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小山 岳秀*; 尾崎 穣*; 上田 光一*; 水戸 毅*; 小原 孝夫*; 和氣 剛*; 田畑 吉計*; 道岡 千城*; 吉村 一良*; 鈴木 通人; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 81(Suppl.B), p.SB008_1 - SB008_5, 2012/12
被引用回数:1 パーセンタイル:10.8(Physics, Multidisciplinary)最近、結晶構造においてある空間軸に対して反転対称を示さない超伝導体の超伝導相が奇妙な性質を示すことから盛んにその起源やその物性を明らかにすべく盛んに研究が行われている。本論文では、反転対称性の欠如した超伝導体MoAlCについて、正常相において実施されたAl-NMRと比熱測定の結果を報告する。本研究によって観測された核スピンエコーのピークの変化から、超伝導転移温度より高温で相転移が起こっていることが明らかとなり、また、スピン-格子緩和時間の変化から相転移後に伝導電子密度が減少していることを観測した。さらに、第一原理計算によって電子状態の詳細な解析を行うことで正常状態を不安定化するフェルミ面ネスティングの存在を明らかにし、新規秩序相発現機構との関連性を議論した。なお、本研究の成果は、物質の高精度な物性予測を実現するための計算手法の開発の一環として実施されており、原子力物性材料研究の進展にも寄与する成果である。
小山 岳秀*; 尾崎 穣*; 上田 光一*; 水戸 毅*; 小原 孝夫*; 和気 剛*; 田畑 吉計*; 道岡 千城*; 吉村 一良*; 鈴木 通人; et al.
Physical Review B, 84(21), p.212501_1 - 212501_4, 2011/12
被引用回数:12 パーセンタイル:44.66(Materials Science, Multidisciplinary)低温で電荷密度波(CDW)転移を起こす遷移金属化合物の中には、CDW相においてさらに超伝導転移を起こす物質があることが知られているが、理論的にはこれら2つの相は競合関係にあるため、その発現機構は単純ではなく、高い関心を集めている。本論文発表では、実際、遷移金属化合物MoAlCは9Kという低温で超伝導転移を起こすことが知られているが、兵庫県立大学のNMR実験グループを中心に行われたAl-NMRにおける緩和時間の測定や比熱の測定の結果に基づくと、130K付近でCDW転移と考えられる相転移が発現し、さらに、その相転移によって状態密度が大きく減少することを見いだした。また、第一原理計算によって計算された正常相のフェルミ面構造から、CDW不安定性を引き起こすと考えられるネスティング機構とCDW転移に伴うフェルミ面消失を議論した。この研究成果により、遷移金属化合物におけるCDW・超伝導競合状態に関する研究が大きく進展すると考えられ、超伝導の新しい発現機構の解明に繋がる一方、こうした知見を蓄積することで、原子力分野での物質材料研究の新たな側面の開拓も可能になる。
佐々木 憲明; 石川 博久; 出光 一哉; 新井 隆; 広瀬 郁朗; 宮原 要; 芦田 敬; 大井 貴夫; 小原 幸利*
PNC TN8420 88-005, 96 Pages, 1988/07
[目的]現状提案されているガラス固化体の浸出モデルを総括し、モデル間の比較、評価及び妥当なモデルの選定を行い、PNCの従来の浸出データの整理及び今後の浸出試験の計画作成に反映させる。[方法]浸出モデルに関する文献を抄訳し、それを取りまとめる。[結果]ガラス固化体の浸出挙動を予測するモデルとしては、(1)固化体からの核種の拡散による浸出を考慮したモデル、及び(2)固化体から浸出した核種の溶解度による浸出の抑制を考慮したモデルに大別される。このうち、短期的試験で得られるデータから長期的浸出挙動を予想できるモデルは、後者のGrambowモデルが唯一である。このモデルで、アクチニドの浸出挙動を予想する場合、アクチニドの溶解度データを取得することが必要であり、今後の課題として残されている。PNCの浸出データを評価するためには、Grambowモデルが適切と考えられ、その実施にはPHREEQE等の地球化学コード及びアクチニド等の熱力学データの取得、整備が必要と結論される。