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三井 隆也; 瀬戸 誠; 菊田 惺志*; 平尾 直久*; 大石 康生*; 武居 文彦*; 小林 康浩*; 北尾 真司*; 東谷口 聡*; 増田 亮*
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 46(2), p.821 - 825, 2007/02
被引用回数:33 パーセンタイル:74.29(Physics, Applied)Feを富化した反強磁性体FeBO単結晶のネール温度近傍における純核ブラッグ反射を利用して、SPring-8の日本原子力研究開発機構の専用ビームラインBL11XUにおいて、neVオーダーのエネルギー分解能を持つ超単色のシングルラインX線を12000cpsの世界最高の強度で発生することに成功した。本実験では、得られた超単色X線のビーム特性と放射光メスバウアースペクトル測定におけるパフォーマンスが調べられた。放射光の微小ビームを利用した典型例として、ダイアモンドアンビルセル内の超高圧下における鉄多結晶の圧力誘起磁気転移も観測された。
三井 隆也; 武居 文彦*; 北尾 真司*; 瀬戸 誠; 原見 太幹; Zhang, X.*; 依田 芳卓*; 菊田 惺志*
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 30(1), p.7 - 10, 2005/03
核共鳴ブラッグ散乱を利用して、放射光からneVオーダーの超単色光を取り出すための光学素子として、Feをエンリッチした大型のFeBO単結晶をフラックス法により育成した。結晶性は放射光による平面波トポグラフィーにより評価された。ロッキングカーブの測定から、無磁条件下で結晶の磁化状態が多磁区構造であっても、半値幅が4秒程度の非常に良質単結晶であることがわかった。X線トポグラフィーの結果から、この結晶中が周期性のある磁区構造パターンを持ち、この構造が高い結晶完全性に関連していることが明らかになった。本発表では、上記の結晶評価実験に加えて、本結晶によるネール転移温度近傍での核共鳴ブラッグ散乱現象を利用した放射光X線のneVオーダーの超単色化実験の結果について報告する。
三井 隆也; 北尾 真司*; 瀬戸 誠*; 依田 芳卓*; 菊田 惺志*
Journal of the Physical Society of Japan, 68(12), p.4049 - 4050, 1999/12
被引用回数:3 パーセンタイル:33.44(Physics, Multidisciplinary)SPring-8アンジュレータビームラインBL09において反強磁性体FeBO単結晶のネール温度近傍における核共鳴前方散乱特性を調べた。相転移温度近傍で観測された時間スペクトルには内部磁場の消失に対応して量子ビートが消失するのと対照的に、ダイナミカルビートの周期幅が極端に短くなることが観測された。このことは相転移温度近傍で、X線光子の結晶中での多重散乱過程に大きな変化が生じていることを意味する。本論文ではこの原因が核の励起準移の縮退であることが理論解析から明らかにされる。
富満 広; 長谷川 祐司*; 相澤 一也; 菊田 惺志*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 420(3), p.453 - 466, 1999/00
被引用回数:2 パーセンタイル:27.57(Instruments & Instrumentation)精密中性子光学実験を行う目的で、JRR-3MにPNO装置を設置した。Si-ILL型干渉計を用いて、ガリウム同位体Ga,Gaの干渉性中性子散乱長を測定した。結果は、それぞれ、8.0530.013fm,6.1700.011fmであった。これらの値は、従来他の方法で求められていた値を、各1桁以上精度向上させたものであり、干渉計法の威力を示したものである。
三井 隆也; 清水 達夫*; 今井 康彦*; 依田 芳卓*; X.W.Zhang*; 武居 文彦*; 原見 太幹; 菊田 惺志*
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 36(10), p.6525 - 6529, 1997/10
被引用回数:8 パーセンタイル:44.14(Physics, Applied)放射光により瞬時励起された物質からの核共鳴散乱線は比較的長い時間(Fe核の場合で100ns)に渡り放射される。特に前方方向に散乱される核共鳴散乱は物質中で多重回共鳴吸収を繰り返した後、コヒーレントなX線電場の重ね合わせとして観測されるので散乱の時間応答は崩壊中に生じるX線波長(0.86Fe)オーダーの核の位置変化に対し極めて敏感に変化する。本研究では反強磁性体FeBO単結晶に外部から放射光パルスに同期したRF磁場を印加し、この結晶中に生じる不均一、微小な原子振動がメスバウアー時間スペクトルに与える影響を調べた。観測された時間スペクトルから、結晶の磁化状態が放射光励起時刻の状態に戻る時に著しい強度エンハンスメントが生じることが初めて示された。この現象の解析は、多重核共鳴吸収理論を共鳴核が振動する系に適用して行われた。その結果、結晶のビーム方向に対する歪みのサイズが1以下のオーダーで決定された。
菊田 惺志*; 依田 芳卓*; 小山 一郎*; 清水 達夫*; 五十嵐 博*; 泉 弘一*; 国宗 依信*; 瀬戸 誠*; 三井 隆也; 原見 太幹; et al.
X-Ray and Inner Shell-Processes (AIP Conference Proceedings 389), p.351 - 365, 1997/01
本論文では、我々のグループで最近行われた核共鳴散乱の応用実験に関して、以下のような実験成果が報告される。(1)放射光によるDy、Euの核励起後の集団的崩壊を内部転換過程で生じるL-X線の時間遅れを検出することで観測した。(2)集団励起後、反強磁性体FeBO単結晶中の原子の内部磁場を1nsで高速反転させた時の核共鳴前方散乱の時間スペクトルを観測した。(3)反強磁性体FeBOに放射光パルスに同期をとったrf磁場(f=2.38MHz)を印加した時の核共鳴前方散乱の時間スペクトルを観測した。(4)核共鳴非弾性散乱の応用として、300K、150KにおけるFeフォイルのフォノンエネルギースペクトルの測定を行った。また、300K、373Kでの磁性流体中のFe微粒子の非弾性メスバウアースペクトルも観測された。(5)FeBO(333)(855)の同時反射が起きた時の核ブラッグ散乱特性が調べられた。(6)トリスタン(MR)からの干渉性の良いX線を利用し、X線領域での二光子相関実験が行われた。