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論文

Self-learning path integral hybrid Monte Carlo with mixed ${it ab initio}$ and machine learning potentials for modeling nuclear quantum effects in water

Thomsen, B.; 永井 佑紀*; 小林 恵太; 濱田 幾太郎*; 志賀 基之

Journal of Chemical Physics, 161(20), p.204109_1 - 204109_18, 2024/11

SL-PIHMC-MIX法は、第一原理計算と機械学習ポテンシャルを混合した自己学習型経路積分ハイブリッドモンテカルロ法である。SL-PIHMC-MIX法を用いると、第一原理経路積分分子動力学法(PIMD法)よりも、室温の水の構造を計算し収束させるのに必要な第一原理DFT計算の回数を一桁減らすことができる。

論文

機械学習分子動力学法による高密度シリカガラスの構造解析

小林 恵太

New Glass, 39(2), p.13 - 17, 2024/07

ガラス構造には原子の配列に周期性がなく、実験的に得られる情報は平均的な構造を反映したものとなる。そのため、ガラス物質の三次元構造を推定するには、分子動力学法等の利用が有効である。分子動力学計算の結果は原子間ポテンシャルに強く依存するため、その設計は極めて重要である。我々は、シリカ物質に対する第一原理計算結果を学習した機械学習原子間ポテンシャルを作成した。本稿では、機械学習原子間ポテンシャルを用いた機械学習分子動力学法により、高密度シリカガラスの構造解析を行った研究成果を概説する。機械学習分子動力学法により、シリカガラスの実験データをよく再現できた。また、高密度シリカガラスにおける中距離秩序構造の変化は、ガラス構造の圧縮に伴うSi-O共有結合ネットワーク中のリング構造の変形挙動によって特徴付けられることが明らかになった。

論文

Machine learning molecular dynamics reveals the structural origin of the first sharp diffraction peak in high-density silica glasses

小林 恵太; 奥村 雅彦; 中村 博樹; 板倉 充洋; 町田 昌彦; 浦田 新吾*; 鈴谷 賢太郎

Scientific Reports (Internet), 13, p.18721_1 - 18721_12, 2023/11

 被引用回数:5 パーセンタイル:51.61(Multidisciplinary Sciences)

非晶質物質の構造因子に現れる鋭い第一ピークはFSDPと呼ばれ、非晶質物質中の中距離秩序構造を反映したものであると考えられているが、その構造的起源に関しては現在まで議論が続いている。今回、第一原理計算と同等の精度を持つ機械学習分子動力学を用いることにより、高密度シリカガラスにおけるFSDPの構造起源を解析した。まず、機械学習分子動力学を用いることにより、高密度シリカガラスの様々な実験データの再現に成功した。また、高密度シリカガラスにおけるFSDPの発達(減少)は、ガラス構造の圧縮に伴う、Si-O共有結合ネットワーク中のリング構造の変形挙動によって特徴付けられることを明らかにした。

論文

First observation of $$^{28}$$O

近藤 洋介*; Achouri, N. L.*; Al Falou, H.*; Atar, L.*; Aumann, T.*; 馬場 秀忠*; Boretzky, K.*; Caesar, C.*; Calvet, D.*; Chae, H.*; et al.

Nature, 620(7976), p.965 - 970, 2023/08

 被引用回数:18 パーセンタイル:95.53(Multidisciplinary Sciences)

非常に中性子が過剰な原子核$$^{28}$$Oは、陽子、中性子ともに魔法数であることから古くからその性質に興味が持たれていたが、酸素の最後の束縛核$$^{24}$$Oよりも中性子が4個も多いため、これまで観測されてこなかった。この論文では、理化学研究所RIBFにて$$^{29}$$Fからの1陽子ノックアウト反応によって$$^{28}$$Oを生成し、そこから放出される中性子を測定することによって初めてその観測に成功した。核構造の観点からは、$$^{28}$$Oでは二重閉殻が保たれているか興味が持たれていたが、実験で得られた分光学的因子が殻模型計算で予言されて程度の大きいことから、閉殻構造をもたない可能性が高いことがわかった。

論文

Intruder configurations in $$^{29}$$Ne at the transition into the island of inversion; Detailed structure study of $$^{28}$$Ne

Wang, H.*; 安田 昌弘*; 近藤 洋介*; 中村 隆司*; Tostevin, J. A.*; 緒方 一介*; 大塚 孝治*; Poves, A.*; 清水 則孝*; 吉田 数貴; et al.

Physics Letters B, 843, p.138038_1 - 138038_9, 2023/08

 被引用回数:3 パーセンタイル:75.57(Astronomy & Astrophysics)

$$^{29}$$Neからの1中性子除去反応を用いて、$$^{28}$$Neの詳細な$$gamma$$線分光を行った。平行運動量分布の解析に基づき、$$^{28}$$Neの準位構造とスピンパリティを決定し、初めて負のパリティ状態を同定した。測定された断面積と運動量分布から、N=20とN=28のシェルギャップの消失の証拠となる有意なintruder p-wave強度が明らかになった。束縛状態については、弱いf-waveの可能性のある強度が観測された。いくつかの有効相互作用を用いた大規模殻模型計算では、実験的に観測された大きなp-wave強度と小さなf-wave強度は再現されず、Ne同位体に沿った反転の島への遷移の完全な理論的記述への挑戦が続いていることを示している。

論文

機械学習分子動力学法による核燃料物質の高温物性評価

小林 恵太; 中村 博樹; 板倉 充洋; 町田 昌彦; 奥村 雅彦

まてりあ, 62(3), p.175 - 181, 2023/03

核燃料の研究開発において、原子炉運転時からシビアアクシデント時の融点付近に至る温度領域まで、核燃料物質の高温物性を把握することが必須となるが、その取扱いの困難さから、実験研究を行うことは容易ではない。一方、シミュレーション研究は安全に実施可能であるが、高温物性評価のために必要である、高精度な大規模構造の長時間シミュレーションは、従来のシミュレーション手法では、実施が難しかった。我々は、最近開発された機械学習技術を応用して高精度な大規模構造の長時間シミュレーションが実施可能な「機械学習分子動力学法」を用いて、酸化トリウムの高温熱物性評価に成功した。本稿は、機械学習分子動力学法と我々の研究成果について概説する。

論文

Machine learning potentials of kaolinite based on the potential energy surfaces of GGA and meta-GGA density functional theory

小林 恵太; 山口 瑛子; 奥村 雅彦

Applied Clay Science, 228, p.106596_1 - 106596_11, 2022/10

 被引用回数:5 パーセンタイル:60.55(Chemistry, Physical)

粘土鉱物の一種であるカオリナイトの機械学習ポテンシャルを構築し、分子動力学法シミュレーションを実施することにより、カオリナイトの各種物性値を評価し、実験結果と比較した。その結果、原子構造や機械的特性を非常に良い精度で実験結果を再現することが確認された。さらに、構築した機械学習ポテンシャルを用いた分子動力学方シミュレーションで振動状態密度を評価したところ、古典分子動力学法や第一原理計算手法等の既存のシミュレーション手法では再現できなかった中性子非弾性散乱実験の結果をよく再現することがわかった。

論文

Materials science and fuel technologies of uranium and plutonium mixed oxide

加藤 正人; 町田 昌彦; 廣岡 瞬; 中道 晋哉; 生澤 佳久; 中村 博樹; 小林 恵太; 小澤 隆之; 前田 宏治; 佐々木 新治; et al.

Materials Science and Fuel Technologies of Uranium and Plutonium mixed Oxide, 171 Pages, 2022/10

プルトニウム燃料を使用した革新的で先進的な原子炉が各国で開発されている。新しい核燃料を開発するためには、照射試験が不可欠であり、核燃料の性能と安全性を実証する必要がある。照射試験を補完する技術として、照射挙動を正確にシミュレートする技術を開発できれば、核燃料の研究開発にかかるコスト,時間,労力を大幅に削減でき、核燃料の照射挙動をシミュレーションすることで、安全性と信頼性を大幅に向上させることができる。核燃料の性能を評価するためには、高温での燃料の物理的および化学的性質を知る必要がある。そして、照射中に発生するさまざまな現象を記述した行動モデルの開発が不可欠である。以前の研究開発では、モデル開発の多くの部分で、フィッティングパラメータを使用した経験的手法が使用されてきた。経験的手法では、データがない領域では非常に異なる結果が得られる可能性がある。したがって、この研究では、燃料の基本的な特性を組成と温度に外挿できる科学的記述モデルを構築し、モデルが適用される照射挙動分析コードの開発を行った。

論文

Extended X-ray absorption fine structure spectroscopy measurements and ${it ab initio}$ molecular dynamics simulations reveal the hydration structure of the radium(II) ion

山口 瑛子; 永田 光知郎*; 小林 恵太; 田中 万也; 小林 徹; 谷田 肇; 下条 晃司郎; 関口 哲弘; 金田 結依; 松田 晶平; et al.

iScience (Internet), 25(8), p.104763_1 - 104763_12, 2022/08

 被引用回数:15 パーセンタイル:72.63(Multidisciplinary Sciences)

ラジウム(Ra)は環境汚染やがん治療の観点から注目を集めている元素である。しかし、安定同位体が存在せず扱いが難しいことから、物理化学的に重要な水和構造さえも原子レベルでの観測が行われていない。本研究では、世界で初めて、広域X線吸収微細構造(EXAFS)法を用いたRa水和構造の解明を行った。また、第一原理計算による水和構造解明も実施し、実験ではわからない水分子のダイナミクスの解明を行った。両者の比較も行ったところ、実験と計算の結果はよく一致し、Raの第一水和圏における配位数や酸素との距離を解明した他、アナログ元素であるバリウムに比べて水分子の配位が弱いことがわかった。これらはRaの環境挙動解明やがん治療開発等に資する結果である。

論文

Machine learning molecular dynamics simulations toward exploration of high-temperature properties of nuclear fuel materials; Case study of thorium dioxide

小林 恵太; 奥村 雅彦; 中村 博樹; 板倉 充洋; 町田 昌彦; Cooper, M. W. D.*

Scientific Reports (Internet), 12(1), p.9808_1 - 9808_11, 2022/06

 被引用回数:11 パーセンタイル:71.89(Multidisciplinary Sciences)

核燃料の一つであるトリウム酸化物に対し、機械学習分子動力学法を用い、その高温物性を調査した。様々な交換汎関数により第一原理計算を実施し、ニューラルネットによりその結果を学習することにより機械学習力場を構築した。特にSCANと呼ばれる交換汎関数を用いた第一原理計算結果を学習することにより得られた機械学習力場は、ラムダ転移温度や融点を含め、比較可能な実験データの多くに対し高精度な結果を示した。

論文

EXAFSによるRaの水和状態と粘土鉱物への吸着状態の解明

山口 瑛子; 永田 光知郎*; 田中 万也; 小林 恵太; 小林 徹; 下条 晃司郎; 谷田 肇; 関口 哲弘; 金田 結依; 松田 晶平; et al.

放射化学, (45), p.28 - 30, 2022/03

ラジウム(Ra)は環境挙動の解明が急務な元素であるが、安定同位体を持たないため分光法の適用が難しく、水和構造でさえも十分に解明されていない。本研究では、Raの広域X線吸収微細構造(EXAFS)を測定し、世界で初めてRaの水和状態及び粘土鉱物への吸着状態を分子レベルで解明した。水和構造について第一原理計算を実施した結果、実験値と計算値は整合した。粘土鉱物において、Raは内圏錯体を形成し、環境中でRaが粘土鉱物に固定されることが示唆された。本稿では特に水和構造の結果について詳細に述べる。

論文

Construction of machine-learning Zr interatomic potentials for identifying the formation process of c-type dislocation loops

沖田 泰良*; 寺山 怜志*; 津川 聖人*; 小林 恵太; 奥村 雅彦; 板倉 充洋; 鈴木 克幸*

Computational Materials Science, 202, p.110865_1 - 110865_9, 2022/02

 被引用回数:7 パーセンタイル:39.90(Materials Science, Multidisciplinary)

In this study, a Neural Network Potential (NNP) using an Artificial Neural Network (ANN) was developed for Zr, which is used as fuel cladding material in light water reactors. The reference data were obtained through first-principles calculations of various quantities, such as strained hexagonal-closed-packed (hcp) cells, strained face-centered cubic cells, cells containing a vacancy, several vacancies, and surfaces and $$gamma$$-surface energy on all five slip planes in the hcp structures. These data were converted to training data for the ANN, which were invariant to the rotation and translation of the atoms and independent of the number of atoms in the cells. The ANN was defined as a three-layer structure and the number of the nodes was set to 26-12-18-1. The NNP reproduced the first-principles calculations, particularly for the shear deformation, vacancy formation energy, surface energy, and $$gamma$$-surface energy, with much higher accuracy than any of the existing potentials that have been developed for classical molecular dynamics simulations. The NNP was applied to identify the formation process of c-type dislocation loops in Zr, which is a key microstructure responsible for abrupt increases in hydrogen absorption. The formation process was determined by the balance of the vacancy formation energy, surface energy and the $$gamma$$-surface energy on the basal plane, both of which were precisely reproduced only by the NNP developed in this study. The formation process was identified based on the atomistic behavior of the NNP.

論文

Autoradiography system with phosphor powder (ZnS:Ag) for imaging radioisotope dynamics in a living plant

栗田 圭輔; 酒井 卓郎; 鈴井 伸郎*; 尹 永根*; 杉田 亮平*; 小林 奈通子*; 田野井 慶太朗*; 河地 有木*

Japanese Journal of Applied Physics, 60(11), p.116501_1 - 116501_4, 2021/11

 被引用回数:1 パーセンタイル:5.74(Physics, Applied)

本研究では、生きた植物におけるRI動態をイメージングするために、蛍光体粉末(ZnS:Ag)を用いたオートラジオグラフィシステム「Live-autoradiography」を開発した。このシステムは、無傷の植物における元素の移動と蓄積を、光環境下で連続的に可視化する。イメージングテストでは、10-100kBqの$$^{137}$$Cs点線源を測定した。この結果から、画像強度と$$^{137}$$Csの放射能との間に良好な線形性が確認できた。さらに、無傷のダイズ植物中における$$^{137}$$Csの動態イメージングを4日間行った。その結果、植物の節,葉脈,成長点に$$^{137}$$Csが蓄積している様子を観察できた。今回開発したシステムは、植物の生理現象の研究に利用できるだけでなく、放射性核種の定量的な測定にも利用できる。

論文

Hydration structures of barium ions; ${it Ab initio}$ molecular dynamics simulations using the SCAN meta-GGA density functional and EXAFS spectroscopy studies

山口 瑛子; 小林 恵太; 高橋 嘉夫*; 町田 昌彦; 奥村 雅彦

Chemical Physics Letters, 780, p.138945_1 - 138945_5, 2021/10

 被引用回数:12 パーセンタイル:68.12(Chemistry, Physical)

ラジウム(Ra)はウランやトリウムの放射壊変により生成する放射性元素であり、放射性廃棄物の処理や旧ウラン鉱山周辺の環境問題の解決において重要な元素であるが、安定同位体が存在しないといった取り扱いの難しさから、水和構造などの基本的な物理化学的性質さえも不明な点が多い。本研究では、周期律表上でRaより一周期小さいがRaと同族であり、イオンの価数や大きさが類似していることから、アナログ元素としてよく用いられるバリウムに着目し、その水和構造を第一原理分子動力学法のシミュレーションにより解明した。これまで研究が行われていない大きな系について、より水の計算に適している新しい汎関数を用いて第一原理計算を行うことでより高精度のシミュレーションを行い、X線吸収微細構造法の観測も行うことでシミュレーション結果の妥当性を確かめた。

論文

Self-learning hybrid Monte Carlo method for isothermal-isobaric ensemble; Application to liquid silica

小林 恵太; 永井 佑紀; 板倉 充洋; 志賀 基之

Journal of Chemical Physics, 155(3), p.034106_1 - 034106_9, 2021/07

 被引用回数:10 パーセンタイル:64.44(Chemistry, Physical)

自己学習ハイブリッドモンテカルロ法は機械学習力場を利用することにより、第一原理計算の高速化を可能にする手法である。今回、自己学習ハイブリッドモンテカルロ法をNPTアンサンブルに適用し、液体シリカの解析を行った。本論文では自己学習ハイブリッドモンテカルロ法を用いることにより、厳密に第一原理計算の精度を保ちながら、高速に液体シリカの配置空間のサンプリングが可能であることを示した。また、液体シリカの構造因子の計算を行い実験データとの比較を行ったところ、両者はよい一致を見せた。

論文

Machine learning potentials for tobermorite minerals

小林 恵太; 中村 博樹; 山口 瑛子; 板倉 充洋; 町田 昌彦; 奥村 雅彦

Computational Materials Science, 188, p.110173_1 - 110173_14, 2021/02

 被引用回数:20 パーセンタイル:74.88(Materials Science, Multidisciplinary)

セメント水和物(セメントペースト)は建築材はもとより、放射性セシウムの閉じ込め材料として利用される。本論文はセメント水和物の代表的なモデル物質であるトバモライトの機械学習力場の構築を行ったものである。トバモライトに対し第一原理計算を実施し、様々な原子配置とそのポテンシャルデータを大量に生成し、ニューラルネットを用いた機械学習力場の学習を行った。構築した機械学習力場はトバモライトの弾性係数,振動状態密度をほぼ第一原理と同等の精度で計算可能であることを確かめた。また、機械学習分子動力学法を実行し、トバモライト細孔における水,イオンの輸送特性の解析を行った。

論文

Self-learning hybrid Monte Carlo; A First-principles approach

永井 佑紀; 奥村 雅彦; 小林 恵太*; 志賀 基之

Physical Review B, 102(4), p.041124_1 - 041124_6, 2020/07

 被引用回数:19 パーセンタイル:71.62(Materials Science, Multidisciplinary)

第一原理計算で得られたポテンシャルを再現するようなニューラルネットワーク(ANN)を構築して分子動力学を実行するのが機械学習分子動力学法である。ANNを構築する際の最適なトレーニングデータは、元々の第一原理分子動力学法で生成される原子配置とそのポテンシャルである。通常は、様々な原子配置とそのポテンシャルデータを大量に作成することで、目的の機械学習分子動力学法と同じようなポテンシャルを生成するANNを構築している。しかしながら、構築されたANNが元々の第一原理計算のポテンシャルを再現するという保証はない。さらに、4元素以上で構成されるような系の場合には、長時間の機械学習分子動力学法では計算が不安定になることがあり、機械学習分子動力学法の計算の精度や妥当性については常に慎重な議論が必要であった。本論文発表では、自己学習モンテカルロ法のアイディアを用いることで、得られた結果が統計的に厳密にオリジナルの第一原理計算分子動力学法の計算結果と等しい手法を開発したことを報告する。

論文

Superconductivity in repulsively interacting fermions on a diamond chain; Flat-band-induced pairing

小林 恵太*; 奥村 雅彦; 山田 進; 町田 昌彦; 青木 秀夫*

Physical Review B, 94(21), p.214501_1 - 214501_7, 2016/12

 被引用回数:59 パーセンタイル:89.13(Materials Science, Multidisciplinary)

平坦バンドが超伝導性を示す可能性を探るために、平坦バンドを形成する最も単純な準一次元系の一つであるダイアモンド鎖上の斥力相互作用するフェルミオン系について調べた。厳密対角化法と密度行列繰り込み群法を用いて調べた結果、フェルミエネルギーに近い空の平坦バンドと相互作用する分散バンドが満たされる1/3フィリングよりも少しだけ小さなフィリングで、長い相関距離を持つクーパー対が有意な束縛エネルギーを持つことがわかった。さらに、この対相関関数は、ダイアモンド鎖の外側のサイトに存在するフェルミオン対によるものであることを明らかにした。また、厳密に1/3フィリングの時、系は絶縁体になり、ダイアモンド鎖の外側のサイトに存在するフェルミオンがトポロジカルに区別可能なエンタングル状態を形成していることがわかった。

論文

Development of a high power wideband polarizer for electron cyclotron current drive system in JT-60SA

三枝 幹雄*; 小山 岳*; 松原 史明*; 滝井 啓太*; 佐井 拓真*; 小林 貴之; 森山 伸一

Fusion Engineering and Design, 96-97, p.577 - 582, 2015/10

 被引用回数:6 パーセンタイル:43.95(Nuclear Science & Technology)

JT-60SA用電子サイクロトロン加熱電流駆動装置で採用が期待される2周波数ジャイロトロン用に110GHzと138GHzで使用可能な大電力広帯域マイターベンド型偏波器の開発を行った。マイターベンドに組み込んだ2種類(偏波面回転用と楕円偏波の軸比制御用)の回折格子の溝の深さは、2周波数に対して数値計算により最適化を行った。低電力試験の結果から、偏波面回転用と楕円偏波の軸比制御用の偏波器を組み合わせて、2周波数で全偏波が発生できる事を確認した。また熱応力の評価は有限要素法で行った。偏波面回転用マイターベンド型偏波器の大電力試験を110GHzで0.24MW、3秒まで行い、偏波器のジュール損失の回転角依存性が理論と矛盾しないことを確認した。

論文

Ferromagnetism in multi-orbital Fermi gas loaded on a one-dimensional optical lattice

小林 恵太; 奥村 雅彦; 太田 幸宏*; 山田 進; 町田 昌彦

JPS Conference Proceedings (Internet), 3, p.016006_1 - 016006_6, 2014/06

光学格子中の冷却原子気体では固体中の電子状態と同様の状態を作り出すことができることから、量子物性のシミュレーターとして注目されている。近年では多軌道を持った光学格子中の原子気体が実現しており、遷移金属などが示すさまざまな強相関電子物性を光学格子中で実現することが可能になると考えられている。本発表では多軌道を持つフェルミ原子気体が示す強磁性状態に対し、密度行列繰り込み群法を用いた解析を行った。得られた結果として、原子が金属的な状況にある場合に強磁性が発言することを示した。また、Haldane相と強磁性相が共存して現れることも明らかにした。強磁性相はHaldane相のedge状態と結合して現れ、強磁性自体がedge状態と同様の特性を持つという興味深い結果を得ることができた。

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