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addition on decontamination of radioactive Cs in soil via heat treatment下山 巖; 小暮 敏博*; 奥村 大河*; 馬場 祐治*
Journal of Environmental Management, 397, p.128239_1 - 128239_11, 2026/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Environmental Sciences)大気条件および真空条件の両方で、放射性Csで汚染された福島土壌を熱処理し、NaCl添加の場合と比較することで、CaCl
添加の熱的土壌除染に対する有効性を調査した。CaCl
を添加した場合、大気・真空いずれの条件下でも約740
Cで95%を超える除染率が得られ、NaCl添加よりもやや高い効果を示した。風化黒雲母に吸着した非放射性Csの熱処理による除去においても、CaCl
はNaClより明確に高い効果を示した。NaClが真空条件下で土壌中の粘土鉱物に急速イオン交換(RIE)を引き起こすのに対し、CaCl
は大気条件および真空条件の両方で熱処理初期にRIEを誘起し、その後、粘土鉱物の分解と相変態を促進して放射性Csの除去に寄与することが明らかとなった。これらの結果から、CaCl
は単独でも熱処理に有効な添加剤であることが示された。

値と実測
値との誤差要因の解明宇野 功一郎*; 中尾 淳*; 奥村 雅彦; 山口 瑛子; 小暮 敏博*; 矢内 純太*
日本土壌肥料学雑誌, 94(5), p.376 - 384, 2023/10
土壌のセシウム(Cs)吸着能の定量指標としてRadiocesium interception potential (RIP)が広く用いられてきたが、このRIPが実環境でのCsの分配係数(
)と必ずしも相関しないことがわかってきた。この原因を明らかにするため、より実環境に則した溶液を用いた
測定やRIPとの比較、鉱物の構造評価を行った。その結果、カリウムイオンやアンモニウムイオンなどの競合陽イオンの濃度が重要であることや、鉱物自体の構造変化が重要であることがわかった。
五十嵐 康人*; 小暮 敏博*; 栗原 雄一; 三浦 輝*; 奥村 大河*; 佐藤 志彦; 高橋 嘉夫*; 山口 紀子*
Journal of Environmental Radioactivity, 205-206, p.101 - 118, 2019/09
被引用回数:92 パーセンタイル:66.56(Environmental Sciences)福島第一原子力発電所事故ではチェルノブイリ原発事故と異なるケイ素,酸素,鉄,亜鉛を含む放射性微粒子が発見された。この放射性微粒子は高濃度のセシウムを含むことからセシウムマイクロパーティクル(CsMP)と呼ばれることもある。またこの粒子は少なくとも2種類が見つかっており、発見された順番に、2, 3号機(放出源未確定)と1号機由来をそれぞれTypeA, TypeBと呼んでおり、Cs同位体比, 形態, 採取場所で分類されている。本レビューではこれらの背景を含むCsMPの全体像を紹介する。
奥村 大河*; 山口 紀子*; 土肥 輝美; 飯島 和毅; 小暮 敏博*
Microscopy, 68(3), p.234 - 242, 2019/06
被引用回数:11 パーセンタイル:55.82(Microscopy)2011年に起きた福島第一原子力発電所事故により環境中に放射性Cs含有微粒子(CsMP)が放出された。CsMPは事故時に原子炉内で形成されたため、その内部構造や組成は粒子形成時の炉内環境を反映していると考えられる。そこで本研究では、電子顕微鏡(TEM)を用いてCsMPの内部構造を調べた。その結果、いくつかのCsMPではZnやFe, Csが粒子内に不均一に分布していた。またCsMP内部に含有されたサブミクロンの結晶には2価鉄が含まれていたことから、CsMPがある程度還元的な雰囲気で形成されたことが示唆された。さらにCsMPにホウ素は含まれていないことがわかった。
奥村 大河*; 山口 紀子*; 土肥 輝美; 飯島 和毅; 小暮 敏博*
Scientific Reports (Internet), 9, p.3520_1 - 3520_9, 2019/03
被引用回数:49 パーセンタイル:87.35(Multidisciplinary Sciences)福島第一原子力発電所事故により放出された放射性Csの一部は、珪酸塩ガラスを主体とする微粒子(CsMP)に含まれて飛散した。そこで我々は環境中から採取したCsMPの純水及び人工海水での溶解実験を行い、CsMPの溶解挙動や環境中での寿命を推定した。その結果、純水(ただしpHはおよそ5.5)ではCsMPの半径が0.011
m/yの速度で減少するのに対し、海水中では0.130
m/yであった。海水中での速い溶解速度はpHの違いによるものと考えられる。さらに純水での溶解実験前後のCsMPを電子顕微鏡により分析すると、サイズが小さくなり、形態も変化していた。一方、海水中で溶解されたCsMPの場合は、鉄とマグネシウムに富む板状の二次鉱物が表面を覆っていた。
二瓶 直登*; 吉村 和也; 奥村 大河*; 田野井 慶太朗*; 飯島 和毅; 小暮 敏博*; 中西 友子*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 318(1), p.341 - 346, 2018/10
被引用回数:8 パーセンタイル:51.91(Chemistry, Analytical)Komatsuna (
) was cultivated in pots using non-contaminated soil and water, and the pots were arranged 30, 60, and 120 cm above the ground surface. The experiment site was located 4.5 km from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant and had an ambient dose rate of approximately 1.4
Sv/h. The radiocesium concentration in the above ground parts without washing ranged from 22 to 333 Bq/kg (dry weight). The radiocesium concentration in the washed plants was predominantly lower than in the un-washed plants. Komatsuna cultivated lower to the ground tended to have a higher radiocesium concentration. Therefore, it can be posited that radiocesium detected in Komatsuna leaves was derived from ground surface.
奥村 大河*; 山口 紀子*; 土肥 輝美; 飯島 和毅; 小暮 敏博*
Scientific Reports (Internet), 8, p.9707_1 - 9707_8, 2018/06
被引用回数:12 パーセンタイル:30.87(Multidisciplinary Sciences)主にケイ酸塩ガラスから成る放射性セシウム含有粒子(CsP)は、福島第一原子力発電所事故により放出された放射性セシウムの一形態である。廃棄物含有CsPの焼却時における化学特性影響を確認するため、本研究では加熱によるCsPの挙動を調べた。その結果、600
C以上で、昇温するごとにCsPの放射能は減少し、1000
Cに達した時にはほぼ放射能が消失したことを確認した。CsPの大きさや球状形態は加熱前後で変化はなかったが、もともと微粒子に含まれていた放射性セシウムのほか、カリウム, 塩素も消失していた。また、CsPを土壌中に混ぜて加熱した場合、CsPから脱離した放射性セシウムは周囲の土壌粒子に吸着されることが分かった。これらの結果から、廃棄物に含まれるCsPの放射能は、加熱昇温により消失する可能性が考えられる。
吉越 章隆; 塩飽 秀啓; 小林 徹; 下山 巖; 松村 大樹; 辻 卓也; 西畑 保雄; 小暮 敏博*; 大河内 拓雄*; 保井 晃*; et al.
Applied Physics Letters, 112(2), p.021603_1 - 021603_5, 2018/01
被引用回数:8 パーセンタイル:30.79(Physics, Applied)放射光光電子顕微鏡(SR-PEEM)を人工的にCs吸着したミクロンサイズの風化黒雲母微粒子のピンポイント分析に適用した。絶縁物にもかかわらず、チャージアップの影響無しに構成元素(Si, Al, Cs, Mg, Fe)の空間分布を観察できた。Csが粒子全体に分布することが分かった。Cs M
吸収端近傍のピンポイントX線吸収分光(XAS)から、1価の陽イオン状態(Cs
)であることがわかった。さらに、Fe L
吸収端の測定から、Feの価数状態を決定した。我々の結果は、サンプルの伝導性に左右されること無く、SR-PEEMがさまざまな環境試料に対するピンポイント化学分析法として利用可能であることを示すものである。
本田 充紀; 下山 巖; 小暮 敏博*; 馬場 祐治; 鈴木 伸一; 矢板 毅
ACS Omega (Internet), 2(12), p.8678 - 8681, 2017/12
被引用回数:14 パーセンタイル:38.83(Chemistry, Multidisciplinary)The possibility to remove sorbed cesium (Cs) from weathered biotite (WB), which is considered a major Cs-adsorbent in the soil of Fukushima, has been investigated by the addition of NaCl-CaCl
mixed salt and subsequent heat treatment in a low pressure. X-ray fluorescence analysis was employed to determine the Cs removal rate with elevated temperature. The structural changes and new phases formed were determined using powder X-ray diffraction, as well as electron diffraction and X-ray microanalysis in a transmission electron microscope. We found that Cs was completely removed from the specimen heated at 700
C, when WB completely decomposed and augite with a pyroxene structure was formed. On the basis of this finding, we propose the cesium-free mineralization (CFM) method, a new soil decontamination process by means of transformation of Cs-sorbing minerals to those where Cs is impossible to be incorporated, by heating with certain additives.
下山 巖; 本田 充紀; 小暮 敏博*; 馬場 祐治; 平尾 法恵*; 岡本 芳浩; 矢板 毅; 鈴木 伸一
Photon Factory News, 35(1), p.17 - 22, 2017/05
福島放射性汚染土壌のCs除染と再生利用に対して提案しているセシウムフリー鉱化法(CFM)について紹介すると共に、PFのJAEA放射光ビームラインで実施している研究について報告する。本研究では風化黒雲母(WB)からのCs脱離機構を調べるため、非放射性Csを収着させたWBにNaCl-CaCl
混合塩を添加し、低圧加熱処理前後での組成と構造変化を調べた。蛍光X線分析により塩無添加の場合でも700
Cで約3割のCsが除去され、塩添加時はほぼ全てのCsとKが除去された。一方、Caは温度と共に増加し、700
CではSiよりも多い主成分となった。さらにX線回折法、透過型電子顕微鏡による分析によりWBが普通輝石などの異なるケイ酸塩鉱物に相変化することを明らかにした。これらの結果は相変化に伴ってイオン半径の大きい1価陽イオンが排出されるメカニズムを示唆しており、我々はこれに基づいてCFMの着想に至った。また、X線吸収分光法を用いたClの化学状態分析により、塩由来のClが反応の初期段階で粘土鉱物の酸素とCl-O結合を形成しながら生成物の鉱物中に取り込まれることを明らかにした。
-XRD with synchrotron radiation甕 聡子*; 向井 広樹*; 綿貫 徹; 大和田 謙二; 福田 竜生; 町田 晃彦; 倉又 千咲*; 菊池 亮佑*; 矢板 毅; 小暮 敏博*
Journal of Mineralogical and Petrological Sciences, 111(5), p.305 - 312, 2016/10
被引用回数:18 パーセンタイル:46.42(Mineralogy)福島土壌粒子から放射能をもつ粒子を選び出し、50ミクロン程度の粒子一粒ごとに鉱物種の同定を放射光X線回折によって行った。板状の風化雲母の粒については様々な度合のバーミキュライト化されたものが見出された。ごく微粒子の塊である土壌粒子からは、長石や石英に加えてスメクタイト状の粘土鉱物が検出された。
小暮 敏博*; 山口 紀子*; 瀬川 浩代*; 向井 弘樹*; 甕 聡子*; 秋山 琴音*; 三留 正則*; 原 徹*; 矢板 毅
Microscopy, 65(5), p.451 - 459, 2016/10
被引用回数:60 パーセンタイル:95.83(Microscopy)Microparticles of radioactive Cs-bearing silicate glass emitted from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant were investigated mainly using state-of-the-art energy-dispersive X-ray spectroscopy in scanning transmission electron microscopes. Precise elemental maps of the particles were obtained using double silicon drift detectors with a large collection angle of X-rays, and qualitative elemental analysis was performed using high-resolution X-ray spectroscopy with a microcalorimetry detector. Beside the substantial elements as previously reported, Mn and Ba were also common, though their amounts were small. The atomic ratios of the substantial elements were not the same but varied among individual particles. Fe and Zn were relatively homogeneously distributed, whereas the concentration of alkali ions varied radially. Generally, Cs was rich and K and Rb were poor outward of the particles but the degree of such radial dependence was considerably different among the particles.
向井 広樹*; 廣瀬 農*; 甕 聡子*; 菊池 亮佑*; 田野井 慶太朗*; 中西 友子*; 矢板 毅; 小暮 敏博*
Scientific Reports (Internet), 6, p.21543_1 - 21543_7, 2016/02
被引用回数:154 パーセンタイル:96.23(Multidisciplinary Sciences)Cesium adsorption/desorption experiments for various clay minerals, considering actual contamination conditions in Fukushima, were conducted using the
Cs radioisotope and an autoradiography using imaging plates (IPs). An aliquot containing 0.185 -1.85 Bq of
Cs was dropped onto a substrate where various mineral particles were arranged. It was found that partially-vermiculitized biotite, which is termed "weathered biotite" (WB) in this study, from Fukushima sorbed
Cs far more than the other clay minerals (fresh biotite, illite, smectite, kaolinite, halloysite, allophane, imogolite) on the same substrate. Cs-sorption to WB continued for about one day, whereas that to ferruginous smectite was completed within one hour. The sorbed
Cs in WB was hardly leached with hydrochloric acid at pH 1, particularly in samples with a longer sorption time. The presence/absence of WB sorbing radiocesium is a key factor affecting the dynamics and fate of radiocesium in Fukushima.
向井 広樹*; 八田 珠郎*; 北澤 英明*; 山田 裕久*; 矢板 毅; 小暮 敏博*
Environmental Science & Technology, 48(22), p.13053 - 13059, 2014/12
被引用回数:123 パーセンタイル:93.63(Engineering, Environmental)福島汚染地域から採取した土壌微粒子に対しIPオートラジオグラフィーによる分析により、放射性物質を含む微粒子を抽出し、その詳細について明らかにした。微粒子のタイプは3種類あり、有機物および無機物を含む団粒構造粒子および純粋な粘土鉱物であることが分かった。これらの微粒子のTEM/SEM-EDS分析から、福島においては放射性セシウムは、主に風化黒雲母に収着していることが明らかとなった。また、収束イオンビームによる周縁部の切断と放射能量の再分析から、放射性セシウムは、その周縁部のみならず粘土鉱物中に均一に分布していることが明らかとなった。
村上 隆*; 小暮 敏博*; 門原 博行*; 大貫 敏彦
American Mineralogist, 83, p.1209 - 1219, 1998/00
アノーサイトの溶解と二次鉱物の関係を調べるため、アノーサイトの熱水条件下での溶解実験を行った。この結果、二次鉱物としてはベーマイト、ベーマイト様鉱物、カオリナイトが観察された。一方、アノーサイトの構成元素は、水溶液に溶出した。溶出元素濃度から、アノーサイトの溶解はインコングルーエンドであることがわかり、さらに、二次鉱物の生成と関係していることがわかった。アノーサイトのギブス自由エネルギーの経時変化から、二次鉱物の形成がアノーサイトの溶解を促進させていることが明らかとなった。
鈴木 洋平*; 村上 隆*; 小暮 敏博*; 磯部 博志; 佐藤 努
Mat. Res. Soc. Symp. Proc., 506, p.839 - 846, 1998/00
ウラニル鉱物はウランの壊変などに起因する性質やpH,Eh依存性などにより、それが形成した地球化学的条件や年代などの重要な情報をもたらす。本研究では、サレアイト(Mgウラニルリン酸塩)とメタトーバナイト(Cuウラニルリン酸塩)の形成過程に関する結晶化学的条件について報告する。サレアイトは、室温または30
Cで湿度によって可逆的に水和と脱水が起こる。電顕観察によると、サレアイトとメタトーバナイトはそれぞれ独立に形成されたと思われる。結晶層間の水分子とMg,Cu間の距離は10%以下しか違わないが、局所的な構造の違いによりこれら2つの鉱物は別の層として形成し、複合層や固溶体を作らない。この結果から、他のウラニルリン酸塩についても同様に固溶体や複合層の形成は起こらないものと思われる。
下山 巖; 本田 充紀; 小暮 敏博*; 岡本 芳浩; 馬場 祐治; 平尾 法恵*; 塩飽 秀啓; 矢板 毅; 鈴木 伸一
no journal, ,
福島環境回復における問題の一つに放射性汚染土壌の減容化があり、そのために汚染土壌のCs除染と再利用が求められている。我々は非放射性
Csを飽和収着した風化黒雲母をモデル土壌とし、NaCl-CaCl
のアルカリ混合塩と共に低圧環境下で加熱処理を行い、構造と組成分析を行ったところ、700
CでCsは100%除去され普通輝石が主に形成されたことを明らかにした。普通輝石の結晶構造ではイオン半径の大きいCs
イオンが取り込まれないため排除されるというモデルに基づき、土壌除染と再利用を可能にするCsフリー鉱化法について提案する。Csフリー鉱化法における反応の詳細を調べるため我々がSPring-8とPhoton Factoryで実施している放射光X線吸収分光法(XAFS)を用いた研究成果についても紹介し、多元素系である鉱物の化学状態分析に対するXAFSの有効性を示す。また高輝度放射光による今後の研究展望についても述べる。
渡邊 克晃*; 山本 祐平; 青才 大介; 水野 崇; 竹野 直人*; 小暮 敏博*; 鈴木 庸平*
no journal, ,
花崗岩体深部におけるコロイドの働きは物質移動を議論するうえで重要であるが、コロイドの採取と分析の困難さからその特性は明らかでない。本研究では地下水中のコロイドの鉱物学的な特性の把握を目的として、花崗岩中に掘削されたボーリング孔から得られた地下水(深度650, 1150m)を嫌気状態で限外濾過(孔径10kDa)し、濾過膜を収束イオンビーム法で超薄片に加工した試料について分析を行った。透過型電子顕微鏡観察から、非晶質鉄酸化物の凝集体及び赤鉄鉱の微結晶がSiを伴って析出していることがわかった。本研究の結果を鉱物学的・地球化学的に解釈すると、確認されたコロイドはボーリング孔掘削時にFe(II)が酸化されることにより形成された可能性があること、Fe-Siコロイドは形成後数年間は安定であることが示された。本研究は原子力安全・保安院「平成22年度地層処分にかかわる地質評価手法等の整備」の予算の一部を利用して実施した。
下山 巖; 本田 充紀; 小暮 敏博*; 馬場 祐治; 平尾 法恵; 岡本 芳浩; 矢板 毅; 鈴木 伸一
no journal, ,
福島における放射性汚染土壌のCs除染に対し、我々は低圧昇華法を提案している。本研究では粘土鉱物からのCs脱離機構を調べるため、非放射性Csを収着させた風化黒雲母(WB)にNaCl-CaCl
混合塩を添加し、低圧昇華法による処理前後での組成と構造変化を調べた。蛍光X線分析により塩無添加の場合でも700
Cで33%のCsが除去され、塩添加時は100%のCs除去率が得られた。また、WB中のKもCsと共に減少し、塩添加時は99%のKが除去された。一方、Caは加熱温度と共に増加し、700
CではSiよりも多い組成比を示した。X線回折法による分析ではWB由来の反射が700
Cで完全に消滅し、新たな反射が多数観測された。したがって、これらの結果はWBがCaを含有する何らかの珪酸塩鉱物に変化したことを示唆している。そこで処理後の生成物を透過電子顕微鏡により解析し、主要な鉱物として普通輝石が形成されたことを明らかにした。我々はこれらの結果に基づき、粘土鉱物が別の鉱物に変化する際にイオン半径の大きい1価の陽イオンが排出されるメカニズムを利用して、粘土鉱物からCsを除去するCsフリー鉱化法のアイデアを提案する。
山本 祐平; 青才 大介; 水野 崇; 渡邊 克晃*; 小暮 敏博*; 鈴木 庸平*
no journal, ,
コロイドは元素のキャリアとして重要な役割を持つが、地下水中のコロイドに関する研究は、回収・分析手法の問題のために、例が少ない。本研究は地下水中のコロイドの化学的特徴を把握するための手法開発を目的とした。地下水は瑞浪超深地層研究所内の2つのボーリング孔より採水し、被圧・嫌気状態を保持したまま限外ろ過を行う手法を用いてコロイドを回収した。電子線,赤外線,X線を利用した分光分析を用いてコロイドの化学的特性を分析した。その結果、本研究の手法を用いることでコロイドに含まれる元素の組成,元素の化学状態,有機物の特性の把握が可能であることが示された。またコロイド中の鉄の化学状態を詳細に分析することで、ボーリング孔掘削時の人為的影響の程度を評価できることも示された。本研究で開発した手法はコロイドの化学的特性の把握に関して有効である。