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吉田 一雄; 横林 正雄; 田辺 文也; 川瀬 勝美*; 古宮 明敏*
JAERI-Data/Code 2001-023, 118 Pages, 2001/08
JACOSは、原子力発電所の異常時における運転員の認知行動と原子炉系の挙動が影響を及ぼし合ったマンマシンシステムの挙動を模擬する計算機シミュレーションシステムである。マンマシンシステムの評価に際して、運転員の認知行動とそれに影響を受けた原子炉系の挙動に関する詳細な情報の提供を目的とする。シミュレーションシステムは、動的に結合された運転員モデルと原子炉モデルから成る。前者では、AI手法の一つである「黒板」モデルに基づく分散協調推論手法を用いた。異常への対応のための認知行動は、Rasmussenの梯子モデルを参考にした。ルールベース行動は、If-Thenタイプルールの知識表現を用いてシミュレーションした。また、知識ベース行動を模擬するために機能的知識を多層流れモデル(Multilevel Flow Modeling)で表現し、それを定性理論で探索する方法を開発した。さらに、認知特性として短期記憶での容量の限界と減衰,注意の狭窄,知識の想起の特性をモデル化した。また、原子炉モデルは、詳細熱水力解析コードRELAP5/MOD2を核として開発した。本報告書は、JACOSのマニュアルとして、第1部には両モデルの説明,第2部には、プログラムのインストールの手順,運転員モデルの知識の作成方法,シミュレーションの実施手順,結果の分析方法,第3部ではシミュレーション実行例について記す。