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沖田 将一朗; 田崎 誠司*; 安部 豊*
日本原子力学会和文論文誌, 19(3), p.178 - 184, 2020/09
京都大学加速器中性子源(KUANS)は、現在国内で稼働している小型加速器中性子源の一つであり、分光器や検出器の開発に活用されている。さらにKUANSは、比較的低い中性子発生強度のため、減速材設計に関する実験研究に適した施設でもある。KUANSのビーム強度の増加を図るため、リエントラントホールを有する減速材の核設計を実施し、KUANSを利用して設計の妥当性を確認する実験を行った。PHITSを用いた計算によって、リエントラントホールを有するポリエチレン減速材の核設計を実施し、その減速材から得られるビーム強度を実験的に測定したところ、これまで使われていた直方体形状の減速材を用いた場合の1.9倍のビーム強度が得られた。さらに直方体形状の減速材から得られるビームに対する波長毎のビーム強度比は、波長の長い中性子ほど増加し、最大で3倍程度になった。興味深いことに、減速材にリエントラントホールを設けることにより、長い波長の中性子ほどより効率的に減速材の中から取り出されることがわかった。
新関 智彦*; 吉川 貴史*; 内田 健一*; 岡 美嶺人*; 鈴木 和也*; 柳原 英人*; 喜多 英治*; 齊藤 英治
AIP Advances (Internet), 5(5), p.053603_1 - 053603_6, 2015/05
被引用回数:39 パーセンタイル:81.57(Nanoscience & Nanotechnology)The longitudinal spin-Seebeck effect (LSSE) has been investigated in cobalt ferrite (CFO), an exceptionally hard magnetic spinel ferrite. A bilayer of a polycrystalline Pt and an epitaxially-strained CFO(110) exhibiting an in-plane uniaxial anisotropy was prepared by reactive rf sputtering technique. Thermally generated spin voltage in the CFO layer was measured via the inverse spin-Hall effect in the Pt layer. Externalmagnetic-field () dependence of the LSSE voltage () in the Pt/CFO(110) sample with was found to exhibit a hysteresis loop with a high squareness ratio and high coercivity, while that with shows a nearly closed loop, reflecting the different anisotropies induced by the epitaxial strain. The magnitude of has a linear relationship with the temperature difference (), giving the relatively large / of about 3 V/K for CFO(110) which was kept even at zero external field.
岩田 圭司*; 今福 宗行*; 鈴木 環輝*; 菖蒲 敬久; 折原 秀人*; 酒井 祐介*; 秋田 貢一; 大谷 眞一*; 石山 和志*
Journal of Applied Physics, 117(17), p.17A910_1 - 17A910_4, 2015/03
被引用回数:6 パーセンタイル:27.03(Physics, Applied)レーザーを照射した鉄3%シリコン鋼に還流磁区を生じさせる内部応力分布を、高エネルギー放射光X線解析および変分原理に基づく磁区理論によって検討した。測定された試験片内の三軸応力は圧縮で、圧延方向の応力がほかの方向の応力よりも支配的であった。還流磁区に関する磁気エネルギーの変分原理に基づく計算により、測定された三軸応力が、還流磁区が無い場合の主磁区よりも、磁区をより安定させていることが分かった。実験および計算結果から、レーザー誘起内部応力が還流磁区を発生させていることを示した。
角田 淳弥; 藤田 一郎; 柴田 大受; 牧田 太陽*; 高木 俊*; 國本 英治*; 沢 和弘; Kim, W. J.*; Park, J. Y.*
IOP Conference Series; Materials Science and Engineering, 18(16), p.162010_1 - 162010_4, 2011/09
被引用回数:1 パーセンタイル:52.78(Materials Science, Ceramics)炭素繊維強化炭素複合材料(C/Cコンポジット)は、その強度及び耐熱性が優れていることからVHTR制御棒要素の候補材の一つである。C/Cコンポジットの亀裂進展は複雑なので、その破壊挙動はC/Cコンポジット製制御棒の設計において最も重要な課題の一つである。本研究では、炭素繊維とマトリックスの層構造である2次元C/Cコンポジットについて、モードII破壊特性を評価するため、酸化させた端面切欠き試験片を用いて曲げ試験を実施した。その結果、層間破壊靱性値は酸化率が大きくなるにつれて減少した。これは、破壊靱性がマトリックスの酸化によって減少したことによるもので、その減少率はマトリックスのタイプに依存することがわかった。また、亀裂は繊維束間で発生し、繊維を断裂させることなく繊維束間に沿って成長することがわかった。繊維とマトリックス間で発生した亀裂は、繊維束間の層間ボイドに集まり、その後マトリックスを通って成長すると考えられる。
柴田 大受; 角田 淳弥; 牧田 太陽*; 高木 俊*; 國本 英治*; 沢 和弘; Kim, W. J.*; Jung, C. H.*; Park, J. Y.*
日本機械学会論文集,A, 76(764), p.383 - 385, 2010/04
日本原子力研究開発機構では、1000C近い高温のガスを炉外に取り出すことができる超高温ガス炉(VHTR)の研究開発を進めており、高効率発電や水素製造への利用が可能である。VHTRの炉内構造物には、金属に代わる耐熱性に優れた耐熱セラミックス複合材料を開発することが重要であり、炭素繊維強化炭素複合材料(C/C複合材料)は候補材料の一つであるが、炉内構造物への応用のためには、その破壊挙動を明らかにしておく必要がある。本研究では、二次元(2D-)C/C複合材料についてSENB試験片により破壊特性を評価し、以下の結果を得た。(1)3つの銘柄の2D-C/C複合材料について、金属材料の評価式を適用して応力拡大係数を評価することを試み、今回の試験体系で材料ごとの破壊特性を評価することができる見通しを得た。(2)荷重-開口変位量曲線において、き裂の進展だけではなく層間はく離の効果が含まれていることを確認した。今後、定量評価を行う予定である。
柴田 大受; 角田 淳弥; 牧田 太陽*; 高木 俊*; 國本 英治; 沢 和弘
Ceramics in Nuclear Applications, Vol.30, Issue 10, p.19 - 32, 2009/11
日本原子力研究開発機構(JAEA)では、超高温ガス炉(VHTR)の研究開発を進めている。VHTRの炉内構造物は高温工学試験研究炉(HTTR)よりも厳しい条件で使用されるため、耐熱性に優れたセラミックス複合材料の開発が重要である。C/C複合材料及びSiC/SiC複合材料は、これまでの金属材料製の制御棒に代わる有力な候補材料である。JAEAはこれら複合材料の制御棒への応用について、(1)データベース確立、(2)設計、(3)HTTRにおける実証、の流れに沿って研究開発を進めている。本論文は、これらの研究開発計画について述べたものであり、成果の一つとして、黒鉛化処理を施したC/C複合材料については、黒鉛と同様の照射挙動であり、これまでに蓄積した黒鉛の照射データベースが利用できることを示した。また、HTTRでは大型構造物の照射試験が可能であり、複合材料製の制御棒開発の最終段階で必要となる実証試験を行うことができる。
高木 俊*; 牧田 太陽*; 國本 英治; 柴田 大受; 沢 和弘
JAEA-Technology 2008-094, 22 Pages, 2009/03
高温ガス炉の性能及び安全性を向上させる手段として、金属に替わるより高温で使用できる耐熱性材料の炉内構造物への使用が望まれている。高温に耐え得る材料の一つとして、炭素繊維強化型炭素複合材料(C/Cコンポジット)が有望な材料であり、超高温ガス炉(VHTR)においても制御棒等炉内構造物へのC/Cコンポジットの採用が検討されている。本報告は、材料試験炉(JMTR)において03M-47ASキャプセルで照射されたC/Cコンポジットの照射による特性変化として照射後試験で実測した照射誘起寸法変化,熱膨張率,弾性率についてまとめたものである。
阿部 賢一郎*; 三好 芳洋*; 芦田 淳*; 脇田 和樹*; 大島 武; 森下 憲雄; 神谷 富裕; 渡瀬 星児*; 伊崎 昌伸*
Japanese Journal of Applied Physics, 44(1B), p.718 - 721, 2005/01
被引用回数:1 パーセンタイル:4.7(Physics, Applied)耐放射線性を有する宇宙用太陽電池の材料候補であるカルコパイライト系半導体の電子線照射により発生する結晶欠陥をフォトルミネッセンス(PL)法により調べた。試料はCuInS単結晶を用い、室温にて3MeV電子線を照射した。PL測定の結果、電子線の照射とともに自由励起子(1.535eV)及び束縛励起子(1.530eV, 1.525eV)のピーク強度が減少し510/cmの照射で未照射の1/30となった。また、ドナー,アクセプタペアのピークは510/cmの照射で未照射の1/3となった。これは照射により結晶性が低下したことで説明できる。一方、照射量の増加とともに0.73eVから1.20eV付近に欠陥形成に由来するブロードなピークが新たに出現することが見いだされた。このブロードピークの温度依存性を解析することで、このブロードピークが11個のピークの重ね合わせによることが決定された。さらにこれらのうち特長的な2つのピークについて、発光強度の温度依存性より活性化エネルギーを求めたところ0.07から0.09eVであることが判明した。
畑 慶明; 喜多 英治*; 籠宮 功*; 近 桂一郎*; 白鳥 紀一*; 中島 健次*; 加倉井 和久*
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.195 - 196, 2001/05
ZnCrOはAサイトにはいるZnが非磁性であるためA-Bサイト間に相互作用が存在せず、Bサイト最近接イオン間に反強磁性的相互作用を考えるとBサイトがフラストレートすることが知られている。また低温の秩序状態の磁気構造は複数の磁区に分かれており、いまだ磁気構造は未知である。そこで、中性子線散乱実験を通じて磁気構造決定を目的に実験を行った。実験の結果、ネール点10Kをはさんで、それより上で磁気散漫散乱が、それ以下で磁気ブラッグ反射が観測された。転移は一段であり、類似した物質のMgCrOとは全く異なる現象である。磁気的に単分域にするために、磁場中冷却を行い同様の測定を行ったが単分域にはできなかった。秩序相の磁気対称性がある条件を満足する場合、電気磁気効果がみられ、電場・磁場両方を印加して冷却することで単分域化することが可能であり、ZnCrOもこのような手法で単分域化できると考えられた。
村上 剛*; 阿部 賢一郎*; 芦田 淳*; 脇田 和樹*; 渡瀬 星児*; 伊崎 昌伸*; 大島 武; 森下 憲雄; 伊藤 久義
no journal, ,
次世代の宇宙用高効率薄膜太陽電池材料として有望視されるCuInS結晶の放射線損傷効果を調べるため、Arを照射したCuInS結晶のX線光電子分光(XPS)測定を行った。試料はトラベリングヒーター(THM)法によって作製したCuInSバルク単結晶を用い、Ar(加速エネルギー:3kV)の照射時間は1, 60, 180分とした。XPS測定の結果、452.9eVと445.3eVに現れるIn原子の3d, 3dピークの約1.5eV低エネルギー側にAr照射による新たなピークが見いだされた。またS原子のXPSスペクトルでは、163.4eV及び162.4eVの2p, 2pピークの約0.7eV低エネルギー側にAr照射により新たなピークが生成していることも明らかとなった。一方、Cu原子のXPSスペクトルにはAr照射による顕著な変化は観測されなかった。これらの結果より、Ar照射により生成した欠陥の構成原子又は欠陥との結合原子がIn及びSであることが示唆される。
片野 進; 角田 頼彦*; 鈴木 啓幸*; 白鳥 紀一*; 近 桂一郎*; 喜多 英治*
no journal, ,
ZnCrOはNormal Spinel構造を持つ典型的な幾何学的スピンフラストレーション系で、約12.5Kでわずかな格子歪を伴って反強磁性秩序を示す。磁気秩序相でスピン・パイエルス型の磁気励起や強磁場帯磁率でのプラトー等、興味ある物性を示す。最近、磁場中冷却した単結晶の磁化率測定で、低磁場では試料の回転に対して顕著な異方性が観測されるが、数T(テスラ)の磁場中ではほとんど等方的になってしまうことが報告された。この実験に触発されて、中性子散乱実験を磁場中で行った。測定はJRR-3MのTAS-2を用い、単結晶の(111)散乱面に垂直に磁場をかけた。測定磁場H=0 TでもFCとZFCですべての磁気散乱強度が変化するが、H=5Tではhh0(h=n/2, n=odd)ピークは消滅する。特定の磁場で急激に強度が変化をはじめ、この変化は可逆的である。先の帯磁率の異方性の測定で、磁区の分布は5Tでも変化しないことが確認されているので、この磁気散乱強度の磁場依存性はスピン構造の変化からきていると考えざるを得ない。すなわちZnCrOの磁気構造は局所格子歪とcoupleして複雑な構造に落ちているが、比較的低い磁場で(1.2T)、より対称性の高い構造に変化することを示している。
酒井 裕介*; 秋田 貢一*; 大谷 眞一*; 末吉 一行*; 菖蒲 敬久; 今福 宗行*; 鈴木 環輝*; 岩田 圭司*
no journal, ,
トランスの軸として利用されているSi鉄単結晶表面にレーザーピーニングを導入した際に発生する残留応力分布測定を放射光を用いて実施した。その結果、ピーニングを導入した部分の内部に強い圧縮残留応力、その周りに引張残留応力を確認した。この結果は、表面と全く反対であり、内部の軸の分布との相関に関して現在検討中である。
柴田 大受; 牧田 太陽*; 高木 俊*; 國本 英治; 沢 和弘
no journal, ,
超高温ガス炉(VHTR)の制御棒の被覆管には、金属に代わり、より高温で使用できる炭素繊維強化炭素複合材料(C/C複合材料)が有望な材料である。2次元C/C複合材料(2D-C/C)は炭素繊維を積層させた構造であり、構造物としての応用には繊維方向と積層方向との異方性を考慮した評価が必要である。また、酸化により特性が低下するので、耐酸化特性の把握が重要である。原子力機構(JAEA)では、これら特性評価を進めており、新たに韓国原子力研究所(KAERI)との共同研究を開始した。試験対象の2D-C/Cは、日本の3社が製造する3銘柄であり、破壊靭性、強度(引張り, 曲げ, せん断)、熱伝導率、ヤング率について、酸化の影響を評価する予定である。原子力機構は破壊靭性試験を、KAERIは酸化試験及びその他の特性試験を実施する。破壊靭性の予備試験を実施した結果、試験片のジグとの接触面からの破壊を防止するため3点曲げより4点曲げ試験が有効であること、ノッチ部からのき裂と他の箇所の層間せん断の影響を分離する必要があることを明らかにした。
畠 勝郎; 鈴木 一之; 三好 竜太; 須貝 英司; 疋田 敬一; 中村 芳信; 林 晋一郎
no journal, ,
再処理施設の清澄工程で使用しているパルスフィルタのエレメント(ろ材)は、スラッジにより目詰まりが生じる。ろ過速度,逆洗性能に優れ目詰まりしにくいろ材を開発するため、既設の粉末金属焼結型のろ材に代わる積層金網焼結型等のろ材のろ過性能試験を実施した。その結果、基礎試験により選定した積層金網焼結型及び粉末金属皮膜型は、ろ材での評価試験から粉末金属焼結型より、ろ過速度の低下は少なくフィルタ洗浄目安までの処理量の増加が期待できること、かつ十分な捕集効率が得られることを確認した。
柴田 大受; 角田 淳弥; 牧田 太陽*; 高木 俊*; 國本 英治; 沢 和弘; Park, Y.*; Kim, W. J.*; Jung, C. H.*
no journal, ,
日本原子力研究開発機構では、1000C近い高温のガスを炉外に取り出すことができる超高温ガス炉(VHTR)の研究開発を進めており、高効率発電や水素製造への利用が可能である。VHTRの炉内構造物には、金属に代わる耐熱性に優れた耐熱セラミックス複合材料を開発することが重要であり、炭素繊維強化炭素複合材料(C/C複合材料)は候補材料の一つであるが、炉内構造物への応用のためには、その破壊挙動を明らかにしておく必要がある。本研究では、二次元(2D-)C/C複合材料についてSENB試験片により破壊特性を評価し、以下の結果を得た。(1)金属材料の評価式から求めた3つの銘柄の2D-C/C複合材料の応力拡大係数は8から15MPa mであり、今回の試験体系で材料ごとの破壊特性を評価できる見通しを得た。(2)荷重-開口変位量曲線において、き裂の進展だけではなく層間はく離の効果が含まれていることを確認した。今後、定量評価を行う予定である。
須貝 英司; 照沼 宏隆; 大谷 武久; 疋田 敬一; 畑中 聡; 佐本 寛孝; 岡野 正紀; 林 晋一郎
no journal, ,
東海再処理工場の溶解槽で生じるスラッジのうち、高圧水洗浄で除去できない配管内のスラッジを溶解除去するために、溶解槽内から回収したスラッジの再溶解試験を行った。その結果、溶解槽スラッジはモリブデン酸ジルコニウムが主成分であり、再処理工程で通常使用されるNaOHとHNOを用いることにより、常温において約80%のスラッジを溶解可能であることがわかった。本試験結果より再処理工程で通常使用されるNaOHとHNOが溶解槽内の配管等に堆積したスラッジの除去に有効な対策となるものと考える。
柴田 大受; 牧田 太陽*; 角田 淳弥; 高木 俊*; 藤田 一郎; 國本 英治*; 沢 和弘
no journal, ,
耐熱性を有する炭素繊維強化炭素複合材料(C/C複合材料)は、超高温ガス炉(VHTR)の制御棒への応用が期待される材料であり、特に2次元(2D-)C/C複合材料の適用に注目している。2D-C/C複合材料は、繊維とマトリックスからなる層が積層した構造をしており、熱・機械的特性が層の面内方向とそれに垂直方向とで大きく異なるため、構造物の設計にはこれを適切に考慮することが重要である。また、材料特性への中性子照射効果も異方性を有するので、異方性を考慮することが重要である。そこで、2D-C/C複合材料を制御棒に適用するため、これらの異方性を考慮することのできるFEMコードを開発した。本件は、コード開発の概要について発表するものである。
菊池 英樹; 鈴木 一之; 須貝 英司; 疋田 敬一; 大谷 武久; 佐本 寛孝; 林 晋一郎
no journal, ,
東海再処理施設(TRP)では、現在までにふげんMOXタイプB燃料(以後、「ふげんMOX燃料」という)約6トンの再処理を行った。ふげんMOX燃料はPu含有率が軽水炉燃料に比べ高く、溶解液のPu濃度を軽水炉燃料相当に調整する必要がある。本件では、Pu濃度の調整方法及び清澄工程から残渣に同伴して高放射性濃縮廃液(HAW)へ移行するPu挙動について調査した。ふげんMOX燃料を処理するのに際して、硝酸ウラニルを用いたPu濃度の調整方法を確立し、軽水炉燃料と同様な処理が行えることを確認した。また、HAWへ移行するPu挙動を調査した結果、パルスフィルタ洗浄液に含まれHAWへ移行するPu量はHAWへ移行する全Pu量の95%程度であり、軽水炉燃料と同程度であった。
沖田 隆文*; 鈴木 幸子*; 帆足 英二*; 杉浦 寛和*; 金村 卓治; 近藤 浩夫; 山岡 信夫*; 堀池 寛*
no journal, ,
核融合炉材料開発のための高フラックス中性子源としてIFMIFの開発が進められている。IFMIFにおいて液体金属リチウムの高速液膜噴流は40MeV, 250mAの重陽子ビームの照射により所定の中性子束を生成する。液膜噴流の安定性が、IFMIF実機の健全性と中性子生成効率に影響するため、表面波動特性の解明は重要である。本研究では、大阪大学リチウムループにて電気接触式液面計を用いたリチウム噴流の表面変動計測結果について解析を行い、解析結果に基づいてビームエネルギーの流路底(背面壁)への入熱量を概算した。解析結果によると、ノズルから175mm地点では、微小振幅の波が支配的であった。ただし、流速9m/s以上の条件では最大振幅はおよそ2mmであった。これはIFMIF実機におけるターゲット設計仕様である1.0mmを上回っているが、その最大振幅を持つ波の発生頻度は低い。ビームと背面壁が核反応を伴わず、単にビームエネルギーは100%背面壁への熱入力になると仮定して計算を行った結果、われわれの計測から得られた波高データをもとにすると、背面壁への熱入力はおよそ200W以下になると概算された。
岡 剛司*; 帆足 英二*; 鈴木 幸子*; 滝田 将弘*; 金村 卓治; 近藤 浩夫; 古川 智弘; 山岡 信夫*; 堀池 寛*
no journal, ,
核融合炉材料開発のために工学実証・工学設計活動(EVEDA)が進められているIFMIFにおいて、ノズルより生成された液体リチウム噴流が中性子生成用の重陽子ビームターゲットとして設計されている。リチウムターゲットの健全性を担保するために、噴流表面に生じる波の振幅の設計目標値は1mm以内である。本研究では、表面波の形成に影響を及ぼすノズル内境界層流れについてCFDコードを用いて解析を実施した。ノズル出口流速が15m/sとなる条件で、高次の乱流モデルであるLESを用いて解析した結果、ノズル出口の壁面近傍にはゲルトラー渦が形成されているのがわかった。ゲルトラー渦とは、曲率のある流路の粘性底層に発生する縦渦である。生成されたゲルトラー渦は、消滅することなくノズルから吐出する結果を得ており、これがノズル直下での自由表面波の形成に影響を及ぼしていることが示唆された。