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民井 淳*; Pellegri, L.*; Sderstrm, P.-A.*; Allard, D.*; Goriely, S.*; 稲倉 恒法*; Khan, E.*; 木戸 英治*; 木村 真明*; Litvinova, E.*; et al.
European Physical Journal A, 59(9), p.208_1 - 208_21, 2023/09
被引用回数:1 パーセンタイル:0.02(Physics, Nuclear)光核反応は原子核構造の観点からも応用の観点からも重要であるにも関わらず、その反応断面積は未だに不定性が大きい。近年、超高エネルギー宇宙線の起源を探るために、鉄よりも軽い原子核の光核反応断面積を正確に知る必要が指摘されている。この状況を打破するため、原子核物理の実験、理論、宇宙物理の共同研究となるPANDORAプロジェクトが始まった。本論文はその計画の概要をまとめたものである。原子核実験ではRCNP、iThembaによる仮想光子実験とELI-NPによる実光子実験などが計画されている。原子核理論では、乱雑位相近似計算、相対論的平均場理論、反対称化分子動力学、大規模殻模型計算などが計画されている。これらで得られた信頼性の高い光核反応データベースと宇宙線伝搬コードを組み合わせ、超高エネルギー宇宙線の起源の解明に挑む。
高橋 幸司; 飯田 浩正*; 小林 則幸*; 梶原 健; 坂本 慶司; 大森 俊道*; Henderson, M.*
Fusion Science and Technology, 63(1T), p.156 - 159, 2013/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)ITER水平ポートECランチャーの要素機器における核発熱や中性子負荷、後方部におけるハンズオンメインテナンスの可能性などを評価するための核解析を行っている。モンテカルロ粒子シミュレーションコードを用いて、プラズマからランチャー周りの空間への中性子漏洩を計算した。その結果、ランチャーポートプラグと真空容器のポートとの細いギャップや、ポート壁を介して漏洩する中性子がランチャー後方での中性子フラックスに影響することが判明したものの、停止後線量率は、設計許容値である100Sv/hレベル程度になることがわかった。
高橋 幸司; 梶原 健; 小田 靖久; 小林 則幸*; 坂本 慶司; 大森 俊道*; Henderson, M.*
Proceedings of 24th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2012) (CD-ROM), 8 Pages, 2013/03
プラズマ電流の方向に対し順/逆・両方向に2040のトロイダル入射角度可変で20MWのミリ波パワー入射を可能とし、さらに、耐熱性,耐電磁力,中性子遮蔽性能が要求されるこれまでに例のない大規模のITER用ECランチャーの設計やその要素機器開発を進めた。3ユニット存在するミリ波伝送部の設計では、導波管伝送機器と空間伝送を組合せた構造とすることで低コスト化を図った。可動入射ミラーの最大熱負荷及び空間伝送領域の伝送効率は、それぞれ2.1MW/m、98.499%となり、熱負荷低減効果は1/3程度、伝送効率の影響は1%以下とすることに成功した。遮蔽ブランケットの設計も進め、製作性や耐熱性,電磁力低減などを考慮した設計を確立した。それらの設計を保証するための熱・構造解析や電磁力解析、冷却水の流動解析など実施し、ECランチャー全体の基本設計を確立した。その設計に基づき、ECランチャーモックアップなどの製作を進め、設計の整合性を確認するための大電力伝送実験を実施し、設計通りのミリ波ビーム放射を確認し、現設計の有効性を実証した。また、実機相当の真空窓モックアップや可動ミラー駆動機構の性能評価試験も実施し、ITERの運転で使用できる見通しを得た。
川村 英之; 伊藤 集通; 小林 卓也; 乙坂 重嘉; 広瀬 直毅*; 外川 織彦
Journal of Oceanography, 66(5), p.649 - 662, 2010/10
被引用回数:2 パーセンタイル:6.22(Oceanography)日本海におけるストロンチウム90とセシウム137の濃度分布と全存在量を計算するために数値実験を行った。モデル結果は、日本原子力研究開発機構が1997年から2002年の間に行った日本海海洋調査で得られた観測結果とよく一致した。表層におけるストロンチウム90濃度とセシウム137濃度は、それぞれ1.0-1.5Bq/mと2.0-2.5Bq/mの範囲であり、これらは北西太平洋における表層濃度と同程度である。しかしながら、中深層における濃度は外洋に比べて高く、このことは日本海において冬季の鉛直混合が活発であることを示唆している。数値実験により見積もられた日本海の海水中に含まれるストロンチウム90とセシウム137の全存在量は1.34PBq(1PBq=10Bq)と2.02PBqとなり、これらは日本海海洋調査で得られた観測データから計算された値と同程度であった。また、ストロンチウム90とセシウム137の全存在量の経年変化を計算し、1960年代半ばにそれぞれ4.86PBqと7.33PBqの最大値を示すことがわかった。
川村 英之; 伊藤 集通; 小林 卓也; 乙坂 重嘉; 広瀬 直毅*; 外川 織彦
Proceedings of Joint International Conference of 7th Supercomputing in Nuclear Application and 3rd Monte Carlo (SNA + MC 2010) (USB Flash Drive), 4 Pages, 2010/10
日本原子力研究開発機構は、1997年から2002年の間に日本海海洋調査を実施して、日本海における人工放射性核種濃度の分布を明らかにした。本研究の目的は、海洋大循環モデルを使用して数値実験を行い、日本海海洋調査で得られたさまざまな知見を確証することである。数値実験は、大気中核実験が主な起源である大気降下量を海面の境界条件とし、東シナ海の平均表層濃度を対馬海峡からの流入境界条件とした。モデル結果は、SrとCsの濃度に関して、観測結果とよく一致した。表層におけるSrとCsの濃度は、それぞれ1.01.5Bq/mと2.02.5Bq/mであり、表層から深層にかけてこれらの濃度は指数関数的に減少する。また、日本海全域におけるSrとCsの全存在量は、それぞれ1.34PBq(1PBq=10Bq)と2.02PBqとなり、日本海海洋調査で得られた観測データによる見積もりとよく一致した。さらに、1945年から2000年における全存在量を計算して、1964年にSrは4.86PBq、Csは7.33PBqの最大値を示すことがわかった。
乙坂 重嘉; 鈴木 崇史; 田中 孝幸; 伊藤 集通; 小林 卓也; 川村 英之; 皆川 昌幸*; 荒巻 能史*; 千手 智晴*; 外川 織彦
JAEA-Data/Code 2009-020, 27 Pages, 2010/02
原子力機構が実施した日本海海洋調査の最終成果物のひとつとして、日本海の海洋環境パラメータと放射性核種に関するデータベース(JASPER)の第1巻が2007年に公開された。第1巻では、代表的な人工放射性核種(ストロンチウム-90,セシウム-137及びプルトニウム-239,240)について、海水及び海底土中の濃度データが収録された。今回はその第2巻として、海水中の放射性炭素同位体比データと、栄養塩濃度(ケイ酸,リン酸,硝酸及び亜硝酸)を含む海洋学的指標(塩分,水温,溶存酸素濃度)のデータが公開される。この第2巻には、現時点で20,398データレコードの登録があり、その内訳は、放射性炭素が1,660データ,水温が2,695データ,塩分が2,883データ,溶存酸素濃度が2,109データ,栄養塩濃度が11,051データである。このデータベースは、人工放射性核種による日本海の汚染状況の継続的な監視,日本海内の生物地球化学的循環,数値シミュレーションモデルの開発検証の各分野において強力なツールとなることが期待される。
小林 卓也; 外川 織彦; 伊藤 集通; 乙坂 重嘉; 川村 英之; 林 圭佐*; 島 茂樹*; 中山 智治*; 印 貞治*
JAEA-Research 2009-040, 63 Pages, 2009/12
使用済燃料再処理施設の平常運転時には、施設から少量の放射性核種が海洋へ計画的に放出される。このため、再処理施設の平常時に海洋へ放出される放射性核種に起因する環境影響を把握することは、施設に対する周辺住民の理解・安心の醸成に貢献するうえで重要なことである。そこで筆者らは、再処理施設から六ヶ所村沖合の下北海域へ放出される放射性核種の移行を予測することを目的として、それまでの日本原子力研究開発機構での研究成果を当該海域に適合させるために、気候値を使用した海水循環予測コードの整備、及び海水中放射性核種移行予測コードの整備を行った。これに併せて、下北海域において沈降粒子特性データを実測し、海水中放射性核種移行予測コードに用いるパラメータを検討した。本報告書は、平成15年度から20年度までに実施した下北沖海域を研究対象海域とした研究成果から、特に重要と思われる成果についてまとめたものである。
外川 織彦; 伊藤 集通; 小林 卓也; 乙坂 重嘉; 鈴木 崇史
JAEA-Research 2006-004, 132 Pages, 2006/02
本報告書は、1994年から2002年まで原子力機構(旧原研)が実施した、あるいは原子力機構が参加した日本海海洋調査(第1期)の成果をまとめたものである。最初に、日本海の海洋学的特徴,過去における主な海洋調査、及び日韓露共同海洋調査の主たる結果について説明する。次に、日本海海洋調査の概要を示し、調査で得られた観測・分析の結果と考察を記述する。最後に、成果の概要,関連したモデル開発及び今後の研究を含めて、結論を述べる。これらの調査では、水温,塩分,海流等の海洋学データを取得するとともに、調査海域内において海水,海底土及び沈降粒子試料を採取し、それらに含まれる放射性核種等の分析を行った。これまで実施した調査によって、現時点で日本海の調査可能な海域を大まかではあるがほぼ網羅し、広く連続した放射性核種等分析データ及び海洋学データを取得することができた。これまでの調査で得られた、海洋学的データ,海水及び海底土における人工放射性核種,沈降粒子中の主成分と微量元素及び放射性核種,放射性炭素とクロロフルオロカーボン類など各種のデータを解析し、日本海における海水循環及び放射性核種の移行過程に関する重要かつ新たな知見を得た。
鵜飼 重治; 皆藤 威二; 大塚 智史; 藤原 優行*; 小林 十思美*
まてりあ, 45(1), p.48 - 50, 2006/01
日本金属学会で毎年応募される新技術として、原子力機構が開発した9Cr-ODSフェライト/マルテンサイト鋼被覆管について紹介した。組織制御技術を独自に開発することにより、世界で初めて冷間圧延による被覆管製造を可能にするとともに、フェライト系耐熱鋼として世界最高の高温強度を有する9Cr-ODSフェライト/マルテンサイト鋼被覆管を実用化した。
乙坂 重嘉; 天野 光; 伊藤 集通; 川村 英之; 小林 卓也; 鈴木 崇史; 外川 織彦; Chaykovskaya, E. L.*; Lishavskaya, T. S.*; Novichkov, V. P.*; et al.
Journal of Environmental Radioactivity, 91(3), p.128 - 145, 2006/00
被引用回数:20 パーセンタイル:42.21(Environmental Sciences)1998年から2002年にかけて、日本海の22観測点で観測した堆積物中の放射性核種(Sr, Cs及びPu)の存在量と存在比から、同海域における粒子状放射性核種の輸送と蓄積過程を明らかにした。日本海における堆積物中のSr, Cs及びPuの存在量は、それぞれ0.6-87Bq/m, 5.9-379Bq/m及び0.6-78Bq/mの範囲であった。日本海盆及び大和海盆では、深海(水深2km以深)部における堆積物中の放射性核種存在量は同程度であったが、堆積物中の平均Pu/Cs比は大和海盆に比べて日本海盆で大きかった。特に西部日本海盆で見られた大きなPu/Cs比は、この海域表層へのPu/Cs比の大きな粒子の生成と深海への急速な粒子沈降がもたらした結果であると結論付けられた。対馬海盆及び大和海盆縁辺部では、堆積物中の放射性核種の存在量及びPu/Cs比が大きかった。対馬暖流による粒子状放射性核種の水平輸送が南部及び東部日本海における堆積物への大きな放射性核種の蓄積をもたらしたと考えられた。
川村 英之; 小林 卓也; 広瀬 直毅*; 伊藤 集通; 外川 織彦
WIT Transactions on Ecology and the Environment, Vol.88, p.273 - 278, 2006/00
日本原子力研究開発機構では、原子力関連施設の事故等によって海洋に放出される環境負荷物質の挙動を再現・予測するための海洋環境評価システムの開発を行っている。このシステムは、海水循環モデル・海洋中物質移行モデル・被ばく線量評価モデルの三つの数値モデルにより構成されている。研究の目的は、1997年1月に日本海で起こった船舶事故により流出した重油の挙動を再現することによって、本システムの有効性を確認することである。特に現実的な海況場を再現するため、データ同化手法の一つである近似カルマンフィルターを適用した。ロシア船「ナホトカ号」の事故は1997年1月2日に島根県隠岐諸島の北100kmの海域で起こった。流出した重油はその後、兵庫県・京都府・福井県・石川県沖に広がったが、一部は21日頃までに能登半島を越えて新潟県の沿岸に漂着した。この海域には、対馬暖流が卓越しており、対馬暖流の変動・中規模渦・海上風等によって、兵庫県から石川県西部における海域に重油が広く分布したものと考えられる。一方で、日本沿岸を強く流れる対馬暖流の本流により、流出重油の一部は能登半島を越えて新潟県沿岸にまで運ばれたものと思われる。数値実験の結果、データ同化を適用して計算した海流場を用いると流出重油の分布をより現実的に再現することが可能であることが確認された。
伊藤 集通; 荒巻 能史*; 乙坂 重嘉; 鈴木 崇史; 外川 織彦; 小林 卓也; 川村 英之; 天野 光; 千手 智晴*; Chaykovskaya, E. L.*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 42(1), p.90 - 100, 2005/01
被引用回数:14 パーセンタイル:67.84(Nuclear Science & Technology)1996-2002年の期間、日露の研究機関の協力で人工放射性核種の広域調査プロジェクトが日露の両排他的経済水域にまたがった日本海で実施された。本プロジェクトの目的は、Sr, Cs, Pu等の核種の海洋中での移行を明らかにすることである。2001-2002年には4回の調査航海が実施された。これら調査で得られた放射性核種の濃度とその分布はこれまでに得られた知見の範囲内であったことから、現在日本海に対する新たな放射性核種源となるような事故,投棄あるいは過去の廃棄物からの漏洩等が発生していないことが確認された。また、海水中におけるインベントリは、グローバルフォールアウトで同緯度帯の海洋にもたらされた量の約2倍であり、日本海におけるそれら核種の蓄積が示された。さらに、亜表層におけるSr及びCs濃度が日本海の広い範囲で時間変動していることが明らかとなり、溶存酸素データとの比較解析により、この時間変動は日本海の上部の水塊移動と関連付けられた。
成田 健; 鵜飼 重治; 皆藤 威二; 大塚 智史; 小林 十思美*
Proceedings of 11th International Conference on Fusion Reactor Materials (ICFRM-11), 41(10), 0 Pages, 2004/00
将来の実用化段階の高速炉燃料要素用の高性能炉心材料として酸化物分散強化型(ODS)フェライト鋼を開発している。ODSフェライト鋼被覆管が有する難加工性と低延性を克服する手段として開発した再結晶熱処理技術を被覆管製造プロセスに適用する場合に有効な二段軟化熱処理技術を開発した。
乙坂 重嘉; 伊藤 集通; 川村 英之; 小林 卓也; 鈴木 崇史; 外川 織彦
第45回環境放射能調査研究成果論文抄録集,平成14年度, p.77 - 78, 2003/12
科学技術庁/文部科学省による受託研究と、ISTCパートナープロジェクトによって、日本海の22観測点で採取された海底土試料中の人工放射性核種(セシウム-137,ストロンチウム-90及びプルトニウム-239, 240)濃度について報告する。西部日本海盆では、全ての観測点で有意な放射能濃度が観測され、その水平的な変動は他の海域に比べて小さかった。旧ソ連及びロシアによる放射性核種の投棄海域(日本海盆の西側)とその他の海域との間には、有意な放射性核種濃度の差は見られなかった。大和海盆の一部の観測点では有意な放射能は検出されなかったが、その一方で南東部の2測点で局所的に大きな濃度が観測された。堆積物中の放射性核種濃度と観測点の水深の間に有意な相関関係は見られなかった。日本海における堆積物中の放射性核種濃度の分布は、放射性物質の投棄などの人為的な事象に起因するものではなく、それぞれの海域が持つ地理的特徴を反映したものであると考えられる。日本海における放射性核種の移行過程をより詳細に理解するために、沈降粒子による溶存成分の除去と鉛直輸送,海水流動,陸起源粒子の供給過程等といった物質循環過程を総合的に評価する必要がある。
伊藤 集通; 荒巻 能史*; 乙坂 重嘉; 鈴木 崇史; 外川 織彦; 小林 卓也; 千手 智晴*; Chaykovskaya, E. L.*; Lishavskaya, T. S.*; Karasev, E. V.*; et al.
Proceedings of International Symposium on Radioecology and Environmental Dosimetry, p.396 - 401, 2003/10
人工放射性核種の空間分布と時間変動を調べそれらの輸送・蓄積の過程を理解するための6か年の調査が、1997-2002の期間、日本とロシアの排他的経済水域内(EEZ)で実施された。本プロジェクトでは11回の調査が行われ、各測点で得られた海水と海底土についてSr-90, Cs-137, Pu-239+240の3核種の濃度が計測された。本発表では、2001-2002の期間に日露双方のEEZ内で行われた4回の調査で得られた調査結果を示す。Sr-90濃度は海面から海洋深層に向けて指数関数的に減少しており、海面で1.1-2.0mBq/L、約2000mで0.7mBq/L以下であった。Cs-137の鉛直分布もSr-90に類似しており、濃度は海面で1.6-2.6mBq/L、約2000mで0.9mBq/L以下であった。Pu-239+240の鉛直分布は海面で最小(0.004-0.019mBq/L)、約1000mで最大(0.030-0.046mBq/L)となっており、それ以深は深度とともに減少する。さらに、亜表層におけるSr-90とCs-137の濃度が比較的大きな経時変化を示すことが複数の測点の再調査で明らかとなった。そして、本プロジェクトの結果を総合することで、各核種のインベントリのマッピングを行うことができた。
乙坂 重嘉; 荒巻 能史*; 鈴木 崇史; 小林 卓也; 伊藤 集通; 外川 織彦; Chaykovskaya, E. L.*; Dunaev, A. L.*; Karasev, E. V.*; Novichkov, V. P.*; et al.
Proceedings of International Symposium on Radioecology and Environmental Dosimetry, p.390 - 395, 2003/10
1998年から2002年の間に、国際科学技術センター(ISTC)とのパートナープロジェクト及び、文部科学省からの受託研究のもとで、海底堆積物の採取と堆積物中の放射性核種の分析が行われた。本研究では、日本海の22測点における人為起源放射性核種(Cs-137, Sr-90及びPu-239+240)の分析結果を報告し、その分布と蓄積過程について議論する。日本海盆と大和海盆におけるCs-137の平均濃度は、それぞれ、1.00.3, 1.01.8Bq/kgであった。両海盆間で、堆積物中の放射性核種濃度に有意な差はなかったが、放射性核種濃度の分布には異なる特徴が見られた。日本海盆では、放射性核種濃度の水平分布の変動は小さかった。その一方で、大和海盆では、一部の測点で局所的に高い比放射能が観測された以外は、ほとんどの測点で有意な放射能は検出されなかった。日本海の堆積物中で最も高い放射能濃度は、大和海盆の南東縁辺で観測され、その濃度は、Cs-137が6.50.6Bq/kg、Sr-90が1.40.2Bq/kg、Pu-239+240が1.60.1Bq/kgであった。日本海盆と大和海盆では、それぞれ特有の人為起源放射性核種の蓄積メカニズムが働いていたことが示唆された。
永井 崇之; 亀代 直樹*; 小林 雄一*; 田中 仁*; 田山 敏光; 明珍 宗孝
日本原子力学会和文論文誌, 2(3), p.269 - 278, 2003/09
JNCでは、乾式再処理技術開発として酸化物電解法プロセス研究を実施しており、当該プロセスは電解後の使用済溶融塩を精製する。そこで、使用済溶融塩の精製技術としてリン酸塩沈殿法の研究を進めており、リン酸塩沈殿実験として、FP塩化物(非RI)を添加したNaCl-2CsCl溶融塩にリン酸ナトリウムを添加し、リン酸塩沈殿によるNaCl-2CsCl中のFPイオンの除去性能を評価した。実験の結果、溶融塩中に溶存するFPイオン量の1.5倍のリン酸ナトリウムを添加することで、溶融塩中のFPイオンがほとんど除去できることを確認した。
伊藤 集通; 荒巻 能史; 北村 敏勝; 乙坂 重嘉; 鈴木 崇史; 外川 織彦; 小林 卓也; 千手 智晴*; Chaykovskaya, E. L.*; Karasev, E. V.*; et al.
Journal of Environmental Radioactivity, 68(3), p.249 - 267, 2003/07
被引用回数:40 パーセンタイル:62.84(Environmental Sciences)1997-2000年の期間、日本海の海水中におけるSr,Cs並びにPuが計測された。放射性核種濃度の鉛直分布は、SrとCsでは表層から深度方向に指数関数的減衰を示し、Puでは表層最小,中層最大となっていて、それぞれ典型的分布を示した。過去の測定例と比較しても本質的な差異は検出されなかった。また、日本海における緯度帯別平均濃度及びインベントリは北西太平洋に比べ高くなっていた。さらに空間分布では、高インベントリ域が日本海盆側から大和海盆へ貫入している様子が描かれた。このことは、日本海盆で鉛直輸送された放射性核種が大和堆を迂回後に大和海盆に入り、日本海の深層水中に放射性核種が蓄積されていることを示唆するものである。
石井 敏満; 大岡 紀一; 星屋 泰二; 小林 英男*; 齋藤 順市; 新見 素二; 辻 宏和
Journal of Nuclear Materials, 307-311(Part.1), p.240 - 244, 2002/12
被引用回数:3 パーセンタイル:23.41(Materials Science, Multidisciplinary)軽水炉や核融合炉などの構造材料の照射脆化を超音波法で非破壊的に評価する試験技術の開発を進めている。本研究では、原子炉圧力容器用A533B-1鋼材,不純物Pの含有量を低く調整したA533B-1鋼材及びサブマージマーク溶接部から製作した衝撃試験片をJMTRにおいて523K又は563Kで中性子照射した後、遠隔操作による超音波測定を行い、試験片中を伝わる超音波の音速及び減衰率を求めた。その結果、照射材では、未照射材に比べて横波,縦波ともに音速が低下し、縦波の減衰率は上昇する傾向があることがわかった。音速の低下は、中性子照射による鋼材の剛性率及びヤング率の低下に起因することが推測される。また、シャルピー吸収エネルギーの41Jレベル遷移温度シフト量の照射に伴う増加に対して、超音波の音速は低下し、減衰率は上昇する特性があることを見いだした。
石井 敏満; 大岡 紀一; 新見 素二; 小林 英男*
金属, 71(8), p.20 - 24, 2001/08
JMTRホットラボにおいて、原子炉圧力容器鋼など構造材料について超音波を応用した非破壊的照射脆化診断技術の開発を進めている。これまでに、原子炉圧力容器用A533B cl.1鋼材,不純物Pの含有量を低く調整したA533B cl.1鋼材及びサブマージアーク溶接材の3種類の材質の衝撃試験片をJMTRにおいて523K又は563Kで中性子照射を実施した。これらの試験片について遠隔操作による超音速測定を行い、試験片中を伝わる超音波の音速及び減衰率を求めた。その結果、未照射材に比べて照射材では、横波及び縦波の音速が低下するとともに、縦波の減衰率が上昇することがわかった。また、音速の低下は、中性子照射による鋼材の剛性率及びヤング率の低下に起因することが予測される。更に、シャルピー吸収エネルギーの41Jレベル遷移温度のシフト量が増加するのに伴い横波の音速が低下し、縦波の減衰率が上昇する特性データを得た。