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論文

Transmission electron microscopy of redeposition layers on graphite tiles used for open divertor armor of JT-60

後藤 純孝*; 新井 貴; 柳生 純一; 正木 圭; 児玉 幸三; 宮 直之

Journal of Nuclear Materials, 329-333(1), p.840 - 844, 2004/08

 被引用回数:15 パーセンタイル:67.40(Materials Science, Multidisciplinary)

JT-60の下部X点ダイバータで使用された黒鉛タイル上の再堆積層を、透過型電顕(TEM)及び制限視野電子回折(SAD)により解析した。タイル使用時期は1988年6-10月で、各300回と1500回の下部X点ダイバータ配位及びリミター配位による軽水素放電が行われた。SEMによる再堆積層の断面観察により、トロイダル方向の厚さ分布を測定した。内側再堆積層2か所から採取した表面層約6$$mu$$mのポロイダル及びトロイダル断面TEM像を観察し、各層構造と約40回のショット履歴を対応させ解析した。再堆積層中の柱状構造は、低加熱入力($$<$$11MW)のダイバータ配位放電で「足」位置から離れた領域に、また層状構造はリミター放電または高加熱入力のダイバータ配位放電に対応して形成される。また炭素-Moあるいは炭素-Ni, Fe, Cr, Tiの共堆積層はディスラプションに対応する。柱状堆積物及びその結晶子のトロイダル配向角分布から、柱状構造の成因は、低温成膜による吸着原子の低移動度と、炭素不純物イオンの斜入射によるセルフシャドウ効果で説明した。

論文

In-out asymmetry of low-$$Z$$ impurity deposition on the JT-60 divertor tiles

正木 圭; 柳生 純一; 三代 康彦; 後藤 純孝*; 新井 貴; 林 孝夫; 児玉 幸三; 笹島 唯之; 神永 敦嗣; 田辺 哲朗*; et al.

Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.845 - 848, 2004/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)

JT-60U運転開始以来、プラズマ対向壁の放射能測定により、ベリリウム($$^{7}$$Be)が検出されてきた。このベリリウムはおもにダイバータ領域に非対称に分布しており、プラズマ中の不純物挙動に関係している可能性がある。ダイバータ領域の不純物挙動を調べるために、このベリリウムに注目し、トロイダル及びポロイダル方向のベリリウム分布測定を行った。JT-60Uでは、運転開始以来酸素不純物低減のためにボロナイゼーションを行っている。さらに、1993年には化学スパッタリングと酸素不純物の低減のためにB$$_{4}$$Cタイルを設置した。このB$$_{4}$$Cタイルの設置によりダイバータタイル上のベリリウム量が急増(約100倍)し、このベリリウムの発生にはボロンが深くかかわっていることがわかった。さらに、トロイダル磁場のリップルの影響を受けてトロイダル方向に周期的にベリリウムが分布していたこと及びおおまかな定量評価から、軽水素実験放電時のICRFによって加速された高エネルギープロトンとボロンの$$^{10}$$B(p,$$alpha$$)$$^{7}$$Be反応によりベリリウムが生成されたと考えられる。また、B$$_{4}$$Cタイルは外側ダイバータに設置したにもかかわらず、内側ダイバータのベリリウム濃度が高いことから、外側から内側への不純物輸送が存在する可能性がある。

論文

JT-60U第一壁におけるトリチウム分布

正木 圭; 杉山 一慶*; 田辺 哲朗*; 後藤 純孝*; 飛田 健次; 三代 康彦; 神永 敦嗣; 児玉 幸三; 新井 貴; 宮 直之

日本原子力学会和文論文誌, 2(2), p.130 - 139, 2003/06

JT-60UのW型ダイバータ及び第一壁タイル内に残留したトリチウムをイメージングプレート法及び燃焼法により測定した。両者の測定結果は良い一致を示し、ドーム頂部で最もトリチウム濃度が高く、運転時の表面温度が高いダイバ-タ部では低い値を示した。タイル表面の堆積層の厚さを、走査型電子顕微鏡による断面観察により測定した結果、トリチウム分布と堆積層との相関は認められなかった。DD反応で生成される高エネルギートリトンの軌道損失を、軌道追跡モンテカルロコードで計算した結果、計算結果とイメージングプレート法及び燃焼法によるトリチウム分布の測定結果はよく一致した。また、計算結果と燃焼法測定結果との比較から、ダイバータターゲットタイルに取込まれたトリチウムは、タイル表面の温度上昇により放出されたことがわかった。これらのことから、JT-60Uのダイバ-タ及び第一壁タイルのトリチウム分布は、DD反応で生成される高エネルギートリトンのトロイダル磁場リップルによる損失を反映し、生成時のエネルギーが損失されずに壁に深く入射されていることがわかった。さらに、ダイバ-タタ-ゲットにおいては、タイル表面温度上昇の影響を受け、トリチウムが放出されていることがわかった。

論文

Analyses of erosion and re-deposition layers on graphite tiles used in the W-shaped divertor region of JT-60U

後藤 純孝*; 柳生 純一; 正木 圭; 木津 要; 神永 敦嗣; 児玉 幸三; 新井 貴; 田辺 哲朗*; 宮 直之

Journal of Nuclear Materials, 313-316, p.370 - 376, 2003/03

 被引用回数:47 パーセンタイル:92.89(Materials Science, Multidisciplinary)

JT-60UのW型ダイバータ領域で使用された黒鉛タイル表面上の損耗・再堆積膜分布を測定した。タイルの使用時期は1997年6月-1998年10月のプライベートフラックス領域内側からの片側排気時期で、2度のボロニゼーション、約3000回以上のD-D放電が実施された。トロイダル方向の損耗深さをダイヤルゲージにより、また再堆積膜厚さは断面SEM観察により実測し、膜の元素組成と膜中のホウ素の化学結合状態をX線光電子分光法(XPS)で解析した。外側ダイバータ板表面は損耗が支配的で、最大損耗深さ20マイクロメータが、また内側ダイバータ板では再堆積が支配的で、再堆積膜最大厚さは60マイクロメータであった。再堆積膜の下部は柱状微構造で、厚い膜では層状構造との多層構造が観察された。再堆積膜の組成は主成分の炭素の他、3-4%のホウ素,0.6%以下の酸素、Ni,Fe,Crであり、ホウ素は炭素と結合している可能性が最も高い。一方ドーム領域では、外側ウィング及び頭頂部タイル上では連続的な再堆積膜は観察されず、内側ウィングタイルの上部領域には20マイクロメータ厚さの再堆積膜が認められた。損耗・再堆積のポロイダル非対称性はダイバータ領域におけるプラズマ粒子負荷条件の内外非対称性(内側がより低温・高密度)に起因すると解釈された。

論文

Tritium distribution in JT-60U W-shaped divertor

正木 圭; 杉山 一慶*; 田辺 哲朗*; 後藤 純孝*; 宮坂 和孝*; 飛田 健次; 三代 康彦; 神永 敦嗣; 児玉 幸三; 新井 貴; et al.

Journal of Nuclear Materials, 313-316, p.514 - 518, 2003/03

 被引用回数:56 パーセンタイル:94.68(Materials Science, Multidisciplinary)

トリチウム残留量の評価及び吸蔵過程の解明のために、JT-60U W型ダイバータタイルにおけるトリチウム分布を、イメ-ジングプレ-ト技術(TIPT)及び燃焼法により測定した。その結果、発生したトリチウムの約10%がダイバータ領域に残留し、そのトリチウム濃度は、ドーム頂部及び外側バッフル板タイルで高く($$sim$$60 kBq/cm$$^{2}$$)、ダイバータターゲットタイルでは低かった($$sim$$2 kBq/cm$$^{2}$$)。DD反応で生成されるトリトンの粒子軌道計算の結果、第一壁及びダイバータタイルに打ち込まれるトリトンの粒子束分布は、TIPT及び燃焼法で得られたポロイダル分布結果と一致した。また、このトリチウム分布は、測定された再堆積層の分布状態との相関は認められなかった。これらの結果から、JT-60Uでのトリチウム分布は、プラズマ中におけるトリトンの粒子損失を反映していることがわかった。

論文

Tritium profiles on the surface of graphite tiles used in JT-60U

杉山 一慶*; 宮坂 和孝*; 田辺 哲朗*; 正木 圭; 後藤 純孝*; 飛田 健次; 児玉 幸三; 宮 直之

Physica Scripta, T103, p.56 - 58, 2003/00

 被引用回数:14 パーセンタイル:62.32(Physics, Multidisciplinary)

JT-60Uのダイバータタイルに蓄積されているトリチウムの表面分布測定にイメージングプレートを適用した。その結果は以下のようにまとめられる。JT-60Uのダイバータ領域の黒鉛タイルのトリチウム蓄積量は、表面ドームの頂及び、ダイバータバッフル板で大きく、ダイバータ領域で小さくなっていた。ダイバータ黒鉛タイルに蓄積されているトリチウムの分布は、基本的には、トリチウムがいったんプラズマから均一に打ち込まれ、その後の黒鉛の温度により放出量が異なることを反映している。特に表面温度が1000$$^{circ}$$C以上になったと思われるダイバータの足の部分では、トリチウムはほとんど検出されなかった。ダイバータドーム頂のタイル約240枚をトロイダル方向全周について測定したところ、トロイダル方向の磁場のリップロスに相当するトリチウム蓄積の強弱が認められ、高速のトリチウムが入射していることが初めて明らかにされた。第1壁についもポロイダル方向に測定し、容器上部のトリチウム濃度が低いこと、外側第1壁に特にトリチウム濃度が高いところがあることなど新たな知見が得られた。

論文

Development and operational experiences of the JT-60U tokamak and power supplies

細金 延幸; 二宮 博正; 松川 誠; 安東 俊郎; 閨谷 譲; 堀池 寛*; 櫻井 真治; 正木 圭; 山本 正弘; 児玉 幸三; et al.

Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.368 - 385, 2002/09

 被引用回数:4 パーセンタイル:28.74(Nuclear Science & Technology)

本論文ではJT-60U装置及びコイル電源の開発とこれまでの運転経験についてレビューする。JT-60Uは高プラズマ電流,大体積プラズマ,高非円形プラズマを得るため、当初のJT-60装置から大型化された装置である。改造においては、トロイダル磁場コイルの内側の全ての構成機器が新しく製作された。さらに、ダイバータタイルには炭素材の化学スパッタリングを低減するためボロン変換CFC材が使用された。後には、当初の開ダイバータに代わって、NBI用クライオ排気パネルをダイバータ排気装置に用いた排気装置付の半閉ダイバータを設置した。これらの構成機器の開発に導入されたさまざまな技術や工夫,及びそれらの運転経験は、将来のトカマク装置の設計のための貴重なデータを提供するものである。一方、JT-60Uの運転に影響を与えた主要な故障についても述べる。さらに、重水素を燃料に使用するトカマク装置の保守の重要な課題として、容器内作業者の被ばくを抑えるための方策についても紹介する。

論文

Wall conditioning and experience of the carbon-based first wall in JT-60U

正木 圭; 柳生 純一; 新井 貴; 神永 敦嗣; 児玉 幸三; 宮 直之; 安東 俊郎; 平塚 一; 西堂 雅博

Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.386 - 395, 2002/09

 被引用回数:9 パーセンタイル:50.69(Nuclear Science & Technology)

JT-60Uでは、大気解放後の第一壁コンディショニングとして、ベーキング,ヘリウムTDC,ヘリウムGDC,トカマク洗浄放電と順次実施し、到達真空度10$$^{-6}$$$$sim$$10$$^{-5}$$Paを達成している。また、酸素不純物を低減するために、デカボラン(B$$_{10}$$H$$_{14}$$)を用いたボロナイゼーションを実施しており、プラズマ中の酸素不純物量を0.5%程度まで低減することに成功している。真空容器内に設置されるタイバータタイルは、高熱負荷に晒されるため高い設置精度が要求される。特にテーパー加工はタイルの段差による端部への熱集中を避けるのに有効であり、タイルの損耗を大きく減らすことができた。また、ダイバ-タ領域における堆積量及び損耗量の内外非対称性(ポロイダル方向)からは、外側ダイバータから内側ダイバータへの不純物の輸送が示唆されている。1992年及び1993年には、CFCタイルの化学スパッタリングと酸素不純物の低減を目的として、B$$_{4}$$C転化CFCタイルを外側ダイバータに設置し、その効果を実証した。JT-60Uのトリチウム挙動を調べるために、第一壁中のトリチウム量及び排ガス中のトリチウム量を測定した。その結果、生成されたトリチウム量の約50%が第一壁に残留していることがわかった。

論文

Surface distribution of tritium on graphite tiles of divertor area in JT-60U

田辺 哲朗*; 宮坂 和孝*; 杉山 一慶*; 正木 圭; 児玉 幸三; 宮 直之

Fusion Engineering and Design, 41(3), p.877 - 881, 2002/05

JT-60Uのダイバータタイル及び内側第1壁に蓄積されているトリチウムの表面分布測定にイメージングプレートを適用した。その結果は以下のようにまとめられている。(1)JT-60Uのダイバータ領域の黒鉛タイルのトリチウム蓄積量は、表面ドームの頂及び、ダイバータバッフル板で大きく、ダイバータ領域で小さくなっていた。(2)バッフル板での蓄積トリチウム量は約10kBq/cm$$^{2}$$であり、これは発生した全トリチウムが均一に壁に入射されたと仮定して計算された10kBq/cm$$^{2}$$とほぼ同じオーダーであった。(3)ダイバータ黒鉛タイルに蓄積されているトリチウムの分布は、基本的には、トリチウムがいったんプラズマから均一に打ち込まれ、その後の黒鉛の温度により放出量が異なることを反映している。特に表面温度が1000$$^{circ}C$$以上になったと思われるダイバータの足の部分では、トリチウムはほとんど検出されなかった。(4)しかし、タイル上には、プラズマによる熱負荷のため、いったん打ち込まれたトリチウムも、タイルの温度が1000$$^{circ}C$$以上になるとほとんど放出され、残っていない部分が存在する。逆にトリチウムの蓄積量から、入熱が予測できその値は1-5MW/m$$^{2}$$となった。(5)トロイダル全周にわたって、ドーム頂上のトロイダル分布はほぼ均一であったが、内側第1壁のポリダル方向には不均一分布が見られ、プラズマの上下非対称性を反映しているものと考えられる。

論文

JT-60U W-shaped divertor with in-out divertor pumping slots

正木 圭; 森本 将明*; 逆井 章; 竹永 秀信; 笹島 唯之; 児玉 幸三; 宮地 謙吾; 細金 延幸

Proceedings of the 18th IEEE/NPSS Symposium on Fusion Engineering (SOFE '99), p.123 - 126, 1999/00

JT-60Uでは、1997年にオープンダイバータからW型ダイバータ(内側排気)に改造しており、既に良好な実験結果を得ている。パフ&ポンプによる炭素不純物の減少や、ヘリウム炭の連続的な排気等を実証している。しかし、これらは低密度プラズマでの実験結果であり、高密度プラズマでは外ダイバータの中性粒子圧力が上昇してダイバータプラズマの制御が困難になり、良好な結果が得られていなかった。そこで、高密度領域のプラズマ性能を向上させるために、新たに外側排気溝を設け、両側排気とした。この改造に伴い、ダイバータ、ドームタイルの高熱負荷に対する熱応力評価及びディスラプションに対する強度評価を実施し、その健全性を確認した。この両側排気W型ダイバータでの初期実験結果では、排気速度が30%程度改善され、Hモード遷移加熱しきい値においても30%以上低減することに成功している。

論文

Quality evaluation of graphites and carbon/carbon composites during production of JT-60U plasma facing materials

安東 俊郎; 児玉 幸三; 山本 正弘; 新井 貴; 神永 敦嗣; 堀池 寛; 衛藤 基邦; 深谷 清; 木内 昭男*; 照山 量弘*; et al.

Journal of Nuclear Materials, 191-194(2), p.1423 - 1427, 1992/09

改造臨界プラズマ試験装置(JT-60U)用第一壁,ダイバータ板材料の製作段階に得られた抜取り検査データに基づき、三種の等方性黒鉛及び四種のC/C複合材に対して、その物理的,機械的特性の品質分布を調べた。評価した物性値は密度,電気比抵抗,熱膨張率,熱伝導率,曲げ強度,引張強度及び圧縮強度である。その結果、平均値で規格化した標準偏差の最大値は、C/C複合材では22.7%%,等方性黒鉛では9.2%であった。したがって、このような材料品質のバラツキを、等方性黒鉛やC/C複合材を用いたアーマタイルの設計で考慮する必要がある。また、これらの物性値間の相関関係も、幾つかの材料で認められた。

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