圭一*
Journal of Nuclear Science and Technology, 37(5), p.455 - 464, 2000/05
反応度事故条件下における照射済MOX燃料の挙動を調べるために、原研のNSRRにおいて燃焼度約20MWd/kgHMのATR/MOX燃料を用いたパルス照射実験を行った。ピーク燃料エンタルピ335~586J/gの範囲で4回のパルス照射実験を実施した結果、燃料の破損は観察されなかった。ピーク燃料エンタルピ500J/g以上の実験で、PCMIによる比較的大きな燃料棒の変形が生じ、461J/g以上のエンタルピで試験した燃料では、ペレット密度の顕著な低下が観察された。また本実験では最高約20%という高いFPガス放出が測定された。Puスポット位置では、FPガスが蓄積されていたと思われる数十ミクロンの大きな空洞が見られた。燃料ペレットの外周領域にあるPuスポットの周りでは、細粒化組織が観察された。Puスポット中の大きな空洞又は多孔組織の存在は、パルス照射時のペレットのスエリングに寄与したと考えられる。すなわち、高いエンタルピ条件でパルス照射した場合には、燃料棒の大きな変形を引き起こし、結果的に高率のFPガス放出を生じさせた原因になったと考えられる。
笹島 栄夫; 更田 豊志; 中村 武彦; 中村 仁一; 上塚 寛; 菊池 圭一*; 安部 智之*
JAERI-Research 99-060, p.62 - 0, 2000/03
反応度事故条件下における照射済MOX燃料の挙動、特にFPガス放出や破損機構をウラン燃料と比較し把握するために、原研のNSRRにおいて燃料燃焼約20MWd/kgHMまで新型転換炉「ふげん」においてベース照射したATR/MOX燃料を用いたパラメータ照射実験を行った。これまでに4回のパルス照射実験をピーク燃料エンタルピ335J/gから586J/gの範囲で実施したが、燃料の破損は観察されなかった。500J/g以上のピーク燃料エンタルピを与えた実験では、PCMIによる比較的大きな燃料棒の変形が生じた。パルス後のガスパンクチャ試験により、約20%のFPガス放出が観察された。Puスポット位置では、FPガスがたまっていると思われる直径数十ミクロンの大きな気孔が見られた。ペレット外周部のPuスポットの周りでは結晶粒の微細化が観察された。またペレット外周部でのマイクロクラックの生成、Puスポットを起点としたクラックの生成、マトリックス部の結晶粒界分離が観察された。このようにパルス照射によるペレットミクロ組織の変化がパルス照射時の燃料スエリングに寄与したと考えられる。また相対的に高いピーク燃料エンタルピのパルス照射時に見られた、燃料棒の大きな変形及び高いFPガス放出率は、このようなミクロ組織の変化によって生じたものと思われる。
更田 豊志; 中村 武彦; 笹島 栄夫; 永瀬 文久; 上塚 寛; 菊池 圭一*; 安部 智之*
Proceedings of an International Topical Meeting on Light Water Reactor Fuel Performance (CD-ROM), 15 Pages, 2000/00
NSRR実験を中心とした反応度事故条件下における燃料挙動研究について最新の成果を報告する。被覆管の水素脆化を主因とするPCMI(燃料ペレット/被覆管機械的相互作用)破損が問題となっているPWR燃料については、最新のTK-7実験における燃料破損状況を示す。一方、PWR燃料に比べて被覆管強度の低下及びPCMIによる負荷が小さいBWR燃料においても、燃焼度の増大に伴って過渡時の変形が大きくなる傾向が見られており、PCMI破損に至る可能性が大きくなっている。ATR-MOX燃料実験においては、燃料の変形及びFPガス放出がウラン燃料に比べて大きくなる傾向が見られ、Puスポット近傍のペレット微細割れなど、MOX燃料特有の現象が見られる。さらに、内圧バースト試験では、外周部に水素化物の偏析が著しい被覆管は高温条件(620K)下においても破断歪が1%以下となることを示した。
笹島 栄夫; 更田 豊志; 石島 清見; 菊池 圭一*; 安部 智之*
Proceedings of 7th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-7) (CD-ROM), 10 Pages, 1999/00
高燃焼度UO燃料を用いたNSRR実験で、破損しきい値の低下が明らかにされたことから、MOX燃料についても、これらのことを確認する必要がある。我が国では、軽水炉でMOX燃料を燃やすプルサーマル計画や、MOX燃料の高燃焼度化計画が進められている。MOX燃料の軽水炉での利用に関しては、UO燃料と両立することが重要であり、核的及び熱水力的な特性がUO燃料と同等となるよう燃料を設計する必要がある。この計画を円滑に進めるためには、通常運転時及び過渡時の燃焼の進んだ燃料のふるまいを把握することが重要である。これに合わせて、NSRRでは平成7年度から照射済MOX燃料を用いたパルス照射実験を実施している。パルス照射実験に供する試験燃料は、新型転換炉(ATR)原型炉「ふげん」において燃焼度約20GWd/tまでベース照射したMOX燃料をNSRR実験用に短尺化したものを用いている。本報告では、これまでに行われた4回の実験について、破損しきい値、FPガス放出等の反応度事故時の燃料挙動を報告する。
澁谷 秀雄*; 森永 正彦*; 東島 隆浩*; 松下 健一*; 菊池 圭一
日本原子力学会誌, 40(6), p.501 - 508, 1998/06
被引用回数:2 パーセンタイル:24.49(Nuclear Science & Technology)ジルコニウムのヤング率とビッカース硬さに及ぼす合金元素の影響について、Zr-2.0mol%M二成分系合金を用いて系統的に調べた。その結果、合金のヤング率は3d遷移金属を除き、周期表の中の元素Mの位置に従って系統的に変化することがわかった。また、それはMが純金属のときのヤング率ともよく対応していた。ビッカース硬さも同様な周期的な変化をしたが、合金効果は試験温度とともに少し変化する傾向がみられた。さらに、本結果とオートクレーブ腐食試験の結果、並びに純金属の熱中性子吸収断面積を基にして、合金特性に及ぼす個々の影響を表す5種類の特性指標図を作製した。この指標図は、ジルコニウム合金の設計と開発を行う上で有用であると思われる。なお、本件は、大学への委託研究として実施したものの成果である。
澁谷 秀雄*; 森永 正彦*; 菊池 圭一
日本原子力学会誌, 40(1), p.70 - 78, 1998/00
被引用回数:4 パーセンタイル:38.68(Nuclear Science & Technology)合金開発に有用な情報を得ることを目的として、h.c.p.-Zr並びにb.c.c.-Zrの電子構造に及ぼす合金元素の影響を検討した。電子構造の計算は、分子軌道法の一つであるD-Xクラスター法を用いて計算した。そして、合金効果を表すパラメータである結合次数、Boとd軌道エネルギーレベル、Mdを求めた。その結果、二成分系の状態図や化合物の結晶構造は、Bo-Mdマップ上で整理できることがわかった。さらに、ジルコニウム中の不純物金属元素の拡散の活性化エネルギーは結合次数とともに増加していく傾向があった。なお、本件は、大学への委託研究として実施したものの成果である。
澁谷 秀雄*; 森永 正彦*; 菊池 圭一
日本金属学会誌, 62(6), p.534 - 541, 1998/00
近年、軽水炉では燃料の高燃焼度化と長寿命化が要請されている。このため、燃料被覆管では使用環境下での耐食性が、特にBWRではノジュラー腐食と呼ばれる局部腐食が問題となっている。ノジュラー腐食に関しては、これまでに数多くの研究が行われているが、詳細については、未だ不明である。しかし、最近、腐食試験後の表面酸化皮膜に関する研究が幾つか行われ、ジルコニウム合金の腐食を解明するうえで有益な情報が得られるとこがわかってきた。そこで本研究では、Zr-M二成分系合金を用いて773Kの腐食試験を行い、表面に形成した酸化皮膜をX線光電子分光法により分析した。その結果、均一腐食酸化皮膜では合金元素は比較的均一に存在していた。一方、ノジュラー腐食酸化皮膜では合金元素は最表面にのみ存在しており皮膜内部ではほとんど存在していなかった。このように、均一腐食部とノジュラー腐食部とでは酸化皮膜中の溶質元素の分布状態が異
上村 勝一郎; 矢野 総一郎; 河野 秀作; 加藤 正人; 森本 恭一; 森平 正之; 菊池 圭一
PNC TN8410 97-067, 452 Pages, 1997/02
ハルデン炉において、「軽水炉用」プルトニウム富化燃料(Puf富化度4.6w/o)の高燃焼度照射試験(IFA-565)を実施した。IFA-565は、IFA-514照射試験として照射した6本の燃料棒のうち、3本について同一リグにて継続照射したものである。IFA-514については既報にまとめられており、本報告では、継続照射した照射データ及び照射後試験結果について解析・評価を行った。得られた結果は、以下の5点である。(1)ペレットピーク燃焼度で61GWd/tMOXの高燃焼度まで健全に燃焼すること確認した。(2)FPガス放出挙動はBWRUO2及びATR用のMOX燃料の挙動と類似しており、FPガス放出率に差は認められない。また、中空ペレットのFPガス放出率(13.0%)は中実ペレット(17.3%)より低い。(3)金相観察結果及びペレット長の変形量からいずれの燃料棒にも大きなPCMIは生じておらず、ペレット形状(中実と中空)がPCMI挙動に与える影響に明確な差は認められない。しかし、中空ペレットの方が中実ペレットに比べて燃料棒外径変化率がやや小さく、外径変化の抑制に効果がある。(4)燃料棒の伸びはBWRUO燃料棒及びATR用MOX燃料棒に比べてやや小さく、約0.15%である。(5)製造時に存在したペレットの造粒界が照射中に消失することにより、ペレットスウェリングの緩和に効果のあったことが推察される。
生澤 佳久; 菊池 圭一; 小澤 隆之; 前田 誠一郎; 中島 弘*; 小池 直人
no journal, ,
高速実験炉「常陽」において、Am含有MOX燃料の熱的性能の確認のため、Am含有MOX燃料の高線出力試験(B14照射試験)を実施した。本報告ではB14照射試験結果に基づき、Am含有MOX燃料の熱的性能の確認,燃料挙動解析コードの検証及び熱設計について検討した。