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菊地 賢司; 鎌田 勤也*; 小野 幹訓*; 北野 照明*; 林 健一*; 大井川 宏之
Journal of Nuclear Materials, 377(1), p.232 - 242, 2008/06
被引用回数:17 パーセンタイル:72.99(Materials Science, Multidisciplinary)F82HとJPCAの腐食特性を流動鉛ビスマスループ中で調べた。材料は日本のADSビーム窓候補材であり、電子溶接部も含む。高温部の試験温度は最高450と500度で低温部との温度差は100度である。主流の流速は毎秒0.4から0.6mであり、酸素濃度は2から410mass%に制御した。試験片は丸棒型である。試験後、光学,SEM,X線解析,X線回折により腐食被膜の特性を調べた。その結果、ADSのビーム窓を設計する場合の腐食速度は時間に対して線形則が推奨されるという結論を得た。
林 健一*; 小野 幹訓*; 菊地 賢司; 徳永 典也*; 北野 照明*; 大井川 宏之
日本原子力学会和文論文誌, 7(1), p.44 - 57, 2008/03
加速器駆動核変換システムは、マイナーアクチニドと長寿命核分裂生成物を安定核又は短寿命核に変換することを狙っている。このシステムにおけるビーム窓は、加速器と原子炉との境界要素であり、鉛ビスマス流動条件下での熱伝達特性の評価が重要である。そこで、ビーム窓周りの熱流動実験を行った。一つは水を使った流動実験で、粒子法による速度場測定を行った。もう一つは鉛ビスマスを使った熱流動実験である。得られた結果より、ビーム窓周りの熱伝達特性を表す実験式を導出した。数値計算によるシミュレーションを行い、モデリングにより平均熱伝達特性を表すことが可能となった。しかし、局所熱伝達特性は、空間的時間的に不安定で、特に流れの停滞域では変動が見られ、数値計算による再現は今後の課題である。
佐々 敏信; 梅野 誠*; 水林 博*; 森 恵次郎*; 二川 正敏; 斎藤 滋; 甲斐 哲也; 中井 公一*; 雑候 章*; 笠原 芳幸*; et al.
JAERI-Tech 2005-021, 114 Pages, 2005/03
日本原子力研究所では、加速器駆動核変換システム(ADS)にかかわる技術の研究開発を進めるため、大強度陽子加速器施設J-PARC計画の下で核変換実験施設の建設を検討している。核変換実験施設は、ADSの未臨界炉心に関する物理的特性の実験的研究を行う核変換物理実験施設と、ADSを設計するための材料データベース構築及び核破砕ターゲットの工学的特性の試験を行うADSターゲット試験施設から構成される。本報告は、ADSターゲット試験施設について、施設の目標,実用ADSと本実験施設との関連について述べ、台車搭載型核破砕ターゲットを採用した実験施設の検討結果についてまとめたものである。
倉田 有司; 菊地 賢司; 斎藤 滋; 鎌田 勤也*; 北野 照明*; 大井川 宏之
Proceedings of 4th International Workshop on the Utilisation and Reliability of High Power Proton Accelerators, p.267 - 277, 2004/05
加速器駆動システムのための鉛ビスマス技術に関する研究開発が行われてきた。酸素制御なしで3000h、JLBL-1を用いた316SSの結果より、高温部から低温部への質量移行が観察された。電磁ポンプの円管流路に沈着した鉛ビスマスとFe-Cr結晶粒が流路閉塞と流量の低下を引き起こしたことがわかった。ループシステムの改良はループの運転によい結果をもたらした。MES(三井造船)ループを用いた10wt.%酸素濃度の1000h試験では、著しい腐食/エロージョンは観察されなかった。静的腐食試験の結果は、450Cでは鋼材中Cr量の増加とともに腐食深さは減少するが、550Cでは316SS, JPCAの腐食深さはNi, Crの溶出,Pb, Biの浸入により著しい増加を示す。Si添加鋼は550Cで優れた耐食性を示す。
高野 秀機; 滝塚 貴和; 北野 照明*
JAERI-Review 2000-014, 134 Pages, 2000/10
ADSにおける液体ターゲット及びブランケット冷却材の第1候補は、液体金属鉛・ビスマスである。Pb-Biの使用に関するメリットは、不活性、低吸収断面積、低融点、高沸点及びボイド反応度が負であることであるが、反面鋼材腐食が顕著であるという重要な欠点がある。本調査検討では、国内外のPb-Biの使用実績のある施設を調査し、材料腐食、水反応、伝熱・流動特性、化学毒性、ポロニウム揮発率、Biの資源量など広範囲に渡って調査した。その主な結果は、(1)国内の精錬所での長期間の使用実績があり、自然対流下では腐食は小さい。(2)ロシアでの開発実績及び使用経験により酸化被膜調整により腐食の問題は解決可能である。(3)高温Pb-Biと水との反応実験であり相互作用は小さい。(4)PoはPbPoを形成し、Po単体より揮発率は数桁小さい。(5)Bi資源量はADS使用には十分である。