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坪根 未空*; 下間 靖彦*; 河野 義生*; 柿澤 翔*; 山田 大貴*; 小林 恵太; 清水 雅弘*; 三浦 清貴*
NPG Asia Materials, 18, p.15_1 - 15_16, 2026/04
シリカガラスは、温度や圧力の変化に応じて多様な構造を取りながら高密度化を示し、これらの要因は屈折率などの光学特性に大きな影響を与える。しかし、高圧処理やフェムト秒レーザー照射によって誘起される光学特性の変化に関する基本的な構造メカニズムは、いまだ十分には解明されていない。本研究では、これら二つの手法によって高密度化されたシリカガラスの光学応答における類似点と相違点を調査した。最も顕著な違いは、レーザー照射領域が、辺共有型SiO
四面体に関連する非架橋酸素欠陥を取り込むことで、高い仮想温度を有するガラス構造へと進化し、高圧処理とは明確に異なるフォトルミネセンス挙動を示した点である。
H
studied by
Fe nuclear resonant inelastic scattering河智 史郎*; 平賀 晴弘*; 山浦 淳一*; 飯村 壮史*; 中村 博樹; 筒井 智嗣*; 依田 芳卓*; 町田 昌彦; 細野 秀雄*; 小林 寿夫*
Physical Review B, 113(2), p.024519_1 - 024519_7, 2026/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)LaFeAsO
H
(
)の高濃度水素化物イオン置換領域における鉄のフォノンダイナミクスを調べるため、
Fe核共鳴非弾性散乱測定を、超伝導および反強磁性の基底状態をそれぞれ示す
と0.51の2種類の多結晶試料に対して、5
300Kの広い温度範囲で実施した。得られた非弾性散乱スペクトルは、両組成間に顕著な差異を示した。Feのフォノン状態密度(PDOS)は、
では15meVに顕著なピークを示す一方、
ではこのピークが消失している。密度汎関数理論(DFT)計算により、この15meVのPDOSピークはAs原子を介した最近接方向に沿ったFe原子の光学振動モードに関連していることが支持された。さらに計算は、
で15meVのPDOSピークが抑制される原因が面内の電子的不等価性に起因することを示唆している。これらの結果は、磁気および構造秩序を示す
組成では、広い温度範囲にわたり電子ネマティシティの兆候が持続する可能性がある一方、超伝導を示す
組成ではその兆候がほとんど存在しないことを示唆している。
高野 将大*; 鍵 裕之*; 森 悠一郎*; 小林 大輝*; 青木 勝敏*; 高橋 嘉夫*; 伊地知 雄太*; 柿澤 翔*; 辻野 典秀*; 肥後 祐司*; et al.
ACS Earth and Space Chemistry (Internet), 15 Pages, 2026/00
鉄一硫化物(FeS)は惑星物質中の主要な硫化物相であり、惑星内部における水素の潜在的な貯蔵相と考えられてきた。しかし、高圧高温条件下でのFeSへの水素溶解度については議論が続いている。本研究では、NiAs型構造のFeS相(FeS V)における水素の取り込み量を、放射光X線吸収分光、X線・中性子その場回折実験、および第一原理計算により再検討した。その結果、水素飽和条件で観測される体積膨張は、Fe
からFe
への還元およびFe欠損Fe
Sの
値の減少によって説明でき、水素が格子に取り込まれている証拠は見られなかった。中性子回折解析でも、水素を含まない構造モデルが最も良い適合を示し、さらに第一原理計算でもFeS水素化物構造はエネルギー的に不安定であることが示された。これらの結果から、FeS格子中に取り込まれる水素量の上限は30GPaまでで約200ppm程度と推定される。したがって、コア形成初期には水素はFeSではなく金属鉄へ優先的に分配されると考えられる。
Liu, Y.*; 大谷 将士*; 宮尾 智章*; 中沢 雄河*; 柴田 崇統*; 南茂 今朝雄*; Fang, Z.*; 二ツ川 健太*; 福井 佑治*; 溝端 仁志*; et al.
Proceedings of 16th International Particle Accelerator Conference (IPAC25) (Internet), p.855 - 857, 2025/11
The Japan Proton Accelerator Research Complex (J-PARC) has achieved stable 1 MW operation on its neutron target and is advancing toward higher power levels of 1.5 MW to support high-power MR operations and a second target station. This progression presents challenges, including increased intra-beam stripping (IBSt) of negative hydrogen ions, chop leakage from higher beam currents and emittance, low-energy beam loss due to halo formation, frontend fluctuations affecting beam transmission, and RF phase and amplitude fluctuations. To address these issues, a redesigned lattice mitigates IBSt, a new MEBT1 improves chopping and collimation, and machine learning-based compensation schemes manage frontend and RF fluctuations. Additionally, longitudinal and transverse matching schemes enhance beam quality, validated through benchmarked longitudinal measurements. Results from studies at 50 mA and 60 mA beam currents demonstrate significant progress in overcoming these challenges.
小林 恵太; 中村 博樹; 奥村 雅彦; 板倉 充洋; 町田 昌彦
Journal of Chemical Physics, 162(24), p.244508_1 - 244508_11, 2025/06
被引用回数:1 パーセンタイル:46.90(Chemistry, Physical)機械学習分子動力学法を用いて、(逆)蛍石構造における比熱異常の解析を行った。Farthest Point Sampling法とBootstrap法を活用し、効率的に第一原理教師データを生成することで、二酸化トリウム(蛍石構造)および酸化リチウム(逆蛍石構造)の機械学習ポテンシャルを構築した。これにより、機械学習分子動力学法は二酸化トリウムと酸化リチウムの報告されている熱物性を精度良く再現することが可能となった。これらの物質は、高温下において副格子の無秩序化に伴う比熱異常を示すが、そのメカニズムは複雑であり、完全には解明されていない。今回、液相・液相転移の解析に用いられる局所秩序変数の方法論を適用することで、(逆)蛍石構造における比熱異常が局所的な対称性の破れとして定式化できることを示した。
小林 史憲; 神谷 潤一郎; 高橋 博樹; 鈴木 康夫*; 田崎 竜太*
JAEA-Technology 2024-007, 28 Pages, 2024/07
J-PARC LINACにおいて、LINACと3GeVシンクロトロン(3GeV Rapid Cycling Synchrotron: RCS)をつなぐビーム輸送ライン(LINAC to 3GeV RCS Beam Transportation Line: L3BT)を超高真空に保つために、真空システムが整備されている。真空システムはLINAC棟及びL3BT棟に設置されており、真空ポンプ、真空計、ビームラインゲートバルブ(Beam Line Gate Valve: BLGV)等の真空機器により構成され、BLGVにてエリア分けされた区域ごとに管理される。既存真空システムでは、それぞれのエリアごとに真空機器が独立に制御され、隣接するエリアの状態に関わらず真空機器が操作できる。このため、ヒューマンエラーによる誤操作の排除が不可能となっている。また、ビーム輸送ラインの真空悪化が生じた場合、その真空悪化ILK信号がMPS伝送信号経由でBLGVリレーユニットに伝送されることにより、BLGVが強制閉鎖される仕組みとなっている。しかしILK信号伝送範囲がL3BTのすべてのBLGVに及ぶ系になっているため、真空悪化の影響を受けないエリアのBLGVも強制閉鎖される。このことは、不必要な開閉動作がBLGVのメンテナンスの頻度を高くしてしまうといった問題を引き起こす可能性がある。また、BLGVの動作はMPS信号経路を利用して動作させていることから、真空悪化ILK信号での開閉信号がすべてのBLGVに一律に送信することしかできず、各個別制御ができない。さらには、真空制御システムのメンテナンスにおいても、MPS信号経路を絡めた作業が必要になり、真空制御システム単独でメンテナンスすることが難しく作業が煩雑であるという問題もある。このような各種課題を解決するためには、まずエリア相互間の機器の情報や真空圧力を監視可能とすることでヒューマンエラーを排除し、安全性を高くする必要がある。さらに、MPS信号経路を真空システムと分離し、各々のBLGVを個別に自動制御をすることで保守性を改善させる必要がある。そのため、L3BT真空システムの安全かつ効率的な保守と運転維持を考慮した制御を実現することを目的とし、真空システム制御系の再構築を実施した。本報告書は、L3BT真空システム制御系の再構築の詳細とその使用方法について取りまとめたものである。
O ice observed by neutron diffraction小松 一生*; 服部 高典; Klotz, S.*; 町田 真一*; 山下 恵史朗*; 伊藤 颯*; 小林 大輝*; 入舩 徹男*; 新名 亨*; 佐野 亜沙美; et al.
Nature Communications (Internet), 15, p.5100_1 - 5100_7, 2024/06
被引用回数:21 パーセンタイル:85.58(Multidisciplinary Sciences)水素結合の対称化とは、水素原子が水素結合の中心に位置する現象である。理論的研究により、氷VIIの水素結合は、圧力が増加するにつれて、水素の分布を変化させながら、いくつかの中間状態を経て、最終的に対称化すると予測されている。これまで、多くの実験的研究が行われてきたにもかかわらず、その水素の位置や転移圧力は一貫していない。われわれは、100GPa以上の圧力で中性子回折実験を行い、氷中の水素分布を決定し、隣接酸素間での分布が80GPa付近で2つから1つになり水素結合が対称化することを世界で初めて観測した。

Linh, B. D.*; Corsi, A.*; Gillibert, A.*; Obertelli, A.*; Doornenbal, P.*; Barbieri, C.*; Duguet, T.*; G
mez-Ramos, M.*; Holt, J. D.*; Hu, B. S.*; et al.
Physical Review C, 109(3), p.034312_1 - 034312_15, 2024/03
被引用回数:3 パーセンタイル:59.72(Physics, Nuclear)理化学研究所RIビームファクトリーにて中性子過剰核
Arビームからの1中性子ノックアウト反応実験を行い、
Arのエネルギー準位および分光学的因子を導出した。特に、第一励起状態の
への分光学的因子が大きいことから、始状態の
Arの基底状態において中性子が
軌道を多く占めていることがわかった。これは、中性子数32がよい魔法数として知られる
Caとは異なった性質であり、カルシウムからアルゴンへと陽子が2個減ることで閉殻構造が大きく崩れることが明らかになった。
neutron diffraction小林 大輝*; 小松 一生*; 伊藤 颯*; 町田 真一*; 服部 高典; 鍵 裕之*
Journal of Physical Chemistry Letters (Internet), 14(47), p.10664 - 10669, 2023/11
被引用回数:3 パーセンタイル:25.42(Chemistry, Physical)氷IVは、水分子が配向乱れを示す氷の準安定高圧相である。配向秩序は他の氷相ではよく観測されるが、氷IVでは報告されていない。われわれは、DClを添加したD
O氷IVのその場粉末中性子回折実験を行い、氷IVにおける水素秩序を調べた。その結果、単位胞体体積の温度微分dV/dTが約120Kで急激に変化することを発見し、またリートベルト解析により低温でわずかに水素が秩序化することを明らかにした。D1サイトの占有率は0.5から外れており、そのずれは試料をより高い圧力で冷却すると増加し、2.38GPa, 58Kで0.282(5)に達した。この結果は、氷IVに対応する低対称の水素秩序状態の存在を証明するものである。しかしながら、高圧下での徐冷によって、完全に水素が秩序化した氷IV相を実験的に生成することは難しいようである。
小林 恵太; 奥村 雅彦; 中村 博樹; 板倉 充洋; 町田 昌彦; 浦田 新吾*; 鈴谷 賢太郎
Scientific Reports (Internet), 13, p.18721_1 - 18721_12, 2023/11
被引用回数:21 パーセンタイル:80.86(Multidisciplinary Sciences)非晶質物質の構造因子に現れる鋭い第一ピークはFSDPと呼ばれ、非晶質物質中の中距離秩序構造を反映したものであると考えられているが、その構造的起源に関しては現在まで議論が続いている。今回、第一原理計算と同等の精度を持つ機械学習分子動力学を用いることにより、高密度シリカガラスにおけるFSDPの構造起源を解析した。まず、機械学習分子動力学を用いることにより、高密度シリカガラスの様々な実験データの再現に成功した。また、高密度シリカガラスにおけるFSDPの発達(減少)は、ガラス構造の圧縮に伴う、Si-O共有結合ネットワーク中のリング構造の変形挙動によって特徴付けられることを明らかにした。
小林 冬実; 深谷 洋行; 井澤 一彦; 木田 孝; 曽野 浩樹; 須山 賢也
Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC2023) (Internet), 7 Pages, 2023/10
STACY更新炉の臨界実験では、模擬燃料デブリのサンプルを用いて、福島第一原子力発電所(1F)事故デブリ臨界安全性評価に使用するシステムの検証用データを取得する。模擬燃料デブリは、酸化ウランと構造材(鉄、シリコン、ジルコニウムなど)を含む直径8mm、高さ10mmのペレットである。ペレットは、二酸化ウラン粉末と構造材料粉末を混合、加圧、焼結して製造される。UO
粉末は、燃料組成の誤差を減らすために、STACYのドライバ燃料と同じ組成のウランを使用する。BECKYには、模擬燃料デブリの臨界特性を高精度に評価及び分析するために、模擬燃料デブリ調製設備や分析設備が設置されている。これらの設備は同じ実験室に設置されており、模擬燃料デブリの調製や照射前後の分析などの実験ニーズに迅速に対応できる。
Ca cast doubt on a doubly magic
CaChen, S.*; Browne, F.*; Doornenbal, P.*; Lee, J.*; Obertelli, A.*; 角田 佑介*; 大塚 孝治*; 茶園 亮樹*; Hagen, G.*; Holt, J. D.*; et al.
Physics Letters B, 843, p.138025_1 - 138025_7, 2023/08
被引用回数:11 パーセンタイル:84.80(Astronomy & Astrophysics)
Scからの1陽子ノックアウト反応を用いて、
Caと
Caのガンマ崩壊を観測した。
Caでは1456(12)keVの
線遷移が、
Caでは1115(34)keVの遷移が観測された。どちらの遷移も暫定的に
と割り当てられた。有効核子間相互作用をわずかに修正した広い模型空間での殻模型計算では、
準位エネルギー、2中性子分離エネルギー、反応断面積が実験とよく一致し、N=34閉殻の上に新しい殻が形成されていることを裏付けた。その構成要素である
と
軌道はほぼ縮退しており、これは
Caが二重魔法核である可能性を排除し、Ca同位体のドリップラインを
Caあるいはそれ以上にまで広げる可能性がある。
小林 恵太; 中村 博樹; 板倉 充洋; 町田 昌彦; 奥村 雅彦
まてりあ, 62(3), p.175 - 181, 2023/03
核燃料の研究開発において、原子炉運転時からシビアアクシデント時の融点付近に至る温度領域まで、核燃料物質の高温物性を把握することが必須となるが、その取扱いの困難さから、実験研究を行うことは容易ではない。一方、シミュレーション研究は安全に実施可能であるが、高温物性評価のために必要である、高精度な大規模構造の長時間シミュレーションは、従来のシミュレーション手法では、実施が難しかった。我々は、最近開発された機械学習技術を応用して高精度な大規模構造の長時間シミュレーションが実施可能な「機械学習分子動力学法」を用いて、酸化トリウムの高温熱物性評価に成功した。本稿は、機械学習分子動力学法と我々の研究成果について概説する。
岩瀬 裕希*; 赤松 允顕*; 稲村 泰弘; 坂口 佳史*; 森川 利明*; 笠井 聡*; 大内 啓一*; 小林 一貴*; 酒井 秀樹*
Journal of Applied Crystallography, 56(1), p.110 - 115, 2023/02
被引用回数:5 パーセンタイル:60.72(Chemistry, Multidisciplinary)光応答性材料の重要性が高まる中、光照射によって引き起こされる構造変化とその機能との相関を解析することは極めて重要である。このような構造解析には小角散乱(SAS)が有効であるが、SASによって1nm以下のスケールで局所的な分子構造形成や分子反応を定量的に捉えることは困難である。そこで本研究では、光応答性物質における非平衡現象の構造解析を目的として、紫外可視光照射装置、紫外可視分光光度計から構成される新しい試料環境を開発し、中性子小角・広角散乱装置(TAIKAN)に設置することで中性子小角散乱と紫外可視光吸収の同時測定を実現した。この測定手法を用いることで、光応答性分子であるアゾベンゼンを修飾した陽イオン性界面活性剤が水溶液中で形成するミセルが紫外可視光照射によって構造変化する様子をその場観察することを可能とした。その結果、本測定手法によりミセル構造の変化と分子配置の変化の相互作用に関する直接的な情報を提供することが示された。
island of inversion; First study of low-lying bound excited states in
V and
VElekes, Z.*; Juh
sz, M. M.*; Sohler, D.*; Sieja, K.*; 吉田 数貴; 緒方 一介*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Achouri, N. L.*; 馬場 秀忠*; et al.
Physical Review C, 106(6), p.064321_1 - 064321_10, 2022/12
被引用回数:3 パーセンタイル:35.41(Physics, Nuclear)
Vと
Vの低励起準位構造を初めて探索した。
Vについては中性子ノックアウト反応と陽子非弾性散乱が、
Vについては中性子ノックアウト反応データが得られた。
Vについては4つ、
Vについては5つの新たな遷移が確認された。Lenzi-Nowacki-Poves-Sieja (LNPS)相互作用に基づく殻模型計算との比較によって、それぞれの同位体について確認されたガンマ線のうち3つが、first 11/2
状態とfirst 9/2
状態からの崩壊と決定された。
Vについては、(
,
)非弾性散乱断面積は四重極変形と十六重極変形を想定したチャネル結合法により解析されたが、十六重極変形の影響により、明確に反転の島に属するとは決定できなかった。
neutron orbital and the
shell closure in
CaEnciu, M.*; Liu, H. N.*; Obertelli, A.*; Doornenbal, P.*; Nowacki, F.*; 緒方 一介*; Poves, A.*; 吉田 数貴; Achouri, N. L.*; 馬場 秀忠*; et al.
Physical Review Letters, 129(26), p.262501_1 - 262501_7, 2022/12
被引用回数:22 パーセンタイル:85.08(Physics, Multidisciplinary)
230MeV/nucleonでの
Caからの中性子ノックアウト反応が
線分光と行われ、
と
軌道からの中性子ノックアウト反応の運動量分布が測定された。断面積は
の閉殻と整合し、Ca同位体での
と
閉殻と同程度に強い閉殻であることが確認された。運動量分布の分析から
と
軌道の平均二乗根半径の差は0.61(23)fmと決定され、これはmodified-shell-modelによる予言の0.7fmと整合した。これは、中性子過剰なCa同位体での
軌道半径が大きいことが、中性子数にしたがって線形的に荷電半径が増える意外な現象の原因であることを示唆している。
加藤 正人; 町田 昌彦; 廣岡 瞬; 中道 晋哉; 生澤 佳久; 中村 博樹; 小林 恵太; 小澤 隆之; 前田 宏治; 佐々木 新治; et al.
Materials Science and Fuel Technologies of Uranium and Plutonium mixed Oxide, 171 Pages, 2022/10
プルトニウム燃料を使用した革新的で先進的な原子炉が各国で開発されている。新しい核燃料を開発するためには、照射試験が不可欠であり、核燃料の性能と安全性を実証する必要がある。照射試験を補完する技術として、照射挙動を正確にシミュレートする技術を開発できれば、核燃料の研究開発にかかるコスト,時間,労力を大幅に削減でき、核燃料の照射挙動をシミュレーションすることで、安全性と信頼性を大幅に向上させることができる。核燃料の性能を評価するためには、高温での燃料の物理的および化学的性質を知る必要がある。そして、照射中に発生するさまざまな現象を記述した行動モデルの開発が不可欠である。以前の研究開発では、モデル開発の多くの部分で、フィッティングパラメータを使用した経験的手法が使用されてきた。経験的手法では、データがない領域では非常に異なる結果が得られる可能性がある。したがって、この研究では、燃料の基本的な特性を組成と温度に外挿できる科学的記述モデルを構築し、モデルが適用される照射挙動分析コードの開発を行った。
大島 宏之; 森下 正樹*; 相澤 康介; 安藤 勝訓; 芦田 貴志; 近澤 佳隆; 堂田 哲広; 江沼 康弘; 江連 俊樹; 深野 義隆; et al.
Sodium-cooled Fast Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.3, 631 Pages, 2022/07
ナトリウム冷却高速炉(SFR: Sodium-cooled Fast Reactor)の歴史や、利点、課題を踏まえた安全性、設計、運用、メンテナンスなどについて解説する。AIを利用した設計手法など、SFRの実用化に向けた設計や研究開発についても述べる。
小林 恵太; 奥村 雅彦; 中村 博樹; 板倉 充洋; 町田 昌彦; Cooper, M. W. D.*
Scientific Reports (Internet), 12(1), p.9808_1 - 9808_11, 2022/06
被引用回数:24 パーセンタイル:77.19(Multidisciplinary Sciences)核燃料の一つであるトリウム酸化物に対し、機械学習分子動力学法を用い、その高温物性を調査した。様々な交換汎関数により第一原理計算を実施し、ニューラルネットによりその結果を学習することにより機械学習力場を構築した。特にSCANと呼ばれる交換汎関数を用いた第一原理計算結果を学習することにより得られた機械学習力場は、ラムダ転移温度や融点を含め、比較可能な実験データの多くに対し高精度な結果を示した。
Ca; Spectroscopy of
K,
Ca, and
Ca小岩井 拓真*; Wimmer, K.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Barbieri, C.*; Duguet, T.*; Holt, J. D.*; 宮城 宇志*; Navr
til, P.*; 緒方 一介*; et al.
Physics Letters B, 827, p.136953_1 - 136953_7, 2022/04
被引用回数:8 パーセンタイル:66.85(Astronomy & Astrophysics)中性子過剰核
Caでは、新魔法数34が発見されて以来、その構造を知るために多くの実験がなされてきたが、それを超える中性子過剰核の情報は全く知られてこなかった。本論文では、理化学研究所RIBFにて
K,
Ca,
Caの励起状態から脱励起するガンマ線を初めて観測した結果を報告した。それぞれ1つのガンマ線しか得られなかったものの、
Kおよび
Caのデータは、それぞれ、陽子の
と
軌道間のエネルギー差、中性子の
と
軌道間のエネルギー差を敏感に反映し、両方とも最新の殻模型計算によって200keV程度の精度で再現できることがわかった。また、1粒子状態の程度を特徴づける分光学的因子を実験データと歪曲波インパルス近似による反応計算から求め、その値も殻模型計算の値と矛盾しないことがわかった。