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Batistoni, P.*; Angelone, M.*; Carconi, P.*; Fischer, U.*; Fleischer, K.*; 近藤 恵太郎; Klix, A.*; Kodeli, I.*; Leichtle, D.*; Petrizzi, L.*; et al.
Fusion Engineering and Design, 85(7-9), p.1675 - 1680, 2010/12
被引用回数:31 パーセンタイル:88.74(Nuclear Science & Technology)EUが開発を進めているITERで試験をする2つのテストブランケットモジュール(TBM)のうち、ヘリウム冷却リチウム鉛型TBMのモックアップ体系を用いた中性子工学実験を行った。種々の測定手法を用いて体系内のトリチウム生成率分布を詳細に測定した。また、TBM実機での中性子モニタとして開発されたリチウムダイアモンド検出器によるトリチウム測定も試みた。さらに、体系内の放射化反応率分布も測定した。これらの実験データはMCNP, FENDL-2.1を用いた計算と10%程度で一致し、計算の予測精度が高いことがわかった。感度,不確定解析も行い、核データの不確かさによるトリチウム生成率の不確かさはおおむね2%以下と小さかった。
近藤 恵太郎; 村田 勲*; Klix, A.*; Seidel, K.*; Freiesleben, H.*
Fusion Engineering and Design, 84(7-11), p.1076 - 1086, 2009/06
被引用回数:3 パーセンタイル:24.54(Nuclear Science & Technology)EUなど幾つかのITER参加極は液体のトリチウム増殖材であるリチウム鉛を用いたテストブランケットモジュールを提案している。昨年、LiAl合金とPbからなるブランケット模擬体系の14MeV中性子照射実験をドイツのドレスデン工科大学で行った。NE213検出器を用いて測定した体系内中性子スペクトルとMCNPによる計算値の比較を行ったところ、評価済み核データライブラリJENDL-3.3を用いた計算値は10MeV以上の中性子束を30%程度、0.55MeVの中性子束を15%程度過小評価することが明らかとなった。一方、JEFF-3.1を用いた計算値はこれらのエネルギー領域での実験値との一致は良いが、510MeVの中性子束を20%程度過大評価した。今回、これらの不一致の原因を明らかにするため、鉛の評価済み核データの問題点について、詳細な検討を行った。その結果、JENDL-3.3では弾性散乱断面積が過小評価されており、本実験の解析で見られたような、高エネルギー中性子束の著しい過小評価をもたらすことがわかった。また、Pbの非弾性散乱については、JENDL-3.3が過去の二重微分断面積の測定値を最もよく再現したが、ほかの鉛同位体については、JENDL-3.3の非弾性散乱の評価値には何らかの問題があり、0.55MeVの中性子束の大きな過小評価の原因となることがわかった。JEFF-3.1が510MeVの中性子束を過大評価する原因は依然として明らかになっていない。
Verzilov, Y. M.; 佐藤 聡; 落合 謙太郎; 和田 政行*; Klix, A.*; 西谷 健夫
Fusion Engineering and Design, 82(1), p.1 - 9, 2007/01
被引用回数:9 パーセンタイル:54.96(Nuclear Science & Technology)増殖ブランケット核特性実験に使用するベリリウムの核的特性の検証を目的として、ベリリウム体系の積分ベンチマーク実験を原子力機構FNSで実施した。直径628mm,厚さ355mmの疑似円柱体系に14MeV中性子を照射し、体系内に埋め込んだ炭酸リチウムペレットのトリチウム生成率を液体シンシレーションカウンタ法で測定した。実験結果は、中性子モンテカルロコードMCNP-4Cで解析した。なお中性子輸送用核データとしてはFENDL/MC-2.0及びJENDL-3.2/3.3、リチウムの反応率用にはJENDLドジメトリファイル及びENDF/B-VIを使用した。どの核データを使用した計算も、実験値と誤差10%以内で一致し、ベリリウムの核的特性に大きな問題はないことを確認した。
Verzilov, Y. M.; 落合 謙太郎; Klix, A.; 佐藤 聡; 和田 政行*; 山内 通則*; 西谷 健夫
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part2), p.1337 - 1341, 2004/08
被引用回数:4 パーセンタイル:29.31(Materials Science, Multidisciplinary)これまで濃縮チタン酸リチウム,ベリリウム及び低放射化フェライト鋼F82Hから構成された多層ブランケット模擬体系に対して14MeV中性子源FNSを用いた核特性系積分実験を実施してきたが、実測されたトリチウムの生成率はモンテカルロ中性子輸送計算コードMCNPと核データJENDL-3.2による計算値よりトリチウム増殖層平均で20%小さかった。その主要な原因として、ベリリウム中の微量不純物(B, Li, Gd等)が寄与していると考察し、FNSを用いて中性子透過実験を行い、実験的評価を行った。大きさの異なるベリリウム単体の体系にパルス状DT中性子を入射し、BF3中性子検出器により、熱中性子束の減衰時間を測定した。全ての試験体で、測定した熱中性子の減衰時間は計算値より早かった。これはベリリウム中の微量不純物により熱中性子束が吸収されるためと考えられる。熱中性子の減衰時間から実行的な吸収断面積を評価した結果、核データから評価した断面積より30%大きな値が得られた。不純物の主要成分を検討し、トリチウム増殖率への影響を評価している。
西谷 健夫; 落合 謙太郎; Klix, A.; Verzilov, Y. M.; 佐藤 聡; 山内 通則*; 中尾 誠*; 堀 順一; 榎枝 幹男
Proceedings of 20th IEEE/NPSS Symposium on Fusion Engineering (SOFE 2003), p.454 - 457, 2003/10
14MeV中性子源FNSを用いた核融合原型炉の増殖ブランケット模擬体系積分実験を実施し、生成トリチウムに対する測定値と計算値の比較・検討を行った。模擬体系は濃縮チタン酸リチウム,ベリリウム(Be)及び低放射化フェライト鋼F82Hから構成された多層構造とした。体系内に設置したLiセラミックス・ペレット中のトリチウム量を液体シンチレーション計数法によって測定することによりトリチウムの生成率を求めた。本測定法の誤差は10%である。また、モンテカルロ中性子輸送計算コードMCNP-4Bと核データJENDL-3.2による計算値は実験値よりトリチウム増殖層平均で20%、Beに面する表面層で3040%過大評価であり、Be中の低エネルギー中性子の輸送に問題があることを示唆する結果を得た。その主な原因としてBe中の不純物の影響とBe(n,2n)等の中性子断面積の誤差が考えられる。そこで、Be単体の体系にパルス状中性子を入射し、熱中性子の減衰時間から実効的な吸収断面積を評価した結果、核データから評価した断面積より30%大きくなっており、Be中の不純物の存在を示唆する結果が得られた。また、Beの中性子断面積に関しては、2つの中性子同時計数法を用いたBe(n,2n)反応断面積の測定を新たに実施している。
佐藤 聡; 落合 謙太郎; 堀 順一; Verzilov, Y. M.; Klix, A.; 和田 政行*; 寺田 泰陽*; 山内 通則*; 森本 裕一*; 西谷 健夫
Nuclear Fusion, 43(7), p.527 - 530, 2003/07
被引用回数:15 パーセンタイル:44.21(Physics, Fluids & Plasmas)原研FNSのDT核融合中性子線源を用いて、原型炉ブランケットに関する中性子工学実験を行った。ブランケット内トリチウム生成実験とシーケンシャル反応断面積測定実験を行った。「ブランケット内トリチウム生成実験」核融合原型炉の増殖ブランケット模擬体系積分実験を実施し、生成トリチウムに対する測定値と計算値の比較・検討を行った。モンテカルロ中性子輸送計算コードMCNPと核データJENDL-3.2による計算値は実験値より1.2~1.4倍過大評価であり、その原因解明のために、ベリリウムの(n, 2n)反応の二重微分断面積については再検討の必要性を示す結果が得られた。「シーケンシャル反応断面積測定実験」冷却水からの反跳陽子による冷却水配管表面のシーケンシャル反応率を、鉄,銅,チタン,バナジウム,タングステン,鉛に対して測定した。冷却水配管表面のシーケンシャル反応率は、材料自身のシーケンシャル反応率に比べて、一桁以上増加することを明らかにした。
堀 順一; 前川 藤夫; 和田 政行*; 落合 謙太郎; 山内 通則*; 森本 裕一*; 寺田 泰陽; Klix, A.; 西谷 健夫
Fusion Engineering and Design, 63-64, p.271 - 276, 2002/12
被引用回数:2 パーセンタイル:17.07(Nuclear Science & Technology)核融合将来炉の廃棄物処理及び安全設計を推進するためには、核融合炉材料に対して一次中性子反応のみならずシーケンシャル反応による放射能生成過程を考慮することは重要である。特に冷却材の水によって多数の反跳陽子が生成される冷却管表面においては、シーケンシャル反応によって望ましくない放射化物の生成が顕著となることが懸念される。このような背景から、本研究では冷却水を模擬したポリエチレン板に核融合炉材料箔(V,Fe,W,Ti,Pb,Cu)を層状に積み重ねた試料に対して14MeV中性子照射を行い、シーケンシャル反応生成物である51Cr,56Co,184Re,48V,206Bi,65Znの実効生成断面積及び生成量の深さ分布を求め、計算値との比較を行った。現在解析中であるため、結果は講演にて報告する。
寺田 泰陽*; 落合 謙太郎; 佐藤 聡; 和田 政行*; Klix, A.; 山内 通則*; 堀 順一; 西谷 健夫
JAERI-Research 2002-019, 70 Pages, 2002/10
低放射化フェライト鋼 F82Hは核融合炉の有力な構造材料である。核融合中性子源FNSを用いて、F82Hの放射化特性を得ることを目的として原型炉ブランケット模擬体系に対するD-T中性子照射試験を行い、F82Hシート,クロム箔,タングステン箔における放射性核種56Mn,54Mn,51Cr,187Wの生成反応率を測定した。併せて、評価済み核データJENDL-3.2とFENDL/E-2.0を用いてモンテカルロ輸送コードMCNPによる計算値との比較検討を行った。計算結果は、56Mn,54Mn,51Crともに10~20%程度の精度で測定結果と一致した。しかし、タングステンに関しては、30~40%の精度であることがわかった。また、タングステンの放射化断面積に使用する核データによって大きく計算結果が変わり、タングステンの中性子捕獲反応の共鳴領域における断面積評価に核データによって相違があることを示唆する結果となった。
落合 謙太郎; Klix, A.; 堀 順一; 森本 裕一*; 和田 政行*; 西谷 健夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.2), p.1147 - 1150, 2002/08
核融合DEMO炉の増殖ブランケットの概念設計として熱化ブランケットデザインが挙げられてる。熱化ブランケットではトリチウムの増殖を行うために、リチウム6の濃縮が不可欠となっている。今回FNSではリチウム6同位体を濃縮した増殖材の候補材である濃縮チタン酸リチウム材を用い、ブランケット体系による核融合中性子照射実験を行い、濃縮チタン酸リチウム材で生成される。トリチウム量の精度を検証する実験を行うことで、ブランケットの設計尤度を検証を行った。また併せて、構造材候補であるフェライト鋼(F82H)の放射化実験も同じ体系で行った。実験の結果、トリチウムの生成は計算と10%の範囲内で一致し、設計尤度が10%程度であることを示した。また、フェライト鋼の放射化精度も計算の10%以内であることがわかった。
Klix, A.; 落合 謙太郎; 寺田 泰陽; 森本 裕一*; 山内 通則*; 堀 順一; 西谷 健夫
Fusion Science and Technology, 41(3, Part2), p.1040 - 1043, 2002/05
核融合原型炉ブランケット増殖材の最有力候補の一つはリチウム-6濃縮チタン酸リチウムである。それゆえ、核融合中性子照射によって生成されるリチウム-6濃縮チタン酸リチウム中のトリチウム生成量を実験と計算から評価することはトリチウム増殖率の精度評価を行う際に必要である。原研FNSではベリリウムと低放射化フェライト鋼による層構造のブランケット模擬体系中にリチウム-6(95%)濃縮チタン酸リチウムペレットを設置し核融合中性子照射によって生成されるペレット中のトリチウム量を化学処理とシンチレーションカウンター法の組合せによる線測定を行い、トリチウムの生成量を測定し、核データとモンテカルロ輸送計算との比較を行った。実験及び計算結果から、トリチウムの全生成量精度は誤差10%程度で一致する結果を得た。また、各試料位置に対する局所的なトリチウム生成量の精度も誤差約10%程度の精度で得られており、核融合中性子のすべてのエネルギー領域に対して、トリチウム生成量の精度が10%程度の誤差範囲であることが明らかとなった。本発表にて実験体系と測定システム及び検証精度について詳細に紹介する。